マンションの間取り図の意味「S」「PS」「MB」とは!? 用語や記号、読み方を理解して家探しをしよう

最終更新日 2025年04月26日

マンションの間取り図の意味「S」「PS」「MB」とは!? 用語や記号、読み方を理解して家探しをしよう

マンションの間取り図に書いてある「S」「PS」「MB」など見慣れぬアルファベット表記が何を指しているのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、間取り図に書かれている「S」「PS」などのアルファベット表記の意味や用語、マンションの間取り図でチェックしておきたいポイントについて、間取りの研究家で一級建築士の井上恵子さんにお聞きしました。
アルファベット表記を知らないことで起こる、思わぬ勘違いなどもご紹介します。

マンションの間取り図に書かれている「S」「PS」「MB」って何?気になるマンションのアルファベット表記を解説

マンションの間取り図に書かれている、一般的なアルファベット表記の意味は以下のとおりです。

S

「S」はサービスルームだとわかりました。でも、間取り図にはよくわからないアルファベット表記がまだまだあります。代表的なものを確認していきましょう。

N

「N」は納戸の略です。納戸とは建築基準法で定められた窓面積がなく、居室としては認められない部屋のことを指します。サービスルームと同義であり、収納スペースのほか、書斎や趣味の部屋として使われることがあります。

LDK

「LDK」は、リビング・ダイニング・キッチンの略です。「リビング=台所」「ダイニング=食事室」「キッチン=台所」をそれぞれ指しており、これら3つのスペースが1つになった間取りをLDKといいます。

DK

「DK」は、ダイニング・キッチンの略です。「LDK」との違いは、くつろぐスペースがあるかどうかです。居室が1部屋+キッチンのある部屋が4.5畳から8畳未満ならDK、8畳以上ならLDKです。居室が2部屋以上の場合、キッチンのある部屋が6畳~10畳未満ならDK、10畳以上ならLDKと表記されます。

K

「K」は、キッチンの略です。キッチンの広さが2~4畳あり、かつ部屋との間に間仕切りがあるなどして独立している場合、間取りでは「K」と表記されます。

PS

「PS」はパイプスペースの略です。このアルファベットが書かれている場所には、給水管や排水管が通っています。

MB

「MB」はメーターボックスの略。電気や水道、ガスなどのメーターが格納されている場所です。共用廊下の玄関近くに設けられていて、他人が検針しやすいような配置になっています。

写真
MB(メーターボックス)

DEN

「DEN」は、もともと巣穴やねぐらを意味しますが、間取り図上では書斎や仕事部屋などに使える多目的の小部屋を指します。ただし、広さや形に明確な定義はありません。

STO

「STO」はストレージ(倉庫や納戸)の略です。

CL

収納の中でも主に衣類を収納するのが「CL」で、クローゼットを指します。

WIC

「WIC」は、ウォークインクローゼットの略で、足を一歩踏み入れることができるほど奥行きがあるのが特徴の収納です。服以外にも、帽子やバッグなどを同じ場所に収納しておけば、WICの中で身支度を整えることができます。

写真
WIC(ウォークインクローゼット)のイメージ例

SIC

「SIC」は、シューズインクローゼットの略で、靴を履いたまま出入りできる収納空間のことです。主に玄関脇に配置されています。靴に限らず、ベビーカーや外遊びの道具など、外で使うものを収納しておくのにとても便利な空間です。

SB

「SB」は、シューズボックスの略です。いわゆる靴箱のことで、玄関横に造り付けのシューズボックスがある場合、間取りでは「SB」と表記されます。

RF

「RF」は、一般的にはロフトの略です。ただし、屋上(ルーフフロア)を「RF」で表記する場合もあります。

R

「R」は、部屋もしくは冷蔵庫置き場の略です。間取り全体を説明する際に「1R」と表記されている場合、このRは「room」を指します。しかし、マンションなど複数の部屋がある間取り図に「R」と表記されている場合は、「冷蔵庫(Refrigerator)」の略で、冷蔵庫置き場を表しています。

BR

「BR」とは、ベッドルームの略で、寝室のことを指しています。居室とほぼ同義であり、納戸やサービスルーム以外の部屋に対し、使われることがあります。

MBR

「MBR」は、マスターベッドルームの略です。夫婦が使用する主寝室に対して使われます。不動産広告などの間取り図では、BR(ベッドルーム)表記が使われるのが一般的ですが、ときには夫婦が使用する寝室をMBR、子どもが使用する寝室をBRといったように使い分けていることがあります。

