マンションの2階の住み心地は?後悔しない住戸の選び方を解説

最終更新日 2026年08月19日
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マンションの2階の住み心地は?後悔しない住戸の選び方を解説

マンションの2階は「1階より防犯面で安心できそう」「上階ほど価格が高くない」といった理由から、選択肢として検討する人も少なくありません。一方で、「外からの視線が気になる」「足音や生活音が気になった」など、住んでから後悔するケースもあるでしょう。マンション選びでは、階数だけでなく周辺環境や部屋の位置、日当たり、防犯性などを総合的に確認することが大切です。この記事では、不動産仲介の経験も豊富な不動産エージェントの山本直彌さんにお話を伺いながら、マンション2階のメリット・デメリットや後悔しない住戸選びのポイントを解説します。

マンションの2階の高さは何メートル?3階とはどう違う?

そもそもマンションの2階はどれくらいの高さがあり、3階とどのように違っているのでしょうか?ここで、マンション2階の具体的な高さや窓からの眺望などを紹介します。

マンションの2階の床は地上から何メートルくらい?

マンションの2階の住戸は、地上から何メートルくらいの高さのところに位置しているのでしょうか。

マンションの1フロア当たりの高さは約3m前後。ですから、2階の住戸の場合は、地上から約3mのところに床が位置することになります。3階住戸の床が高さ6mのところにあり、スラブ(コンクリートの床板)の厚みを差し引くと、2階の天井の骨組み(スラブ下)の高さは地上から5.5m~5.8mとなります。実際の室内の天井高(床から天井まで)は2.4m~2.6m程度が一般的です 。

ただし、マンションによってフロアの床の高さは異なります。

「分譲マンションで多いのが、1階のエントランスから中へ入るとホールの部分が高さ4~5m程度の吹き抜けになっているケース。その場合、フロアの高さは物件によって違ってきます」(山本さん、以下同)

マンションによっては、1階は共用部分になっておりエントランスの上を1階住戸と表記する場合もありますし、住戸は2階から始まる設定にしているところもあります。実際の高さはケースバイケースです。

1階部分のエントランスの天井が高いマンションと、一般的なマンションでは、2階の位置が違うことがわかるイラスト
マンションの2階が地上何メートルの高さなのかは物件次第(イラスト/藤井昌子)

2階の窓から電線が見える?

マンションの窓からの眺望は気になるもの。できれば避けたいと思うのが電線でしょう。

電線(配電線)の高さは道路条件や電線の種類によって異なりますが、一般的には地上約8m~13m程度に設置されることが多く、2階の住戸は天井が地上から5.5m~5.8mですから、電線は窓よりも上を通ることが多いといえます。ただし、住戸への引き込み線など低い位置にある電線が視界に入る場合もあります。しかし、エントランスの天井高によって2階が高い位置にあるマンションの場合、窓と電線の距離によっては気になるケースもあるでしょう。

「電線が窓の外に通っていないマンションもあります。窓の外に電線があっても、敷地が広く距離が離れている場合や、奥行きのあるバルコニーの前の電線であれば気にならないことも多いでしょう。物件探しの際には、完成済みマンションや中古マンションなら現地で電線の位置やバルコニーの奥行きなどを確認することが大切。未完成のマンションの場合は、バルコニーのある部屋はどれか、窓のすぐそばに電線が配置されていないかを現地やモデルルームで確認しましょう」

マンションの2階の暮らしやすさは最強?メリットを解説

マンションの2階の購入や賃貸での利用を検討しているなら、2階で暮らすメリットや注意ポイントを知っておきたいもの。まずは、2階の暮らしやすさにつながるメリットを紹介します。なお、マンションの規模や立地などによっては、ここで紹介するメリットが当てはまらないこともあります。

高層階よりも価格が安い

マンションは低層階よりも中層階や高層階に住みたいと考える方が多い傾向にあり、この人気度が価格にも反映されています。

新築分譲マンションの場合、1フロアごとに一定額で価格が上がるという設定も見られます。例えば、1フロア上がるごとに50万円価格が上がった場合、2階と5階では50万円×3で150万円近く差があることになります。2階と10階なら50万円×8で400万円の差ができるイメージです。あくまで目安ではありますが、同じマンションかつ同じ広さであっても、下の階ほど安く購入できることになります。

