SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。

マンションを購入すると毎月かかる維持費。管理費や修繕積立金といった戸建てではかからない費用のほか、固定資産税・都市計画税、火災保険という、マンションを所有している限り老後になってからもかかる費用もあります。マンションの維持費は、どれくらいかかるものなのでしょうか? また、高すぎて払えなくなるとどうなるのでしょうか?マンション管理に詳しい不動産・住生活ライターの高田七穂さんに話を伺いました。
マンションを購入して区分所有者になると、マンションを維持していくための費用がかかります。その維持費にはどのようなものがあるかを見ていきましょう。
共用部分の清掃費用や電気代、水道料金、管理員の人件費、エレベーターや貯水槽などの定期点検やメンテナンス費用、共用部分の火災保険や損害保険料など、日常的な維持コストをまかなうために毎月支払う費用。管理組合が集めます。管理会社に管理を委託している場合は、集まった管理費の一部が「管理委託費」として、毎月、管理会社に支払われます。
12~18年ごとに実施される大規模修繕にかかる費用に充てるお金。管理費と一緒に毎月、管理組合が集め、大規模修繕工事の時期まで積み立てておきます。
マンションの駐車場や駐輪場を借りる居住者が毎月支払う費用です。
火災保険や地震保険はマンションの区分所有者がもつ専有部分で火災や地震の被害があった場合に備える保険。個人賠償責任保険にも加入、または特約が付いている場合は、専有部分が原因で起きた水漏れなどによる階下の被害などにも備えられます。
マンションなどの不動産を所有しているとかかる地方税。毎年1月1日時点での所有者に課税されます。
住戸の近くや、地下、別棟の共用スペースに設けられた0.5畳~1畳程度の広さの収納庫。物件によっては使用料がかかります。管理費や修繕積立金と一緒に毎月支払います。
専用庭やルーフバルコニーは、特定の住戸で専有的に使用できるスペース。物件によっては、使用料がかかるケースがあります。管理費や修繕積立金と一緒に毎月支払います。

新築マンションを購入した場合、引き渡し時に修繕積立基金、管理組合準備金がかかるケースが多くあります。
修繕積立基金は、大規模修繕のための修繕積立金に充当されます。
管理組合準備金は、管理組合設立後にスムーズに活動ができるよう備品購入などの出費に備えるための資金です。
ここまで挙げたマンションの維持費。いくらかかるかは物件や購入した住戸の専有面積によって異なります。平均や相場は後で解説しますが、毎月数万円、年間で数十万円はかかることになります。住宅ローンを返済しながら、これらの維持費も負担するのは大変そうです。では、管理費や修繕積立金が不要な戸建てのほうが負担は軽いのでしょうか。
戸建ての場合、火災保険料や固定資産税、都市計画税がかかるのはマンションと同じです。かからないのは、管理費、修繕積立金、トランクルーム使用料、駐輪場使用料など。敷地内に駐車スペースがあれば駐車場代もかかりません。専用庭やバルコニーももちろん無料です。
しかし、建物の維持や管理に費用がかかるのは戸建ても同じです。外壁の塗り替えや、屋根のふき替えなどのメンテナンス費用を、自分で積み立てていかなくてはなりません。また、マンションなら管理費でまかなわれる庭の手入れやセキュリティにかかる費用も自分で出すことになります。戸建ての場合、建物の状況に合わせてメンテナンスの時期やコストを調整しやすいメリットはありますが、維持費がかからないわけではありません。

