次にくる住みたい街はここだっ! ~立川編~

公開日 2015年03月25日
次にくる住みたい街はここだっ! ~赤羽編~

東京都の中央部に位置する立川市。駅前にはデパートをはじめとするショッピングスポットが集まり、かねてより多摩エリアに住む人たちにとって「都心への玄関口」「買い物や遊びに行く街」として発展してきました。一方で、豊かな水量を誇る玉川上水が流れ、水と緑にも恵まれた都市として知られています。

そんな立川ですが、街に対する注目度も上がってきている模様。関東に住む人を対象にした「住みたい街ランキング 2015 関東版(リクルート住まいカンパニー調べ、以下同)」では、「今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」と思う駅のランキングで立川駅が12位に。さらに、「不動産のプロがおススメする街ランキング 2014  関東版」では総合6位に登場しているのです。

じつは立川は、駅前を中心に大規模な再開発が行われており、より暮らしやすい街へと変化しているそうなのです。これは、今後さらに人気が高まるポテンシャルを秘めているかも……。 というわけで、立川を徹底取材し、魅力とされるゆえんを探ってみました。

そもそも、立川ってどんな街なの?

立川といえば商業や文化、さらにはアクセスまで、さまざまな点で多摩地区の中核をなす都市。まずはその特長を、ざっくりとまとめてみました。

  • ●面積は24.38km2(東京ドーム約530個分)。人口は約17万9000人で、ファミリー層からシニアまで幅広い人が暮らしている。周辺地域には一橋大学や中央大学、国立音楽大学などのキャンパスがあり、学生も多数。
  • ●主要路線はJR中央線・青梅線・南武線。さらに、多摩都市モノレールも利用できる。新宿駅まで中央線特別快速で最短26分、南武線で川崎駅まで約1時間と、それぞれ乗り換えなしで都心と神奈川方面にアクセス可能。多摩都市モノレールはサンリオピューロランド最寄りの「多摩センター駅」から、美しい景観を楽しめる多摩湖や西武ドームにも行きやすい「上北台駅」まで、多摩地区を南北に移動できる。
  • ●ルミネやグランデュオ、エキュートなどのほか、伊勢丹や高島屋などの大型デパート、ビックカメラなどの商業施設が駅前にコンパクトにまとまっている。徒歩10分の場所には「IKEA立川」もあり、2015年には立川駅から多摩都市モノレールで2駅の「立飛駅」最寄りに、約240のショップが入店する「ららぽーと立川立飛(仮称)」がオープン予定。
  • ●立川駅北口には米軍基地跡地の再開発で完成した、企業のオフィスが集まるエリア「ファーレ立川」も。36カ国92人のアーティストが手掛けた109点のパブリックアートがある。
  • ●「国営昭和記念公園」は東京ドーム約40個分の広大な敷地で自然を満喫できる。自然探訪ツアーをはじめ、もちつき体験や公園撮影会など、大人も子どもも楽しめる多くのイベントが、年間を通して開催される。
  • ●駅直結、地上32階建てのタワーマンション「プラウドタワー立川」が2016年7月に完成予定。坪単価324万円と高額ながら全292邸が早期に完売したことでも話題に。低層階には家電量販店などの商業施設も入居する。また、立川駅徒歩4分の場所に、DINKS・単身者向けのマンション「ルジェンテ立川」も今年1月に竣工。総戸数は27戸で全室角部屋の1LDKという間取りをはじめ、エントランス・エレベーター・玄関の3カ所に鍵が必要となる「トリプルセキュリティー」の安心感も評価され、単身女性からも注目されている。多様な暮らしに寄り添った住環境の整備が進んでいる模様。
  • ●自治体が提供する女性向けサービスも豊富。市内にある2つの「泉市民体育館」と「柴崎市民体育館」では、ヨガやピラティスといったスポーツ講座が充実している。また、立川市が掲げる男女共生社会推進のもとに、社会で女性がより活躍する後押しになるようにと、育休明けの準備やプチ起業、リーダーシップの開発などテーマにした講座も多数開催中。

なお、立川市の家賃相場は以下の通り。

[アパート]1K・1DK 5万5000円
[マンション]1LDK・2K・2DK 8万100円

同路線のターミナル駅である新宿と比較すると、新宿はアパート1K・1DKで6万7000円、マンション1LDK・2K・2DKで16万7900円と、マンションにいたっては倍以上異なります。(SUUMO賃貸・家賃相場2015年2月25日時点)。都心並みに充実した商業施設に恵まれていながら、かなり割安。リーズナブルに暮らせる街といえそうです。

