マンションの耐用年数って何年?寿命を過ぎたら建て替えるの?

マンションの耐用年数って何年?寿命を過ぎたら建て替えるの?

新築でも中古でもマンション購入を検討する際、誰でも少なからず気になるのが、マンションの寿命について。一体いつまで建物が持つのか、快適に暮らせるのか、最後はどうなるのか―気になるマンションの寿命について探っていこう。

▼お話を伺った専門家
一級建築士 鈴木哲夫氏

鈴木哲夫建築設計事務所代表。これまでにマンションの大規模修繕を多く手掛け、良好なコミュニティ形成に関しても手腕を振るう。マンション管理士の資格も持つ。

マンションの寿命はどうやって決まる?

そもそもマンションの寿命は何年程度なのか、
「実はマンションの寿命は、あってないようなもの。具体的には、建物を維持しようと思えば100年でも200年でも持たせることはできる」と鈴木氏。しかし、実際には3つの観点から寿命がくるようだ。

1.耐震性から見た寿命

現在も日本各地で頻発する地震。「地震大国の日本では建物の寿命を考えるとき、耐震性能を抜きに語ることはできない」と鈴木氏は指摘する。具体的には、1981年を境にした旧耐震基準と新耐震基準ということになる(壁式工法除く)。1981年以前のマンションでは、コンクリートの性能から鉄筋の量、施工法などが異なっているため、大きな地震に対する耐力が現行基準の建物に比べると残念ながら低い。では、そうした旧耐震基準のマンションは耐震診断を受けて、耐震改修工事を施せばよいのでは?とも思えるが、実はそう簡単な話ではないようだ。

「耐震改修工事を施したとしても、現行の耐震基準と同等の耐震性が確保できるわけではありません。あくまでも倒壊などを防ぐという意味で、一定の効果があるということ。ましてや、マンションの場合、柱や梁に囲まれた部分に鉄骨の筋交いを増設することになりますが、美観の問題もあってなかなか耐震改修に踏み切りにくいという事情もあるようです」(鈴木氏)。

グラフのように、2018年時点で築30年以上のマンションは185万戸と予測されている。そのうち旧耐震基準のマンションは約100万戸と推測され、どれだけのマンションが耐震改修をしているか、不明である。

もちろん、1981年以前の旧耐震マンションでも、比較的地震に強いマンションがないわけではないものの、「ひとたび首都直下型の大地震が発生したときは、その寿命をまっとうすることになるかもしれません」(鈴木氏)

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※国土交通省「老朽化マンションの建替え等の現状について」より転載
築後40年超のマンションは現在32万戸であり、10年後には4倍の129万戸、20年後には8倍の264万戸となる見込み。

2.経年による物理的な寿命

最初に触れたように、建物をもたせようと思えば寿命をのばすことは不可能ではないという。

とはいえ、それは「新耐震基準のマンションで、定期的に構造躯体や防水・仕上げ、配管などのメンテナンスを適正に実施していればの話です」と鈴木氏。よくいわれる「マンションは管理を買え」ではないが、同じ築年数のマンションでも、手厚いメンテナンスを施した建物とそうではない建物では、大きな差がつくことはいうまでもない。

しかしながら、設備関連が劣化するのを避けて通れないし、年数を重ねるほどにメンテナンス費用が大きくなるのも確かだ。一定のところまでたどり着けば、メンテナンス費用をかけて建物を維持するのと建て替える場合の費用が、限りなく近づいてくることになりそうだ。

イラスト

3.経済的観点からの寿命

このように物理的には100年でも住み続けることが可能なはずだが、実際は少し事情が違ってくる―旧耐震基準とはいえ、堅牢な構造を誇った同潤会アパートも60年~70年で取り壊されている。また、2016年には日本初の分譲マンションだった渋谷の「宮益坂ビルディング」も65年の寿命をまっとうした。社会情勢の変化によって、建物はまだ使用に耐えうるにも係わらず、経済活動上のさらなる価値を求められて取り壊されることもある。これは経済的な寿命といえるだろう。再開発や区画整理などよるインフラ整備も同様にマンションの寿命を左右する要因となる。

耐用年数を過ぎたら、どうなる? 住宅ローンを組む際の注意点は?

ここまでマンションの寿命についてみてきたが、大きなテーマである耐用年数とはどういうことか。あらためて考えてみよう。

耐用年数=寿命ではない

マンション(鉄筋コンクリート造の建物)の法定耐用年数は、1998年の税制改正によって47年と定められている。これは毎年減価償却をしていき、最終的に償却がゼロ=建物の価値がゼロになるのが47年ということ。一見、耐用年数を超えると何か性能が落ちるかのような錯覚に陥るが、実際には何の影響もなく、耐用年数=寿命ではないのである。

ただし、住宅ローンを組む際は注意が必要だ。住宅ローン借入期間は、基本的に最長35年間(満80歳まで)。ただ、築年数の古いマンションを購入する場合、年齢にかかわらず、借入期間が短くなるケースもある。 審査上、耐用年数と築年数の差分で借入期間が設定されるからだ。

金融機関によって多少変動があるが、例えばあるマンションの築年数が20年の場合、借入最長期間は27年が目安ということになる。借入期間が短くなるということは、月々の支払いが増えることに直結するので、支払いがきつくなってしまうこともある。

主な減価償却資産の耐用年数
構造・用途 細目 耐用年数
木造・合成樹脂造のもの 店舗用・住宅用のもの 22
木造モルタル造のもの 店舗用・住宅用のもの 20
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの 住宅用のもの 47
れんが造・石造・ブロック造のもの 店舗用・住宅用・飲食店用のもの 38

※国税庁作成「主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)」より抜粋して作成

減価償却はどうやる?

減価償却という少しややこしい言葉がでてきたが、ここではマンションの減価償却の計算法について、大まかに見ていこう。ちなみに居住用に購入した場合は、住宅ローン減税で節税できるのであまり必要性はない。主に投資用の場合には減価償却によって節税することができる。

1. 購入したマンションを土地と建物に分ける(減価償却できるのは建物部分だけ)
2. 建物部分を建物躯体と建物設備に分ける
3. 取得価格×償却率(耐用年数に応じて定められている)

新築マンションの場合はともかく、中古マンションの場合は躯体と設備を分けにくいケースもあるので、そのときは建物として一体化して計算することも可能。また償却率は国税庁のホームページに掲載されている。

公開日 2017年12月04日
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