戸建てと集合住宅はどう違う?それぞれの特徴と資産価値、維持のしやすさは?

公開日 2022年09月30日
戸建てと集合住宅はどう違う?それぞれの特徴と資産価値、維持のしやすさは?

マイホームを検討している人にとって、戸建てはとても魅力的。でも、マンションなどの集合住宅にも良さがあります。戸建てと集合住宅の違いは何でしょうか。ここでは、戸建てや集合住宅、マンション、アパートといった住宅の定義や、戸建て集合住宅の住み心地の違いを紹介。また、将来、売ったり貸したりすることになった場合、どんな戸建てだったらスムーズなのか、資産価値を維持しやすい戸建ての条件は何かについて、さくら事務所の山本直彌さん、友田雄俊さんに話を聞きました。

戸建て、集合住宅、マンションなど、住宅には種類がいろいろ。どう違うの?

戸建てとは独立して立っている1棟の住宅

戸建て、一戸建てと呼ばれる住宅は、独立した1棟の建物になっている住宅のことを指します。更地の状態の土地に、ゼロからプランを立ててつくっていく注文住宅や、完成済みまたは完成予定の状態で販売される建売住宅も、戸建てのカテゴリーに入ります。親世帯と子世帯がそれぞれのスペースに分かれて暮らす二世帯住宅は集合住宅のような印象ですが、一戸建てに含むと考えていいでしょう。

集合住宅とは1棟の中に複数の独立した住居がある建物

実は、集合住宅という言葉は法律による定義がありません。一般的には、ひとつの建物の中に複数の独立した住居があるものを集合住宅と言います。建築基準法では、「共同住宅」「長屋」がそれぞれ定義されていますが、マンションやアパートは、共同住宅に含まれるといえます。

集合住宅にもいろいろな種類があります。代表的な4つはこちらです。

■共同住宅

ひとつの建築物に2戸以上の住戸がある
共同の廊下やエントランスなどがある
マンションやアパートが含まれる

■長屋

ひとつの建築物に2戸以上の住戸がある
共用の廊下やエントランスなど共用部分はない
道路や敷地内通路から直接出入りできる

■テラスハウス

独立した住宅が連続して繋がっている低層集合住宅
隣家との境になる壁を除き共有部分はない
所有者は自分の住宅部分とその下の土地に対して100%の所有権をもつ
所有権の面で戸建に近い

■タウンハウス

独立した住宅が連続して繋がっている低層集合住宅
「建物はそれぞれの所有、敷地は共有で所有」または「建物は区分所有で真下の土地は個人所有」
所有権の面でマンションに近い

戸建てと集合住宅の違いは?

集合住宅にはさまざまなタイプがあるため、戸建てとの違いを比較することは簡単ではありません。ここでは、所有している場合の戸建てと集合住宅(分譲マンション、テラスハウス、タウンハウス)とを比較し、それぞれの特徴を紹介します。

■通風・採光

戸建て
全方角に窓を設けることが可能。周辺の建物の高さや距離によるが、通風・採光は確保しやすい

集合住宅
部屋によって外と接する壁の方角や数が異なる。高層階の方が遮るものがない可能性が高いので、通風・採光は確保しやすい

■セキュリティ

戸建て
玄関ドアや窓など開口部が外に接しているため、セキュリティ対策を行わなければならない箇所が多い

集合住宅
エントランスと、自宅住戸の玄関で二重のセキュリティが確保可能。また、中層階、高層階の場合は、外からの侵入がされにくい

■音の問題

戸建て
独立した建物なので、隣近所に足音などの生活音で気兼ねしなくてすむ

集合住宅
隣接または棟内の住戸からの音が、聞こえるケースがある。自分たちが出す生活音に気兼ねすることもある

■管理

戸建て
すべて自分で管理する必要がある

集合住宅
管理組合が管理会社に共用部分の清掃や管理を委託する。ただし、住戸の所有者は管理費を支払う

■リフォーム

戸建て
増築を含めて、リフォームの自由度は高い

集合住宅
使用する床材などリフォーム内容に管理規約による制限がある場合がある。リフォームを行う際には管理組合へ届出をするのが一般的

■維持費

戸建て
定期的な外壁や屋根の補修や、住宅設備の更新などは全て所有者が費用を負担する

集合住宅
大規模修繕にかかる費用は、毎月支払う修繕積立金でまかなう

戸建てで暮らすメリット、デメリット

戸建てで暮らすメリットは?