AC

「AC」は、エアコンの略です。エアコンを設置するためのコンセントがある、エアコンが設置されていることを表しています。1Kや1Rタイプの間取りにはあまり記載されていないかもしれませんが、1LDKや2DK、2LDKのように部屋が複数ある物件の場合、どこにエアコンが設置できるか、どこに設置されているかは非常に重要なポイントです。

W

「W」は「ウォッシングマシーン」の略で、洗濯機置き場のことを表しています。間取り図によっては、洗濯機置き場を記号の「□」や漢字の「洗」で表記していることもあります。

WC

「WC」は「ウォータークローゼット」の略でトイレのことです。日本では長い間、汲み取り式トイレが主流だったことから、新たに流入していた水洗式のトイレと区別するために「ウォータークローゼット」という言葉が生まれ、「WC」と表記されるようになったといわれています。

UB

「UB」はユニットバスの略です。ユニットバスは、壁や床、天井や浴槽が一体化しており、施工現場で組み立てる浴室のことです。賃貸物件では、浴室とトイレ、もしくは浴室やトイレ、洗面台がセットになった2点ユニットバスや3点ユニットバスの表記として使われています。

ent

「ent」はエントランスの略で、玄関のことを表しています。一般的には、マンションや公共施設など比較的大きな建物の出入り口部分を指すことが多く、入り口が複数ある場合は正面玄関をエントランスといいます。エントランスを入った先にある広いスペースはエントランスホールです。

PH

「PH」はペントハウスの略です。ペントハウスは大規模マンションやタワーマンションなどの最上階に設けられた特別仕様の住戸のことです。戸建て住宅で「PH」表記がある場合は、屋上や屋上の出入り口を指しています。

表記を知らないと、部屋数で思わぬ勘違いをすることも

間取り図の表記は多く、なかなかすべてを覚えるのは大変です。しかし、表記を知らないと部屋数で思わぬ勘違いをしてしまうことがあるため注意が必要です。以下では、間取り図で起こりがちな勘違い例をご紹介します。

見た目は3LDK、実際は2SLDKの間取りもある

マンションの間取り図を見ていると、「2SLDK」というような表記を見かけることがあります。「3LDK」や「4LDK」の間取りは目にする機会も多く、「LDK」は「リビング・ダイニング・キッチン」のことだとご存じの方も多いでしょう。でも、数字と「LDK」の間に「S」が入っています。この場合、「S」は何を意味するのでしょうか?

Sはサービスルーム、または納戸のことです。一見、間取り図上は普通の洋室のように見える場合でも、Sと表記されていることがあります。洋室とサービスルームの違いは、採光条件なのです。建築基準法によって、人が長い時間を過ごす部屋、例えばリビングや個室などの『居室』には、一定以上の面積の採光に有効な開口部を確保しなければならないことになっています。有効採光面積と呼ばれるこの面積が、部屋の床面積の1/7以上ない場合は、洋室などの『居室』とは認められないため、サービスルームまたは納戸として記載することになるのです」(井上さん、以下同)

部屋の広さが同じでも、基準以上の採光面積が取れていれば洋室、足りなければ「S」になるため、一見「3LDK」の間取りでも、LDK以外に3つある部屋の1つが「S」ならば、「2SLDK」になるというわけです。

「それなりの大きさの窓があるのに、その部屋名が「S」と表記されている場合は、その窓が採光に有効な窓ではないことを意味します。このような部屋は、窓の前にエレベーターや共用階段があることが多いですね」

間取り図
北側の部屋がS(サービスルーム)の間取りは2SLDK。窓の外が共用階段になっていて、サービスルームの窓は採光上有効な窓とみなされないケースです(間取り図提供/井上恵子さん)

マンションの間取り図の見方、どこをチェックすればいいの?

それでは、マンションの間取り図を見るときのチェックポイントについて、先に紹介した「3LDK」の間取り図を例に説明します。

窓と扉の位置や開閉方法をチェック!