では、さっそく街を散策してみましょう。

立川駅
たくさんの人でにぎわう立川駅。乗車人員数はJR東日本の駅のなかで15位(2013年度)。駅直結の「ルミネ立川店」、総菜やスイーツをはじめ女性にうれしい雑貨店もそろう「エキュート」など買い物も便利
歩行者と車道を分離するために設けられたペデストリアンデッキ
歩行者と車道を分離するために設けられたペデストリアンデッキは、モノレールの駅やデパートまで続いている。その距離500m以上にもわたるとか。さらに、2016年11月には、歩行者がより回遊しやすくなるよう西側につづく新自由通路も竣工予定
IKEA立川
ペデストリアンデッキを北口に真っ直ぐモノレールの立川北駅方面に向かい、地上に降りて直線で歩くと「IKEA立川」(左奥)にたどり着く。さらに、IKEA立川をさらに左折すれば「国営昭和記念公園」が一帯に広がっている
伊勢丹、高島屋
駅からすぐの大型デパート「伊勢丹」と「高島屋」が至近距離に立ち並ぶ。都心に負けないショッピング環境も大きな魅力
パブリックアート
立川では「まち全体が美術館」をテーマに街とアートの融合が進行中。写真は、「ファーレ立川」のエリアにある109点のパブリックアートのひとつ「会話」(ニキ・ド・サンファル作)。ほかにも歩道やビルの壁面など、街のいたるところにアートを発見できる
プラウドタワー立川
駅前に建設中のマンション「プラウドタワー立川」。低層階には商業施設も入居予定とか。西側からは富士山も眺められるそう

大人と子どもの”Fun(楽しいこと)”を創出する街へ

商業施設の多さから生活利便性の高い立川ですが、休日を楽しむプレイスポットや住人同士のコミュニティを育むスペースも充実しています。

例えば立川駅近くには、約180haの「国営昭和記念公園」があります。もともと、旧米軍立川基地だった場所の一角を整備し、昭和58年に開園。多摩エリアを象徴するスポットとして知られており、毎年380万人もの人が訪れているそう。とくに、年に数回の無料入園日には、多くの人でにぎわうようです。

園内は「みどり」「森」「水」「広場」「展示施設」など、それぞれのテーマをもとに5つのエリアに分かれており、9つあるプールやバーベキュー場をはじめ、野外ライブやスポーツ教室が実施されるスペースも充実。ほかにも、総延長14kmのサイクリングロードやドッグラン、武蔵野の農村風景を再現した「こもれびの里」では、昭和30年代の暮らしや文化を再現した展示を観賞することができます。

国営昭和記念公園
春夏秋冬で自然の美しさを感じることができる「国営昭和記念公園」。昭和天皇御在位五十年記念事業の一環として「緑の回復と人間性の向上」をテーマにつくられた(画像提供:国営昭和記念公園)

また、スポーツエリアでは、フランスが発祥の球技「ペタンク」や輪投げのように馬蹄を投げる「ホースシューズ」といったスポーツを楽しめるエリアもあり、世界の珍しいスポーツをプレイすることができます。さらに、2013年からは、行列ができる店や予約がとれない人気店を集めた食のイベントも開催され、話題を集めました。また、大地震や災害時の広域避難場所としての機能も併せ持っています。

雲の海
中学生以下専用の遊具「雲の海(フワフワドーム)」。名前の通り、真っ白な雲のような膜状のトランポリンで、すべったり跳ねて遊んだりできる。大人気の遊び場として多くの子どもたちが利用している(画像提供:国営昭和記念公園)

さらに、立川駅南口から徒歩10分ほどのところには「子ども未来センター」があります。市民のにぎわいが生まれる場にしようと、旧立川市役所を改修し、2012年に誕生。地域活性化の拠点として活用されています。

立川市子ども未来センター
官民パートナーシップ事業の一環で新たに誕生した「立川市子ども未来センター」。立川市が旧市庁舎の改修工事・維持管理運営を、指定管理者として実施する民間企業を公募。現在、合人社計画研究所グループという民間企業グループによって運営されている

子ども未来センターの利用用途は「子育てや教育相談の窓口」「市民団体によるプログラムやイベントの実施」「施設貸出」「立川まんがぱーく」などさまざま。

なかでも、大人から子どもまで人気なのが施設内にある「立川まんがぱーく」です。大きな窓から陽光が注ぎ込む開放感たっぷりの空間には、約4万冊の漫画を収蔵。15歳以上の大人400円・小中学生は200円と格安利用料で、平日は10時から19時(土日祝日は20時)まで、1日中滞在することができます。

「立川まんがぱーく」を提案、現在も運営を担当している、合人社計画研究所の福士真人さんは、「これまで立川を舞台にした漫画やアニメは多くあり、これまでもアニメに絡めたイベントが多数催されていたことから、こうした施設が受け入れやすかったのかもしれません」と振り返ります。現在ではプロの漫画家さんを招き、小学生から中学生を対象に漫画の描き方講座なども実施しているそうです。

取材に訪れた日は平日にも関わらず、100名近くが来場していました。平日の割合は大人8割、子ども2割くらいなのだとか。3月からは平日限定で3カ月間のお得な入館パスポートも発売しており、ますますファンが増えそうです。

立川まんがぱーく
昭和の民家をコンセプトにした、畳と木目を基調とした柔らかい色使いの空間で、とても明るい雰囲気。靴を脱いで寛げるので、押入れに寝転がったり、ベンチに腰かけたりと思い思いの自由な読み方で漫画や雑誌を楽しめる

