鉄筋コンクリート(RC)のマンションや一戸建て住宅、防音の性能は高い?

鉄筋コンクリート(RC)のマンションや一戸建て住宅、防音の性能は高い?

マンションや戸建ての住宅を建てるための構造にはさまざまなものがあります。木造のほか、RC造といわれる鉄筋コンクリート造や、SRC造といわれる鉄骨鉄筋コンクリート造など、それぞれにどんな特徴があるのでしょう。また、鉄筋コンクリートの住宅(RC住宅)は話し声や生活の音への防音性能はどうなのでしょう。ここでは、鉄筋コンクリートの家にスポットを当てて、そのメリットやデメリットを紹介します。

鉄筋コンクリート造は、鉄骨造とどう違う?戸建てやマンションの構造をおさらい

鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、木造。それぞれどんな住宅?

外観からはよくわからないことも多いのですが、建物の構造にはいくつかの種類があります。木造はなんとなくイメージしやすいのですが、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造は違いがはっきりわからない、という人も多いでしょう。

そこで、鉄筋コンクリートの住宅について解説する前に、まずはマンションや戸建てに用いられる構造について、基本的なところをおさらいしておきましょう。

鉄筋コンクリート造(RC造=Reinforced Concrete)

柱や梁(はり)、床、壁が鉄筋とコンクリートでつくられています。鉄筋は引っ張る力(引張力)に、コンクリートは上からの圧縮に強い特徴があり、それぞれの特徴の組み合わせによって建物の強度を出しています。中低層のマンションで多く採用されています。

鉄筋コンクリート造(RC造)のイメージ
鉄筋コンクリート造の建築現場
組み上がった鉄筋に型枠を設置。そこにコンクリートを流し込む鉄筋コンクリート造の建物(画像/PIXTA)

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造=Steel Reinforced Concrete)

鉄筋コンクリート造と同様、柱や梁などの構造が鉄筋とコンクリートで構成されていますが、鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は鉄骨が支柱となっています。鉄筋コンクリート造の耐久性に、鉄骨の粘り強いしなやかさが加わった構造です。大型のマンションやビルなど規模の大きな建物に適しています。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のイメージ

鉄骨造(S造=Steel)

柱や梁などに鉄骨を使用した構造。コンクリートをつかわないため軽量化が図れます。鋼材の厚みが6mm以上のものは「重量鉄骨構造」と呼ばれ、主にビルや高層マンションなどに採用されています。鋼材の厚みが6mm未満のものは「軽量鉄骨構造」に分類され、一般の戸建て住宅や規模の小さな店舗などに使われています。

鉄骨コンクリート造(S造)のイメージ

木造

建物の柱や梁などに木材を使用した構造です。戸建て住宅や店舗だけでなく、神社仏閣などの歴史的建造物でも採用されています。日本で建てられる戸建て住宅の多くは木造でつくられています。

鉄筋コンクリート造の防音性能は?足音や上下の部屋の話し声や音は気にならない?

鉄筋コンクリートは遮音性能が高い?

せっかく新居での生活がスタートしたのに、暮らし始めてみたら隣の部屋の物音や、上の階の足音が気になって仕方がない……というのは困ったものです。また、自分の足音や椅子を引く音が下の階に響いているのではないかと思うと気兼ねしてしまい、のびのび暮らすことができません。

住宅で問題になる「音」の伝わり方には2種類あります。

空気伝搬音

ひとつは「空気伝搬音」という空気の振動によって伝わる音。壁や窓などに遮られると音は小さくなりますが、壁や床も透過するため、開けた窓などから入る家の外の音だけでなく、上下階の話し声や子どもの泣き声、足音などが騒音に感じてしまうことも。

空気伝搬音のイメージ

固体伝搬音

もうひとつは「固体伝搬音」といって、壁や床などの固体を振動させて伝わる音。マンションやアパートでは、排水音や足音、床に硬いものを落とす音、椅子を引く音、掃除機の音などさまざまな音が建物内で伝わります。

