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新築マンションや建売戸建などの不動産の購入を申し込むときに、申込証拠金を支払うことが多くあります。このお金は誰に、何のために払う費用なのでしょうか。よく聞く「手付金」とはどう違うのでしょう? 金額の相場や、注意点をまとめました。
新築マンションや新築戸建て(建売戸建)の購入を申し込む際に、支払いが発生することが多いのが「申込証拠金(もうしこみしょうこきん)」です。「申込金」や「予約金」といわれることもあります。
申込証拠金は、購入希望者が売主に対して、「この物件を購入する」という意思を示すものです。必ず支払う必要があるわけではありませんが、売主に支払うことで、後から現れた購入希望者よりも、優先的に売買交渉を進めてもらえることが期待できます。
マンションのモデルルームや、建売戸建を見学に行って、「この家が欲しい」と思っても、周辺環境を調べたり、住宅ローンの審査の結果を待つ時間が必要なことがありますから、申込証拠金を支払っておき、優先的に購入できるようにできれば安心です。
申込証拠金には有効期限が設けられるのが一般的で、期間の目安は1週間から10日程度。ただし、申込証拠金に法的拘束力はないため、売主は申込証拠金を預かっていたとしても、別の購入希望者とも売買交渉を進めたり、物件を売ったりすることは可能です。
申込証拠金の金額は物件によって異なり、1万~10万円程度が目安です。
最近は申込証拠金を預からない売主も多く、その場合でも、「購入申込書」で購入の意思を示したとされるのが一般的です。
売主に対して購入申込書を提出したり、申込証拠金を支払ったとしても、購入の「契約」をしたわけではありません。ですから、購入申し込みをキャンセルすることはできます。その場合、支払った申込証拠金はどうなるのでしょうか?
宅建業法(宅建業法施行規則第16条の12第二号)では、申込証拠金を預かった宅建業者は、申し込んだ人が申し込みをキャンセルした場合に申込証拠金の返還を拒否することを禁止しています。つまり、原則として全額が返還されることになります。

マンションや建売戸建を購入する際に支払うお金で、申込証拠金のほかに「手付金(てつけきん)」という言葉を目にします。これは申込証拠金とは違うものなのでしょうか。
そこでまず、マンションや建売戸建を購入する際のダンドリと支払うお金を整理してみましょう。
購入申し込み時に支払う場合があるのが「申込証拠金」。これは、購入意思を示すものとして一時的に売主に預けているお金で、契約前は購入代金という位置づけではありません。
購入することを決めて、売買契約に進んだ際に支払うのが「手付金」。これは売買契約を締結したことを示すものとして売主に支払うもので、購入代金の一部になります。
売買契約が成立すると、申込証拠金は本来であれば買主に返されるものなのですが、手付金に充当されるのが一般的です。
物件価格から売買契約時に支払った手付金を差し引いた金額が残金。買主は用意していた頭金から手付金を支払っていますから、頭金の残金と、住宅ローンから調達した資金の合計が、最後に精算して支払う残金ということになります。

物件の購入を途中でやめた場合、売主に支払っていたお金はどうなるのでしょうか?申込証拠金は1万円から10万円、手付金は物件価格の5~10%程度が相場。特に手付金の場合、5000万円のマンションなら250万~500万円と高額です。返還してもらえるのかが気になるところです。
売買契約を結ぶ前に買主が購入をキャンセルした場合、申込証拠金は前述の通り原則全額が返還されます。手付金については、契約時に支払うものですから、この時点では支払っておらず関係がありません。
契約前であれば購入をキャンセルしても申込証拠金は全額、返還されるのが一般的です。しかし、契約締結によって手付金に充当された場合、買主の都合で解約をする場合は返ってこなくなります。
では、契約後の解約の場合、手付金の扱いはどうなるのでしょうか。これは、解約したのが買主なのか売主なのかによって違ってきます。
買主側の事情で解約になった場合は、手付金は解約金となるため買主に返還されません。なお、手付金を放棄することで売買契約を解約できるのは相手方が契約の履行に着手する前まで。売主が所有権移転の手続きを開始していた場合など、契約書にある違約金の支払いが求められる場合があります。手付金の放棄だけですませるには、契約後の早い時期の判断が必要でしょう。
売主側の事情で解約に至る場合は、売主は手付金の2倍の金額を買主に支払うことになっています。
売買契約後、売主(不動産会社等)の倒産で物件の引き渡しがされない場合、支払った手付金等が返還されるようにしておく、手付金の「保全措置」というのがあります。保全の方法は「不動産会社等と金融機関との間で、保証委託契約または保証保険契約を結ぶ」、または「指定保管機関との間で手付金等寄託契約を結ぶ(手付金等は指定保管機関で保管される)」です。
保全措置が義務付けられるケースは、未完成の物件の場合は「手付金が物件価格の5%、または1000万円を超える場合」、完成物件の場合は「手付金が物件価格の10%、または1000万円を超える場合」です。
なお、手付金等の金額額が上記の金額以下の場合や買主への所有権移転登記がされた場合、売主は保全措置はとらなくてもいいこととなっています。
申込証拠金は購入申し込みをキャンセルした場合は、 全額が売主から返還されることになりますが、キャンセル後に返還されない、全額が返ってこないなどのトラブルもあるようです。では、トラブルにならないために、購入希望者側が気をつけたいポイントは何でしょうか?
申込証拠金の金額や有効期限等は、売主と購入希望者との話し合いで自由に決めることができるものです。特に大切なのは申込証拠金の有効期限です。一般的には1週間~10日程度ですが、住宅ローンの仮審査のために時間が必要なら、結果が出る時期を金融機関に確認して売主に相談するといいでしょう。
売主に預ける申込証拠金がどのような扱いになるのかを確認しましょう。契約前に申し込みをキャンセルした場合に全額返還されることを確約してもらうことが重要です。また、売買契約締結に至った場合に、返還されるのか、手付金に充当されるのかについても確認を。
申込証拠金を支払う際には、必ず売主から署名捺印済みの預かり証をもらいましょう。その際、金額や有効期限が取り決め通りに記載されているか、キャンセルの際に全額返還される旨や、個別に取り決めた内容が明記されているかを確認しましょう。
マンションや一戸建てを買う際には、購入手続きにかかわることを不動産会社や建築会社の担当者がダンドリよく進めてくれます。しかし、お金に関するトラブルや後悔を避けるためにも、申込証拠金や手付金について把握しておくことは大切。モデルルームやモデルハウスの見学の際には、気になることは確認しておきましょう。

申込証拠金とは、購入申し込み時に買主が売主に預けるお金
物件を購入する、という意思を示し、他の購入希望者に対して優先的に売買交渉ができるようにするもの
売買契約前に申し込みをキャンセルした場合は、全額返還されるべきもの
売買契約後は手付金、購入代金に充当されることが多い
申し込みキャンセル後に返還されないなどのトラブルも。申し込み時に詳細を確認しておくことが重要