昨年の4位から6位へと順位を下げたものの、根強い人気を誇るのが阪急神戸線「岡本」(神戸市東灘区)だ。岡本は特急停車駅で神戸三宮までわずか8分、梅田までも25分。人気の住宅街としてのブランド力も保ちながら、生活利便性にも優れているのが特長で、特にDINKS世帯や女性からの支持が高い。
駅前にはロータリーやバスターミナルもなく、車があまり入ってこないため落ち着いた雰囲気。駅舎自体もとてもこぢんまりとしている。駅南口からは石畳の街路とオシャレなショップが並ぶ岡本商店街が続いているが、この街並みは1988年に制定された岡本地区まちづくり協定により、地元の人たちの努力によってつくりあげられてきたもの。2016年には「屋外広告物ルール&ガイドライン」が変更され、景観維持のための活動も積極的に行われている。
岡本駅の周辺は阪急神戸線とJR神戸線が最も近接しているエリアでもあり、岡本駅から南側へゆるやかな傾斜を下ると、JR摂津本山駅まで徒歩で5~6分で到着する。周辺にはベーカリーショップやカフェなどが並んでおり有名なケーキ屋さんも多い。これも女性に人気が高い理由だろう。東西には山手幹線道路が整備され、道沿いにもオシャレな店舗やマンション供給が増えている。
逆に駅の北側へ向かうと六甲山方面に少しきつい勾配が続き、斜面に沿うように邸宅や低層マンションが広がり、古くからの住宅街に出る。なお、このあたりの邸宅街の歴史は、美しい梅林で知られる阪神間の別荘地として富裕層が居を構えたことから始まったとされている。駅からすぐ近くの岡本南公園は別名「桜守公園」とも呼ばれ、珍しいササベザクラをはじめとして美しい花を咲かせてくれる。ちなみに、山側には甲南大学、神戸薬科大学、甲南女子大学などのキャンパスも点在「学生の街」という顔ももっている。
家賃相場について見ると、賃貸マンションでは1K・1DKで平均5万3000円、1LDK・2K・2DKは7.8万円、2LDK・3K・3DKは9.8万円。また、新築分譲マンションの購入価格は、4380万円~、中古マンションは550万円~となっている。(SUUMO掲載情報より抜粋、2017年7月9日時点)
建築協定に守られ落ち着いた雰囲気の街並みが魅力的な岡本。今後も人気を維持しそうだ。