リバーサイド(川沿い)のマンションのメリットやデメリットは?気になる眺望や日当たり、虫の発生は?

最終更新日 2023年05月16日
リバーサイド(川沿い)のマンションのメリットやデメリットは?(体験談付き)気になる眺望や日当たり、虫の発生は?

リバーサイドやウォーターフロントと言われる川沿いのマンションは、眺めや日当たりの良さなど、たくさんのメリットがあります。その一方で、台風や大雨によるリスクが心配。また、水辺が近いと蚊などの虫の発生も気になります。川沿いのマンションのメリットやデメリットのほか、物件選びのポイントや注意点について、住宅ジャーナリストの大森広司さんに聞きました。実際に、リバーサイドのマンションで暮らした経験がある人の体験談も参考にしてください。

リバーサイドのマンションのメリットは?

都心で自然を感じながら暮らせる

日本は川の多い国。東京の都心部にも隅田川や荒川といった川が流れています。近年は川沿いエリアでの開発が進み、リバーサイドのマンションで暮らす選択肢も増えています。

では、リバーサイドのマンションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

<リバーサイドのマンションのメリット>
●眺望がよい

マンションや戸建てが隙間なく立ち並ぶ住宅街に比べると、川沿いや河川敷沿いのマンションは眺望がよいことが大きなメリットです。低層階で対岸にマンションやビルがあったとしても、窓が堤防よりも高い位置にある住戸なら、河川敷や川幅の分、眺望が広がり、開放的な毎日を送ることができます。また、立地や方角にもよりますが、花火大会を特等席で楽しめるケースも多いでしょう。

●日当たりや通風がよく室内が快適。夏でも比較的涼しい

周囲の建物によって太陽の光や風が遮られにくいこともリバーサイドのマンションのメリットです。

川側が開けていることで、日当たりが確保されます。また、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにも重要な室内の換気がしやすい点も安心です。窓からの川風や、河川敷の樹木からの気化熱によって夏でも比較的涼しく、エアコンにかかる電気代の節約にもつながりそうです。

●空や河川敷など自然が身近

窓から見える空の面積が大きいと、青空や夕焼け、雨上がりの虹などを眺められる機会も多いでしょう。また、河川敷に公園や散策できる道路が整備されていれば、子どもを遊ばせる場所にも困りません。堤防沿いに桜などの樹木が植えられていると、四季折々の景観も楽しめます。

●将来、賃貸に出しやすい

後述しますが、リバーサイドのマンションは、大雨などの災害リスクもあるため、「リバーサイドだから売却に有利」とは残念ながらいえません。「とはいえ、開放感や自然を感じながら暮らせるというメリットは大きく、将来的に賃貸に出すには有利といえそうです」(大森さん)

川沿いのビルやマンションの夜景の画像
都心部のリバーサイドマンションは夜景も楽しめる(画像/PIXTA)

心配は虫や湿気。リバーサイドのマンションでの暮らしを経験者に聞きました

隅田川沿いのマンションでの暮らし心地は?

メリットの多いリバーサイドのマンションですが、実際の暮らし心地はどうなのでしょう?東京都中央区のリバーサイドのマンションで数年間暮らした経験があるSさん夫妻に話を聞きました。

「3年間住んでいたのは20階。眼下には隅田川が流れていて、ベランダからは東京の街が一望でき、遠くで行われる花火大会も見えました。川面の色が朝昼夜で違うことに気づいたり、クルーズ船のガイドさんの声が聞こえたりなど、川沿いの街ならではの発見がある毎日。開放的で日当たりも通風もよく、夏はエアコンを使わなくていいくらい涼しかったです。何よりも、周囲の視線を気にせずにベランダでご飯が食べられるのがよかったですね。夫も、休みの日は一日中、ベランダのハンモックで本を読んですごすなど、充実した日々でした」(妻)

リバーサイドのマンションのベランダからの眺望
隅田川沿いのマンションの20階から撮影。貨物を積んだ船や屋形船などが通るほか、休日にはウエイクボードを楽しむ人の様子も眺められたそう(写真撮影/Sさん)

