マンションの寝室 安眠できるレイアウトやインテリアをインテリアコーディネーターが伝授

マンションの寝室。安眠できるレイアウトやインテリアをインテリアコーディネーターが伝授

寝室の環境は寝心地に影響します。でも、マンションの場合、間取りプランによっては部屋が狭かったり、室内外からの音が気になる配置になっているなど、そのままでは理想的な寝室にはならないケースも。そこで、マンションでも、レイアウトやインテリアの工夫で安眠できる寝室にするノウハウを紹介。わが家のライフスタイルに合った工夫で、質の良い睡眠を手に入れましょう。

熟睡できる寝室の条件は?

睡眠は一日の疲れを癒やし、健康を保つために大切な時間。そのためには、寝室環境も大切。では、理想的な寝室とはどのような空間なのでしょうか。インテリアコーディネーターの住吉さやかさんによると、熟睡できる寝室の主な条件は「光」「室温」「音」の3つ。

「寝室は入眠する夜と、目覚める朝の二つの時間帯の部屋の明るさが大切です。夜は暗さが確保でき、朝は光を浴びて体内時計をリセットできることが理想。朝日が差し込まない寝室でも、目覚めてすぐに日当たりのよいリビングで光を浴びることができればいいでしょう。寝室でより大切なのは夜間に外からの光を遮断できる環境です」(住吉さん、以下同)

室温

「室内の温度変化があまりないほうが安眠できます。大きな窓がある部屋は、対策をとらなければ室内温度の変化が大きくなりがちですから、寝室にする部屋の窓は小さくてもよいでしょう」

「共用廊下(外廊下)に面している部屋、外に面している部屋、どちらも窓などから音は入ってきます。自分にとって音が気にならない環境を選ぶことが必要です」

そのほか、眠りに入る前にごちゃごちゃとした部屋の風景が視覚情報として脳を刺激しすぎないよう、広くてすっきりと片付いた寝室が理想的。広さは余裕をもってベッドが置け、ドアの開閉や人の移動がスムーズで、好みの収納家具や椅子などが置けるといいですね。

広さや暗さなど理想的な寝室のイメージ
(画像/PIXTA)

マンションではどの部屋を寝室にすれば快眠につながる?

マンションではリビング隣接、または独立した部屋のどちらかが寝室に

新築マンションの場合、LDK(リビング、ダイニング、キッチン)以外の個室は、大きく分けると「リビングに隣接している部屋」と「LDKからは独立している部屋」の2タイプ。このどちらかを寝室に使用することになります。

リビングに隣接している部屋は、ベランダ(バルコニー)に面していて大きな掃き出し窓があることも多く、明るいけれど、リビングの音がダイレクトに影響することが寝室としてはデメリットになります。

独立している部屋はリビングに比べて、日当たりで劣るケースがありますが、静かな環境を確保しやすいメリットがあります。ただし、間取りプランによっては、共用廊下に面しているため、窓の外を歩く人が気になる、という人もいるでしょう。

新築マンションでは、理想的な寝室のすべての条件を満たす「光と室温、音に配慮できる、広い部屋」は確保できない可能性もあります。そこで、制約のあるマンションでも快眠できる部屋の選び方のポイントを探っていきましょう。

マンションで寝室に選ぶことになる部屋を示したイラスト
マンションではリビングに隣接した部屋か共用廊下側の部屋から寝室を選ぶことになるケースが多い

寝室に向くのは廊下側?ベランダ側?ライフスタイルによって快眠スペースを選ぶ・つくる

マンションでは、静けさや暗さを確保できるという点で、寝室にはリビングから離れた部屋や北側の部屋が向いているといえます。ただし、家族構成や家族の生活リズムによっても寝室選びのポイントは違ってきます。

一人暮らし

一人暮らしで1LDKの場合は寝室にする部屋は決まってしまいますが、2LDKで個室がベランダ側と共用廊下側に配置されている場合、どちらを寝室にするといいのでしょう。この場合、ポイントになるのは日当たり。
「日当たりの良いベランダ側を書斎にして、寝室は共用廊下側をオススメすると思います」
日中は仕事に出ている人でも、朝や休日は明るい書斎で過ごすこともあるでしょう。また、寝室は大きな窓がないほうが音や外気温が影響しにくく快適です。

