長押(なげし)って何? 鴨居との違いは? 長押の上手な活用方法

公開日 2019年10月08日
長押(なげし)って何? 鴨居との違いは? 長押の上手な活用方法

和室の壁によくある、長押(なげし)というハンガーなどをつるせて便利な木の板。この長押にはどんな役割があるのだろうか? 長押があると壁面が有効に使えるため収納にも便利だが、どのように活用されているのか? 取り付け方は簡単なのか? など、長押の可能性に迫る。

長押(なげし)と鴨居の違いとは?

長押とは?

長押とは、和室の壁面をぐるりと囲む化粧部材で、開口部のすぐ上にある長押は内法長押(うちのりなげし)と呼ばれており、この部分を一般的に長押と呼んでいる。元々は柱を固定するための構造材としての役割があったが、工法の変化・発展によりその役割がなくなったものの、書院造りの装飾要素として残り、今でも和室には欠かせないものになっている。

本来は化粧部材である長押だが、長押の上部の出っ張った部分にハンガーなどをかけたり、長押フックを使って帽子やバッグをかけたり、長押の上に写真や絵を立てかけて飾ったりと、壁面を有効に活用することができるのが魅力だ。

長押
襖(ふすま)や障子などの引き戸を滑らせるために溝がある鴨居の上部に長押がある。長押は書院造りに取り入れられているが、茶室では用いられないことから、数寄屋造りでは省略される(SUUMO編集部で作成)

鴨居とは?

長押と混同しやすい部位に鴨居(かもい)がある。鴨居とは、和室の襖や障子などの建具を立て込むために上部に取り付けられた横木のこと。建具を滑らせるために溝がついており、襖や障子など引き戸を開閉させるために重要な役割を担っている。下部に同様に取り付ける敷居と対になっている。

鴨居の上部に長押があるため混同しやすいが、それぞれ役割が異なるので、覚えておこう。

最近では、洋室に長押をつけるケースも増加

壁に後付けできる長押

和室に広く採用されている長押だが、壁面収納としての活用の幅が広く、最近では現代風にアレンジされ洋室にも取り入れられるケースが増えている。洋室の壁面はフラットなケースが多いため、長押を設けることで収納スペースとして活用できたり、ディスプレーなどインテリア性を高めることにも一役買ってくれる。

長押
(画像提供/ベルク)

元々長押がない場合でも、後付けで簡単に取り付けられる商品もあり、洋室にも気軽に長押を取り入れられる。サイズやカラーなども豊富で場所を選ばないため、用途に合わせて幅や奥行きを選べる。そのため、玄関やキッチン、洗面室などのちょっとしたスペースにも長押を取り付けられるので便利。水まわりにはステンレス製の長押を採用するなど、使用する場所に合わせて素材を選ぶとよい。壁面を有効活用して、自分らしいインテリアにアレンジしてみよう。

長押フックの種類は豊富で、アレンジも自由自在

長押と組み合わせて使うと便利なのが「長押フック」。帽子やバッグをつるしたり、写真や絵をディスプレーするときに役立つ長押フックはカラーや素材など種類も豊富なので、インテリアに合わせてセレクトできる。長押の下部にレールが取り付けられていて長押フックを活用しやすいタイプもあるので便利。また、長押のオプションアイテムにも工夫次第で下記のようにさまざまな用途に使えるので参考にしてみよう。

長押フックを活用して、見せる収納を楽しむ
長押フックを活用して、見せる収納を楽しむ
長押フックのサイズによって、耐荷重が異なるので、つるす物に合わせてサイズをセレクトできる。下部はレールになっているので動かせるのはもちろん、取り外しも簡単なので、使い方は自由自在だ(画像提供/サンワカンパニー)
長押を活用して物干しスペースに
長押を活用して物干しスペースに
部屋のコーナーを利用し、長押に物干用の金具を取り付け、物干し竿を置いて室内洗濯物干しスペースに。空間を有効利用できる(画像提供/ベルク)
小物置きスペースにもなる
小物置きスペースにもなる
つり下げ棚をつければ、そこに物が置けて便利。ステンレス素材など耐水性に優れたものであれば水まわりにも最適(画像提供/ベルク)

取り付けの注意点

後付けの長押は、木壁用のネジや石膏ボード用のピンなどで取り付けができ、取り外したときに壁に跡が残りにくいものも多いため、賃貸でも採用しやすいのもメリット。取り付けの際は、石膏ボード壁、ベニヤ壁など取り付ける場所の壁の種類を確認し、商品が取り付け対応かどうかをまず確認しよう。また、用途に合わせて耐荷重がどれくらいなのかもしっかりチェックを。取り付ける場所と重さを確認して、安全に利用しよう。

このように、和室の装飾部材として古くから馴染みのある長押は、今でも現代風にアレンジされておしゃれで実用的なインテリアにするために活用されている。後付けも簡単で、住居形態に捉われず取り付けることができるので、気軽に長押を取り入れて、インテリアをアレンジしてみよう。

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取材・文/金井さとこ
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