虫や湿気は?住戸のある階や周辺環境によっても違ってくる

川や自然に近いリバーサイドのマンションは、虫が室内に入ってこないか、湿気はどうかなどが気になります。Sさんの夫は、隅田川沿いのマンションの7階で暮らした経験もあります。
「よく、川の周辺は蚊が多くて、上の階でもエレベーターに乗ってくると聞きますが、住んでいたマンションでは7階でも20階でも蚊は入ってきませんでしたね。ただ、7階に住んでいるときは湿気が気になりました」(夫)

河川敷があまり整備されていない川に近く、低層階にある住戸の場合、虫は発生しやすくなるでしょう。また、湿気も低層階のほうが影響はあるでしょう。住戸の方角や風向き、窓の位置、隣接する建物との距離など、周辺環境だけでなく住戸の条件によっても状況は違ってきます。

虫や湿気が心配な場合、
・できるだけ高層階を選ぶ
・河川敷が整備されていて薮などが周辺にない立地にする

など、物件選びに注意することをオススメします。

地震による津波や、台風、大雨のリスクは?

注意したいのは大雨による洪水

川沿いのマンションの場合、大雨による川の増水が心配。また、東京都の場合、東京湾に近い江戸川区や江東区、中央区、港区などでは、地震による津波の心配はないのでしょうか。

津波

まず、津波ですが、東京都江東区のホームページには、「東京湾は外洋からの入り口が狭く、中で広がっている形状であることから、外からの津波が湾内に進むにつれて増幅するような現象は起こりにくいと分析されています」と書かれています。また、東京湾や河川流域には高潮対策として防潮堤などが整備されていることから、津波による大きな被害の可能性は低いと考えられています。

洪水

それよりも心配なのは台風などの大雨による洪水です。
「隅田川や荒川などの川沿いは海抜が低く、特に23区東部は東京湾の満潮面以下、いわゆるゼロメートル地帯が広がっています。堤防が決壊すれば川の周辺は洪水の被害を受けます。マンションの2階以上なら浸水の可能性は低いでしょう。でも、海抜が低い場所は水が引くまでに数日かかり、買い物に出かけられない、電気の供給がストップするなどのリスクがあります」(大森さん)

隅田川のリバーサイドから眺められる東京スカイツリー
(画像/PIXTA)

後悔しないリバーサイドマンション選びのポイント

ハザードマップや物件ごとの対策を確認

「日当たりや通風がよい、開放感がある、花火が見えるなど、日常的な潤いが得られる点でメリットが多いリバーサイドマンションですが、災害リスクが高いというリスクもあるハイリスク・ハイリターンな物件といえます。購入するならハザードマップを確認しましょう」(大森さん)

ハザードマップとは洪水や土砂災害、高潮などの自然災害から身を守るための情報を得られる地図のこと。各自治体のホームページで公開されているほか、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」から全国の災害リスク情報を調べることができます。

「洪水のリスクがあったり、地盤が軟弱だったりする場所では、自治体やマンションを建てるデベロッパーが対策を施している場合も。海抜が低いところでは堤防を設けていたり、地盤が弱いところは杭を十分な深さまで打ち込んでいたりといったケースがありますから、物件を検討する段階では自治体やデベロッパーに確認するといいでしょう。なお、将来、売却をと考えている場合は、自分が購入する際に感じた災害リスクへの不安を、未来の購入検討者も同様に考えるということ念頭に物件を選ぶことが必要です」(大森さん)

ハザードマップのイメージ
(画像/PIXTA)

周辺の環境も自分の目で確かめよう

リバーサイドのマンションでの暮らしを検討するなら、周辺を歩いて、自分の目で確かめることが大切です。

「リビングが北向きの住戸でも、幅の広い川に面していれば採光がとりやすいでしょう。一方、両脇に建物がぴったりと立っていて開けているのは川側だけという物件なら、通風が期待できない場合もあります。周辺環境も確認するようにしましょう」(大森さん)

そのほか、日の当たり方の対岸からの確認や、河川敷がどれくらい整備されているかなどのチェックも大切。開放感あふれる快適な暮らしがかなうマンションを、上手に探してみましょう。

まとめ

リバーサイドのマンションは眺望や日当たり、通風などメリットが多い

河川敷が整備されているなど都心でも自然を感じながらの暮らしがかなう

川沿いは低地だったり、軟弱地盤だったりすることも多くハザードマップなどの確認は必須

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取材・文/田方みき 
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