マンション広告(不動産広告)の大事な情報を読みとるコツ

家探しの第一歩は情報収集。住宅情報サイトやフリーペーパー、チラシなどにはどんな情報が載っているのか?見慣れないと分かりにくいマンションの広告から、大事な情報を効率よく読み取るコツやポイントを紹介する。

徒歩●分内、価格、戸数…物件概要編

1.交通アクセス…”駅から徒歩10分”は改札から玄関までではない

徒歩時間は駅出口から物件の敷地入り口までの距離を80m=1分換算で表記。駅ホームから改札や出口までが遠い駅の場合は注意が必要。電車やバスの所要時間は日中平常時を記載する場合が多く、待ち時間や乗り換え時間は含まない。

徒歩

80m=1分として算出。直線距離ではなく、最短の道のりを測定して計算する。端数は切り上げ、信号や踏切の待ち時間、坂道などは考慮されていない。

電車・バス

乗り換えや急行利用などの注記をした上で最速ルートの時間を表示。通勤時の所要時間が日中平常時を著しく超えるときは、併記または通勤時を記載する。

2.価格…最多価格帯だけでは物件の相場は分からない

「予定価格4200万円(1戸)~6800万円(1戸)」や「予定最多価格帯5400万円台(5戸)」などと記載される。ここでいう最多価格帯は100万円刻みで見たときに一番戸数の多い価格帯のことで、物件の平均価格を示すものではない。

「最低価格=最低面積」、「最高価格=最高面積」と仮定して1m2単価を計算し、希望面積をかける。ただし、物件ごとに価格設定の条件は異なるため「最低価格=最低面積」、「最高価格=最高面積」ではない場合もある。正確な情報はモデルルームで聞いてみよう。

3.用途地域…建設予定地の周辺の「用途地域」も重要

用途地域を見ればどんな建物が建てられるかが分かるので、エリアの環境を予想するひとつの手掛かりになる。物件所在地の用途地域は広告で確認できるが、記載されていない周辺の用途地域は自治体が公表する都市計画図で確認しよう。

用途地域 建てられるものの例
第1種・第2種
低層住居専用地域
低層住宅以外は診療所や保育所、小中学校など
第1種・第2種
中高層住居専用地域
中高層マンションや病院、大学、店舗、小規模の食品工場など
第1種・第2種
住居地域
住宅のほか、ホテル、ボウリング場、パチンコ店など
商業地域 銀行、映画館、飲食店、デパート、オフィス中心。住宅も建つ
準工業地域 環境の悪化をもたらす恐れのない工場中心。住宅も建つ

用途地域の種類と建てられるものの例

4.敷地の権利形態…借地権は価格が安いが地代などの負担あり

借地権付き物件は土地を所有しないので価格が割安な場合が多い。固定資産税の負担はないが、代わりに毎月の地代を支払う。一般定期借地権は契約期間終了後、更地にして返却するため、解体準備金や月々の解体積立金が必要。

主な借地権の種類と概要

5.期売り…”第1期完売”でも売り切れではない

マンションは販売センターの広さや販売担当者の人数など物理的な制限があるため、複数回に分けて販売を行う。何回に分けるか、一度に何戸売るかは物件ごとに異なるので、「第1期完売」でも第2期、第1期2次などでの申し込みが可能。

6.不動産会社…売主と販売会社は違う場合もある

マンションを開発、分譲し、引き渡し後の物件の責任を負うのが売主(事業会社)。それに対し、販売提携は売主から委託されて売買の手続きなど購入者の窓口になる会社だ。なかには売主が販売業務まで一貫して行う物件もある。

7.大臣免許…大臣免許のほうがエライ?

広告では不動産会社の免許情報は必須項目となっており、免許番号の以下( )の数字が大きいほど営業年数が長いことを表す。大臣免許と知事免許の2種類があるが、事業所が1つの都道府県内にとどまっているか、2つ以上の都道府県になるかの違いなので、種類による優劣はない。

外観&施設編

1.建物の外観CGや周辺環境を紹介している外観パース…完成予想図には周辺建物がないことも

完成予想図は建物本体を描けば良いルールなので、周辺の建物が描かれていないケースも。住環境にマイナス影響のある建物が近くに建つ場合は、広告内への表示が必須。表示方法はさまざまなので薄い線や小さな文字もしっかり見よう。

周辺の建物や電柱、架線などを省略しているため、実際よりも開放的に見える(maxwell/PIXTA)

2.植栽…「緑が豊かな環境」には時間がかかる場合も

植栽は物件のイメージを左右する大切な存在。広告では植える木の種類や数などを具体的に記載したり、生い茂った様子をCGで表現している。実際に苗木が予想図のように生長するには建物完成から5年~10年程度の時間を見ておこう。

3.共用施設…共用施設のコストは居住者が負担

充実した共用施設はマンションの魅力のひとつ。暮らしが豊かになる一方、施設の建設費や維持管理コストは物件価格や管理費に上乗せされ、居住者が負担することになる。どのくらい利用するか、コストとのバランスを考えて検討しよう。

どんな共用施設があるか、利用時間や料金、提供されるサービスの内容にも注目してみよう(maxwell/PIXTA)

4.ご当地ラベル…環境性能を確認!