小さな子どもがいる、これから生まれるファミリー

小さな子どもがいるファミリーや、これから家族が増えそうなカップルの場合、3LDK~4LDKの間取りを選ぶケースが多いはず。
「お子さんが小さいうちは、『妻と子どもの寝室』+『夫の寝室』という割り振りになるご家庭が多いようです。仕事で帰りが遅い家族がいる場合は、リビングに接していない部屋にお子さんを寝かせるほうがお互いにストレスなく過ごせます」

夜勤がある家族がいるファミリー

「シフト制で働いていたり、夜勤があったりで、昼間に睡眠をとる家族がいる場合は、暗さを確保できる部屋が適しています」
窓の大きなベランダ側の部屋よりも、明るくなりすぎない共用廊下側や北側の部屋がオススメ。また、リビングや人の出入りが多いトイレ、浴室などの水まわりから、できるだけ離れた部屋を寝室にするのがいいでしょう。

共用廊下からの音や人の気配に敏感な人

共用廊下を歩く人の気配や足音が気になる、また、最近の新築マンションはエレベーターのモーター音や扉の開閉音は静かになっていますが、それでも気になる、という人は、あえてベランダ側の部屋を寝室にするのもいいでしょう。
「窓が大きくても、入ってくる光をカーテンの工夫である程度快適な状態にできる場合もあります」

マンションの寝室のイメージ
(画像/PIXTA)

寝室には不向きな部屋を安眠空間に近づけるには?

寝室には向かない部屋で眠らなければならないケースもあるでしょう。その場合、できるだけ快適な空間に近づける工夫をするといいですね。

窓から光が入ってくる部屋

街灯やネオンの光で、夜になっても照明がいらないくらい明るい部屋や、東向きや南向きの部屋で早朝から目が覚めてしまう部屋。共用廊下に面した部屋も廊下の照明が深夜までついていて、安眠できないことも。

安眠のためには光を遮る必要があります。

「窓から入ってくる光は、遮光カーテンである程度カットすることが可能です。
遮光カーテンはどれくらい光を遮るかによって1、2、3の3段階で等級分けされており、数字が小さいほうが遮光率が高くなっています。プロジェクターで映画を見るにも快適なくらい暗くなるのが遮光1級、昼間にカーテンをしめると部屋がぼんやり暗くなる程度なのが遮光3級。等級は明るさ、暗さの好みに応じて選んでいただくのがよいと思います。

重要なのは、カーテンの長さや幅。窓とカーテンの隙間から光や太陽光が入ってくると部屋の中が明るくなりますから、丈や幅は長めに。上部はカーテンボックスで覆われているといいですね。横からの光漏れを防ぐため、カーテンと壁の隙間を覆うよう立体的な仕立てになっている『リターン付きカーテン』と呼ばれるものもあります」

■遮光カーテンの等級と暗さのレベル
遮光1級 遮光2級 遮光3級
遮光率99.99%以上
人の顔の表情が識別できないレベル
遮光率99.80~99.99%未満
人の顔あるいは表情が分かるレベル
99.40~99.80%未満
人の表情は分かるが、事務作業には暗いレベル

窓から音が入ってくる部屋

幹線道路が近い、商店街や駅に近いなど外が深夜までにぎやかな環境や、共用廊下に面している部屋で音が気になる場合も厚手のカーテンを使うことで、ある程度は音を遮断することができます。また、吸音効果と遮音効果のある防音カーテンを試してみるのもいいでしょう。この場合も、遮光カーテン同様、窓とカーテンの隙間をできるだけ少なくすることが大切です。

そのほか、リフォームで内窓を設置することで防音効果に加えて、断熱効果もアップします。

隣の住戸からの音が気になる部屋

音の問題に配慮された新築マンションの場合、遮音性の高い構造のほか、住戸と住戸の間はクロゼットなどを配置したり、寝室に使用しそうな部屋が隣のリビングと隣り合せにならないようしたりなど、間取りプランに工夫がされています。マンションを購入する際に、購入する住戸だけでなく、隣や上下階の間取りも確認するといいでしょう。