なお、1フロアごとの価格差は物件のグレードやエリア、立地条件などによって幅があり、なかには1フロア変わるだけで100万円以上の差が出る場合もあります。賃貸の場合でもフロアが変わることで家賃に差が出る場合もありますが、分譲に比べると差は少なく、同額もしくは数千円程度しか変わらないケースが見られます。タワーマンションほどの高層階と2階程度の高さなら賃貸でも大きな差は出ますが、中層・低層階と2階ではそれほど差は開かない傾向です。

新築分譲マンションで1階上がるごとに50万円高くなり、2階5050万円と10階5450万円で400万円の差が生じる価格イメージ図
同じマンションでも階数が上がるほど価格が高くなり、2階と10階では大きな価格差が生じる場合がある(イメージ図/SUUMO編集部作成)

安く買えて、共用施設やサービスが使えてコスパがいい

高層階に比べて価格が安い2階の住戸。マンション内にラウンジやキッズルーム、トレーニングジム、コワーキングスペース、コンシェルジュサービスなどの共用施設やサービスが充実しているなら、安い価格で購入した上に、これらの施設やサービスを、価格の高い高層階と居住者と同様に利用できるのはお得なこと、と考えられます。

「管理費や修繕積立金は専有面積によって決まるため、同じ広さの住戸なら低層階も高層階も同じランニングコストで共用施設や管理サービスを利用できます。これは低層階の大きなメリットです」

道路からの視線が1階よりも気にならない

1階住戸は窓の近くに道路があると道を歩く人の気配や視線が気になるもの。その点、2階住戸なら歩行者からの視線は気にならないのがメリットです。

災害時に避難しやすい

大地震などの災害時にエレベーターは使えませんが、2階からの避難は階段で1フロア分を下りるだけで済みます。停電が続いたときに水や食料を持って階段を上るときも、中層階、上層階に比べると負担が少ないといえます。

外に出るのが苦にならない

上層階の場合、外出するたびにエレベーターを待ったり、朝の通勤・通学時間帯には混雑でなかなか乗れなかったりすることがあります。一方、2階住戸なら階段を使って出入りしやすく、ゴミ出しやコンビニへの買い物、子どもの送り迎えなど、ちょっとした外出でも負担を感じにくいのがメリットです。

また、宅配便の受け取りや忘れ物を取りに戻るといった日常の場面でもスムーズなため、外と住戸を行き来する機会が多い人ほど利便性を実感しやすいでしょう。特にエレベーターが1基しかないマンションでは、その恩恵を感じやすいといえます。

2階住戸から階段で楽に上り下りができるイラスト
エレベーターを使わなくても気軽に外へ出られるのが2階住戸のメリット(イラスト/藤井昌子)

地震のとき高層階より揺れにくい

マンションは上層階ほど地震の際の揺れが大きくなる傾向にあります(揺れ方の強さは耐震構造の種類にもよります)。地震の揺れが苦手な人は、低層階のほうが安心感を得られるといえます。

階下がピロティやエントランスなら足音などを気兼ねせずに済む

「階下がピロティや駐車場の場合、床から冷えを感じやすい住戸もあります。近年は床下に断熱材を施すなど対策が取られている物件も増えていますが、気になる場合は内見時に床の冷たさを確認したり、仲介担当者に床の断熱仕様を聞いてみたりするとよいでしょう。それよりも、階下に住戸がないのは、階下への足音や生活音を気にせずに済むという点で大きなメリット。1階よりも外からのプライバシーが守られつつ、音などを気兼ねせずに済む1階のメリットの恩恵も受けられます」

ピロティのある建物の画像
ピロティとは上階の重みを柱で支えた1階部分にある吹き放しの空間のこと。画像は香川県庁舎(画像/PIXTA)

デメリットは防犯面の心配?マンション2階の注意点は?

マンションの2階を検討する場合、知っておきたい注意点は何でしょうか。物件選びの際の参考にしてください。

防犯面に注意。外からの侵入がされやすい場合も

防犯対策がされていないマンションの場合、2階住戸は1階住戸と同様に外からの侵入被害に遭う心配があります。まず大切なのは物件選び。

「大通りに面しているマンションは雑然としているというイメージを持たれがちなのですが、実は逆。人通りの多い道路から見えやすいマンションは、フェンスを越えてバルコニーから侵入しようという侵入犯はそう多くはないのです。ですから、住戸を選ぶ際には面している道路の人通りがどうかを確認することが重要です。また、専用庭があるマンションの場合も2階に侵入しにくいといえます。フェンスと目隠しになっている植栽を越えて、1階住戸からの視線を気にしながら2階に登るのは侵入犯も避けたいルートです」