固体伝搬音のイメージ

このように、空気や壁、床などから伝わってくる生活音ですが、木造のアパートと鉄筋コンクリート造のマンションでは、どちらのほうが防音性能が高いのでしょうか。

基本的には、音が伝わる物質の単位容積質量が大きいほど、音響透過損失(遮音性能)が高くなります。コンクリートは木材に比べると、圧倒的に重量が大きく、そのため木造の住宅よりも鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの家のほうが、遮音性能が高くなるのです。

外からの音は周辺環境で聞こえ方が違ってくる

外からの音を遮るのは窓ガラスや玄関ドア、外壁などの構造体です。鉄筋コンクリート造の戸建てやマンションで、窓やドアの遮音性能も高ければ、静かな室内環境を得ることができるでしょう。
とはいえ、窓を開ければ外の音はダイレクトに家の中に入ってきます。近くに幹線道路や駅、にぎやかな繁華街などがあれば、音を防ぐことは難しくなります。

また、排気口から排気ダクトを通って入ってくる音は、ダクト内で増幅され思いがけない大きさの音となって室内に聞こえることも。
マンションの場合は、高層階になるほど周辺に遮るものが少なくなる分、遠くで発生する音が届きやすくなります。

防音性能の高い鉄筋コンクリート造の住宅だからといって、建物内の音も、外からの音も、無音レベルまで遮られるわけではありません。

壁厚や床・天井の構造は遮音性能に影響する?

壁厚

鉄筋コンクリートの住宅も、構造によって音の伝わり方が違ってきます。一般的なマンションではお隣との境になる戸境壁もコンクリート。この壁厚が厚いほうが、遮音性能は高くなります。ちなみに、タワーマンションでは、建物の軽量化を図るため、戸境壁には石膏ボードやケイ酸カルシウム板に吸音材や耐火材を合わせたボードを組み立てる乾式壁が採用されるのが一般的。この場合、コンクリートの壁よりも音が透過しやすくなります。

床・天井の構造

マンションでは、床は「直床(じかゆか)」と「二重床」、天井は「直天井(じかてんじょう)」と「二重天井」が主流。遮音性能は、コンクリートでできたスラブ(床版)と呼ばれる構造体に、直接、床材を貼る直床や内装材を貼る直天井に比べて、構造体と床材・内装材の間に空間が設けられている二重床、二重天井のほうが高そうに感じるかもしれません。

しかし、直床であっても衝撃音吸収能力の高いカーペットや遮音性能の高いフローリングを敷くことで騒音対策になります。また、二重床は下地材と壁が接している箇所から音が伝わってしまうことがあります。

直床と二重床の図

直天井も上階の床に騒音対策がされていれば音の伝わり方は小さくなりますし、防振ゴムで騒音対策がされている二重天井は音の問題は少なくなりますが、天井の石膏ボードから音が伝わってしまうことがあります。

直天井と二重天井の図

間取りや家具の置き方で遮音性能が上がる

マンションの場合は上下や左右で住戸が接している人の暮らし方や、どれくらい音に敏感なのかといったさまざまな要素がかかわってきます。

遮音性能が高い鉄筋コンクリート造だからと安心せずに、自分自身が音を周辺に伝えにくくする配慮も必要です。

音問題を回避するには、隣の住戸の間取りも重要。寝室にする予定の部屋が、お隣の水まわりやリビングに接していないかなど事前に確認するといいでしょう。マンションのモデルルームなどで、隣接住戸の間取図を見せてもらうことは可能ですし、賃貸の場合も不動産仲介会社の担当者に確認してもらうといいでしょう。

また、入居してからお隣の生活音が気になるなら、音がする側の壁に収納家具などを置くと防音効果が期待できます。

防音性能以外にもある鉄筋コンクリート住宅のメリットを知っておこう

耐震性や耐火性が高い

暮らす人の命や財産を守るのが家。地震や火事への強さは大切です。鉄筋コンクリート造の主な材料は不燃材料のコンクリート。外壁の温度が上昇しても構造体そのものの強度は下がらず、燃えないため有毒ガスが発生しにくい点も安心。
戸建ての場合は近所で、マンションの場合は棟内で火事が起きたときにも、わが家への延焼を避けられ、身の安全を確保しやすいといえます。

