マンションや建売住宅など、物件を探しているとよく目にする『LDK』という間取り。なんとなく意味はわかっていても、詳しい内容や間取りについてはよくわからないでいる方も多いのではないでしょうか。
ひと口に『LDK』といっても部屋数や、間取りはさまざまなものが存在します。そこで、今回はLDKの意味から、よくある1LDK、2LDK、3LDK、4LDKまで、部屋数に応じた間取りのパターンや、そのメリットについてご紹介しようと思います。
LDKとは住居の間取りを表す言葉で、それぞれ「L」は「リビング」、「D」は「ダイニング」、「K」は「キッチン」を意味しています。リビング、ダイニング、キッチン、それぞれの意味するスペースは以下の通りです。
つまり、LDKとはこれら3つのスペースの要素を兼ね備えた空間のことを指しています。LDKの前に配置される数字は居室数を表しており、例えば2LDKならば、LDKのスペースに2つの居室が用意されている間取りを表しています。
ダイニングとキッチンが一体となった「DK」という間取りもありますが、「LDK」との違いとしては、その広さが関係しており、明確な定義はありませんが一般的に8畳以上の広さを有する場合、「LDK」と表記されることが多いようです。
独立型キッチンがある場合は「LD・K」、リビングとダイニングキッチンが分かれている場合は「L・DK」と表記して区別されます。
LDKと表記される間取りの要素はわかりましたが、それではその間取りのレイアウトについてはどのようなパターンがあるのでしょうか? 居室数ごとに、よくある間取りレイアウトのパターンをご紹介します。
1LDKとはLDKと1つの居室・寝室を有する間取りを表します。しかし、その間取りレイアウトパターンはさまざま。よくある1LDK の間取りレイアウトパターンについて、ご紹介していきます。
LDKの隣に寝室が配置され、間仕切りされているタイプの間取りです。間仕切りの扉が大きい場合は広いワンルームとして利用することも可能です。生活空間を広く取ることができるので、単身者や、来客の少ない二人暮らしなどの場合に適しているといえるでしょう。しかし、同居者との生活サイクルが異なるような場合には、引き戸では生活音が気になるので、注意が必要です。
先程のタイプとは隣り合う配置が異なり、LDKと寝室が縦型に隣り合っているパターンです。LDKに窓がなく、寝室にはあるということが多いです。単身者や、二人暮らしには適しているといえるかもしれません。
廊下を挟んで、LDKと寝室、風呂、トイレなどが分かれたレイアウトパターンです。
料理や、食事、団らんといった生活空間と寝室が完全に分かれているので、来客がある場合でも安心です。また、生活サイクルが異なっても、生活音が気になりませんので、小さなお子様がいるご家庭にも向いています。
しかし、それぞれの居室が完全に独立しているため、生活スタイルにあった広さを選ぶ必要があります。
2LDKとはLDKと2つの居室・寝室を有する間取りを表します。よくある2LDK の間取りレイアウトパターンについて、ご紹介していきます。
ハーフリビング型といわれる間取りで、バルコニー側にLDKと居室1室が並んで配置されています。もう1部屋は中廊下でリビングと離れて配置されていることが多いです。バルコニー側に面した部屋は採光がよく生活しやすい環境になり、もう1室は生活空間から離れているため、プライバシーも確保できます。
しかし、居室とLDKが並んでいるため、LDKの間口は狭くなり、窮屈な印象を与えることも。空間を広く使えるように家具のレイアウトを工夫して、居心地のよい空間をつくりましょう。例えばダイニングをソファを兼ねたベンチタイプにすると、リビングとして機能しつつスペースも広く使えるので、小さいお子様がいるご家庭や、シニアのご夫婦に人気があります。
フルリビング型ともいわれる間取りで、バルコニー側の間口を全てLDKに利用したパターンです。居室のレイアウトパターンは複数ありますが、基本的には玄関側に配置され、プライバシーを確保できます。
LDKを広く利用することが可能な間取りなので、友人を招く機会が多い人などにも向いているといえるでしょう。プライバシーよりも生活空間の快適性を求める人に向いた間取りです。とはいえ、1部屋は生活空間から離れている場合が多いため、プライバシーの面で問題ないでしょう。ただ、玄関側になるので、日当たりのよさは少々難ありかもしれません。
