住宅ローンの仮審査・事前審査とは?落ちるのはどんなケース?元銀行員FPが解説!

住宅ローンの仮審査・事前審査とは?落ちるのはどんなケース?元銀行員FPが解説!

住宅ローンを借りるとき、まず最初の壁になるのが仮審査。仮審査で見られるのはどんなことなのでしょう。また、落ちる理由にはどんなことがあるのでしょう。スムーズに住宅を購入するため、クリアしたい仮審査についてのノウハウを解説。元銀行員でファイナンシャル・プランナーの鈴木淳也さんに話を聞きました。

住宅ローンの仮審査について知っておこう

住宅ローンの仮審査とは?事前審査とは違うもの?

住宅を購入したり、注文住宅を建てたりする際に借りる住宅ローン。数千万円という大きな金額を最長35年という長期間で返済していくわけですから、銀行など貸す側の金融機関も慎重になります。そこで、正式な申し込みの前に事前申し込みと仮審査があるのです。

仮審査は本審査の前に行われる審査のことを指し、金融機関によって「仮審査」「事前審査」と名称が異なりますが、意味は同じです。

住宅ローンの審査の流れとかかる日数

住宅ローンの申し込みから契約までは下の図のような流れになるのが一般的です。

■住宅ローンの手続きの流れと日数の目安
住宅ローンの手続きの流れと日数の目安の図
(画像作成/SUUMO編集部)

まずは、借入先として検討している金融機関に、事前の申し込みをして仮審査を受けます。

「仮審査の結果が出るまでは1週間程度が目安です。銀行の場合は、1~2日で結果がわかることもあります。クレジットカードの延滞をしているなどの理由で信用情報に傷があると、すぐにわかりますから、融資が受けられないという結果が短期間で出ます。また個人事業主や借り入れ希望額が高額の場合など、銀行内の個人融資の部署での決済に時間がかかる場合、1週間以上審査に時間がかかることがあります」(鈴木さん、以下同)

仮審査に通ったら、住宅ローンの借り入れを正式に申し込み、本審査を受けます。

「本審査の結果がわかるまでは、銀行の場合は早くて1週間程度で結果がでることがあります。【フラット35】の場合は担保評価に時間がかかるので、2週間程度と考えておきましょう」

マンションとカレンダーの写真
(画像/PIXTA)

建売一戸建てや中古マンション、中古一戸建ての購入の場合、購入の申し込み後、住宅ローンの仮審査に通るまで契約を待ってもらう仮押さえをするケースがあります。売主によっては仮押さえの期間が短く、仮審査の結果が間に合うか微妙なことが……。

「審査を急いでほしいと銀行の融資担当者に伝えることは必要ですが、現実的にはあまり効果はありません。審査をする部署は、常に急いで業務に当たっているからです。その銀行と取り引きがある住宅の販売会社や不動産仲介会社の担当者から事情を説明してもらうことで、審査期間に配慮してもらえる可能性もゼロではないでしょう」

仮審査をスピーディーに終えるためには、購入申し込み後、すぐにローンの仮審査を行うこと。また、仮審査で落ちることを考えて、複数の金融機関に申し込んでおくのがよいでしょう。

最近は、ネット銀行の住宅ローンだけでなく、メガバンクや地方銀行など従来型の銀行でもネット専用の住宅ローンを出していたり、ネットでの審査が可能なところが増加。ネット銀行の仮審査の場合、その日のうちに審査結果が出る場合もあるので、複数の仮審査の申し込みをする際には、ネット銀行を申込先に入れておくのもひとつの方法です。

住宅ローンの仮審査では何を審査される?

銀行の住宅ローンの仮審査は返済能力を重視

仮審査ではローンを申し込んだ人の返済能力や購入物件の担保価値を審査されます。

「完済時の年齢や持病の有無などの健康状態、勤続年数、個人事業主か会社員なのかといった雇用形態などが総合的に判断されます。物件の担保評価は、資料となるデータベースでチェックするほか、中古の場合は土地と建物の登記簿謄本(登記事項証明書)で確認するのが一般的です」

家の担保価値のイメージ
(画像/PIXTA)

また、仮審査で重点的に確認されるのは返済能力。

「銀行の場合は、物件の担保価値よりも、借りる人が完済まで安定して返済を続けられるか、といった返済能力のほうを重視する傾向にあります。ですから、銀行の住宅ローンの場合は、仮審査に通れば、仮審査時より大きな変化が無い限り、本審査もほぼ通ると考えていいでしょう」

必要書類は早めに用意しておこう

購入したい物件と出会ったらすぐに仮審査に申し込めるよう、必要な書類は早めに用意しておくのがオススメ。下は仮審査の際に必要な主な書類です。

■仮審査の際に必要な書類
本人確認のための書類 ・運転免許証またはパスポート
・健康保険被保険者証など
物件資料 ・物件の広告チラシ
・建設費等がわかる見積書
・中古物件の場合は土地と建物の登記簿謄本(登記事項証明書)など
・建物の図面
・土地の所在地の資料
収入を証明する書類 ・源泉徴収票
・確定申告書の控え(個人事業主の場合)

ネット銀行では、仮審査では書類が求められることはなく、正式申し込みの際に郵送、メール、アップロードなどで書類を送るのが一般的です。とはいえ、ネット銀行の場合は仮審査の結果が早く出ることが多いので、書類は早めに用意しておくことがポイントです。

仮審査に落ちる理由は?

年収や勤続年数などの条件がクリアできていても落ちるのはなぜ?

今の会社には5年以上勤務していて収入も安定している、希望借入額は年間返済額が年収に占める割合も銀行の条件の範囲内、という人でも住宅ローンの仮審査で落ちることがあります。なぜなのでしょう?