入居後に隣の音が気になる場合、隣の住人もこちらの音を気にしている可能性があります。隣との境になっている壁に面して家具を置くことで、音がある程度遮断できるケースもあります。

隣の住戸からの音に悩んでいる人のイメージ

リビングに隣接した和室

3LDKで2部屋を子ども部屋にする場合、夫婦が寝室にできるのがリビングに隣接する和室のみ、ということがあります。この場合も、寝室としての難点は日当たりが良すぎて、早朝から目覚めてしまうこと。前述したように、カーテンの工夫で暗さを確保しましょう。

リビングと和室の間に間仕切りがあり、独立した空間にできるなら、和室とはいえ布団よりベッドのほうがオススメ。
「布団は上げ下ろしが大変。敷きっぱなしになってしまうくらいなら、ベッドにしたほうが衛生的です。その場合、フレームは引き出しになっているタイプではなく、脚があって下に空間があるタイプのほうが湿気がこもらず、畳を傷つけにくいといえます」

リビングと和室の間仕切りを開放して、昼間はひとつの空間として使用する場合は布団を使用しましょう。布団のメリットは、畳んでしまってしまえば空間を広く使える点です。

和室にベッドを置いた寝室のイメージ
(画像/PIXTA)

生活動線がストレスにならないベッドのサイズや部屋の広さは?

6畳の寝室に入るベッドのサイズは?

ベッドの標準的なサイズは下の表の通りです。

「真四角に近い形の6畳の部屋に、ベッド1台ならシングルからクイーンサイズまで、2台ならシングル2台まで置くことは可能でしょう。ただし、寝室にどのサイズのベッドが置けるか、2台置くことはできるかは、部屋の形や出っ張りの有無、収納の位置などよって違ってきます。新居用に買ったベッドが部屋に置けない!というケースもありますから、物件の内見時にメジャーを持参して部屋のサイズを測っておくことをオススメします。今、使用しているベッドを搬入する場合は、ベッドのサイズを確認しておき、内見時に部屋の床にマスキングテープをベッドの四隅の位置に貼って、部屋の中を歩いてみるといいでしょう」

■ベッドの標準的なサイズ
奥行き(長さ)
シングル 100cm 200~210cm
セミダブル 120cm
ダブル 135~150cm
クイーン 160~170cm
キング 180cm
ワイドキング(シングル2台) 200cm程度

6畳の寝室、シングルベッドは2台置ける?

下のイラストは、3.6m×2.7mの6畳の部屋にシングルサイズのベッドを2台置いたケースです。

6畳の寝室にシングルベッドを2台置いたケースのイラスト
3.6m×2.7mの6畳の部屋。シングルベッド2台を置いたうえでスムーズな生活動線を確保するなら、ベッドとベッドの間に隙間はつくれない

2台のベッドを離して置くこともできそうですが、そうするとクロゼットや部屋の扉、窓を開け閉めする生活動線がとりにくくなります。寝室内でスムーズに歩くためには、ベッドとベッドの間に隙間はつくれません。2台を離して置きたい場合は、8畳以上の部屋がいいでしょう。

「開き戸や折れ戸のクロゼットならベッドとの距離は80cm、通路になるベッドと壁の間隔は最低でも60cmは欲しいところ。窓とベッドの間はできるだけ離しておきたいので、シングルベッドを2台入れるなら、隙間なく並べて置くことになります」

では、シングル以外のサイズのベッドを置いた場合、空間にはどれくらい余裕が出るのでしょう。3.6m×2.7mの6畳の部屋で、クロゼットから80cm離れた位置にシングル、ダブル、クイーンサイズのベッドを置いたのが下のイラストです。クローゼット側とは反対側の壁や窓とは、シングル1台なら180cm、ダブルなら140cm、クイーンなら110cmの距離をとることができます。

6畳の部屋にシングル、ダブル、クイーンサイズのベッドを置いた場合

ベッドは家具や壁からどれくらい離しておくのがいい?

