働くママとパパを応援! 東京23区・保育しやすい街の選び方 【入園のしやすさ編】

出産後も働き続けたいと考えるママ・パパにとって、保育園に入れるかどうかは、まさに「死活問題」。でも、保育園への入園状況は街によって大きく違うということをご存じですか? なかでもエリアごとにガラリと事情が変わるのが、保活の超激戦区・東京23区。その事情や自治体の取り組み、子育てしやすい街をどのように選べばよいのかを解説します。

参考すべきは待機児童数ではなく、「新規入園決定率」

保育園の入りやすさといえば、待機児童数を思い浮かべがちですが、今回、保育園の入りやすさとして注目したのは、保育園の「新規入園決定率」。これは、認可保育園に申し込んだ児童数に対し、実際に入園できた児童数の割合を示したもの。

「待機児童は、人口数の違う自治体を比較していたり、定義が統一されていなかったりと(※厚生労働省がめやすを決めているが運用に差がある)、どのくらい保育所に入れるのかを見るにはあまり参考になりませんでした。保育所に入りたいと申請した人が、どのくらい入れているのかを比率で比較したのが、『新規入園決定率』になります」(普光院さん)

東京23区・新規入園決定率が高い行政区ベスト5

順位 新規入園決定率
1位 豊島区 90.8%
2位 北区 84.7%
3位 葛飾区 77.3%
4位 板橋区 77.1%
5位 荒川区 73.9%

新規入園決定率・最も激戦だった5区

順位 新規入園決定率
1位 港区 48.2%
2位 目黒区 50.3% ※1
3位 台東区 51.4%
4位 渋谷区 52.2%
5位 中央区 56.1%
※1一次選考のみ
※千代田区は非回答
※出典:「100都市保育力充実度チェック 2017」より。働く親でつくる市民グループ「保育園を考える親の会」が毎年、首都圏と政令指定都市の100の市区の調査を行って発表している冊子

最も入園決定率が高かった豊島区は90%を超えているのに対し、港区は48.2%にとどまり、およそ2倍も違うことが分かります。豊島区・北区のように、80~90%が入れているとなると、「お、わが家も入れそう」と希望をもつ人も多いのではないでしょうか。

「豊島区や北区など23区の北部では、保育所の整備が進む一方で、住宅の大規模開発が少なく、認可保育所に入りやすい傾向に。足立や葛飾、板橋、荒川なども保育所整備に力を入れていて、認可保育所に入園を希望する人の受け皿がある状態といえるでしょう」

ちなみに、上記の入園決定率は第一希望の保育園に限らず、希望する認可の保育施設(保育園、認定こども園、小規模保育等)のうち、どれかに入園できた児童数を対象としており、認可外保育所や、東京都の認証保育所などは含まれていません。

新規入園決定率の高い豊島区や北区では認可保育園に入所できる可能性が高く、また、仮に認可保育園に入園できなかったとしても、認可外を利用できるため、およそ子どもを預ける「受け皿がある街」といえそうです。

一方で港区などは人口の増加が続き、急激に保育園の入園希望者が増えているため、足りていない状態です。

「湾岸エリアは整備されていて、都心への交通利便性も高く、人気があるのは分かります。ただ、人気の街だけに若い世帯も多く、保育園の入園倍率も高くなっている状態です」

23区認可保育所 新規入園決定率マップ

【画像1】全23区の新規入園決定率をみても、北エリアの決定率は高め。都心エリアは低めだ。
(保育園を考える親の会「100都市保育力充実度チェック 2017」より)

区ごとの保育への注力度が一目瞭然の「定員拡大率」

ただ、新規入園決定率が激戦区の区も、手をこまねいているわけではありません。2011年を100%として、2016年までにどのくらい認可保育園の定員を増やしたかという「定員拡大率」を見れば、いわゆる激戦区の自治体がいかに保育園の整備に注力しているのかが分かります。

保育園の定員が増えた行政区

順位 定員拡大率
1位 千代田区 244.1%
2位 港区 237.8%
3位 中央区 207.5%
4位 新宿区 183.1%
5位 文京区 180.8%
※出典:保育園を考える親の会「100都市保育力充実度チェック」の数値から、2011年の認可の定員を100とした場合の2017年の認可の定員の拡大率を算出している

