租税公課とは?住宅にかかる固定資産税を必要経費にするときや、不動産売買のときに知っておきたいポイント

租税公課とは?住宅にかかる固定資産税を必要経費にするときや、不動産売買のときに知っておきたいポイント

税金は納めるだけではありません。個人事業主でも必要経費として確定申告で計上できるものも。この記事では、必要経費として処理できる租税公課のひとつ「固定資産税」にスポットを当てて、経費にする際の注意点のほか、不動産売買で知っておきたいことを解説します。

租税公課とは?

経費にできる税金や、国や地方公共団体に納める負担金

「租税公課(そぜいこうか)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 

租税公課とは「租税」と「公課」を合わせた言葉。公租公課という言い方もあります。租税とは一部の国税や地方税などの税金で、公課とは国や地方公共団体に納める交付金や会費、罰金などの公的な課金のことを指しています。

日常会話のなかではあまり使わない言葉ですが、毎年、自分で確定申告をしている人なら申告書類の「収支内訳書」の「経費」の欄のひとつに「租税公課」という項目があるのを見たことがあるかもしれません。そう、租税公課は必要経費として処理できるものなのです。

所得税及び復興特別所得税の確定申告用の収支内訳書に租税公課の欄がある
所得税及び復興特別所得税の確定申告用の収支内訳書(一般用様式)の一部。経費に租税公課の欄が設けられている

租税公課に含まれるのはどんなお金?

では、租税にはどんな税金が、公課にはどんなお金が含まれるのかを見ていきましょう。

●租税に含まれる税金

【登録免許税】商業登記や不動産登記をする際に納める国税
【印紙税】契約書や金銭の受取書(領収書)など特定の文書にかかる国税
【固定資産税】土地や家屋、償却資産などにかかる地方税
【都市計画税】都市計画事業または土地区画整理事業などに必要な費用に充てる目的で課税される地方税
【不動産取得税】土地や建物等の不動産を取得した際にかかる地方税
【償却資産税】事業用の固定資産にかかる固定資産税のうち、設備などの償却資産にかかる地方税
【自動車税・軽自動車税】自動車、軽自動車を保有している人にかかる地方税
【自動車重量税】自動車の新規登録や車検の際に自動車の重量に対してかかる地方税
【個人事業税】年間の所得額が290万円を超える個人事業主にかかる地方税
【利子税】各種税金を延納する際に併せて納める税金

●公課に含まれるお金

【各種手数料】印鑑証明書や住民票の発行手数料など
【会費や交付金】商工会や商工会議所、同業者組合、商店会などの団体に納める会費、組合費、賦課金など

これらの税金やお金が、事業を行ううえでの経費として認められている主なものです。

租税公課に含まれない税金もある

租税公課の中には含まれない、つまり、事業の経費には計上できない税金や公の負担金があります。

税金では所得税や法人税、都道府県民税、市町村税は租税公課には含まれません。また、法律に違反した場合などの各種加算税や加算金、延滞税、罰金なども含まれません。

経費にできる税金などのイメージ
(画像/PIXTA)

固定資産税は経費にできる?確定申告をする際の注意点は?

固定資産税とは?

ここからは、租税公課のひとつである固定資産税について解説していきましょう。

固定資産税とは、土地や家屋等の固定資産を所有している場合に納める税金。毎年1月1日現在で、固定資産課税台帳に登録されている所有者に対して課税されます。つまり、マイホームを購入したり、建てたりした人は、その住宅を所有している限り、毎年、固定資産税を納めることになるのです。

固定資産税は、4月~6月ごろに納税通知書が届き、一般的には年4回に分けて納税します(自治体によっては、一括での納税も可能です)。

固定資産税の計算方法
固定資産税額=課税標準※ ×1.4%(標準税率)

※課税標準とは固定資産課税台帳に登録されている価額。この課税標準に各市区町村が決定する標準税率をかけて計算する。固定資産税の税率は負担調整の特例で調整されている場合がある

都市計画税とは?

市街化区域内にある土地や建物については都市計画税も課税されます。都市計画税は固定資産税の納税通知書に合算されて届きますから、合わせて納付することになります。

都市計画税の計算方法は固定資産税と同様です。

都市計画税=課税標準×0.3%(税率は0.3%を上限として、市町村の条例で定める)

都市計画税も固定資産税と同様に事業に使用している部分について経費にすることができます。

土地や建物の固定資産税を経費にできるケースは?

