シニア向けマンションの選び方。サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームとの違いは?

シニア向けマンションの選び方。サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームとの違いは?

将来のことを考慮してシニア向けマンションなどを検討しているシニア世代が多いのではないでしょうか。
ところがシニア向けマンションってどういうものなのかについては、よくわからないという人が多いと思います。
そこで、シニア向けマンションの特徴やほかの高齢者向け住宅や施設との違いを専門家に取材してまとめました。

シニア世代のマンションの選び方

「住み替えを考えていても、どういうシニア向けの住まいがあって、自分に向いているところをどう探せばいいのかわからない、というシニアの方はとても多いです」

と話すのは、多くのシニアの住まい相談に応えてきた「シニアの暮らし研究所」代表理事の岡本弘子さん(以下同)。

「シニア向け分譲マンションは、一般の分譲マンションと同様に公的な制度に絡まない住宅ですが、シニア向けの住まいはほかにサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなど制度に則って運用されているものがあります」

シニア向け分譲マンションが自分にとってふさわしいかどうかを判断するためには、まずは公的な制度に則って運営されている高齢者の住まいとの違いを、はっきり理解しておくのがよさそうです。

シニア向け分譲マンションとサービス付き高齢者向け住宅の違いと費用は?

シニア向け分譲マンションとは

「シニア向け分譲マンションは、シニアの暮らしに特別配慮した設備やサービスが整えられている分譲マンション、と考えてよいでしょう」

ハード面とソフト面において一般の分譲マンションにはあまり見られない特徴があると言います。

「ハード面における特徴は共用部が充実していることで、レストランや大浴場、フィットネス、ダンスなど、さまざまな目的の共用設備が整えられています。
入居者同士が交流したり、外部から友人を招いたり、生活を楽しめて家事負担も減ります」

「一方、ソフト面では管理員が24時間常駐し、夜中に体調不良などでコールボタンを押すとすぐに駆けつけてくれます。このサービスが大きな安心につながっています」

一般のマンションにはないサービスはほかにもあります。

「個々の物件によって違ってきますが、病院や介護事業所と連携しているケース、クリニックがテナントとして入居している場合も。何らかの形で医療・介護サービスとの連携を図っている物件が多いですね」

住戸内部は、床段差の解消、手すり設置などバリアフリーが徹底されているのがふつう。
入居条件は、年齢制限も明確に決まっているわけではなく、高齢者と若い家族が同居するケースもあって、かなり自由だといいます。

気になる費用ですが、シニア向け分譲マンションの物件購入費は一般の分譲マンションと同様に地域や広さによって変わります。月々かかる管理費などの経費は共用部やサービスが充実していることもあって、6万円~10万円程度と一般の分譲マンションよりは高く、使うサービスによってもっと多くなる場合もあります。

シニア向け分譲マンションは個々の物件によって、共用部の内容、サポート体制、かかる費用も物件ごとに異なるので、実際に現地を訪れ、十分な説明を聞いて選ぶことが大切です。

●シニア向け分譲マンションの特徴
契約 所有権
入居条件 明確な規定なし
費用 初期費用/物件購入費(地域・広さによる)
月額6万円~10万円程度(管理費・修繕積立金)
サービス 管理員が24時間常駐
メリット 部屋が広く共用部が充実している。相続ができる
デメリット 初期投資額が大きい。毎年、固定資産税がかかる
シニアマンションを検討する夫婦のイメージ
(写真/PIXTA)

サービス付き高齢者向け住宅とは?

シニア向け分譲マンションは購入すると所有権が得られ、自分の資産となります。
一方、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅です。

サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者住まい法」という法律に則り、高齢者の住まいを確保しようという制度に基づくもの。
自分で身の回りのことができる自立した高齢者なら60歳以上、もしくは要支援・要介護認定を受けている人なら60歳未満(40歳以上)でも入居できます。

広さは原則25m2以上で、共用のキッチン、食堂、浴室などがある場合は18m2以上でもよい、という規定があります。

また、室内は段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保がされているバリアフリー構造で、入居者の安否確認と生活相談を提供する一定の資格をもつサービススタッフが日中、常勤でいます。夜間は警備会社が対応するケースも。

「自立できる高齢者にとっては、サービス付き高齢者住宅はシニア向けマンションとどちらを選ぶかの選択肢となるでしょう。ただし現状では、サービス付き高齢者向け住宅の8割程度は要支援・要介護認定を受けている人が対象となっているので、物件探しは難しいと思っていいでしょう」

サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用は、分譲マンションのような高額な初期投資は不要ですが、入居時の敷金と毎月の家賃が必要です。

