わが家は「建替え」と「リフォーム・リノベーション」どっちが向いている?

家が古くなって夏は暑いし、冬は寒い。耐震性も心配だ。そろそろ建替えたいが、費用はどれくらいかかるのか? 建替えよりリフォームのほうが安上がり? でもリフォームだと自由に間取りが決められないのかしら……。そこで「建替え」と「リフォーム」、どっちがお得なのか、リフォームだけでなく新築も扱うLOHAS studioの小泉太さんに話を伺い、徹底検証してみました。

「建替え」と「リフォーム」の特徴を比較

基本性能や間取りの自由度はほぼ同じ

一戸建て木造住宅の「リフォーム、リノベーション」(以下リフォーム)で耐震性能や省エネ性能などの基本スペックを新築同様にすることは、十分可能です。リフォームの場合、柱や梁など構造上取り外せないもの以外はすべて新しいものに変更できます。元の家の柱や梁などを活かしつつ、耐震性能を高める部材や高断熱材を使えば、古い家を現在の耐震基準や省エネ基準にも適合できるのです。

「シロアリや雨漏りへの対策を心配される方もいらっしゃいますが、もちろんこれらも新築と同等以上に対応できます」とLOHAS studioの小泉さん。

間取りも、多くの場合は自由に変更できます。リビングとダイニング、キッチンの隔たりをなくして、大きなリビングダイニングキッチンにすることも、浴室の位置を移動したり広げたりすることも可能です。

ただし元の家の構造によってはできない間取りもあります。例えば2×4工法は床や壁などの“面”で建物を支えるため、面の一つである壁に大開口の窓を備える、ということができない可能性があります。また住宅メーカー独自の工法が用いられている場合、その工法についての情報が必要で、場合によっては住宅メーカー指定のリフォーム会社でしか行えないケースも。希望の間取りがかなうかは、リフォーム会社に見てもらって判断したほうがいいでしょう。

構造上必要な柱や梁を残して、ほかは最新の性能にアップデート
リフォーム次第では、プラン時に専用シミュレーションを行い太陽光や風通しなど自然の力も取り入れて、エアコンに頼りすぎない「夏は涼しく冬は暖かい」パッシブデザインの家にすることもできる(画像提供/LOHAS studio)

「建替え」より「リフォーム」のほうが有利な場合もある

「建替え」より「リフォーム」を勧める場合があります。例えば家が建てられた後に用途地域ごとに定められている建蔽率(建ぺい率)が変わると、建て替える場合は今の建蔽率(建ぺい率)に沿って建てなければなりません。その際、前より建蔽率(建ぺい率)が厳しくなっていると、既存の家より狭い家しか建てられません。しかしリフォームなら、柱や梁などの構造体を残すため、広さを変えずに新しくできるのです。(もちろん安全面のチェックは行います)

また一般的に建替えよりも工期が短くて済むこともリフォームのメリットです。なぜなら、例え柱や梁以外すべてリフォームするとしても、基礎部分や柱と梁などは残すわけですから、解体作業時間は建替えよりも短いし、建替えで必要になる地ならしや基礎工事も不要です。「地ならしして基礎をつくり、基礎の養生をするだけで普通は1カ月くらいかかります」

工期が短ければその分、仮住まい費用も抑えやすくなります。

「建替え」と「リフォーム」の費用を比較

「建替え」よりも「リフォーム」は安くできる場合が多い

工期が短いことによって、仮住まい費用も抑えやすいリフォームですが、新築と同じ基本性能にする場合でも、一般的には建替えと比べて全体の費用を抑えやすくなります。下記で比べてみましょう。

建替えとリフォームの費用を比較
建替え リフォーム
現在の家の解体費 △(必要な分だけ)
解体した産業廃棄物の破棄費用 △(必要な分だけ)
地ならし・基礎工事 不要
新しい家の材料費 △(必要な分だけ)
工事費
仮住まい費用 ○(住みながらリフォームする場合は除く)
登記など諸費用 △(建物の面積が変わった場合に必要)

