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子どもの成長、あるいは独立で家族の数が減ったなどの理由で、マンションの間取りを変更したいという人も多いはず。できること、できないことの整理と、おおよその費用、工期などを紹介します。
「リビングをもっと広く」「キッチンは対面式に」――これらはマンションリフォームの代表的なケースですが、実はマンションによっては実現できないケースもあるとのこと。実際、どんな制約があるのか、さくら事務所のホームインスペクター、山見陽一さんに伺いました。
「マンションの構造にはラーメン構造と壁式構造があります。リフォームの自由度が高いのは柱や梁で建物を支えるラーメン構造。壁式構造は住戸内の壁もコンクリートでできている部分もあり、取り払うことができないため、間取り変更がしづらいと言えます」
水まわりを変更できるかどうかは、床下の状況によります。二重床仕上げは床下に通した給排水管を動かすことができるので、水まわりの移動にもある程度対応できます。
「一方、床下に空間のない直床仕上げは、水まわり部分を高くしたり、コンクリートに段差をつけたりして配管しています。そのため段差が解消できなかったり、位置や向きの変更が制限されたりします。一部の古いマンションでは給排水管がコンクリートを貫通して下階の天井裏に配管されていることがあり、その場合は水まわりの移動は制限されます」
そもそもリフォームをしてはいけない場所もあると山見さん。
「リフォームができるのは専有部分のみです。玄関ドアや窓ガラス、バルコニーなどは専有部分と勘違いしがちですが、実は共用部分ですから、基本的に自由にリフォームはできません」

ちなみに、「リノベーション」と「リフォーム」はどう違うのかも聞いてみました。
「間取り変更を伴うものをリノベーション、設備の交換だけのものをリフォームと呼んでいたり、マンションはリノベーション、戸建てはリフォームと使い分けているケースなどさまざま。はっきりとした定義はないようです」
「リフォームをしたいと思ったら、まず管理規約を確認しましょう」と山見さん。マンションでは専有部分であっても勝手にリフォームするのはNG。事前に管理組合に工事の申請をする必要があるからです。
「管理規約にはリフォームに関するルールが細かく定められています。例えば、フローリング工事は遮音等級が指定されていることが多く、なかにはフローリング禁止のマンションもあります。工事の内容や範囲についてどんな規約があるか見ておきましょう。
工事ができる曜日や時間帯も管理規約で決められています。とくに土曜日の作業可否は、工期に影響する重要なポイントです。工事申請書の提出期限も確認しておくと後がスムーズです」
近隣住戸への挨拶(あいさつ)はどうしたらいいかも聞いてみました。
「挨拶は自宅を中心に、両隣と上下階の3軒ずつ、合計8軒が一般的。リフォーム会社がしてくれますが、できるだけ自分も行くことをおすすめします。顔を合わせて挨拶することで、騒音に対する我慢の限界値が違ってくるものです」

そして、一番気になるのが費用のこと。みんなはどんなリフォームを、どのぐらい予算をかけてしているのか、調べてみました。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の調査によると、マンションのリフォーム金額は100万円以下~1000万円超まで幅広く、平成29年の平均金額は720.2万円。工事内容で多いのは「内装の変更」「住宅設備の変更」。500万円を超えるリフォームでは、約8割が「収納スペースの改善」「住宅設備の変更」「間取りの変更」を実施しています。

最近はできるだけ費用を抑えようと、住宅設備や建材を自分で購入してリフォーム会社に施工してもらう「施主支給」が増えているといいます。山見さんに注意点を聞きました。
「リフォームの価格は住宅設備や建材の商品代と施工費からなり、リフォーム会社は商品を仕入れて販売することで利益を出しています。そこが削られてしまうことになるので、施主支給をするのなら最初に伝えておくのがマナーです。
また、施主支給では、部材が足りなくてトラブルになることがあります。施工後に不具合が見つかると、商品に問題があったのか取り付けが悪かったのか線引きが難しく、もめるケースが少なくありません。何かあったときは対応に時間をとられ、かえって高くつくというリスクを知っておきましょう」
全国展開している大手から地元の工務店まで、リフォームを手掛ける会社はさまざま。どう選んだらいいか、アドバイスしていただきました。
「安さを求めるのか、提案力を求めるのか、安心感を重視するのか。それによって会社選びは変わってきます。提案力を求めるならプランナーのいる一定規模以上の会社に依頼したほうがいいでしょう。
大手のメリットは安心感。プランナーが多く、提案力にも期待できます。予算内で信頼できる会社を見つけたいなら、そのエリアで長年やっている地域密着の会社や、マンションリフォームを得意とする会社も選択肢のひとつになると思います。
複数の会社に見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。3~4社、頑張れる人は5~6社に依頼しても。最初の提案で2社程度に絞り、変更点を伝えて再度見積もりを取り決定する方が多いです。リフォーム実例が出ている雑誌や写真を見せるとイメージが伝わりやすいでしょう」
リフォーム会社とのやりとりでは、「言った」「言わない」のトラブルが多いそうです。
「打ち合わせ記録を取らなかったために仕様が違ったということがよくあります。打ち合わせ記録とは、例えばその日決めた部材の品番などをメモで残しておくこと。その日の打ち合わせ終了後、決めた項目を読み合わせしておくことが大切です。また、何か変更が生じた場合も、電話で済ませるのではなく、メールなど記録として残しておきましょう」
最後に先輩たちのリフォーム実例を紹介します。ぜひ参考にしてください。
【例1】子ども部屋の実現をきっかけに、思い切って内装や設備を一新
東京都 Aさん



(費用・工期)
費用 790万円
工期 1.5カ月
リフォーム面積 約85m2
施工 三菱地所のリフォーム(三菱地所ホーム株式会社)
【実例2】開放的なキッチンと好みの内装で受け継いだ家を暮らしやすく
東京都 Hさん



(費用・工期)
費用 580万円
工期 約2カ月
リフォーム面積 約92m2
施工 三菱地所のリフォーム(三菱地所ホーム株式会社)
ルールとマナーが大切なマンションリフォーム。注意点やできること・できないことを事前に確認して、快適なリフォームを実現しましょう!