マンションの環境性能を、自治体ごとの基準に沿って評価し、広告などに表示を義務付けるケースが増えている。対象となるのは一定規模以上の建物。省エネ性や耐久性、緑化などの項目ごとに数値やマークで表示するのが一般的だ。

東京都は延べ面積5000m2超のマンションに表示を義務付け。断熱性など5項目を3段階評価

専有面積、リビング、和室の間取り…住戸の広さ編

1.専有面積…登記簿上の面積は広告の表示よりも小さい

広告上の専有面積は壁の中心線で囲まれた壁芯面積で表示する。それに対し、購入後の登記では壁の内側の内法面積で記載する。部屋の形状にもよるが、壁芯よりも内法のほうが3%~5%小さくなると考えると分かりやすい。

税金の優遇を受けるには内法面積50m2以上が条件

2.リビング…LD〇畳は通路部分も含んだ広さ

間取図(※)でリビングに薄く色がついている例があるが、これは床暖房の範囲を示したもの。リビングは通路部分も面積に含まれていることを忘れずに。畳数はLD11畳とK3.4畳を分けて表記する例もあれば、LDK14.4畳とまとめて表記することも。(※広告に載っているのは代表的な間取り。細かい寸法の記載はない)

通路が長いと、使える面積は表示よりも小さくなる

3.和室…畳が6枚あっても6畳ではない場合も

部屋の広さを畳数で表す場合、畳1枚当たりの広さは1.62m2以上という基準を設けている。畳は小さいサイズもあるため、間取図上は6枚分の表記でも、壁芯面積が1.62m2×6=9.72m2に足りなければ和室6畳とは表記できない。

間取図では半畳サイズの畳が12枚敷かれている表記だが、壁芯面積にすると5畳相当

4.間取り…同じ間取りでも、階数や方角で価格差

面積や間取りが同じ場合、一般的に価格は上階にいくほど高くなる。また、角住戸など戸数の限られるものや、日当たり、眺望などの条件のよい住戸は価格が高くなる。反対にエレベーターや機械式駐車場のそばは価格が安く設定されやすい。

価格決定のメカニズム

金利、管理費、ボーナス…資金計画編

1.金利タイプ…返済例は変動金利で試算されていることが多い

広告の支払い例は金利の低い変動金利で試算される場合が多い。変動金利は毎月の負担が抑えられるが、金利や返済額が途中で変わる可能性があるので注意。また、実際に適用される金利は借りる人によって引き下げ幅が異なることもある。

金利タイプによって返済額は変わる

※借入額5000万円、返済期間35年、ボーナス時加算なしで試算。金利は三井住友銀行(2018年1月適用分)の場合。変動は当初5年間、10年固定は当初10年間の返済額

2.管理費、修繕積立金…家賃並みの返済例でもほかにもかかる費用がある

マンション購入では、購入時に一括で払う修繕積立基金や管理準備金、毎月払う管理費・修繕積立金が必要。負担額は購入住戸の専有面積に応じて決められるのが一般的。広告に最低額~最高額が示されている場合があるので参考にしよう。

管理費の相場(月額)

修繕積立金の相場(月額)

※2016年首都圏新築マンション契約者動向調査(リクルート住まいカンパニー)より

3.返済期間…返済例どおりにローンが組めるとは限らない

資金計画例では返済期間を35年に設定するケースが多い。ローンの完済年齢の上限は80歳とする金融機関が多いため、ローン契約時の年齢が45歳以上の場合は35年未満の返済期間に。返済例よりも毎月の負担が多くなる可能性がある。

返済期間が長いほど毎月返済額は少なくなる

※借入額5000万円、ボーナス時加算なしで試算。金利は変動金利0.625%、当初5年間の返済額

4.ボーナス時加算…毎月返済額のほかにボーナス返済もチェック

支払い例では毎月の返済のほかに、年2回のボーナス返済を上乗せして試算しているケースも多い。ボーナス返済併用にすれば毎月返済額は抑えられるが、バランスには注意が必要。モデルルームでボーナス返済なしの試算もしてもらおう。

ボーナス返済が多いほど毎月返済額は少なくなる(借入額5000万円の場合)

※借入額5000万円、返済期間35年で試算。金利は変動金利0.625%、当初5年間の返済額

マンション購入を考えている人にとっては、マンション広告の情報をよく理解せずに家を購入すると「こんなはずではなかった」と後悔する可能性も。この記事でマンション広告の見方を理解したら、ぜひ新たにマンション広告をチェックしてみよう。きっといろいろな気づきがあるはずだ。

関連記事リンク

不動産の捨て看板・電柱広告には要注意! 違反広告の見分け方
不動産広告の駅から徒歩●分はどこからどこまで? 実際に歩いてみた
不動産会社と内見は誰と行った? 何を見ればいいの?
不動産会社は何件訪問すればいい? いい会社を見抜くコツとは?

新築マンションを探す
取材・文/木村寿賀子 写真提供/PIXTA
公開日 2018年05月10日
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格
ページトップへ戻る