マンション購入で行う登記の種類は新築と中古で違う?登記費用の相場についてもプロが解説

マンション購入で行う登記の種類は新築と中古で違う?登記費用の相場についてもプロが解説

新築マンションの購入では所有権保存登記、中古マンションの購入では所有権移転登記を行います。また、購入して入居していたマンションから引越すことになった場合は、住所変更登記が必要。これらの登記には、どのような役割があるのでしょう。また、マンションを購入した場合、買主は建物表題登記(建物表示登記)は行いませんが、それはなぜでしょう。そのほか、登記費用などについても、司法書士の石丸大樹さんの解説をもとにわかりやすく解説します。

新築マンションは建物表題登記と所有権保存登記をする

不動産登記ってそもそも何?

不動産の売買や、不動産を担保にお金を借りたときなど、さまざまな場面に関わるのが「登記」。これは一体何のために行われるものなのでしょう。

不動産登記は、土地や建物の所在や面積といった現況や、所有者は誰なのかといった権利関係について明らかにして、誰にでも分かるように一般公開することです。不動産の取り引きを円滑にし、財産を守るという役割があります。

新築マンションを購入したら所有権保存登記をする

新築マンションにかかわるのは「建物表題登記」と「所有権保存登記」です。

建物表示登題(建物表示登記)

建物表示登題(建物表示登記)は、完成した建物の所在、構造、床面積などを表示するため新規に作成する登記のこと。新築マンションの場合、買主が登記の手続きにかかわることは基本的にはありません。
「戸建ての場合は、買主の名前で表題登記をしますが、新築マンションの場合はデベロッパーなど売主が表題登記を行います」(石丸さん、以下同)

所有権保存登記

「所有権保存登記では、購入の際に購入代金を負担した人を所有者として登記することが大切。例えば、親が購入代金の一部を負担しているのに、子どもだけが所有者になっていると、親が出資した金額の贈与を受けたとされる可能性があります。ただし、住宅取得資金の贈与を受けた場合に一定の要件で非課税になる制度もありますから、最寄りの税務署や税理士などに確認しましょう」

購入したマンションから引っ越した場合は住所変更登記を行う

投資用として賃貸に出したり、親などの親族に住んでもらうために新築マンションを購入し、自分が住まない場合でも所有権保存登記は必要です。

ただし、購入後、自分で住んでいたものの、その後、賃貸に出すなど、所有をしたまま住まなくなった場合は、住所変更登記を行うことになります。

住宅の権利が明確でないため、トラブルになっているイメージ
不動産登記は、その不動産の状況や権利を明確にする役割がある

中古マンションの購入では所有権移転登記をする

売主から買主に所有権が移転したことを示す登記

中古マンションは売主が所有者として登記されています。このようにすでに所有権が登記されている不動産の場合、購入すると買主に所有権が移転する「所有権移転登記」を行います。

中古マンションを購入して自分では住まない場合も所有権移転登記は必要。購入後、所有したままそのマンションから引っ越した場合に住所変更登記が必要になるのは新築マンションの場合と同じです。

中古マンションのイメージ
中古マンションを購入すると、所有者が売主から買主に移転する。「所有権移転登記」を行う(画像/PIXTA)

住宅ローンを借りたときも登記が必要

住宅ローンを借りる場合は抵当権設定登記が行われる

マンションを購入する際、新築でも中古でも、多くの人が住宅ローンから資金を調達します。その際、住宅ローンを融資した金融機関が、住宅ローンを借りた人が返済できなくなった場合に備えて、購入したマンションを担保にするのが抵当権。この抵当権を明確するために行うのが「抵当権設定登記」です。現金でマンションを購入する人は、この登記は必要ありません。

住宅ローンと抵当権設定のイメージ
買主がローンを借りる場合、借入先の金融機関が担保を設定。その抵当権を明確にするのが抵当権設定登記

新築と中古では、登記に関して何が違うの?

登録免許税の税率が異なる

新築マンションと中古マンションでは、購入の際の所有権についての登記の種類が異なるのは前述のとおりです。新築マンションでは所有権保存登記を、中古マンションでは所有権移転登記を行います。

「もうひとつ、新築と中古で異なるのは、登記に課税される登録免許税の税率です。土地分の登録免許税は同じなのですが、建物にかかる登録免許税の税率は新築のほうが高くなっています」

居住用不動産の登録免許税率
新築 中古
建物分

固定資産税評価額の
1.5/1000 ※1

(長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は1/1000など軽減あり)※1

固定資産税評価額の
3/1000 ※1

(長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は1/1000など軽減あり)※1

土地分 固定資産税評価額の 15/1000 ※2

※1:2024年3月31日までに登記した場合
※2:2023年3月31日までに登記した場合

「建物分の税率が中古マンションのほうが高くなるため、固定資産税評価額が同じ新築マンションと中古マンションでは、中古のほうが登録免許税が高くなります。例えば、建物分の固定資産税評価額が1000万円のマンションの場合、新築なら登録免許税は1万5000円、中古なら3万円です」

