長く住める家 4つの条件

公開日 2017年05月01日
長く住める家 4つの条件

住み慣れた家でこの先もずっと暮らしたい、と思う人は多いはず。では、どうすれば長く住み続けられる家にできるのか。丈夫で長持ちし、いつまでも快適に暮らせる家にするために、欠かせない4つの条件を見ていこう

住み続けるために欠かせない4つのリフォーム

「強く」「快適」な家は長持ちする

日本には四季があり、天災も多い。そうした環境が家に与える影響に対して耐えられる家の「強さ」と、環境の変化に柔軟に対応して「快適に過ごせる性能」が、長く住める家には必要不可欠だ。地震の多い日本では耐震性が、また一年を通して気温差が大きい中で快適に過ごすには断熱性が重要になる。さらにそれらの「強さ」や「快適さ」が経年によって劣化しないよう、外装や配管などを適宜メンテナンスすることも欠かせない。
一方で、暮らしに合う間取りに変更することも、いつまでも快適に住むためには大切になる。つまり「耐震」「断熱」「外装・配管」「間取り」の4つが長く住むためのポイントだ。

耐震

日本の家は耐震性を高めることが不可欠

耐震基準を満たしているか、築年数や家の状態を確認

地震の多い日本で耐震性を高めることは、長く住み続けるためには欠かせない。以前の地震に耐えたから大丈夫だろう、と思ってしまいがちだが、大地震に耐えても見えない部分が変形するなどして、その後の余震で崩壊した例もある。また耐震基準は何度か見直されているため、築年数が経っている家は現在の基準をクリアしていない場合もある。自分の家の状態に合わせて早めに耐震補強をしよう。

家全体のバランスを考えて、その家に合った補強を
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まずは現在の家の耐震性能がどうか、耐震診断してもらおう。耐震診断では震度6の地震で「倒壊しない」「一応倒壊しない」「倒壊する可能性がある」「倒壊する可能性が高い」のいずれかに診断される。耐震補強は建物の重さの中心(重心)と、強さの中心(剛心)のバランスが重要なだけに、家全体で考える必要がある。それぞれの家ごとに補強の仕方が変わるので、リフォーム会社に相談しよう。

下記のような家は耐震診断を!

□新耐震基準適用前の1981年5月31日以前に建築確認を受けた
□窓などの開口部が多い
□1階がガレージや店頭など大空間になっていて1階と2階の面積や形が異なる(総2階ではない)
□増改築をしている
□シロアリが発生し躯体に腐食の心配がある

断熱

「暑さ」「寒さ」は気づかぬうちに家にも体にも影響が

断熱性能が低いと、躯体を傷める危険がある
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冬は寒いのが当たり前、と考える人は多いが、家が寒いのは断熱性能に問題がある可能性がある。特に1980年以前の家は断熱されていないことも多く(※)、施工時に断熱されていても、壁の中で断熱材が落ちていることもある。
また断熱性能が低いと、断熱材や躯体など、壁におおわれて見えない部分の結露などにより躯体の木が腐ったり湿度を好むシロアリが発生する可能性がある。建物の強さを保つ意味でも断熱性能を高めることは必要だ。

部屋ごとの温度差を減らし、健康リスクを下げる

健康のためにも断熱性能は重要だ。たとえば寒い脱衣場で脱いで熱いお風呂に入ると、血圧が急変するため、ヒートショックを起こす危険が高くなる。また夏は家の中が暑くなり、熱中症になる可能性もある。
断熱工事は壁・床下・天井・屋根を行うが、特に窓は、熱の流出/流入の割合が大きいので、窓を変えるだけでも室内の快適さに違いが出る。また断熱性を高めると冷暖房などの光熱費を抑えやすく、遮音性も高まりやすいというメリットもある。

1月の北海道の寝室は、沖縄の次に暖かい
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「 寒い地域だから家の中も寒い」は当たり前ではない。上の表はウェザーニューズがウェザーリポーターに起きた時の寝室の温度を測定してもらい、県ごとに平均値化したもの(調査期間は2014年1月26日~27日。平均気温は同時期の気象庁のデータより)。寒い地域ほど家の断熱性能を高める意識が高い結果ともいえそうだ。たとえ外は寒くても断熱性能を高めれば冬でも沖縄県に次ぐほど暖かな家で暮らすことができるのだ

※住宅ストック約5000万戸の断熱性能(資料)住宅・土地統計調査【総務省】を基に国土交通省推計統計データ、事業者アンケート等により同省が推計(2012年)

外装・配管

水漏れ・雨漏りにひやっとする前に

外装は状態を見ながら定期的にメンテナンスを

太陽や雨風にさらされる外壁は、経年で見た目が劣化するが、実は機能も劣化してくる。劣化部分から水や空気が入り中の躯体を傷めたり、外壁材の種類によっては内部が錆びるなどしてしまい、修繕に余計な費用がかかることに。そのため定期的に再塗装するなどのメンテナンスが必要だ。同様に基礎のひび割れがあると、そこから雨が浸入し、土台や柱を傷める。日ごろからわが家の外壁や基礎の状態を見ておくことが大切だ。

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給排水管や配線の劣化に早く気付き、被害を防ぐ

一方、外から見えない部分も経年による劣化に注意したい。例えば給排水管や配線には耐用年数がある。それを過ぎて使い続けると、漏水で躯体を傷めたり、漏電による火災の危険も出てくる。そのため、家を建てた施工会社などに給排水管や配線の耐用年数を確認したり、定期的に床下や天井を覗いてみるようにしたい。点検するための口がない場合、リフォーム時に点検口を備えることも、長く住むためのコツといえる。

間取り

これからの暮らしも考えた住まい

先々の生活も見据えて間取りを考えよう

耐久性や断熱性といった家の「強さ」にプラスして考えたいのが、暮らしの「快適さ」だ。子どもが成長したら子ども部屋を用意するなど、家族の変化に合った間取りにすることで暮らしが快適になる。その際に現状の不満点を解消するだけでなく、先々を見据えてリフォームするといい。たとえば子ども部屋を設ける場合、子どもの独立後も考え、壁ではなく可動式の家具で仕切るなど可変性の高い間取りが長く快適に暮らすコツだ。

今後家をどうするか、家族で話し合っておこう

一方、子どもが独立して夫婦2人の生活に合ったリフォームをするなら、2階の寝室を1階に移動するなど老後の生活も視野に入れるといい。また車椅子でも動きやすいよう廊下を広げておくなど、先々のバリアフリー化の用意もしたいところ。
とはいえ、独立した子どもが将来同居を望んだ場合、想定していた間取りも変化する。この家を先々どうするか、折に触れて家族で話をすることも「長く住む家」づくりには重要だ。

2016年05月16日 SUUMOリフォーム7月号より転載

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取材・文/籠島康弘 イラスト/おおの麻里 取材協力/住友林業のリフォーム、三井のリフォーム
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