建替えの場合は、家の新築工事に解体費を合わせた費用が発生します。またリフォームの場合、元の家の構造体や断熱などの状況次第で金額が変わるため「△(必要な分だけ)」などが多くなりますが、それでも、工事費や仮住まい費用などリフォームのほうが費用を抑えやすいということがわかります。

また、予算に合わせて工事をしやすいのもリフォームの特徴です。リフォームは必要な箇所のみを工事するため、新築と異なり段階を分けることができます。
「例えば、子育てを終えて、もう2階はほとんど使わなくなったとします。これから老後に備えてあまり予算をかけたくないというなら、そのときは1階の居住スペースのみの工事を行い、将来子世帯に家を譲る際に、今度は2階部分をリフォームする、ということが可能です」

※一般的には、リフォームの方が費用を安く抑えられますが、まれに基礎や柱などの構造の状態により、「建替え」のほうが安い場合もあります

リフォームでも住宅ローンが利用できる

「建替え」でも「リフォーム」でも、住宅ローンは利用することができます。リフォームの住宅ローン金利は新築の金利よりも高い傾向にありますが、大規模なリフォームの場合、新築と同じ住宅ローンが利用できる銀行もあるようです。

「建替え」と「リフォーム」、結局どっちがいい?

予算に応じやすいのは「リフォーム」

構造で間取りが制限されることもありますが、基本的にリフォームは新築の注文住宅と同じようにできます。別の見方をすれば、要望が増えるほど新築と同様に費用もかかります。そのためリフォーム内容によっては2000万円以上することもあります。

2000万円以上の金額になると「だったら新築がいいな」と思う人もいるでしょう。小泉さんのお話では「リフォームだけでなく、建替えも検討される方のほとんどは、リフォームの費用が新築も狙えるような金額になる場合」だそうです。

しかし上記で比較したように、同じ基本性能や間取りであれば本来リフォームのほうが安くなるのです。それで新築とリフォームで費用が同じということは、たいていは新築の場合では何かを諦める、例えば希望の間取りやデザイン、キッチンなどの設備のグレードを諦めるということになります。

もちろん構造上必要な柱や梁、基礎などは元の家のものですから「すべてが新しいほうがいい」のであれば建替えしかありません。ただ「リフォーム」を選ばれる方は、やはりデザインや自然素材などの『要望を我慢して「建替え」するよりも思い通りの家が欲しい』という方が多い印象です」

では、リフォームでどれだけ要望をかなえられるのでしょう。最後に建替えと悩んだもののリフォームを選んだ人の施工例を紹介しましょう。

「建替え」ではなく「リフォーム」を選んだ人の施工例

築50年のデザインや素材を活かし、懐かしさと新しさを調和させた実例
築50年の中古一戸建てをリフォーム。元の家の柱や梁を活かしつつ、リビングを吹抜けにして開放的に(画像提供/LOHAS studio)
吹抜けに渡り廊下を備えた。廊下の床は通風・採光のため南側と西側はスリットを入れている(画像提供/LOHAS studio)
2階の子ども部屋の天井には太い梁がアクセントに。むくパイン材の床ともよく合う。窓は吹抜けに通じていてLDKにいる家族の気配を感じられるようにしている(画像提供/LOHAS studio)
LDKとは一転、浴室&脱衣場は、白を基調としたモダンなスタイル(画像提供/LOHAS studio)
大きな吹抜けのあるリビングや、家族4人に合う間取りに変更。好みの自然素材と元々あった、味わいのある色つやの柱や梁を融合させて、飽きのこないモダンなデザインにしたかったそう(画像提供/LOHAS studio)

⇒画像、もしくはコチラをクリックするとPDFでご覧いただけます。

このようにリフォーム次第では「古さ」が「味わい」に変わり、最新のキッチンや浴室、モダンな家具などとも調和する。新築には望むべくもない「懐かしさ」があるが、耐震性や断熱性能は新築と同等。そんな家が建替えより費用を抑えて建てられるというのは、リフォームならではの魅力ではないでしょうか。

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取材・文/籠島康弘 
公開日 2019年01月11日
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