自分で住まないマンションの登録免許税は高くなる

登録免許税の軽減を受けるためには、住宅用家屋証明書が必要。しかし、この証明書が取得できない投資用や親など自分以外に住んでもらうために購入した非居住用のマンションの場合、居住用マンションよりも建物分の登録免許税率が高くなります。
「建物分の固定資産税評価額が1000万円の場合、非居住用になると、新築の登録免許税は4万円、中古は20万円になります」

非居住用不動産の登録免許税率
新築 中古
建物分 固定資産税評価額の
4/1000
固定資産税評価額の
20/1000
土地分 固定資産税評価額の 15/1000

登記費用はどれくらいかかるもの?相場は?

登録免許税は不動産の評価額や住宅ローン金額で異なる

「登録免許税は、取得した不動産の固定資産税評価額をもとに算出されます。土地については固定資産税評価額は出ていますが、新築の建築物の場合は市区町村がまだ評価額を出していません。そこで、法務局が建物の構造などによる新築基準価格から評価額を算出します。固定資産税評価額は売買価格の70%程度と考えることもあるようですが、実際にはもっと高かったり安かったり、ということもあるため一概にはいえません」

住宅ローンを借りた場合の抵当権設定登記の登録免許税は、借入金額(債権額)によって下記のように異なります。
・居住用の場合  債権額の1/1000
・非居住用の場合 債権額の4/1000
※2024年3月31日までに登記した場合

このように、マンションを購入した際の登録免許税は、購入したマンションや住宅ローン金額によって大きく違いがあります。目安を知りたい場合は、モデルルームの営業担当者や不動産仲介会社に尋ねてみるといいでしょう。

もしも自分でしたら、登記費用はいくらかかるの?

新築マンションの所有権保存登記、中古マンションの所有権移転登記、ローンを借りた場合の抵当権設定費用にかかるのは登録免許税のほか、必要書類の取得費用などの諸経費がかかります。自分で登記をするなら、かかるのは登録免許税+諸経費。

登録免許税は、前述の通り、登記の種類や新築か中古か、居住用か非居住用かによって税率が異なります。また、算出のもととなる固定資産税評価額が購入物件によって違ってきますから、単純に「マンションを買ったときにかかる登記費用の相場」は出すことはできません。ここでは、固定資産税評価額2000万円の新築マンションを購入した場合を例として、所有権保存登記の費用を出してみます。

新築マンションを購入した場合の所有権保存登記の登記費用
固定資産税評価額2000万円(建物分:土地分=1:1と仮定)、購入者が自分で居住する新築マンションの場合

登録免許税
  建物分(固定資産税評価額1000万円の1.5/1000)1万5000円
  土地分(固定資産税評価額1000万円の15/1000) 15万円

必要書類の取得手数料
  住民票 300円程度※
  住宅用家屋証明書 1300円
  住宅用家屋証明書を取得するための登記事項証明書(表題登記) 480円~600円
※窓口になる市区町村や取得方法によって異なる。

このケースでは、自分で所有権保存登記を行うと費用は17万円程度。そのほか、市区町村役場や法務局に出向く場合には交通費も必要です。

司法書士報酬は地域や依頼先によって異なる

マンションの購入や抵当権設定の際の登記は、司法書士に代行してもらうのが一般的。では、司法書士に支払う報酬はいくらくらいなのでしょうか。

「司法書士報酬は司法書士事務所や司法書士、地域によって異なります。おおまかですが、現金で購入する場合は8万~10万円程度、住宅ローンの抵当権設定登記がある場合は12万程度。ペアローンで購入するなど、融資が複数ある場合は、その分上乗せになります」

司法書士とマンション購入者のイメージ
登記費用は購入物件や住宅ローン借入額、司法書士報酬などで異なる(画像/PIXTA)

登記費用以外にもさまざまな諸費用がある

諸費用にかかる金額の目安は?

マンション購入の際には、登記費用以外にもかかる諸費用があります。諸費用の総額は、購入するマンションが新築なのか、中古なのか、物件価格や住宅ローンの借り方などによって異なります。

一般的には、新築で物件価格の3~5%中古で物件価格の6~8%といわれています。中古のほうが高くなっているのは、不動産仲介会社を通して購入する場合、「【物件価格×3%+6万円】+消費税」を上限とする仲介手数料がかかるため。物件価格の約3%分、多くかかっているのです。

新築マンション購入にかかる諸費用は?