マンションを所有しているとかかる維持費にはさまざま。金額は物件によって違うとはいえ、おおよそどれくらいの金額なのかは気になるところです。相場を知っておきましょう。
マンションの管理費は、下のような計算式で算出されます。
管理に必要な費用 ÷ 総専有面積 × 各住戸の専有面積 = 年間の管理費
1m2当たりの年間管理費は約1714円(600万円÷3500m2)
このマンションで専有面積70m2の住戸を購入すると、
管理に必要な費用 600万円 ÷ 総専有面積 3500m2 × 各住戸の専有面積 70m2 = 年間の管理費 11万9980円
毎月の管理費:約9998円(1714円×70m2÷12か月)
同じマンションでも、住戸が広ければ管理費は高くなります。
「管理に必要な費用は、設備や管理の内容次第で異なるため、同じ専有面積のマンションでも、物件によって毎月支払う管理費は違ってきます。そのため、目安といえるものはないのですが、国土交通省が公表している『マンション総合調査』の平均額が参考になるでしょう」(高田さん、以下同)
国土交通省が5年ごとに実施している「マンション総合調査」。無作為に抽出された全国のマンション管理組合と区分所有者を対象に、マンション管理についてアンケートを行ったものです。最新の調査は2024年6月21日に発表された令和5年度(2023年度)のデータ。修繕積立金の金額についても詳細なデータが公表されています。
この調査によると、現在の管理費の1戸当たりの平均は月額1万1503円(駐車場や専用庭等の使用料からの充当額を除く)。
また、1m2当たりの平均は月額159円となっています。この場合、専有面積70m2なら管理費は月額
1万1130円、専有面積90m2なら1万4310円となります。
・マンションの管理費の平均額
1戸当たり 毎月1万1503円
1m2当たり 毎月159円
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」〈2.管理組合向け調査の結果182・184ページ〉より。使用料・専用使用料からの充当額を除く、全体の平均額を1円未満は四捨五入して表記。(表作成/SUUMO編集部)〉
管理費で支払う管理員の人件費や、設備のメンテナンス費用などは、首都圏や大都市圏では割高になります。そのためマンションの管理費も、地域によって差が出ます。例えば、北海道では1戸当たりの管理費は平均1万1032円ですが、関東では1万2250円。さらに東京圏にしぼると1万2412円と高くなっています。
| 地域(*は三大都市圏) | 管理費の毎月平均額(1戸当たり) |
|---|---|
| 北海道 | 1万1032円 |
| 東北 | 1万881円 |
| 関東 | 1万2250円 |
| 北陸・中部 | 1万1898円 |
| 近畿 | 1万671円 |
| 中国・四国 | 1万551円 |
| 九州・沖縄 | 1万1629円 |
| *東京圏 | 1万2412円 |
| *名古屋圏 | 1万2984円 |
| *京阪神圏 | 1万658円 |

毎月支払う修繕積立金の平均額を見てみましょう。
現在の修繕積立金の1戸当たりの平均は月額1万3054円(駐車場や専用庭等の使用料からの充当額を除く)。また、1m2当たりの平均は月額182円となっています。
この場合、専有面積70m2なら管理費は月額1万2740円、専有面積90m2なら1万6380円となります。ただし、この金額はあくまでも国土交通省がアンケート調査を行ったマンションの平均額。マンションの規模も地域もさまざまです。
・マンションの修繕積立金の平均額
1戸当たり 毎月1万3054円
1m2当たり 毎月182円
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」〈2.管理組合向け調査の結果207・209ページ〉より。使用料・専用使用料からの充当額を除く、全体の平均額を1円未満は四捨五入して表記。(表作成/SUUMO編集部)
マンションの広告などを見ると、入居後の修繕積立金は数千円~1万円台前半と、安めに抑えられていることがほとんどです。しかし、修繕積立金が少なくて適切な大規模修繕工事ができないと、困るのは区分所有者です。そのため、年数がたつと修繕に必要な費用が不足するとわかり、管理組合が総会決議を経て増額するケースが多くなっています。そのため、マンションは築年数がたつほど、修繕積立金の1戸当たりの平均額が高くなる傾向にあるのです。
下は、マンションの完成年次別の修繕積立金の1戸当たりの平均額。令和5(2023)年度の調査ですから、令和2(2020)年以降の完成というのは築1~4年程度。新築時の修繕積立金の金額のままのマンションが多いでしょう。しかし、第1回の大規模修繕が迫ってきている、または実施した平成17(2005)~平成21(2009)年完成(2023年時点で築14~18年)のマンションは、平均額が約1.5倍になっています。
| 完成年次(昭和60年以降) | マンションの修繕積立金の毎月平均額(1戸当たり) |
|---|---|
| ~平成元(1989)年 | 1万2618円 |
| ~平成6(1994)年 | 1万3519円 |
| ~平成11(1999)年 | 1万3563円 |
| ~平成16(2004)年 | 1万5102円 |
| ~平成21(2009)年 | 1万4101円 |
| ~平成26(2014)年 | 1万2058円 |
| ~令和元(2019)年 | 1万2587円 |
| 令和2(2020)年~ | 9666円 |
では、修繕積立金が増額になるタイミングはいつなのでしょうか。
「一概には言えませんが、新築の2年後に月額5000円アップしたマンションがありました。新築2年目から毎年500円~1000円のアップをしている例もあります。いずれも数としては少ないですが、管理組合に熱心な理事がいると早い時期から値上げの方向になることがあるようです。1回目の工事前に修繕項目を確認し、2回目の大規模修繕では資金が不足すると気がついて、1回目の工事終了後に値上げをする例もありました」
修繕積立金は将来どれくらい金額が上がるのか、どのタイミングで上がるのかは、マンションによってケースバイケースということになります。