侵入されにくい立地の物件を選び、さらに、窓に補助錠や防犯フィルムを後付けすると、侵入に時間がかかるようになり、防犯効果を高められます。なお、インナーサッシ(二重窓)も断熱・防音性能の向上が主な目的ですが、副次的に侵入に時間がかかるケースもあります。侵入犯にとって入りたくない部屋にすることで防犯性が高まります。

2階はどこから侵入される?内見時に確認したい足場のチェックポイント

1階に比べて窓から侵入されにくい2階ですが、絶対に侵入されないわけではありません。警察庁「住まいる防犯110番」のデータ(令和7年)によると、共同住宅(3階建て以下)における侵入窃盗の侵入口は、「表出入口」(50.7%)に次いで「窓」が34.7%と高い割合を占めています(4階建て以上のマンションでも、窓は2番目に多い侵入口です)。そのため、2階でも内見時には周囲に足場となりそうなものがないかチェックすることが大切です。

  • 庭木
  • 室外機
  • 雨どい
  • ガス配管
  • 物置
  • 電柱 など

これらは足場として利用され、侵入を許してしまう可能性があります。また、外からの視線が届きにくい死角があると、犯人にとって身を隠せる場所になってしまうため、近くに身を隠せるものがないかもチェックしておくと安心です。

参考:警視庁令和7年 住まいる防犯110番

2階だからこそ選ばれるケースも|シニア層や子育て世帯からの需要に注目

マンションの2階は「高層階より人気が低い」と考えられがちですが、実際には2階を探している人もいます。

例えば、マンション内で住み替えを希望するシニア層です。年齢を重ねると、エレベーターの点検時や災害時の避難を考え、できるだけ低い階を希望するケースがあります。特に2階は、階段でも無理が少なく移動しやすいため、「高層階から2階へ住み替えたい」というニーズが一定数見られます。

また、小さな子どもがいる子育て世帯からも選ばれやすい傾向があります。特に階下がエントランスや店舗、駐車場、共用施設など住戸ではない場合は、足音や生活音を過度に気にせず暮らしやすいためです。子どもが走ったり飛び跳ねたりする音による近隣トラブルを心配する家庭にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

さらに、ベビーカーを利用する家庭や、毎日の買い物で荷物の持ち運びが多い家庭にとっても、2階は移動の負担が少ない階です。エレベーターが混雑している時間帯でも階段を利用しやすく、外出や帰宅がスムーズになります。

このように、2階は単純に「価格が安い階」ではなく、ライフスタイルによっては積極的に選ばれる階でもあります。将来的な売却を考える場合でも、シニア層や子育て世帯といった具体的な需要層が存在することを理解しておくとよいでしょう。

道路の走行音やエントランス付近の生活音が気になることも

マンションの2階は、階下がエントランスやピロティ、駐車場などの場合、自分が出す足音や生活音を階下の住戸へ気にしなくて済むというメリットがあります。一方で、それは「自分が発する音」に関する話であり、「外から聞こえてくる音」が少ないことを意味するわけではありません。

2階は地上から近いこともあり、道路の走行音や通行人の話し声などが他の階よりも聞こえやすい傾向にあります。

さらに、1階が住戸ではなくエントランスだった場合、自分が階下への足音や生活音を気にする必要は少ないものの、エントランスのドアの開閉音や住人の足音、話し声が聞こえてくる可能性があります。そのため、内見時には窓を閉めた状態と開けた状態で音の聞こえ方を確認することが大切です。可能であれば内見の時間帯を変え、どのような音が気になるかチェックしてみましょう。

ゴミ置き場が近くにある場合、においは大丈夫?

「マンションのゴミ置き場からのにおいについては、その物件のゴミ置き場の形状によります」

マンションのゴミ置き場は、コンクリート造の小屋型のゴミ置き場が道路の近くに設けられていたり、塀で囲んでいたりするタイプや、ごみ収集日だけゴミ袋を覆うネットなどが用意されるケース、マンション内に独立した空間として設けられ24時間いつでもゴミが出せるケースもあります。

「いつでもゴミが出せる棟内のゴミ置き場のケースでも、気密性が保たれていれば、日常的に出されるゴミのにおいが気になるということは実は多くはありません。気になるとすれば、ごみ収集のタイミング。マンションの清掃スタッフや管理員の方が、収集車が来る日にゴミを外に出します。そのときに、収集する音が気になる、においが漏れる、ということがあります。