また、耐震性にも優れています。鉄筋コンクリート造は縦方向の圧力にも、横方向の引っぱり力にも耐える地震に強い構造です。

耐久性が高い

木造の建造物でも適切なメンテナンスを行うことで長持ちさせることが可能です。とはいえ、鉄筋コンクリート造の建物は、高い耐火性、耐震性に加えて、経年劣化や地震でコンクリートにひび割れが入ったとしても補修が可能で、長寿命を保ちやすいといえます。
ただし、給排水管やエレベーターなどの設備の寿命はコンクリートよりも短いため、定期的に交換を行うことや、屋上の防水処理など適切なメンテナンスは必要です。

デザインの自由度が高い

柱が不要で、大きな空間を設けることができる鉄筋コンクリート造の住宅。庭に面した窓を大きくするなど、大胆な開口部をつくることもできます。曲線の壁や、個性的な外観デザインなどプランニングの自由度が高いため、自分のイメージを実現しやすいといえます。

鉄筋コンクリート造の住宅のイメージ
(画像/PIXTA)

鉄筋コンクリート住宅のデメリットは?解決方法はある?

戸建の場合、工期が長くなりがち

鉄筋コンクリート造の戸建ては工期が長くなるのが一般的です。木造で2~3カ月で完成する規模の家でも、鉄筋コンクリート造では半年程度かかることも。これは、型枠に流し込んだコンクリートがきちんと固まるまで待つ必要があるためです。

鉄筋コンクリートで戸建てを建てるなら、入居したい時期に間に合うよう、土地探しやプランニングを早めにスタートさせることが必要です。

コストが高め

コストについても、木造に比べて材料費がかかることや、コンクリートの重量と地盤によっては地盤補強工事が必要になることもあり、トータルコストが高めになります。また、建て替えの場合は、工期が長い分、仮住まいの費用がかさむこともあります。

コストを抑えるには、建物の規模を小さくしたり、できるだけシンプルな形にするなどの方法があります。また、将来、交換できる水まわり設備などは当初は価格が低めのものを選んでおくという手も。それでも、一般的な木造に比べて、鉄筋コンクリート造の家は高くなりがち。でも、耐久性や耐震性、耐火性などの質の高さを考えると、トータルコストは決して高くはないと考えられます。

寒いイメージがあり、結露も心配

かつての団地や、古いコンクリートのビルが寒かったことから、鉄筋コンクリート造の家は寒いと誤解されているケースがあります。しかし、最近の鉄筋コンクリート造の戸建てやマンションは断熱性能が上がり、木造の家よりも寒い、ということはありません。

また、気密性が高いことから結露が発生することがあります。結露は換気と温度と湿度のバランス。家の中の壁や床などの表面に温度が高いところや低いところがあり、湿気を含んだ温度の高い空気が家の中の温度の低い表面に触れると水滴ができます。そのため、気密性の高い木造住宅でも結露は発生します。きちんと換気を行うこと、室内の温度ムラをなくすこと、料理などで湯気が発生する際には換気扇をまわすことなど、暮らし方の工夫で防ぐことができます。

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メリットもデメリットもある鉄筋コンクリート造のマンションや一戸建て。デメリットが気になるならそれを解決する方法を知って、快適な暮らしをしましょう。

まとめ

柱や梁(はり)、床、壁が鉄筋とコンクリートでできているのが鉄筋コンクリート造

防音性能が高く、生活音に悩まされたり気兼ねしたりする可能性が木造よりも低い

耐震性、耐火性、耐久性にも優れているのもメリット

戸建ての場合、木造に比べてコストは高めになるのが一般的

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文/田方みき イラスト/つぼいひろき
公開日 2021年09月08日
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