戸建ては独立して立つ建物なので、壁を隔てたお隣で暮らす人の気配を感じることなく、プライバシーを守りやすい暮らしができます。何よりも、子どもが走り回ったり、ソファから飛び降りたりしても、「階下に響くのでは……」という心配をしなくてすみます。そのほか、主な戸建てのメリットを挙げてみましょう。

戸建てで暮らすメリット

  • 生活音を隣近所に気兼ねしなくてすむ
  • 庭や家庭菜園を楽しむ暮らしが可能
  • 注文住宅の場合、好みの間取りや内装・外観デザインの家をつくることができる
  • 建築基準法などのルール内で、リフォームやリノベーション、増築、減築が自由にできる
  • 建て替えや売却の判断や時期を自分で決められる
  • 駐車場代や駐輪場代がかからない
  • 建物のメンテナンスのタイミングや費用を家計の事情によって決めることができる
  • ご近所づきあいや町内会活動を通して地域への愛着が生まれる
  • 敷地に広さがあれば、将来、土地を分筆(分割)して子どもたちそれぞれに遺すことができる

戸建てで暮らすデメリットは?

さまざまなメリットがある一方で、土地と建物を自分で管理する戸建てならではのデメリットもあります。戸建を購入してから後悔しないようデメリットを知っておくことも大切です。

戸建てで暮らすデメリット

  • 都心や駅から離れた立地になることが多い
  • 開口部が多く外から直接出入りできるためセキュリティ面で不安がある
  • マンションのようにラウンジがキッズルームなどの共用施設がない
  • 建物のメンテナンス費用を計画的に貯めていかないと資金不足で慌てることになる
  • マンションに比べて売却や賃貸に出すことが難しいケースがある
戸建てで暮らすメリットのイメージ
(イラスト/杉崎アチャ)

戸建てとマンション、資産価値はどっちが高い?

戸建てとマンションでは資産価値を測るポイントは違う?

戸建てやマンションなどの不動産は購入した人にとって資産、財産になるものです。しかし、どちらも取得してから時間がたち建物が古くなっていくと、財産としての価値=資産価値は落ちていきます。ところが、購入する戸建てやマンションによっては年月がたっても、取得した時と同じくらいの値段で売れたり、場合によっては高く売れたりということがあります。このような物件は「資産価値が維持しやすい物件」「資産価値が高い物件」と言われます。

最近は、新築マンションの価格が高騰し、その影響で中古マンションの価格も上昇しています。都心の駅に近いマンションで「購入した時よりも高く売れた」という体験談も多く聞かれます。マンションの資産価値を測る上で、重視されるのは駅からの距離や、人気のエリアにあるかといった「立地」です。

では、戸建ての場合は、資産価値はどんなポイントが影響するのでしょうか。

「戸建ての場合も、資産価値に影響するポイントは立地です。立地が非常に重要になります」(さくら事務所・山本直彌さん、以下山本さん)

資産価値を測るモノサシは、戸建てもマンションも基本的には同じなのだそう。

「ただし好立地と言えるのは、マンションの場合は駅から徒歩10分以内。それより遠くなると資産価値として厳しくなってきています。しかし、戸建ての場合は駅徒歩20分くらいまでの立地なら許容範囲といえます」(山本さん)

戸建てが並ぶ住宅街のイメージ
戸建てが立ち並ぶ住宅街は駅から離れたところにあることが多い。資産価値を考えて物件選びをする場合は、駅徒歩20分以内の立地が許容範囲(写真/PIXTA)

資産価値が維持しやすい戸建てはどう建てる?どう選ぶ?

永住しようと思って戸建てを買ったり建てたりした場合でも、転勤や転職、親との同居などで家を手放す可能性は誰にとってもゼロではありません。そこで、将来、売却がスムーズにできる資産価値の高い、または維持しやすい戸建てを選ぶためのポイントを知っておきましょう。

土地の形と広さで売りやすさが決まる

売却する際に重要になるのが土地の形。

「長方形や正方形の土地に建てられた家の方が売りやすく、資産価値は維持しやすいと言えます」(山本さん)

例えば、道路に接している敷地への出入口部分が細長い通路になっていて、その奥にまとまった敷地がある「旗竿地」と呼ばれる土地や、三角形などの変形している土地はどうしてもニーズが少なく、売りにくく、資産価値は下がってしまうのだそうです。