必要な距離は人間工学から出された寸法が目安になる

家具同士の距離や、家具と壁との距離の有効寸法(実際に人や物が通れたり、使えたりするのに最低限必要な寸法)は人間工学的に推奨寸法が算出されています。

ベッドと収納家具の配置

引き出しのある収納家具の場合、引き出してものを出し入れするスペースが必要になります。ベッドと収納家具の間は最低90cmは空けておきたいです。

ベッドとクロゼットの配置

クロゼットや開き戸や折れ戸の場合は最低80cmは必要です。

ベッドとベッドの配置

複数台のベッドを離して置く場合、両側から出入りできるよう最低30cmは離しておきたいところです。

ベッドと壁の配置

通路になるベッドと壁の間は最低でも60cmは確保しましょう。

「窓、特に床までの掃き出し窓のそばは夏の暖気、冬の冷気が入ってくるため、室内でも環境の変化が激しく、睡眠の質を下げてしまいます。窓とベッドの間は、できるだけ離しておくのが望ましいです。とはいえ、そこに置く以外の方法がない、という場合もあります。その場合は、カーテンの開け閉めがしやすい程度は離しておくとよいと思います。お部屋が広いのであれば、窓からはできるだけ離してベッドを置いてください」

ベッドの配置のイメージ
(画像/PIXTA)

おしゃれで安眠できる寝室にする、壁紙や照明などのポイントは?

壁紙やカーテンはブルー系がオススメ

質の良い睡眠のために、インテリアの工夫もオススメです。

「壁紙やカーテンの色は鎮静効果のあるブルーがオススメです。お好みでシックで落ち着いたブルーグレーにしたり、爽やかなスカイブルーにしたり。最近はグリーンが入ったターコイズブルーや青磁色、ネイビーやインディゴブルーが人気です。壁紙やカーテンは簡単に変えられませんが、寝具、特にベッドカバーは気分や季節に合わせて変えやすいので、色を入れるのにもオススメです」

ベッドカバーやシーツは天然素材が心地よい

「ベッドカバーやシーツ、枕カバーなどは素材にこだわると心地よさがアップします。天然素材がオススメで、綿が一般的ですが、最近は麻(リネン)の人気が増しています。リネンは吸湿性が高く、サラッとした手触りが特徴で、丈夫で汚れが落ちやすいので繰り返し洗うシーツに最適です。価格は高いですが、長く快適に使えます」

ベッドカバーのイメージ写真
ベッドカバーやシーツは天然素材がおすすめ(画像/PIXTA)

寝室照明は間接照明を基本に

寝室のインテリアで最も重要といえるのが照明。

「寝る前には部屋を明るくしすぎないことが大切。手元で消せる照明を一つは用意しておくといいですね。寝る前は主照明(シーリングライトなどの部屋全体を明るくする照明)を早めに消す、もしくはベッドに入るだけなら主照明のスイッチを入れずに過ごすようにすると、眠るための体の準備が整います。

最近ではスマートランプ(スマート電球)が手ごろな価格になりました。スマホでオンオフができたり、タイマーのセットができたり、いろいろな機能があります。ペンダントライトなどにスマートランプを入れて使うのもオススメです。スマートランプの良いところは、色が変えられる点。照明は明るさだけでなく光の色(夕焼けのようなオレンジ色か、昼間の白い光か)が重要です。寝室に向いているのはオレンジ色の光です。自宅で仕事をする方で、寝室と書斎を分けられない方などは、仕事時間と寝る前の時間の光の色を意識的に変えることで、リラックスでき、安眠できます」

安眠できるよう壁紙の色やベッドの配置、照明などに工夫をした寝室のイラスト

間取りの制約で、十分な広さで静かな部屋が確保できなくても、壁紙やカーテンの色、照明の工夫をすることで快適な寝室にできそうです。

まとめ

安眠できる寝室は「暗さが確保できる」「室温が安定している」「音が気にならない」ことがポイント

家族構成や生活リズムによって、寝室に向く部屋は違ってくる

ベッドは収納家具やクロゼット、窓との適切な距離をとることで生活動線がスムーズになる

壁紙やカーテンの色、照明、ベッドリネンの素材の工夫で快眠できる寝室にできる

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取材・文/田方みき イラスト/もり谷ゆみ
公開日 2021年07月15日
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