窓や扉には開き戸と引き戸があり、間取り図で見分けることができます。

間取り

【1】片開き戸
【2】2枚片引き戸
【3】両開き戸
【4】引き戸

片開き戸の場合は、扉が開く軌跡を1/4の円で表現していますが、引き戸の場合は軌跡が描かれておらず、形状を直線で表現しています。中でも2のような場合は、引き戸が2枚あり、2枚とも壁の後ろに引き込むことができる「2枚片引き戸」であることを意味しています。

この間取りの場合、LDに接する3つの個室の内、洋室1は片開き戸、洋室2は片引き戸、和室は2枚片引き戸になっています。

「引き戸は、開放しやすいという特徴があります。洋室2と和室の引き戸を開け放しておくことで、LDの延長のように空間を広く使うことができます。もちろん、引き戸を閉じておけばプライベートな個室としても使えますから、柔軟な使い方ができます。一方、洋室1は夫婦の寝室として使われることを想定しているため、引き戸よりは遮音性が期待できる片開き戸にすることで、プライベート感を高めています」

開き戸の場合は、扉の軌跡上にモノが置けませんので、家具などを配置する際には注意が必要になることを間取り図から読み取っておきましょう。

部屋の向きや家事動線など、大きな視点でも間取り図をチェック!

その部屋のレイアウトを表す間取り図は、部屋数や配置、広さだけでなく、部屋の向きや家事動線などもチェックしておくと、暮らしやすさが向上します。以下では、お部屋探しで失敗しないための間取り図の見方を解説します。

部屋の向きは、やっぱり南向きがいいの?

間取り図上でNを指しているのが北、その反対が南です。一般的には南向きの住戸が好まれるようですが、ライフスタイルが多様化してきた現在は、必ずしも南向きがベストとは言い切れません。
ただし、日当たりを重視する人にとって、南向きの住戸が魅力的なのは変わりません。この3LDKの間取りの場合、南側のバルコニーに和室、LD、洋室2の3室が面するワイドスパンとなっており、日当たりは期待できます。

写真
ワイドスパンになっているリビングのイメージ例

「ワイドスパンの住居というのは、間口(バルコニーに面した端から端まで)の長さが7m~8m程度ある住居のことです。ワイドスパンだと、バルコニーに面して3室取ることができます。バルコニーに面しているということは、採光条件もいいですし、窓が設けられるので通風条件もいい。つまり、居住性の高い部屋が3つ取れるというメリットがあります」

キッチンについても、一概に「北側がいい」「南側がいい」とは言えず、各家庭のライフスタイルに応じて選ぶのがオススメです。

「食べ物が長持ちするからという理由で北側を好む人もいますし、日中キッチンで過ごす時間の長い人にとっては明るく過ごせる南側がいいでしょう。ただ、西側は食べ物が傷みやすいので、オススメしません」

収納は「1部屋1つ以上」が基本

間取り図をチェックするとき、どうしてもLDや個室に目がいきがちですが、忘れてはならないのが収納です。収納は、どのようなところに気をつければいいのでしょうか?

「最低でも1部屋に1つ以上専用の収納があること。そして、できれば掃除機などをしまっておける共用の収納も欲しいですね。この3LDKの間取り図では【3】が共用の収納になっています。さらに、パウダールームにもタオルや洗剤をしまっておける収納があると便利です。キッチン脇にある収納【4】の収納はパントリーとして使用しており、買い置きした食材などものを入れておく収納で、小さくてもこういった収納があると便利です」

「ウインドスルークローゼット」という大き目の収納も目につきますが、普通のクローゼットやWIC(ウォークインクローゼット)とはどう違うのでしょうか?

「この収納は、和室と洋室1の2部屋からアクセスできて、通り抜けできます。通り抜けできる収納を『ウォークスルークローゼット』と呼びますが、この間取り図の収納は、バルコニー側の窓と洋室1の外廊下側の窓を開ければ、風の通り抜けも期待できます。このような収納のことを『ウインドスルークローゼット』といって、風通しのよさに一役買っています」

生活動線や家事動線に優れた間取りとは?

「生活動線」というのは、朝起きて、顔を洗って、着替えて、食事をして、トイレに入って、出かけるといった毎日の一連の動きを示す動線です。生活動線に優れた間取りは、暮らしやすいというメリットがあります。

「この間取り図のように、パウダールームに着替えを入れられる収納があると、お風呂から出てきたときにその場で着替えることができます。毎日のことですから、このようなちょっとした工夫が暮らしやすさにつながります。間取り図を見るときには、こういった点もチェックするといいでしょう」

「家事動線」は、調理する、片づける、洗濯する、干す、掃除するといった家事にかかわる動きを示す線です。家庭内で家事をする人が動きやすい動線になっていると、家事効率が上がり、日々の負担が減って暮らしにゆとりが生まれます。

「この間取り図では、キッチンのすぐ横にパウダールームがあって洗濯機が置けるようになっています。調理しながら洗濯機も回す「ながら家事」をしたい人にとっては、この配置は便利です。また、お風呂との距離も近く、子どもが1人で入浴しているときは、調理しながら子どもの気配を感じることができるため、何かあったときにはすぐに様子を見にいけます」