ワイドスパン型とも呼ばれる間取りで、バルコニー側に、居室2部屋とLDKが横並びで配置されているパターンです。3部屋とも採光部があり、間口が広いことが特徴です。
全室がバルコニー側に面しているため、全ての部屋に快適性を求めるのであれば、ワイドスパン型が適しています。また、全室が横並びのため、コミュニケーションが取りやすいともいえます。親の目が行き届きやすいので、子育て世代にはよいかもしれません。反面、居室がリビングに接しているため、生活サイクルが異なる場合には生活音が気になってしまうでしょう。
バルコニー側に居室2部屋が並んで配置されるパターン。LDKが玄関側に配置されるため、窓があっても小さめであることが多く、採光面でやや物足りなく感じる人もいるかもしれません。
どちらかといえば、生活空間よりも居室の快適性を重視した間取りです。居室が平等なので、ルームシェアに適しているといえるでしょう。
3LDKとはLDKと3つの居室・寝室を有する間取りを表します。よくある3LDK の間取りレイアウトパターンについて、ご紹介していきます。
居室が片側に並んで配置されているパターンで、居室2部屋はリビングと接する形が一般的です。もう1部屋は中廊下を挟んで生活空間と切り離されています。プライバシー性の高い廊下側の居室を寝室に使い、LDKに面した居室は子ども部屋するなど、小学生くらいのお子様のいるファミリーに向いた間取りといえます。子ども部屋に採光がない場合でも、日中はリビングで過ごすような年齢であればデメリットは少ないでしょう。
片側に居室が集まっているため、リビングの間口が狭くなりがちという面もありますが、LDKに面した1室を生活空間として利用したり、レイアウトを工夫したりすることで解決できるでしょう。
玄関側に居室2部屋、LDKの横に居室1部屋が隣接するパターン。3LDKのなかでは最も一般的な間取りといえます。お子様が小さい時はLDKに面した部屋を子ども部屋として利用し、成長に合わせて玄関側の個室を与えるなど、成長に合わせてフレキシブルに利用できるため、子育て世代に適した間取りといえます。
2LDKのワイドスパン型に近い間取りで、バルコニー側に居室2部屋とLDKが並ぶ間取りになっています。もう1部屋もLDKから出入りする形が一般的です。
生活空間を中心とした間取りで、生活動線がLDKを介して行われる間取りになっています。そのため、独立した居室は欲しいが、コミュニケーションを損ないたくないなど、ルームシェアなどに向いている間取りといえます。
4LDKとはLDKと4つの居室・寝室を有する間取りを表します。よくある4LDK の間取りレイアウトパターンについて、ご紹介していきます。
玄関側に居室3部屋と、LDKとそれに隣接する居室を持つパターンです。玄関ホールを中心に生活動線が敷かれており、各居室がそれぞれ独立して、非常にプライバシー性が高い間取りです。ルームシェアや、ある程度大きなお子様がいらっしゃるご家族に向いているといえるでしょう。しかし、家族で住む場合、玄関が中心となっているため、コミュニケーションが取りにくいという点には注意が必要です。
LDKと隣接する居室1部屋と、LDKの奥に3部屋を確保したパターン。生活動線の中心がLDKとなることが特徴です。LDKという生活空間を中心に置いた間取りであり、個室空間は確保しつつも、コミュニケーションを取ることができます。そのため、思春期の子どもを持つ家族や、ルームシェアなどに適した間取りといえます。
LDKに面した居室2部屋と、玄関側に2部屋を確保したタイプです。玄関側の2部屋はプライバシー性が高く、LDK側は開放性が高い居室となっており、これまでのパターンのメリットを合わせたような使い方が可能です。
4~6人ほどでの居住が可能となるので、お子様の多いご家庭などに向いた間取りといえるでしょう。年齢の高いお子様にはプライバシーが保たれた個室を与え、まだ小さいお子様はLDK側で、などご家族の成長に合わせたフレキシブルな利用ができるでしょう。
ここまで、LDKの基本的な意味と、居室数ごとのLDKの間取りレイアウトパターンをご紹介しました。同じ間取りであっても、レイアウト次第で暮らし方は大きく変わってきます。自分が求める暮らしをイメージして、最適な間取りを選ぶ参考にしてみてください。
LDKとはリビング、ダイニング、キッチンの3要素を兼ねた生活空間のこと
1~4LDKは同じ間取りでも、レイアウトのパターンがたくさんある
レイアウトによって向いている暮らしのスタイルが異なる。理想の暮らしを想像して選ぶとよい