企業などの法人が所有している自社ビルや所有している店舗など「事業の継続に使われる財産」である固定資産にかかる固定資産税は、経費計上できるなどさまざまなメリットがあります。

個人事業主の場合も、事業の継続のために所有している土地や建物があれば、それらにかかる固定資産税は確定申告時に経費として計上することが可能です。

自宅兼事務所の場合の注意点

●自宅を所有している場合
個人事業主の場合、店舗やオフィスを持たずに、自宅(持ち家)を自宅兼事務所としているケースも多くあります。その場合、注意したいのは固定資産税の税額すべてを経費にはできないということ。事業に使っている面積割合によって按分した固定資産税額分のみが経費になります。

例えば、総床面積の4分の1を事務所として使用している場合、固定資産税の4分の1を経費計上することが可能です。

自宅兼事務所の面積按分のイメージ
(画像/PIXTA)

●配偶者や親族が所有している自宅の場合
では、自宅が個人事業主本人ではなく、夫や妻といった配偶者や、親などの親族の名義になっている場合、所有者が納めている固定資産税は経費にできるのでしょうか。

これは、生計を一(いつ)にしているか、つまり、生活費を共にしているかどうかで異なります。

生活費を共にしている場合は、単身赴任などで別居していたとしても、配偶者や親族が納めた固定資産税のうち、事業に使用している割合分は経費とすることができます。その際、共有名義にはなっていなくてもかまいません。

生活費を分けている場合は、同居していたとしても配偶者や親族が納めた固定資産税を経費にすることはできません。ただし、個人事業主が事業使用割合分の固定資産税相当額を配偶者や親族に支払っている場合は、経費にすることが可能です。

節税のためには、どの支出が経費に計上できるか知っておくことが大切です。固定資産税が経費になるかどうかよくわからない場合は、最寄りの税務署に確認するといいでしょう。

配偶者や親族が所有している自宅の固定資産税を経費にできるかどうかの図
(画像/PIXTA)

4回に分けて納税する固定資産税。経費に計上する時期は?

固定資産税を4回に分けて納税する場合、4期目の納税時期は翌年になります。この4期目に納めた固定資産税は経費として認められるのでしょうか?

固定資産税を経費にする場合、原則的に納税通知書が交付された日が属している事業年度に経費計上することになります。一括で納税しない場合、4期目の納税時期は翌年になりますが、確定申告の際には前年の経費になるというわけです。

4期目の納税分は前年の経費計上となることをあらわした図

不動産売買での固定資産税の分担について知っておこう

年の途中で中古住宅を売却または購入した場合の税負担は?

固定資産税は毎年1月1日時点での不動産の所有者に課税され、所有者にはその年の4月1日から翌3月31日までの納税通知書が送られてきます。ですから年の途中で売却して所有者が変わったとしても、その年度の固定資産税は前の所有者(売主)に課税されたままです。

でも、それでは売主は自分のものではなくなった不動産の固定資産税まで負担することになり不公平。そこで、不動産の引き渡し日以降の税額を日割り計算し、買主が売主に支払うことで精算。納税は売主が行うのが一般的です。

詳しくは不動産売買契約書にある「公租公課等の分担」という項目を確認しましょう。

起算日によって負担割合が異なる

年の途中で売買された場合の固定資産税の精算は、365日で日割り計算が行われます。その場合、いつを「起算日(365日の1日目)」にするかで、負担割合が違ってきます。起算日は法律等のルールがあるわけではなく、地域による商習慣で1月1日、または4月1日とされるケースが多いようです。

下の図は7月1日に所有権の引き渡しが行われる不動産売買契約で、起算日が1月1日と4月1日の場合です。

起算日の違いによって異なる固定資産税の分担割合の図

このように、起算日によって買主が売主に支払う固定資産税の精算額は違ってきます。どのような条件のもとで精算を行うのか、事前に不動産会社に確認をしておきましょう。

なお、買主が個人事業主で購入した不動産が事業を行うために必要な場合、精算した金額のうちの事業にかかわる分は経費に計上することが可能です。

不動産を所有している限り、毎年納めることになる固定資産税。個人事業主で固定資産税を経費計上できる場合は、毎年の確定申告で上手に節税しましょう。

中古住宅の売買と固定資産税の起算日のイメージ
(画像/PIXTA)
まとめ

租税公課とは必要経費として認められる税金などのお金で、固定資産税も含まれる

個人事業主も、確定申告で固定資産税を経費計上できる

自宅兼事務所の場合は、事業に使用している面積割合で按分した固定資産税額が経費にできる

中古住宅の売買の場合、引き渡し日以降の税負担を日割り計算で精算する

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取材・文/田方みき
公開日 2021年06月16日
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