旗竿地のイメージ
細い通路の奥に家を建てるスペースがある旗竿型の土地。誰もが好む土地の形ではないため、売りにくかったり、高く売れなかったりする(写真/PIXTA)

また、注意したいのが土地の広さ。

「土地は広い方がいいかというと、そういうわけではありません。土地面積が大きな家は当然価格も上がりますから、売却しにくくなります。周辺が2階建ての庭付き戸建てが多くあるファミリー層が好むエリアなら、150m2くらいの広さがいいでしょう。駅や都心に近く利便性を重視する世帯層が好むエリアなら、狭小の3階建てが多く建ちますから70~80m2くらいの土地の戸建が売りやすかったりします」(山本さん)

自治体の条例で最低敷地面積(敷地面積の最低限度)が定められているエリアでは、分割しやすさを考えて選ぶことが大切。

「例えば、最低敷地面積が70m2のエリアで140m2の土地を購入して家を建てたとします。将来、売却する際に、この土地は140m2のままでも、分筆(敷地分割)して70m2の敷地2筆にしても利用できる有効活用しやすい土地として売りやすくなります。一方、130m2の土地の場合は分筆しての活用がしにくいため売りにくくなります。わずか10m2の差が資産価値に大きく影響するのです」(山本さん)

建物は汎用性の高さが重要

立地や土地の形、広さが良くても、建物そのものに魅力がなければ資産価値は維持しにくくなります。ここでいう魅力というのは、多くの人からニーズがある家、ということ。

「間取りやデザイン、設備などにこだわりすぎてつくった注文住宅などにあるのですが、施主という限られた人にとって使いやすく、でも、一般の多くの人には使いにくい家は売りにくくなります。ずっと住み続ける場合はいいのですが、もし将来、売却する予定があるのなら、間取りは奇をてらわない汎用性の高いプランを選ぶのがいいでしょう」(さくら事務所・友田雄俊さん、以下友田さん)

メンテナンスをきちんとする

戸建てはマンションと違い、所有者が自分の判断で建物のメンテナンスを行います。メンテナンスは売却のしやすさや資産価値の維持に影響するのでしょうか。v

「新築してから12~15年程度で足場をかけて外壁のメンテナンスを行うのが一般的なタイミングなのですが、その時期は、新築時に購入した家電や、給湯器などの住宅設備機器の故障が重なるタイミングでもあります。また、家族構成によってはお子さんの進学と重なって、まとまった資金が必要になる時期。家のメンテナンスまで手が回らなくなる、というケースも見受けられます。この繰り返しで、一度もメンテナンスをせずに20年くらいたつと、雨漏りが発生するなど、メンテナンスをしてきた家と建物の状態に差が出てきてしまいます」(友田さん)

「マンションも戸建ても同じで、築年数にもよりますが、やはりメンテナンスをしている家の方が売却はしやすいです」(山本さん)

質の高い家である認定を受けておく

中古住宅として売り出す際、その家の性能の高さなどが表示できれば、買主も安心です。

「住宅性能評価や長期優良住宅の認定などを受けておき、メンテナンスの履歴も資料として残しておけば、新築時にきちんと建てられていること、性能の高い家であること、その後のメンテナンスも行っていることが分かり、売却しやすいのではないでしょうか」(山本さん)

住宅の品質を評価する制度は複数あります。建売住宅を購入する場合は、長期優良住宅などの認定基準を満たしているかなどをチェック。注文住宅を建てる場合は評価や認定を受けるためには費用やコストがかかりますから、建築会社と相談して検討しましょう。

売却しやすい戸建てのイメージ
(イラスト/杉崎アチャ)
まとめ

戸建ての暮らしはプライバシーが確保しやすく、自分たちの生活音に気兼ねしなくていい点などメリットが多い

戸建てはセキュリティ対策や建物のメンテナンスなど全て自分の責任で行う負担感がデメリット

戸建ての資産価値はマンション同様、立地の良さが重要

資産価値が維持しやすい戸建ての条件は立地と土地の形と土地の広さ

汎用性の高い間取りの方が売却しやすく、資産価値の維持しやすさにもつながる

将来売却の可能性があるなら建物のメンテナンスをしておくことも重要

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取材・文/田方みき イラスト/杉崎アチャ
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