「街をよくしたい」地元への愛着が活気を生む

“街のにぎわい”を生むための仕掛けはほかにもあります。立川市子ども未来センターでは地域の市民活動団体が企画した多種多様なプログラムが毎月20種類近く実施されています。立川市の場合は”市民主体”であるというのがキモ。公共施設を拠点に、市民が市民に向けて交流や学びの場を提供するという点がユニークです。

“市民活動コーディネーター”として、こうした活動を行う市民団体をサポートをしている株式会社studio-Lの落合祥子さんにお話しを伺いました。

「最近徐々に参加者が増えているイベントのひとつに、子ども未来センターの芝生広場で2カ月に1度実施される『オトナリ at たちかわ』というフリーライブがあります。音楽ライブを実施したあとに、近隣の飲食店でのお得な特典も用意されているというものですが、参加者同士、さらには飲食店ともつながれるため、リアルなコミュニティができるイベントです。ほかにも、パパ同士がお酒を交えながら子育てについてざっくんばらんに語らう『パパノセナカ~男対話~』、日ごろから持ち歩く防災グッズについて考える『ライフポーチを作ろう』など、市民活動団体の皆さんのアイデアで、さまざまなプログラムが実施されています」(落合さん)

また、2014年3月には立川のライフスタイルにまつわる記事を配信している、地域密着型WEBマガジン「立川新聞」がスタート。「立川に惚れ!人に惚れ」をコンセプトに立川エリアのイベントや新店情報などを取材しています。編集長・戸田裕二さんは、東日本大震災後に地域とのつながりの重要性を感じ、広告代理店の社長をするかたわら、立川新聞を立ち上げたのだそう。ご自身も立川に住んで20年、街の魅力について次のように話してくれました。

「街をよくしたい、活気づけたいと考えている人がすごく多いのも立川の魅力だと思います。立川の人たちは、地元で何か活動したいと考えている人に対して、とても協力的な雰囲気なのを感じますね。地域のコミュニティも結びつきが強くて、住む人にとって実りある街にしたいと思っている人が多いのだと思います」(戸田さん)

街の設備やインフラといったハード面と、そこに住む人々が生み出すイベントやそれに伴うコミュニティなどソフト面の充実。その両面がバランスよく備わっている点も、立川の人気をじわじわと押し上げている要因なのかもしれません。

立川新聞編集長の戸田裕二さん(左)落合祥子さん(右)
立川新聞編集長の戸田裕二さん(左)は記者として取材先に足を運ぶことも。落合祥子さん(右)は、ご自身も立川に住む人や働く人たちによって結成されているジャズバンドに所属、立川の飲食店で定期的にライブを行っているそう

多様なライフスタイルに合わせて住環境も変化

一方、住環境の変化も見逃せないポイント。冒頭でご紹介した駅前の大規模タワーマンション「プラウドタワー立川」や、DINKS・単身者向けのマンション「ルジェンテ立川」を筆頭に、さまざまなタイプの住宅設備が相次いで誕生。幅広い世代、ライフスタイルを受け入れる環境が整いつつあります。

昨年9月に子ども未来センターの真向かいにベーカリーカフェ併設型という新しいライフスタイルを提供してくれるソーシャルアパートメント「NEIGHBORS 立川」がオープン。ラウンジやキッチンといった入居者が集えるスペースを備えつつも、個々のプライバシーはしっかり確保。シェアハウスとアパートのいいとこ取りをしたような、ハイブリッドな住宅です。

最大の特長は、シングルの男女にとって見逃せない「食の提案」に特化している点。1階には表参道の人気ベーカリーとコラボしたテラス付きのオシャレカフェ「NEIGHBORS BRUNCH with パンとエスプレッソと」があります。1カ月の家賃にはカフェの利用料金1万2000円も含まれているというからおトク。住人同士のたまり場としても利用されています。

ソーシャルアパートメント
ソーシャルアパートメントという新しいスタイルの住宅が立川に誕生。住人同士、また地域の人たちとも繋がれるのが魅力
ソーシャルアパートメント
店内奥の工房でつくる自家製パンが人気。朝はモーニング、昼はワンプレートランチ、夜はワインを片手に夕食などさまざまな使い方ができる

ますます進化中!都心から人を集めるポテンシャルをもつ立川

デパートをはじめとする数多くの商業施設がそろい都会的な雰囲気をもちながらも、国営昭和記念公園の豊かな自然環境もある立川。「ショッピング」「施設」「自然」など、あらゆる年代の人たちが満喫できるスポットをバランスよく兼ね備え、都心に行かなくても立川だけでライフスタイルが完結できるというほど、成熟した街へと進化していました。最近はそうしたスポットめがけて、逆に都心から人が訪れているほどです。

すでに優れた住環境をもつ立川ですが、その進化はまだ道半ば。今後のさらなる変化から目が離せない街のひとつといえるのではないでしょうか。

取材・文:末吉陽子(やじろべえ) 撮影:古末拓也

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