火災保険料は、物件の種類(木造戸建てかマンションかなど)や、補償内容によって保険料が異なります。マンションの場合、年3万円程度を目安にするといいでしょう。地震保険を付加すると、保険料はアップします。
固定資産税は物件によって税額が異なりますが、一般的な住宅であれば年に数万~20万円程度が目安です。新築マンションの場合、当初5年間(認定長期優良住宅に該当すると7年間)は税額が半分になります。
| 居住用の新築住宅の条件 | 固定資産税の軽減内容 |
|---|---|
| (1)2026年3月31日までに新築された住宅 (2)居住部分の床面積が延床面積の1/2以上 (3)居住部分の床面積が50m2以上280m2以下 |
・一般的な戸建て住宅(下記以外) ・3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅(マンション等) |
| ・認定長期優良住宅の※場合 (1)(2)(3)を満たすほか、長期優良住宅の認定通知書を取得している住宅であること |
・長期優良住宅の戸建て(下記以外) ・長期優良住宅の3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅(マンション等) |
都市計画税も物件によって、そして自治体によって税額が異なります。目安は一般的な住宅であれば年に数万~10万円程度です。
マンションを所有している限り、毎月かかる維持費。総額でいくらかかるのかは、物件によって、また、管理費や修繕積立金、駐車場代などが将来、いくらくらい値上がりするかなどによって異なります。そのため、正確な試算はできません。
下の表は、一般的なマンションを購入し、管理費は10年ごとに月額1000円、修繕積立金は10年ごとに月額3000円アップすると仮定したシミュレーションです。
| 毎年かかる費用 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1~10年 | 11~20年 | 21~30年 | 31~40年 | |
| 管理費 | 13.8万円 | 15.0万円 | 16.2万円 | 17.4万円 |
| 修繕積立金 | 15.7万円 | 19.3万円 | 22.9万円 | 26.5万円 |
| 駐車場代 | 18万円 | 18万円 | 18万円 | 18万円 |
| 駐輪場代 | 0.6万円 | 0.6万円 | ー | ー |
| トランクルーム代 | 1.2万円 | 1.2万円 | 1.2万円 | 1.2万円 |
| 火災保険料 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
| 40年間計 | 約2760万円 | |||
|---|---|---|---|---|
| 1~10年 | 11~20年 | 21~30年 | 31~40年 | |
| 年間 | 約62万円 | 約67万円 | 約71万円 | 約76万円 |
| 月 | 約5.2万円 | 約5.6万円 | 約5.9万円 | 約6.3万円 |

住宅の購入後、出費の中で大きなものが毎月のローン返済。そのほか、税金や保険料、建物のメンテナンス費や修理費がかかります。戸建ての場合、リフォーム費用や建物の修繕費用などは必要に応じてコストの調整をしやすいといえますが、マンションの場合、管理費や修繕積立金の金額を自分で決めることができません。毎月、一定の金額の出費が続くことになります。退職後の年収で維持費が払えるか、早めに試算しておくことが必要です。
住宅ローン完済後は、住宅にかかるコストが維持費のみになるため、生活にゆとりが出るように感じられます。しかし、注意したいのは退職後。多くの人が年金収入や老後資金として貯めていた貯金で生活費をまかなうことになります。生活費に充てられる金額が減った場合でも、マンションの維持費を出せるのか、生活にゆとりはあるのかを考えておくことが重要です。

管理費や修繕積立金、税金は個人の力で金額を下げることはできません。これらの維持費が負担になった場合、マンションを売却してもっと負担の軽い住宅や賃貸住宅に住み替えるという選択肢がありますが、売却が思い通りにいくかどうかはわかりません。
確実なのは、自分が払い続けられそうな維持費のマンションを選ぶこと。
また、将来の収入と支出を試算して早めに対策をとること。収入は、「ねんきん定期便」や日本年金機構のWEBサイトで、自分の将来の年金見込額を確かめておくほか、個人年金や年金型の保険などもチェック。管理費や修繕積立金は、将来どれくらい金額がアップするかは明確にはわかりませんが、1.5~2倍程度の金額になっても支払っていけるかを確認しておきましょう。
もし、将来の維持費が負担になりそうという結果が出たなら、老後のための貯蓄を増やす、築年数が古くなりすぎないうちに売却して住み替える、無駄な出費がないか家計を見直して生活のダウンサイジングをしておくなどの対策を検討するのがおすすめです。
日本年金機構「ねんきんネット」で年金見込額の試算ができる