さらに、この間取りには回遊できるという特徴もあります。すべての扉を開け放つと、玄関からLD、すべての個室とキッチン、パウダールームまで、ぐるりと一周できるのです。このように回遊性のある間取りにはいろいろなメリットがありますが、掃除がしやすいのも大きなメリットの1つです。

「普通は、1つの部屋を掃除した後、廊下に出て、次の部屋に行ってというように、何度も廊下に出る必要があります。でも、回遊性のある間取りだと廊下に出る回数が少なくて済み、掃除の効率がアップします。また、ロボット掃除機を使えば、留守の間にほとんどの部屋の掃除ができてしまうかもしれません」

窓の位置や天井の高さは、間取り図以外の図面で確認しよう

新築マンションのモデルルームに行くともらえるパンフレットには、間取り図以外にも参考になる図面が掲載されています。

平面詳細図

平面図は、ほぼ間取り図と同じ意味です。しかし、間取り図だけでは天井の高さや梁の出っ張り具合など、細かいところまではわかりません。そういった詳細について知るためには、平面詳細図を見る必要があります。平面詳細図は、平面図(間取り図)の上に細かい数字や記号が書き込まれたものです。例えばそこに「CH=2300」と書いてあれば、天井高が2.3mあるという意味です。

配置図

マンション全体の敷地と、その敷地に接している道路などが描かれた図面です。建物の真上から見た様子が描かれています。自分が購入しようとしている部屋がマンション全体のどのあたりにあって、どのような道路や建物に面しているか、南向きか東向きかなど、大きなところをチェックします。

立面図

マンション全体の外観を4方向から真横に見た図面です。建物全体の形や窓の位置を確認できます。

「間取り図だけを見て入居を決めたら、引越しの際に梁が邪魔で家具が入らなかったということもあります。入居を決める際には、必ず平面詳細図など間取り図以外の図面もチェックしましょう」

家族構成やライフスタイル、希望に合った間取りを探そう!

暮らしを快適にする間取りは、それぞれの家族構成やライフスタイルによって違います。
以下では、夫婦二人家族や子育て世帯にオススメの間取りをご紹介します。どのような間取りにすれば良いのかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

夫婦二人家族にオススメの間取りは?

夫婦二人家族の場合、子どものいる家庭よりは、必要な広さはコンパクトになり、部屋数は少なくて済みます。ただ、1LDKよりは2LDKのほうがさまざまなメリットがあります。夫婦二人家族にオススメの間取りを見てみましょう。

夫婦二人家族にオススメの間取り
間取り図
(間取り図提供/井上恵子さん)

「この間取りは、洋室1がプライベート感の高い寝室になっています。洋室2は、LDと一体化させて広く使ったり、夫婦の趣味の部屋としても使えたりしますね。将来子どもができたら、子ども部屋としても使えます。夫婦のどちらかが夜遅くまで仕事をするような場合は寝室を分けることもできます。このようにフレキシブルに使える間取りだと、夫婦仲良く暮らせそうです」

子育てがしやすい間取りは?

核家族化が進み、夫婦共働きも増えた現代の子育て世帯にとって、子育てがしやすい間取りかどうかはとても重要です。どのような間取りだと子育てしやすいのか、井上さんオススメの間取りを見てみましょう。

子育て世帯にオススメの間取り
間取り図
(間取り図提供/井上恵子さん)

「これは、子どもが二人いて、それぞれに個室を与えたい家庭にオススメの間取りです。洋室(1)は夫婦の寝室、洋室(2)と(3)は子ども部屋として使います。ポイントは、洋室2に行くも洋室3に行くもLDを通る必要があるところ。これだと顔を合わせる機会が多いため、子どもの様子や遊びに来た友達との関係を把握しやすいというメリットがあります。また、対面式のキッチンなので、調理をしながら子ども部屋やリビングにいる子どもの様子を見ることができます。さらにキッチンに入ってすぐの場所に冷蔵庫を置けるのもポイントです。子どもがジュースやアイスを自分で取り出す際に、コンロのあるキッチン奥まで来る必要がなく、安全な間取りといえます」

マンション選びの基本となる間取り図の見方について、アルファベット表記の意味や、チェックしておきたいポイントをご紹介してきました。誰にとってもベストな間取りは存在しません。もし自分たち家族が住んだらどのような暮らしになるだろうとイメージしながら、理想の間取りを探してみてはいかがでしょうか。

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