ゴミの収集は曜日が決まっていて、時間帯もだいたい同じです。その時間帯は窓を開けないようにするなどの対策をすれば、日常生活に支障をきたすようなことはないでしょう。

ただし、ゴミ置き場に染みついたにおいが気になるというケースはあります。中古マンションを購入する場合などは、ゴミ置き場に脱臭装置や空調設備が設置されていて、定期的な点検もされていてきちんと機能しているかを確認するといいでしょう」

2階でもゴキブリなどの虫は出る

気密性の高いマンションでは虫は出にくいのでは?と期待する人もいるでしょう。しかし、残念ながらマンションでも虫は入ってきます。

「虫が発生しやすいのは1階です。しかし、2階以上でも外壁をつたったり飛んできて窓から入ってきたり、エレベーターに乗ってやってきたり。虫の出やすさは、そのマンションが住居専用なのか、テナントなどが入る複合用途なのかでも違ってきます。1階に飲食店などの店舗があると配管を通って侵入するケースが多いです。虫は基本的に衛生環境が悪いところを好みます。排水管清掃やマンション周辺の清掃がきちんとされているかがチェックポイントです」

近隣の住宅の居住者と目が合うことがある

2階の住戸は1階に比べて外を歩く人からの視線は気にならないもの。しかし、周辺の一戸建てやマンションと窓が向い合っている場合は要注意。

「都市部では、平屋は少なく一戸建ても2階建てや3階建てです。採光のためリビングが2階にある一戸建ても多く、距離によっては隣の一戸建てやマンションからの視線が気になる、ということもあります」

気になる人は、現地の状況を必ず確認するようにしましょう。

近隣の環境によっては2階リビングの一戸建ての住人と目が合うことも
近隣の環境によっては2階リビングの一戸建ての住人と目が合うことも(イラスト/藤井昌子)

マンションの2階で後悔しないためのチェックポイント

実際にマンションの2階を検討する際、どのようなポイントを押さえることで後悔しない住戸選びができるのでしょうか?ここで、後悔しないためのチェックポイントを紹介します。

周辺環境を現地でチェックする

内見では主に部屋の中を中心に見ていきますが、部屋の中だけでなく周辺環境もチェックすることが大切です。安心して暮らせる2階を探すためにも、侵入経路になりそうなものがあるか確認してみましょう。

また、人通りの多さや夜の暗さなどもチェックしておくと安心です。人通りが多いと話し声が気になりやすいものの、人の目が多いことで空き巣も犯行に及びにくい傾向にあります。また、駅から帰宅する際のルートに街灯が少ないと、夜間の帰宅・外出時に不安を抱える場合も多いことから、夜の暗さもあわせて確認してください。

日当たり・眺望を確認する

マンションの2階は近隣の住宅と距離が近かったり、高層マンションに囲まれていたりすると、日当たりが悪くなる可能性があります。日中でも日光が入ってこないと、部屋が暗くなり照明をつける機会が増えたり、ベランダに洗濯物を干しても乾きにくくなったりする場合もあるため注意が必要です。また、2階は高層階に比べると眺望が望めない傾向にあり、場合によっては近隣に住む人と目が合ってしまうこともあるかもしれません。

日当たりや眺望を確認する際には、内見時に部屋のカーテンを必ず開けてみましょう。また、日当たりは時間帯によっても異なるため、なるべく時間帯を変えて複数回内見に訪れたほうが後悔せずに済みます。

排水管の逆流リスクや配管構造を確認する

マンションは構造として、低層階に建物全体の排水が集まってくるため、共用部分の排水管の詰まりや自然災害が発生すると、逆流リスクが高くなります。

上層階の住人が大量の水を流すことで、排水管内部の気圧が急激に変化し、2階などの下の階のトイレの封水まで引っ張る「誘導サイホン作用(誘導サイホン現象) 」が起きる場合もあるでしょう。内見時に逆流リスクを見極めるのは難しいものの、事前に排水関連のトラブルが起きたことはあるか確認しておくと安心です。

また、マンションの配管は主に「合流式」と「分流式」があり、合流式だと雑排水と汚水が合流する横引き管で詰まりが発生した場合、逆流するリスクがあります。新しいマンションだと各配管から汚水を流す分流式を採用しているケースが多いですが、検討中のマンションが合流式か分流式か、不動産会社の担当者に確認してもらいましょう。

