住宅ローン控除とは?控除の仕組みや期間延長など最新情報を詳しく解説!

住宅ローン控除とは?控除の仕組みや期間延長など最新情報を詳しく解説!

住宅ローン控除を利用したいけど、自分は対象なのだろうか?どうすれば利用できる?などの疑問を持つ人は多いでしょう。そこで今回は、住宅ローン控除の仕組みや利用できる要件などについて、ファイナンシャルプランナーの村元さんに教えていただきました。

住宅ローン控除ってどんな仕組み?そもそも控除とは何?

年末のローン残高などに応じて、所得税・住民税の一部が減税される

「住宅ローン控除」とは、ローンを組んで、いくつかの要件を満たす新築や中古住宅を購入・建築したときや、リフォームを行ったときに、年末のローンの残高などに応じて納めた税金が還ってくる仕組みのことです。「住宅ローン減税」とも呼ばれています。

住宅ローン控除のイメージ
(画像/PIXTA)

控除を受ける要件は、多岐にわたる

住宅ローン控除を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
例えば、
・新築住宅の場合、主として居住用の住宅であること
・引渡し又は工事完了から6カ月以内に入居すること
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること、などが条件です。

満たすべき要件は、新築、中古、リフォームによって異なるうえ、多岐にわたります。住宅ローン控除の利用を考えているなら、購入や新築・リフォームの工事契約を結ぶ前に、国税庁や国土交通省ホームページなどの公的情報をチェックするとよいでしょう。

控除を受けられる期間は、要件によって異なる

控除を受けられる期間は、要件によって異なります。
新築住宅を購入・建築、リフォームした場合、これまでは控除期間が10年間程度だったのですが、2020年度は消費税増税の影響の緩和を目的に、13年間に延長されました。

2021年度(※)の要件は以下の通り。

●新築住宅を購入・建築、リフォームした場合(消費税10%)
1.契約期限と入居期限
契約期限 入居期限
注文住宅 2021年9月まで 2022年12月まで
分譲住宅 2021年11月まで 2022年12月まで
契約期限と入居期限の両方を満たす必要があります。

2.控除期間
13年間(最大480万円)

3.床面積の緩和
床面積 40m2以上

2020年度は床面積50m2以上でしたが、40m2以上に緩和されます。ただし、40m2から50m2未満の住宅で控除を受けるときの年間所得合計は1000万円以下とされています。

※2021年度は、今後の国会で関連税制法が成立して確定となります

<FP村元さんのポイント解説>

「控除」は聞きなれない言葉だと思いますが、「ある金額から、一定の金額などを差し引くこと」という意味です。大きく2つに分かれており、給与所得者の場合、「給与所得の金額」から差し引かれる「所得控除」と、「所得税の税額」から一定の金額が差し引かれる「税額控除」があります。

「所得控除」には配偶者控除、医療費控除、生命保険料控除などがあります。一方、「税額控除」には住宅ローン控除や配当控除、自然災害等に遭ったときに受けられる雑損控除などがあります。

「所得控除」は税金が課される所得から一定額を差し引くことができるのに対し、「税額控除」は税額から直接差し引ける控除のため、「税額控除」の方が節税効果は大きいケースがほとんどです。

せっかくマイホームを手に入れるなら、「税額控除」の一つである住宅ローン控除を上手に活用したいですね。

所得税控除と税額控除の仕組み
(図/SUUMO編集部)

中古マンションや中古戸建を購入しても控除の対象になる?

控除の対象になるが、購入前に要件を確認しよう

「中古住宅の購入には、住宅ローン控除が利用できない」と誤解している人が時々いますが、前述したように、利用することは可能です。ただ、建物の築年数や既存住宅売買瑕疵保険加入など、新築住宅より要件が多いため、利用したいと思っている人は不動産会社と一緒に確認しておくとよいでしょう。

住宅ローン控除の要件を不動産会社に確認
(画像/PIXTA)

中古住宅購入後にリフォームする場合、「ローン型減税」と併用できない

住宅をリフォームする場合、「リフォーム減税」を利用することができます。
「リフォーム減税」には、5年以上のローンを組んで要件を満たすリフォームをするときに利用できる「ローン型減税」と、ローンを利用せずに要件を満たすリフォームをするときに利用できる「投資型減税」の2種類があります。