「自立型のサービス付き高齢者向け住宅の場合、地域にもよりますが、広さ25m2で家賃(共益費等を含む)15万円くらいからが相場です。一般のワンルームマンションよりは高めですが、サービスが付いているので安心できるといったところでしょうか。ただ、中には40m2以上の広くて高額な物件もあり、その場合は前払い式を採用するケースが多いようです」

上記は自立できる高齢者の場合ですが、要支援・介護認定を受けた人の場合は介護サービス利用費が別途かかります。

サービス付き高齢者向け住宅は、賃貸なので所有権はありませんが、初期費用が安いので入居しやすいこと、将来も売却の手間なく、住み替えがしやすいことがメリットとして挙げられます。

●サービス付き高齢者向け住宅(自立型)の特徴
契約 賃貸借権
入居条件 60歳以上または要支援・要介護認定を受けている
費用 初期費用/敷金・礼金(家賃の数カ月分)
月額/15万円程度~(共益費等を家賃+共益費+サービス料)
サービス 常勤スタッフによる安否確認、生活相談
メリット 初期費用が安いので、入居しやすく、住み替えやすい
デメリット 一般的には部屋が狭い。自立型は物件が少ない
シニア夫婦のイメージ
(写真/PIXTA)

シニア向け分譲マンションと有料老人ホームとの違いと費用は?

有料老人ホームとは?

有料老人ホームは分譲とも賃貸とも違って、一時金および月々の利用料を支払い、利用権を得てシニアが住むことのできる施設です。

制度上、1.食事の提供、2.介護、3.洗濯・掃除等の家事の供与、4.健康管理のいずれかのサービス(または複数)が提供されることになっています。

入居できる人は要介護認定を受けている人に限定されている場合もありますが、ほかに自立している人も入居できるタイプ、数は少ないですが自立している人だけが入居できるタイプがあります。

「シニア向け分譲マンションとの大きな違いは、多くの有料老人ホームでは最期の看取りまでケアできることです。いよいよ自立して暮らせなくなったときのサポートの違い。
あくまで自分主導で生活したい場合はシニア向け分譲マンションを、今は元気でも将来介護が必要になったときの不安があるという場合は有料老人ホームを選ぶのがよいでしょう」

かかる費用は、立地や共用部の内容などによって変わってきます。
一時金は家賃の前払いに相当するものですが、何千万円も必要なケースがあり、このほかに管理費や食事、利用したサービスの料金など月々の支払いが必要です。

一時金も月々の料金もホームによってさまざまですが、一時金は100万円台~数千万円、月々の料金は10万円台~100万円くらいの幅があるとみていいでしょう。

●有料老人ホームの特徴
契約 利用権
入居条件 要介護の人だけ、自立できる人も可能など施設によって異なる
費用 初期費用/入居一時金(100万円~数千万円)
月額/10万円~100万円程度(管理費・食事、サービス料金など)
サービス 1.食事の提供、2.介護、3.洗濯・掃除等の家事の供与、4.健康管理のいずれかのサービス(または複数)を提供
メリット 自立した暮らしができなくなっても最後までいられる
デメリット 一時金もしくは月額が高額な場合が多い
老人ホームで暮らすイメージ
(写真/PIXTA)

相続を考えると一般の分譲マンションがいい?

住まいはいずれ売却するか次世代に受け継いでいくもの。
シニア向け分譲マンションは、有利に売却や相続できる資産価値があるのだろうか?

「シニア向け分譲マンションは一般の分譲マンションに比べて数が少なく、販売ターゲットが絞られるのが現状。購入するときは一般のマンションより高めですが、売るときはシニア向けの価値が査定に反映されるわけではありません」

仲介会社にもよるが、売却は比較的難しいと思ったほうがよさそう。
その点、一般の分譲マンションのほうが、相続してそのまま住み続けるにせよ、売却するにせよ有利といえるだろう。

「実際、元気なうちは一般の分譲マンションを選ぶ人も多いですね。買い物が便利か、坂道はないか、医療機関が近くにあるか、マンション内のコミュニティーは良好か、など環境をよくチェックして選ぶなら、それもありだと思います」

加えて岡本さんは、一般分譲マンションやシニア向け分譲マンションを選ぶ際には、もういちど住み替えがありうることも考慮しておきたい、という。

「一人でトイレに行けなくなったら、介護が進行したら、分譲マンションでは暮らせなくなります。そのときのことを考えて資金を残しておく必要もありますね」

今後の人生を考えて、一つだけでなくさまざまな選択肢を検討しておくのがいいでしょう。

まとめ

シニア向け分譲マンションは自立して暮らせる人が選ぶもの

サービス付き高齢者住宅、有料老人ホームは、自立者、要介護者ともに利用可

資産価値や月々の支払い額を考えると、一般の分譲マンションも検討の余地あり

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構成・取材・文/林直樹
公開日 2021年09月28日
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