マンションと一戸建ての住居費は、どこが違うの?また、同じ価格の物件を買う場合、長い目でみるとどちらがおトクなの?住居費の違いを解説しよう。
家を買うときにかかる購入諸費用の目安は、一戸建てが物件価格の6%~10%、新築マンションは2.5%~5%(中古は5%~8%)。一戸建ては新築でも仲介手数料がかかる物件が多く、登録免許税や火災保険料もマンションより高くなるためだ。
【特約火災保険料・特約地震保険料】
特約火災保険の保険料は、一般的な木造一戸建ての場合30万円~40万円程度だが、鉄筋コンクリート造等のマンションは数万円(「準耐火構造」の要件を満たす一戸建ては木造より保険料が安くなる)。特約地震保険料(任意加入)も一戸建てのほうが数万円程度高い。
【登録免許税】
住まい(土地と建物)の不動産登記にかかる税金で、一般的な新築住宅の場合、10万円~20万円程度が目安。一戸建てはマンションより土地面積が広いため、税額が数万円高い。
【仲介手数料】
新築・中古の一戸建てや中古マンションは、売主と買主の間に立つ仲介会社に「仲介手数料」を支払うケースが多い。手数料額は「(物件価格×3%+6万円)+消費税」が一般的(3000万円の物件の場合、96万円+消費税)。新築マンションは、仲介手数料はかからない。
【修繕積立基金と水道加入負担金】
「修繕積立基金」は、新築マンション特有の費用で20万円台~40万円台が多い。「水道加入負担金」は新築一戸建て特有の費用。購入するエリアにより10万円台~30万円台と金額が異なる。また、この費用がかからないエリアもある。
【そのほかの費用】
契約時に必要な印紙税や住宅ローンの事務手数料や保証料など、マンション・一戸建てともにかかる費用がある。
詳しくは>>購入に必要なお金を知ろう
家を買った後の住居費で、マンション、一戸建て共通なのは「住宅ローン返済額」「固定資産税・都市計画税」。さらにマンションは、毎月「管理費・修繕積立金」の支払いがあるため、長い目でみるとマンションの住居費が高くなるケースが多い。
【毎月返済額】一戸建てが高くなることも
一戸建ては購入諸費用の分、住宅ローン借入額が高くなることも。例えば、借入額が200万円高い場合、毎月返済額の差は6600円、総返済額は277万円違ってくる。
※金利2%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス時加算なしの場合
【管理費・修繕積立金】マンションのみにかかる費用
「管理費」と「修繕積立金」は毎月支払う費用。月2万円と仮定して50年間の総額を計算すると1200万円にもなる。
【固定資産税・都市計画税】税額は一戸建てのほうが高め
住まい(土地と建物)の所有者にかかる「固定資産税・都市計画税」は、土地面積の広い一戸建てのほうが高め。税額は3年ごとに見直され、年を経るにつれて建物分の税額は減っていく。一方、土地部分はその時点の地価をもとに設定される。
【住まいのメンテナンス費用】
一戸建ても、家を長持ちさせるためには定期的な点検や修繕が必要。修繕費用として数十万円~数百万円の費用が必要な時期もあるので、計画的に資金を貯めておくことが大切だ。
なお、マンションも、壁紙の張り替えやガス給湯器の取り換えなど、家の中のメンテナンスは自分で行う必要がある。
この記事は、2022年3月17日現在の情報です
購入諸費用は、一戸建てが物件価格の6%~10%、新築マンションは2.5%~5%(中古は5%~8%)と一戸建ての方が高い傾向に
購入後は、管理費等を毎月支払うマンションの方が高くなる
固定資産税や都市計画税、住まいのメンテナンス費用によってもかかる金額は変わるため注意