「上位に来ている港区や千代田区、中央区などは、この5年間で認可保育所の定員をおよそ2倍に増やしているわけですから、いかに力を入れて整備しているかが分かります。都心は人気エリアで入所の激戦区でもありますが、行政の財政が豊かなので、予算を確保できることが強みですね」

また、新規開園が続くことで、募集が集中する0歳~1歳で入園できなかったとしても、2歳、3歳と年齢が進むにつれ入園できるケースなどもあるそう。住みたい街が激戦地区にあたる場合、将来の保育園整備計画も含めてチェックするのがよさそうです。

一方で0歳児を育てている「乳児養育手当」や「私立幼稚園保護者負担手当」など、特色ある子育て支援制度を実施している江戸川区は、保育園の定員拡大率でみると、112.5%と最下位。保育園の新規開設というよりも、他の子育て支援に予算をまわしているのかもしれません。自分たちが希望するライフスタイルにあった選択をしたいところです。

わが家はどうする? 保育しやすい街を探すなら

これまで、「新規入園決定率」「定員拡大率」を見てきましたが、保育園に入園できるかどうかの動向や傾向は、毎年変わっていくと普光院さんはいいます。

「以前、渋谷区は『待機児童が少なく、保育園に入りやすい』という口コミを聞いたことがありましたが、2017年現在は激戦区です。同様に『○○区が待機児童ゼロ』というニュースに取り上げられると、希望者が殺到し、翌年から入れなくなることも。流れがすぐにかわるのが、保育所と街選びの難しいところです」

では、保育しやすい街は、どのように選ぶのがよいのでしょうか。

「住みたい街の保育情報をしっかりと収集するのがよいと思います。待機児童数ではなく、新規入園決定率や、ここ数年のその地域の変化、新規保育所計画などを調べてみるといいでしょう」

こうした情報収集のうえで、わが家の戦略をたてるのがよさそうです。

「ひとつの考え方として、人気の街をあえてさける、という手があります。湾岸エリアは通勤にも便利で人気かと思いますが、保育所の入園は激戦区です。そこで保育所の入園という意味で堅実な23区の北東部で探してみる、または、隣接する区や沿線で、選択肢を広げていくというのもいいと思います」

人気の街だけでなく、特急停車駅を避けて各駅停車の駅を選ぶ、バス便エリアを選ぶといった、一見すると避けたいエリアを選ぶという手も有効なようです。

「以前、私は職・住・保の近接が重要と唱えていましたが、今、あえていうのであれば、住まいと保育所が近いほうがいいと思っています。保育所に子どもさえ預けられれば、大人だけで身動きがとれますから」とアドバイスします。

確かに幼い子どもを連れての移動は、気力体力を消耗するもの。例えば、自宅は駅から距離があっても保育園は徒歩すぐ、子どもを預けて保育園近くのバスに乗って通勤……というルートもアリかもしれません。

「今は電動自転車があるので、広い範囲で移動できるようになりました。自分の体力・子どもの体力と相談しながら、エリアを広げてみるのもいいと思います」

「子育てをする街探し」は、夫婦共同プロジェクト!

保育園を探す「保活」、住まいを探す「住活」のいずれも、夫婦で協力して行う一大プロジェクトです。

「以前は保育所に入りたいママが子どもを連れて必死に保活をがんばるというのが一般的でしたが、今は夫婦で来る人が増えました。子育てはママ・パパの共同プロジェクトであり、保活は情報戦です。夫婦で手分けして情報収集にあたり、ママだけで行うのではなく、パパに加わってもらうと心強いでしょう」

例えば、パパには行政区ごとの制度や状況のちがい、首長の方針をはじめとする区の姿勢を調べてもらうなどを任せると、ぐっと検討しやすくなるのだとか。

「現在、急ピッチで整備が進んでいることもあり、東京23区では、ビルの1フロアを改装した保育所が増えています。園庭のない保育所では、外遊びは公園やビルに設けられた緑地で行っています。入れるかどうかということに加えて、保育園の環境や質で何を優先したいのかなどを、夫婦で話し合っておくといいでしょう」

保育園に入れたとしても、親子ともに無理があっては続きません。自分たち家族がどのような環境で暮らしていきたいのか、じっくりと話しあい、楽しく子育てできる街を選びたいものです。

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取材・文/嘉屋恭子
公開日 2017年12月20日
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