騒音の影響を事前に把握する

2階は地上に近いため、外からの騒音が気になるケースも少なくありません。そのため、内見時には騒音の影響も事前に確認しておくことが大切です。例えば、マンションの周辺に幹線道路があったり、スーパーやコンビニ、病院などがかなり近い場所にあったりすると、騒音が気になる可能性も考えられます。また、土日は静かでも平日になると近隣の工場や学校の音が気になるというケースもあるでしょう。

音の感じ方は人によって異なりますし、子どもの話し声は気にならないという人もいます。そのため、自分にとってどのような状況で、どのような音が鳴ると騒音に感じやすいのかも把握しておきましょう。

騒音をチェックする女性
内見時は窓を開けて周囲の音を確認し、騒音の感じ方をチェックすることが大切(画像/Adobe Stock)

浸水・災害リスクを確認する

「1階でなければ浸水被害は気にしなくてもいいだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、2階以上でも水害のリスクは考えられます。例えば大雨の影響でベランダの排水口が詰まって雨水が部屋の中に流れ込んだり、下水道の処理が追いつかず排水が逆流してトイレが使えなくなってしまったりします。また、他の災害リスクとして停電や断水に陥る可能性もあるでしょう。

こうした浸水・災害リスクをできるだけ避けるためには、事前にハザードマップで浸水・災害リスクを確認しておきましょう。国土交通省・国土地理院が公開している「ハザードマップポータルサイト」を活用すれば、調べたい地点の住所において想定される災害リスクを確認できます。各地方自治体でも災害のハザードマップを公開している場合があるため、自治体のホームページもチェックしてみましょう。

ハザードマップの確認に加えて、過去に周辺で冠水履歴がないか、マンション自体がどのような浸水対策をとっているかを不動産会社に確認しましょう 。

プライバシーを確認する

マンションの2階は1階に比べて外からの視線は気になりにくいものの、周囲が2階以上の建物に囲まれていた場合、プライバシーが気になる場合もあります。そのため、内見時は窓を開けたときに横や上から部屋の中を見られる可能性はあるのか確認してみましょう。こうした視線は間取図や物件の画像だけではわからないため、必ず現地でチェックしてください。

なお、プライバシーの確保は入居後の工夫で改善する場合もあります。例えば、視線を部屋の中から別の場所へ誘導させるためにベランダで植物を育てたり、遮光カーテンやブラインドを取り入れたりすることで、プライバシーを確保しやすくなります。

売却時の流動性(価格差・需要)を考慮して選ぶ

分譲マンションの2階を購入する際には、購入する前から売却時の流動性についても考えておく必要があります。例えば、高層階は眺望や日当たり、静けさなどの要素でニーズがあり、高く売れる傾向にあります。一方、2階を含む低層階は騒音やプライバシーの問題がある場合に売れにくくなる可能性が高いです。

ただし、2階でも高値で売却できるケースはあります。例えば最新のセキュリティー設備を完備しているマンションや、共用施設が充実しているマンション、周辺に便利な施設(買い物施設や公共交通機関、役所など)があるマンションなどはニーズが高く、2階でも売却しやすいです。

将来的に売却をする可能性がある人は、流動性も考慮して選ぶようにしましょう。

内見時に確認したい「2階で後悔しないためのチェックリスト」

最後に、内見時に確認したい項目をまとめてみました。実際にマンションの2階を内見する際に活用してください。

  • 周辺に足場になりそうなもの(室外機、2階以上の高さがある木など)がある
  • マンション前の道路は人通りが少ない
  • 街灯の数が少なく、夜になると暗い
  • 日当たりが悪い(朝・昼・夕方)
  • 窓の側に近隣住宅があり、部屋の中が見える可能性がある
  • 以前排水関連のトラブルに見舞われたことがある
  • 配管構造が「合流式」
  • 近くに騒音になりやすい幹線道路や施設(スーパー、コンビニ、病院など)がある
  • ハザードマップで確認したら浸水・災害リスクが高い地域だった
  • マンションの周りに高層の建物が多く、部屋の中をのぞかれやすい
  • 売却時に流動性が低くなる要素(騒音、プライバシーの問題)がある

マンションの2階は売れない?高層階も売りに出ている場合の対策は?

高層階のほうが人気のあるマンション。低層階の2階は将来売れない、といったリスクがあるのでしょうか?

