国内最大規模を誇るターミナル駅『新宿』。2019年の住みたい街ランキングでは5位に、2020年は7位にラインクインしています。2021年のランキングでは昨年と同様7位に選ばれ、安定した人気を見せました。
JR線・京王線・小田急線・東京メトロ・都営地下鉄大江戸線など、多くの路線が乗り入れる新宿駅。JR東日本による1日の平均乗車人員ランキングでは、1999年度~2020年度まで22年連続で1位を獲得しています。新宿駅西口には路線バスのロータリーがあり、どこへ行くにも便利な環境です。南口には大型交通バスターミナル『バスタ新宿』があり、地方と東京を結ぶ拠点にもなっています。
新宿はビジネス・教育・観光・商業・娯楽など、さまざまな都市機能を持っているのも特徴です。大手企業のオフィスも多く、特に西新宿エリアは高層ビルが立ち並ぶビジネス街になっています。工学院大学や東京医科大学をはじめ、教育機関も充実。新宿区の専門学校数は23区トップクラスで、新宿駅の周辺にも、服飾やコンピュータ関連といったさまざまな専門学校が点在しています。
百貨店や駅ビル、地下街など、新旧の大型商業施設がそろう国内有数のショッピングタウンでもあり、観光スポットやエンターテインメント施設も豊富。国内外からの観光客も多数訪れます。オン・オフを問わず、多様な人が集う街と言えるでしょう。
近年では渋谷や池袋で再開発が進められていますが、新宿も例外ではありません。2020年3月には西新宿エリアに『Dタワー西新宿(Dマークス西新宿タワー)』が竣工。地上29階、地下2階建てでオフィス、レジデンスのほか、1カ月から滞在可能な家具・家電付きのサービスアパートメントも入っています。また、隣接する『東京医科大学病院』は2019年7月に全面建て替えを完了。地上20階・地下2階の新大学病院が開院しました。
三角柱のような形をしていることから『三角ビル』の愛称で親しまれてきた西新宿の『新宿住友ビル』も昨年6月に改修を完了。ビル周囲の広い空間を活かし、低層部に約2000人を収容できる屋内空間『三角広場』を新設しました。人出が少ない休日のオフィス街で、新たなにぎわいの場となることを目指しています。また、災害時には帰宅困難者の一時滞在施設としても利用可能。非常用発電機や防災備蓄倉庫も備えています。
一方で、昨年10月には『ヤマダ電機LABI新宿東口館』が閉店。大型の街頭ビジョンがシンボルで、2010年のオープン以来、存在感を示してきました。今後、跡地がどう活用されるのか注目が集まります。
2022年秋には、歌舞伎町に『新宿TOKYU MILANO』が完成予定。高さ225mの、歌舞伎町地区で最も高いビルとなります。ホテル・劇場・映画館・ショップなどが入り、大型複合施設には珍しくオフィスや住宅が入る予定はありません。エンターテインメントとホテルを軸とした複合施設となる予定です。
西新宿五丁目エリアでは、オフィスや住宅から構成される大型複合施設が2023年に竣工予定。また、新宿駅西口広場に隣接する西新宿一丁目エリアでは、2025年の竣工を目指し、地上23階・地下4階の複合施設の建設計画が進行中です。
西新宿三丁目エリアでは、2029年の完成を目指して再開発計画が始動。高さ235m、地上65階のツインタワーマンションが建つ計画で、国内の分譲マンションとしては最高層・最高階数となる見込みです。
現在、2040年代に向けて『新宿グランドターミナル構想』が動き出しています。新宿はこれまで、駅ビルや、駅周辺の建物の老朽化、多くの路線が複雑に入り込むことによる駅の迷宮化などが課題とされてきました。この構想では新宿駅・駅前広場・駅ビルなどの一帯を再編整備し、動線のわかりやすい、人を中心とした街づくりを推進します。
JRの線路上空に駅東西を結ぶデッキをかけ、歩行者の新たな動線を確保。東口・西口の各駅前広場には人が集える滞留空間もつくられます。
2040年代の完成を目指し、JR新宿駅直結のLUMINE ESTが入るビルと、小田急百貨店・新宿ミロードが入るビルの建て替え計画も進められています。どちらも高さ約260mの大規模複合ビルとなる予定で、ツインタワーが完成すれば東口の雰囲気ががらりと変わりそうです。