今現在、管理費や修繕積立金などの維持費が負担になっている人や、これから購入するマンションの維持費が不安という人もいるでしょう。
マンションの維持費が払えなかった場合はどうなるのでしょうか。
まず、固定資産税や都市計画税。これらは、期限までに納税しなければ延滞金がかかります。また、マンションのある市町村から督促状が届きます。それでも納めずにいると、最終的には差し押さえとなり、競売にかけられることになります。せっかく購入したマンションに住み続けるためには、早めに市町村に相談しましょう。事情によっては猶予などが受けられることがあります。
管理費や修繕積立金を滞納した場合はどうなるのでしょうか。
「一般的には管理会社や理事長名での手紙や電話、住戸への訪問などが行われます。支払いの督促をしても滞納が続けば、少額訴訟、本訴訟へと進むことも。損害遅延金の支払いも発生します。管理規約に訴訟にかかわる弁護士費用を管理組合から請求できる規定が盛り込まれている場合もあります」
管理組合の対応はマンションによって異なりますが、滞納しそうになった場合も早めに管理組合に相談することが大切です。
マンション購入時には予想もしていなかった事情で、年収が減ることもあるでしょう。マンションを手放す以外の方法で、維持費を払えるようにするには何か方法はあるでしょうか。ポイントは、自分では変えられない管理費、修繕積立金、税金以外の支出を見直すことです。
・住宅ローンを見直す
高い金利で借り入れていた場合は、金利の引き下げを金融機関に打診してみるか、断られたら他の金融機関の低金利の住宅ローンに借り換えを検討するのもいいでしょう。適用金利が低くなることで、毎月返済額が減らせます。
・火災保険を見直す
火災保険はどの保険会社も損害保険料率算出機構が算出する適正な保険料率をもとに、かかる経費をプラスして保険料を決めています。保険会社によって経費が異なるため、店舗を設けずWEBで営業をしている火災保険を利用すれば保険料が安くなります。
・駐車場を解約する
車のない生活が可能な場合は、車を手放すことで、毎月の駐車場代やガソリン代、税金の支払いがなくなります。
これらの方法では、一つ一つは小さなコストダウンかもしれませんが、組み合わせることで家計に余裕が生まれる可能性があります。
新築時よりも管理費や修繕積立金がアップして、マンションの居住者の多くが維持費を負担に感じているケースもあります。管理費や修繕積立金の減額は可能なものなのでしょうか。
「管理規約の変更になるため、総会での決議が必要です。つまり、減額は可能ということです。修繕積立金を値下げした事例は聞いた記憶がありませんが、管理費については、管理会社に支払う管理委託費や管理内容を細かく見直して、剰余金が増えた分を還元しようと管理費を下げた例はありました。ただ、剰余金が増えても、その分は貯蓄にまわし、定期的に修繕積立金に充当。修繕積立金の値上げ幅を小さくするというケースが多いですね。
また、最近は、管理会社から管理委託費の値上げを求められる傾向にあります。その場合、管理会社の変更で値上げを避ける管理組合が増えている印象です。ただ、管理組合から管理会社に提示する金額が安すぎて、管理会社の方から管理を断わられて、最悪、どの管理会社も管理を受けてくれないという事例も出ているので注意が必要です」
管理組合で話し合って、管理費や修繕積立金を減額することは可能でも、実際には負担を大きく減らすことは難しい、というのが現実のよう。購入後、維持費の支払いで困らないように、マンション探しの段階で、自分にとって高過ぎる維持費ではないか、老後も支払いに無理はないかを考えておくことが大切です。

※この情報は、2025年9月23日時点の情報です
マンションを所有し続けるための維持費には、管理費や修繕積立金、固定資産税・都市計画税などがある
新築後、管理費や修繕積立金は見直されて金額が上がるのが一般的
管理費も修繕積立金も、物件のグレードや共用施設や共用設備の充実度などで金額が異なる
老後、収入が減っても維持費の支払いに無理が出ないか早めに自分の収入と支出を確認することが大切