高層階と同じ価格で売り出すなら売却時期をずらす

2階住戸を売り出そうとした同じ時期に、同じマンションの高層階も売りに出されたら、高層階のほうが購入希望者は多くなる可能性は高くなります。同じマンションで同じ方角、同じ広さ、そして同じ売り出し価格なら、高層階のほうが有利です。

「高層階と同じ値段で売るなら、売却時期をずらし、比較検討されないようにする方法になります」

値上がり率で価格をつけて、おトク感を出す対策も

高層階と同じ価格ではなく、その住戸の「値上がり率」という視点で売り出し価格を決めるのも対策の一つです。例えば、高層階の住戸が分譲時の価格の120%くらいの値付けで売られている場合、2階住戸も同様に20%の値上がり率で売り出せば、高層階のほうが価格が高く、2階の価格におトク感が出ます。例えば、新築分譲当時、6000万円だった2階住戸は7200万円。新築分譲時に20階の住戸は新築時6900万円(1フロア当たり50万円高いと仮定)だったとすると、その120%は8280万円。高層階より2階住戸のほうが1000万円近く安いことになります。

「高層階との価格差を意識して売り出すという作戦もありです。管理サービスや共用設備、共用施設の使いやすさは高層階も低層階も違いはありません。このメリットをアピールできれば、低層を好んで探されている方もいらっしゃいますから売りやすくなるといえます」

マンションの2階の固定資産税や維持費は高い?

マンションの2階を購入した場合、固定資産税や維持費は高層階とどのように変化するのでしょうか?続いては、固定資産税や維持費について解説します。

固定資産税は2階でも高くならず面積で決まる

固定資産税は土地と建物でそれぞれ発生するものです。土地の固定資産税評価額は年ごとに変動しますが、建物については経年によって評価額は下がる傾向にあります。また、マンションの固定資産税は、購入時の価格そのものではなく、自治体が算定する固定資産税評価額(築年数や専有面積などをもとに決まります)によって変動します。一般的なマンションは階数が固定資産税に直接影響することはなく、2階と上層階で税額に大きな差が出るケースは少ないでしょう。

ただし、2018年以降に新築された高さ60mを超えるタワーマンションだと階数も税額に影響してきます。2017年度の税制改正により、高層階と低層階で税額に違いが出るよう変更されたのです。この改正によって、中間階は以前と変わらないものの、低層階は下の階に行くほど納める税額が低くなります。

管理費・修繕積立金は階数に関係なく同水準になる

マンションの管理費や修繕積立金も、専有面積や部屋のタイプごとに設定されることが一般的であり、階数が異なるからといって金額に大きな差が出ることは少ないです。「2階だから安くなる」「最上階だから高い」というよりも、マンション全体にかかる維持管理費を各住戸に割り当てて分担する仕組みになっています。

そのため、例えば2階でエレベーターをほとんど使わなかったとしても、エレベーターを含む維持管理費は上層階の人と均等に割り当てられることになります。

2階は購入価格が低いためトータル維持コストを抑えやすい

マンションの2階は、上層階に比べて価格設定がやや低めになることが多く、住宅ローンの借入額を抑えやすい特徴があります。購入価格が下がれば、毎月の返済負担だけでなく、ローンに関連する利息負担も軽減しやすいです。

また、固定資産税の評価額や諸費用にも物件価格と一定の相関があるため、結果として総合的に維持コストを抑えやすい点は大きなメリットです。「できるだけ費用を抑えつつマンションに住みたい」という人にとって、2階はコストバランスの良い選択肢になりやすいでしょう。

マンションの2階は「後悔しやすい階」ではなく賢く選ぶ階

マンションの2階は高層階に比べて価格が安かったり、エレベーターを使わずに1階へすぐ下りられたりするなど、暮らしやすさを優先したい人に向いている階です。価格や移動に加え、災害時に避難しやすいなどの安心感もあります。

高層階と比べた際に2階にもデメリットはありますが、防犯面や騒音などの不安になりやすい要素は、「物件選び」によって大きく変わるものです。現地確認を怠らず、徹底して内見を行えば自分にとって暮らしやすい住まいが見つかるでしょう。上記で紹介したチェックリストなどを活用しつつ、後悔しない物件選びを行ってください。

まとめ

分譲マンションの2階住戸は、上層階に比べて安く購入できる

マンションの2階住戸は安く買って共用施設は高層階と同様に利用できる点でコスパが最強

災害時の避難のしやすさ、外への出やすさは2階ならではのメリット

高層階より割安感を出して売り出せば売却時でも不利になることはない

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構成・文/SUUMO編集部 イラスト/藤井昌子
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