ただし、「住宅ローン減税」とリフォームの「ローン型減税」は併用できない決まりとなっています。中古住宅の購入と同時にリフォームを検討している人は、購入費用とリフォーム費用の合計額をローンで借り入れて、住宅ローン減税を受けることをオススメします。

<FP村元さんのポイント解説>

「中古住宅の建物に対する消費税の課税は、売主によって異なります。一般的には、売主が事業者(法人)なら消費税がかかりますが、個人なら消費税はかかりません。

そこで注意したいのが、住宅ローン控除は、消費税がかからない中古住宅を購入する場合、控除を受けられる期間が10年間で、控除額の計算も各年末のローン残高上限が2000万円になるという点です。

ローン控除額の試算は、控除期間とローン残高の上限によって大きく変動します。より正しく試算したい方は、中古住宅購入前に、売主が個人/法人のどちらなのか、その結果、消費税課税物件かどうか、不動産会社に必ず確認しておきましょう。

住宅ローン控除で、どれぐらい税金は軽減される?

当初10年間と11~13年目では、計算方法が異なる

消費税10%でいくつかの要件を満たす新築住宅を購入・建築、リフォームした場合、控除を受けられる期間は13年間になります。ただ、控除額の計算方法は当初10年間と11~13年目では異なるため(下記参照)、試算する際には注意しましょう。

・当初10年間=年末のローン残高(上限4000万円※)×1%

・11年目~13年目=<1>もしくは<2>の小さいほうの金額
<1>各年末のローン残高(上限4000万円※)×1%
<2>建物の取得額(上限4000万円)×2%÷3)

※新築・未使用の長期優良住宅、低炭素住宅はそれぞれ5000万円が上限

また、住宅ローン控除は、まず所得税から差し引きますが、所得税だけでは控除しきれない場合、翌年の住民税からも差し引かれます。住民税からの控除上限額は、課税総所得金額7.0%または13万6500円の小さい方の金額になります。

所得税と住民税からの住宅ローン控除のイメージ
※注:図のように「住宅ローン控除」可能額が、所得税+住民税の控除上限額を上回るケースもあります(図/SUUMO編集部)

年収×借入額別に、控除額の目安を紹介

控除額の計算方法がわかっても、いくら戻るのかイメージが持てない人は多いでしょう。そこで、国土交通省が提供している「すまい給付金」のサイトを活用して、控除額を試算しました。

■新築マンション/新築一戸建て 共通の試算条件
・長期優良住宅ではない建物を、消費税10%で購入
・2021年3月に購入、5月にローン返済開始、2021年5月に入居⇒住宅ローン控除期間は13年※
・家族構成は夫+妻+未就学の子ども。妻は専業主婦なので、扶養家族は1人
・住宅ローンは返済期間35年でボーナス返済なし、借入金利1.3%(全期間固定型・元利均等返済)で借入
・住宅ローンの債務者は夫のみ
※「すまい給付金」サイトは2021年度の住宅控除の延長に未対応のため、入居時期は令和2年5月入居で試算

■試算1:5000万円の新築マンションを購入した場合
住宅ローン借入額
年収 3500万円 4000万円 5000万円
500万円 334万700円 336万7000円 336万7000円
600万円 380万900円 405万4100円 408万9800円
700万円 382万4200円 431万1800円 477万9900円

年収が500万円の場合、住宅ローン借入額が4000万円と50000万円では控除額が同じになります。これは、年収500万円の人が支払う所得税では控除しきれず、住民税の控除上限額まで差し引かれているためです。つまり、所得税や住民税として納めた税額以上は、控除は受けられない(=お金は戻ってこない)ということなのです。

■試算2:5000万円の新築建売住宅(土地2000万円+建物3000万円)を購入した場合
住宅ローン借入額
年収 3500万円 4000万円 5000万円
500万円 319万円 319万円 319万円
600万円 364万9600円 385万4300円 389万円
700万円 367万2900円 411万2000円 458万100円

試算1のように、年収500万円の場合、どの住宅ローン借入額でも控除額は同じになっています。こちらも新築マンションの年収500万、ローン借入額が4000万円、5000万円の控除が同額な理由と同様です。
また、物件価格は同じ5000万円なのに、試算1(新築マンション)より控除額が低い理由は、建物価格の違いです。試算2(新築建売住宅)の場合、11~13年目は「建物の取得価格×2.0%÷3年」が「住宅ローンの年末残高等×1.0%」を下回るため、建物価格が高い試算1より控除額が抑えられてしまうのです。