住宅ローンに落ちるイメージ
(画像/PIXTA)

●信用情報に傷がある場合

「気をつけたいのは信用情報のブラックリストに載っているケースです」

信用情報とは信用情報機関が加盟する金融機関やクレジット会社などから登録された消費者(顧客)の契約内容や返済状況などを集めたもの。多重債務者の発生を防ぎ、消費者の信用力を判断する材料として活用されています。

「クレジットカードの支払いや奨学金の返済が遅れていたり、分割(クレジット)で購入したスマホの引き落としが滞っていたりすると、その情報がブラックリストに登録されて住宅ローンの審査には通らない可能性があります」

ブラックリストに登録された記録は、5年~10年といった一定期間が過ぎれば消えます。ただし、延滞なのか不払いなのか、債務整理なのかといった登録の原因によって消えるまでの期間は異なります。

ブラックリストのイメージ
(画像/PIXTA)

●車を購入したなど、返済中のローンなどがある場合

「住宅ローンの仮審査では、『返済額が年収の何割になるか』という年収負担率を審査されます。この『返済額』はこれから借りる住宅ローンの返済額だけではありません。マイカーローンや教育ローン、クレジットカードのローンのほか、リボ払いや奨学金の返済も含まれるため、合計すると年収負担率を超えてしまい、仮審査で落ちてしまうのです」

現在返済中のローン等が原因で審査に通らない可能性がある場合、融資実行時までに完済する、という条件をつけることで審査に通ることもあるそう。また、奨学金の返済は含めないという金融機関もある可能性があるため、心当たりがある人は、仮審査の前に銀行の担当者に相談してみるとよさそうです。

返済中のマイカーローンがあるために仮審査に通らなかった人のイメージ
住宅ローンの仮審査を受ける前に車を買った人は要注意!(画像/PIXTA)

借り換え時の仮審査は新規借入時と違う?

住宅ローンの借り換えの場合も、仮審査の内容は変わりません。

「現在の住宅ローンがきちんと返済されている実績があれば審査での評価は高くなります。ただし、ここで気をつけたいのは、住宅ローンを当初借り入れしたときよりも年収や健康状態が悪化している場合です。年収が下がっていたり、年齢を重ねることで健康状態が以前よりもよくない場合は、新規借入時よりも条件は厳しくなります」

住宅ローンの仮審査に通る確率をアップさせるには?

仮審査を受ける前に注意したい5つのこと

スムーズに住宅を手に入れるためにも住宅ローンの仮審査は重要。仮審査に通る確率を上げるためには、どんなことに気をつけておくといいでしょう?

(1)家計の洗い出し

わが家の収入や支出を把握することは、これから住宅ローンを借りる人の必須項目。

「家計状況の把握は絶対にしましょう!特に、返済中のローンなどの把握は重要。今借りているのは何があるか、いくら返しているのか、いつ完済するのかといった返済計画表をつくること。仮審査の際に返済状況を申告しないと『隠していた』と捉えられて審査の評価が下がります。要注意です」

(2)返済や支払いはきちんと

「クレジットカードの返済などに遅れないようにしましょう。信用情報に傷がつくと審査に通らなくなります」

電気やガス、水道などの公共料金や固定・携帯電話の通話料金、税金は延滞しても信用情報に傷はつきません。ただし、クレジット払いにしている場合や、スマホや携帯電話をクレジットで購入した場合は別。きちんと支払いがされるよう銀行口座の残高に注意しましょう。

(3)家を買う前に大きな買い物をしない

「家を買う前に車をマイカーローンで買うと、年収負担率に影響しますので、借り入れを増やすようなことは避けましょう。家を買うのがうれしくて、早々に家具を買いたくなる気持ちもわかりますが、まずは落ち着くことが大切です!」

(4)健康に注意する

「銀行の住宅ローンの場合は団体信用生命保険(団信)に加入できる健康状態であることが必須です。普段から健康に気をつけておきたいですね」

【フラット35】は団信加入は必須ではありませんが、万が一に備えると団信に入るか、生命保険に加入するのが安心。また、加入条件の緩いワイド団信もありますが、ローンの適用金利が0.3%程度アップするため、返済額が増えるデメリットがあります。いずれにせよ、完済まで不安なく働けるように、健康には注意しましょう。

(5)転職や独立をしない

「銀行では安定して長期間返済が続けられる人か、ということを審査します。そのために勤続年数は重要なポイント。金融機関によって違いますが転職や独立をして3年未満などの人は審査で不利になりがちですから、転職・独立をするなら家を購入した後にしましょう」

それでも落ちてしまった場合はどうすればいい?

「仮審査に落ちた理由が希望借入額に対して年収が足りなかった、などと思い当たるのであれば年収が増えるまで待つなど解決策はあります。購入物件を価格の低いものに変更するのも選択肢のひとつです。落ちた理由がわからない場合は、銀行の融資担当者に尋ねてみてください。一般的には、審査内容については教えてはもらえないのですが、担当者によっては、それとなく教えてくれることも。また、自分の信用情報はインターネットや郵送で、株式会社シーアイシー(CIC)や株式会社日本信用情報機構(JICC)といった指定信用情報機関に依頼すれば開示してもらうことが可能ですから、調べてみるのもいいでしょう」

仮審査に落ちる場合、必ず何らかの理由があるはず。その理由がわかれば、マイホーム取得に近づくことができます。

まとめ

住宅ローンを借りる際には仮審査(事前審査)と本審査を受ける

仮審査で審査されるのは返済能力と物件の担保価値

過去のローンの滞納など信用情報に傷があると審査に通りにくい

審査に通るためには住宅購入前に借り入れを増やさないことも重要

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取材・文/田方みき
公開日 2021年02月04日
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