新築マンションを住宅ローンを利用して購入した場合の、登記費用以外の諸費用を見ていきましょう。

物件の購入契約にかかる諸費用

・印紙税
売買契約書に印紙を貼って納める国税。

住宅ローンの借り入れにかかる諸費用

・融資手数料
住宅ローンの借入先の金融機関に支払う。【フラット35】の場合は、窓口になる金融機関に支払います。

・保証料
住宅ローンを借りた人が返済できなくなったとき、返済が滞ったときに、代わりにローンの残債を返済する保証会社に支払う保証料。

・印紙税
住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に印紙を貼ることで納める税金。

・火災保険料
住宅ローンを借りる際にはほとんどのケースで火災保険への加入が必須となります。

税金

・不動産取得税
土地や建物を取得した際に1度かかる税金。建物に関し、一定の条件を満たすことで軽減措置が受けられます。

そのほか

・修繕積立基金
将来の大規模修繕のための費用。入居後、毎月支払う修繕積立金のほかに、まとまった金額を引き渡し時に支払います。

・管理組合準備金
毎月支払う管理費のほかに、管理組合設立時にかかる費用を事前に支払う物件もあります。

・引越し費用
前居からの引越費用。買い替えで入居前に賃貸住宅に仮住まいをしていた場合は、2回分の引越し費用や仮住まい費用、トランクルーム代もかかります。

中古マンション購入にかかる諸費用は?

中古マンションの場合、前述の新築マンションでかかる諸費用のほかに、以下のような費用がかかることも知っておきましょう。

・仲介手数料
中古マンションを不動産仲介会社の仲介で購入した場合に、不動産仲介会社に支払う手数料。

・固定資産税・都市計画税
土地や建物を所有していると毎年かかる固定資産税・都市計画税。毎年、1月1日の所有者に課税されるため、中古購入の場合、売主と買主の所有期間の割合に応じて納めることになるよう精算します。

マンションとお金のイメージ
マンション購入にはさまざまな諸費用がかかる。家探しを始めるなら、頭金や諸費用にいくらまわせるか、手元の預貯金を確認しておこう(画像/PIXTA)

登記を自分ですれば諸費用を節約できる?

印鑑証明書など買主に預けられない書類がある

マンションを購入する際、登記を自分ですれば少しでも出費を抑えられますが、実際には司法書士に代行してもらうのが一般的。これはなぜなのでしょう?

「登記をするときに司法書士に依頼しなければならないということはありません。実際、住宅ローンを完済した際の抵当権抹消登記や、所有者が引っ越しをしたときの住所変更登記、相続登記などは、手間はかかると思いますが自分で登記手続きをすることもできます。

しかし、売買にかかわる登記の場合は売主、買主という利害関係のある当事者間で重要な書類やお金のやりとりが発生します。
例えば、売主としては、代金を払ってもらわないことには、買主の名義に変更できてしまう書類を渡せません。渡すにしても印鑑証明書や権利証などの大事な書類を買主に預けることはできないでしょう。

買主にしても、自分名義に登記するための書類に問題がないことを確認できなければ、購入代金を売主に支払うわけにはいきません。そこで、第三者であり専門家である司法書士がスムーズに登記手続きを進めるための役割を担うのです」

また、住宅ローンを借りる側の人に、金融機関側が抵当権設定登記を任せるわけにはいきません。
「金融機関は、抵当権設定登記は司法書士が行うことを融資の条件としているのが一般的です」

登記申請書の作成なども手間がかかりがち

登記の際には登記申請書の作成や必要書類の手配が必要です。その手間が苦にならない場合でも、不備があれば法務局から補正を求められます。

「その都度、法務局に出向いたり、書類を郵送したりという手間がかかります。結果的に、自分でやってみて簡単にできた、という方もいらっしゃれば、大変だったという方もいらっしゃると思います。さまざまな手間を、どう考えるか、というところでしょう」

登記の申請をオンラインで行う場合も、書類の郵送の手間などはかかるそう。
「マイナンバーカードをもっていて、個人で電子証明ができるよう手続きしている方については、オンライン申請ができます。しかし、登記申請書はオンラインで送れますが、その他の書類は別途法務局に郵送するというケースがまだほとんどです。書類に誤りや不備があれば法務局に出向いて対応しなければならない場合もあります。オンライン化はこれから進んでいくかもしれませんが、現在は、まだ手間がかかる場面が多くあるといえます」

マンションの購入では、新築の場合は所有権保存登記に、中古の場合は所有権移転登記に、そして住宅ローンを借りるなら抵当権設定登記を行い、それぞれに登録免許税と、スムーズな登記を担う司法書士への報酬がかかります。マンションを購入する際の諸費用には、この登記費用もあることを覚えておきましょう。

まとめ

新築マンションの購入では所有権保存登記、中古マンションでは所有権移転登記を行う

住宅ローンを借りる場合は抵当権設定登記も必要

登記費用は登録免許税と司法書士報酬

登記費用の相場は物件の価格やローンの借入額、依頼する司法書士や地域によって異なる

登記費用以外にもかかる諸費用を合わせると、新築で物件価格の3~5%、中古で6~8%がかかる

登記は買主が自分で行うことも可能だが、専門家である司法書士に代行してもらうのが一般的

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取材・文/田方みき イラスト/つぼいひろき
公開日 2022年07月14日
最終更新日 2022年09月27日
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