<FP村元さんのポイント解説>

住宅ローン控除で戻るお金は、住宅ローン借入額が同じ場合でも、建物価格と納めた所得税や住民税によって金額が変わります。したがって、正確な試算をするには、住宅ローン借入額だけでなく、自分が納めている所得税と住民税を正確に把握する必要があります。

ただ、いくら正確に試算しても、購入後に毎年の所得が変動すると所得税や住民税も変わります。したがって、購入時に試算した控除額は、参考程度にすることをオススメします。

住宅ローン控除はどうすれば受けられる?必要な書類は?

入居翌年の確定申告が必要になる

住宅ローン控除を受けるには、入居翌年の2~3月ごろに確定申告を行う必要があります。
申告の方法は、
・最寄りの税務署に行って行う
・国税庁のサイト上で書類を入手して税務署に郵送する
・国税庁のサイト上で書類を作成しインターネットで申請する
などの方法から選択できます。

ちなみに、2021年度の確定申告の日程は2021年2月16日(火)~3月15日(月)の予定でしたが、新型コロナウィルスの緊急事態宣言を受け、4月15日(木)まで延長されます。

確定申告のイメージ
(画像/PIXTA)

初年度は提出書類が多いので、早めの準備を

確定申告に必要な書類は、初年度と2年目以降で異なります。毎年源泉徴収で納税を行っている給与所得者の方でも、初年度はご自身での確定申告の手続きが必ず必要です。忘れずに申告手続きを行いましょう。

初年度に提出する書類は、確定申告書や源泉徴収票の他に、建物・土地の「登記事項証明書」と「不動産売買契約書」や「工事請負契約書」のコピーなど、7~9種類ぐらいとなります。事前に用意できる書類は多いので、早めに用意しておくとよいでしょう。

2年目以降は、会社員などの給与所得者の場合、会社に提出する「年末調整」で手続きができます。自営業など毎年確定申告を行っている人は、定められた期間中に申告を行います。

確定申告の詳細がわかる記事はこちら
住宅ローン控除等を受けるための確定申告のやり方は?

<FP村元さんのポイント解説>

共働き夫婦の場合、夫婦の収入を合算してローンを借りたり、夫婦それぞれがローンを借りるケースが増えています。住宅ローン控除を受けることができるのは、住宅ローンの借入者のみです。収入合算の場合、収入を合算した配偶者は連帯保証人であって借入者にはならないので、所得があっても住宅ローン控除の対象にはなりません。

特に連帯債務の住宅ローン控除は、負担金割合(頭金の負担割合、住宅ローン借入金額の負担金割合)のことがあり、割合を間違えると夫婦間の贈与とみなされて、所有権割合の変更登記や贈与税の課税の可能性があります。ローンを組む際に、税理士に確認することをオススメします。

また、住宅ローン借入時には所得があって住宅ローン控除による減税を受けることができたとしても、住宅ローン控除中に産休や退職などにより所得がなくなった場合、住宅ローン控除は所得税の減税制度なので、住宅ローン控除は実質受けることができないことを知っておく必要があります。

要件を確認して、お得な制度を上手に活かそう

住宅ローン控除は、ローンを組んで家を買ったりリフォームをしたときに、要件を満たせば、所得税や住民税の一部が減税されるお得な制度です。戻ってくるお金は、「すまい給付金」などの試算サイトを活用すると見当はつけられますが、ローン返済期間中には所得や住民税率が変わることを考慮し、目安としてとらえましょう。

また、制度の利用には要件を満たすことが必要です。少しでも疑問があれば、税務署や税理士に相談して、購入前にしっかりと要件を確認してください。

住宅ローン控除のイメージ
(画像/PIXTA)
まとめ

住宅ローン控除とは、ローンを借りて新築・購入・リフォームをすると、一定期間、納めた所得税から控除される制度

住宅ローン控除を所得税だけでは控除しきれない場合は、住民税でも控除が受けられる

控除を受けるには、いくつかの要件を満たしたうえで、初年度には確定申告を行う必要がある

控除額の試算はできるが、住宅ローン返済期間中に所得や住民税率が変動する可能性は高いので、試算額は参考程度にしたい

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取材・文/山南アオ
公開日 2021年03月25日
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