都会的な印象の新宿ですが、豊かな自然や観光スポットもたくさんあります。西新宿の高層ビル街にある『新宿中央公園』は、新宿区の公園の中でもトップクラスの面積。休日のフリーマーケットなど、イベントも盛んです。園内各所には池や噴水があり、夏場には子ども用の水遊びスポットも設置されます。2020年には芝生広場がリニューアルし、鑑賞用の『魅せる芝生エリア』も新設されました。
58.3haの面積を誇る『新宿御苑』は1949年に一般公開を開始した国民公園。木々の間から高層ビルが顔をのぞく、都心部ならではの光景が印象的です。日本庭園・整形式庭園・風景式庭園の3つの庭園や、歴史的な建造物も見ることができます。
入館無料で絶景を楽しめる『東京都庁』も新宿の代表的なスポットです。都庁の第一本庁舎は上階から南北2つのタワーに分かれ、それぞれ45階に展望室が設けられています。地上202mの高さから望む景色は圧巻。空気が澄んだ晴れた日には富士山が見えることもあります。
歌舞伎町一丁目にある『花園神社』は、新宿の総鎮守として古くから街に根付いてきた神社です。四季折々のさまざまな行事が催され、毎年5月には『例大祭』を開催。表の年(西暦偶数年)と陰の年(西暦奇数年)で内容が異なり、表の年では本社神輿と雷電神輿の二基が新宿の街を練り歩きます。11月に行われる『酉の市』は江戸三大酉の市の一つとされ、来場者数は60万人以上。熊手を扱う露店が居並ぶほか、日本で最後の見世物小屋も楽しめます。
花園神社のすぐそば、ディープな雰囲気が漂う『新宿ゴールデン街』は、外国人観光客も多く訪れる人気のスポット。狭い区画に2~3階建ての木造長屋が連なり、約280もの飲食店が密集しています。こぢんまりとした店が多く、店ごとの個性も豊か。作家や映画監督、俳優など多くの文化人が通っていたことでも知られています。
東京を代表する街だけに、家賃相場はやや高水準。家賃相場は、駅徒歩10分以内、築10年以内の賃貸マンションの場合、ワンルームで11.75万円、1Kでは13万円、1LDKでは22.2万円、2LDKでは29.5万円です。賃貸アパートは築年数を問わない徒歩10分以内の1Kで9.2万円になり、少し相場が下がります。
遊ぶ場所、働きに出る場所というイメージの強い新宿ですが、新宿駅から少し離れると住みやすい場所もあります。下町のような雰囲気が残る西新宿5丁目周辺には住宅街があり、住みやすく家賃も比較的お手ごろ。都営地下鉄大江戸線・西新宿五丁目駅もあるのでアクセスも良好です。
オペラシティや新国立劇場のある初台エリアは、新宿駅から京王新線で一駅。徒歩でも20分程度です。大通り沿いは交通量が多いですが、1本路地に入ると落ち着いた住宅街が広がります。飲食店も多く、商店街もあるため生活にも便利です。
新宿御苑エリアはマンションが多く、豊かな自然が楽しめるほか飲食店も充実しています。家賃は高めの傾向にありますが、新宿三丁目や新宿駅方面にも徒歩ですぐに行ける、利便性の高いエリアです。
都内屈指の大都市で、どこへ行くにも便利。グルメやショッピング、エンターテインメントも思う存分楽しめます。街の変化や刺激を感じられる一方で、緑や歴史に触れてリフレッシュすることも可能。家賃相場は高めですが、それだけの価値を十分に感じられるのではないでしょうか。
JR・私鉄各線の乗車人員No.1。『バスタ新宿』開業で地方と東京を結ぶ拠点に
ビジネス・教育・観光・商業・娯楽など、さまざまな都市機能を持つ
2020年は西新宿を中心に再開発が加速。今後は駅前や歌舞伎町などで開発予定
2040年代へ向けて『新宿グランドターミナル構想』が進行中、動線もわかりやすく
観光スポットが多く、『新宿御苑』や『新宿中央公園』など、緑も豊か
都会の魅力を満喫しつつ、初台や新宿御苑エリアなど、落ち着いた暮らしも可能
【調査対象物件】賃貸マンション/駅徒歩10分以内、築年数10年以内、賃貸アパート/駅徒歩10分以内、築年数の設定なし(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【データ抽出期間】2020/11~2021/1
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している