上記のように3つの「◯活」( 就活、転活、婚活)それぞれのプロセスを横並びで比較してみると、「住活」との共通点が多いことがうかがえる。どの「◯ 活」も「情報収集→希望条件を整理→アクション」と、同じようなステップを踏んでいることがわかる。
ここから推測できるのは、分野は異なっていても、成功するためのノウハウは共通しているのではないかということ。そのなかには、これまで住活では活用されていなかったノウハウが潜んでいるかもしれないと考えた。
そこで今回は、就活、転活、婚活の各専門家の力を借りて、次のページ以降で、情報収集は「就活」から、希望条件の整理は「転活」から、物件選びは「婚活」からノウハウを学んでいこう。
「 就職活動で重要なのは、どこでどう働きたいかという”動機付け”」と語る小澤さん。「強い動機がないと有名企業やブランドばかりに目が移ってしまい、自分に合った会社に出合いにくくなります」。
これは住宅購入でも同様のことがいえそう。どんな家がほしいかハッキリしていないと、何から手をつけていいのかわからないからだ。
では、強い動機を持つにはどうすればいいのか。「自分の好きな物や興味に目を向けること。それが作られる過程を連想し、関連する仕事や会社を探すのが有効な方法です」。
住宅なら、開放的な暮らしなど自分が好む暮らしをイメージする。次にそれが実現するための条件(15畳以上のLDKなど)を挙げる。その上で条件を満たす物件を探せば効率的な情報収集ができる。
「転職で重要なのは何を実現したいのか。やりがい、ブランド、それとも勤務体系なのか、優先する条件を明確化することです」と語る高野さん。
では、優先する条件を明確にするにはどうすればいいのか。「まず、自分の強みと弱み、成功/失敗体験を書き出し、第三者に見てもらいます。そこで聞いた客観的な意見と自分が実現したいことを結びつければ、転職先に求める条件が見えてくるはずです」。
住宅選びの場合は、まずは今までの生活を振り返り、満足点と不満点に分ける。次に自分の生活を知る他者から、どんな暮らしが向いているか意見を聞く。その上で、自分の生活スタイルにとって必要なものを選んでいけば、自然と希望条件が整理され、地に足のついた住まい探しができるだろう。
「婚活で重要なのは、短期間で数多く出会うことです。目安として、90日(3ヶ月)で100人の異性と出会うことを目標にするといいでしょう。パーティーなど、出会いの場へ積極的に参加し、タイプの合った50人とデートをする。そのなかの10人と親密になって、3人と付き合えば、理想の1人と出会うことができるでしょう」(宮地さん)
住まい選びでも、この絞り込みは活用できそうだ。まずは婚活と同じように、3ヶ月後など入居するまでの期間を決める。次に、100件の物件を見学するのは難しいとしても、「1ヶ月で20件」など、ノルマを決めて物件を見学する。
見学した物件のなかで特に気に入った数件を再見学して1件を選べば、短期間で満足度の高い住まいを選ぶことができるはずだ。