リノベーション済みマンション、購入の注意点 デメリットは? 選ぶコツは?

新築マンション価格の高騰によって、中古マンションも並行検討する人が増えています。そこで選択肢のひとつになるのが「リノベーション済みマンション」。購入時の注意点、未リノベ中古との違い、見極め方などをまとめてみました。

「リノベーション済みマンション」のメリット

平成29年末時点、全国の分譲マンションの総戸数が644.1万戸であるのに対して、新築は約10.6万戸(※平成29年末のマンション戸数(国土交通省))。この数字からマンション市場に占める「中古マンション」の割合の多さが分かります。

そんななか、中古マンションのなかで確立した物件ジャンルが「リノベーション済みマンション」です。文字どおり、リノベーションで住宅設備や壁、床などが新しくなり、住空間がセンスアップされたものなどもあって人気を集めています。

そんなリノベーション済みマンション(リノベ済みマンション)のメリットを、All About「不動産売却・査定」ガイドの風戸裕樹さんに伺いました(以下コメントはすべて風戸さん)。

「まずリノベ済みマンションは、不動産会社が中古マンションを買い取り、それをリノベーションして売り出す場合が少なくありません。このケースでは、リノベ済みマンションの売主が宅地建物取引業者である不動産会社のため、瑕疵担保責任を最低2年負わなければならないと法律で定められています。

瑕疵とは直接目に見えない部分の欠陥で、雨漏りやシロアリ、給排水管、電気系統などの問題が相当します。マンションの場合は、専有部分内の給排水管、電気系統のトラブルなどが代表的ですね」

ということは、リノベ済みマンションを買い、住み始めて2年以内に給排水管などに何らかのトラブルが生じた場合、無償で修理してもらえるということでしょうか?

「そうです。ただ、そもそもプロの業者がリノベしますので、そうした瑕疵があったとしたらきちんと修理しているケースが多いと思います。なお、売主が法人ではなく個人の場合は、瑕疵担保責任が3カ月間と定められることが多いでしょう」

次のメリットは「住宅ローンがまとめられることです」と風戸さん。

「仮にリノベーションしていない中古マンションを購入した場合、住宅ローンに加えて、(キャッシュ支払いを除き)リフォームローンを別に借りなければならないケースもあります。住宅ローンが低金利、返済期間を長く設定できるのに対し、リフォームローンは比較的高金利で返済期間が短めのため、月額の返済の負荷が高くなることも。しかしリノベ済みならマンション単体の購入ですから住宅ローン一本で済むわけです。

さらに、リノベ済みは築年数の目安として20年超であり、都心など足まわりが良く人気の高いエリアに多いこと、すぐに暮らし始められること、(リノベしていない中古マンションも同様だが)マンション内部はもちろん、周辺環境も直接自分の目で確認できることもメリットに挙げることができます」

リノベーション済みマンションの事例を紹介!

さてここからは、実際のリノベーション済みマンションをご紹介。中古マンションのリノベーションから販売までを手がけるグローバルベイスとリビタの事例を見てみましょう。

リノベーション済みマンション事例1
ベルヴィサンハイツ202号室(グローバルベイス)

南東向きで日当たりの良いリビングダイニングは約17.5畳
クリナップ製システムキッチンに新規交換済み。トップは人造大理石
玄関横や各室とも収納豊富。配管まで新しくするスケルトンリノベで安心

建築年/1989年
所在地/東京都大田区東六郷
交通/京浜急行本線雑色駅徒歩6分
間取り/3LDK+WIC
専有面積/82.73m2
価格/販売済みのため非公開
リノベーション箇所/内装変更(フローリング、壁・天井クロス等)
給水管・給湯管等新規交換
水まわり設備機器交換(システムキッチン、給湯器、洗面化粧台、洗浄便座付トイレ、浴室換気乾燥機・追い焚き機能付ユニットバス等)
建具・玄関収納等新規交換

リノベーション済みマンション事例2
コスモ上池袋(リビタ)

角住戸で2方向から日が差し込むリビングダイニング。約14畳
ガスコンロ・浄水器付シャワー水栓付きのシステムキッチンに新規交換。壁の黒いタイルがアクセントに
ベッドルームにはハンガーパイプを設置済み

建築年/1986年
所在地/東京都豊島区上池袋
交通/JR各線、丸の内線池袋駅徒歩9分
間取り/1LDK
専有面積/43.65m2
価格/3280万円
リノベーション箇所/間取り変更(2DK→1LDK)
水まわり設備機器交換(システムキッチン、ガスコンロ、浄水器付シャワー水栓付等)
給排水管、給湯管、追い焚き管等交換
内装変更(フローリング、フロアタイル、長尺シート、クロス等張替、建具等交換等)

「リノベーション済みマンション」の注意点とは

続いて、リノベーション済みマンションを選ぶ際の注意点です。

「自分のこだわりを実現するために『リノベ済みマンションをさらにリノベしたい』という場合は要注意。例えば壁を抜いて空間を広げたい場合、その壁が構造壁だと施工ができません。あるいはマンション管理組合の管理規約で、間取り変更やフローリングなどの床張り替えなどが禁止されているケースもあるため、事前に確認する必要があります。

ちなみに、これはリノベ済みマンションではありませんが、最近ではリノベーションを請け負う会社が中古マンション探しも行い、その会社の設計士、インテリアデザイナーなどと一緒にリノベーションできる中古物件も増えています。こだわりが強い方は検討しても良いかもしれません」

加えての注意点として、マンションの共用部分も挙げられます。室内がリノベされていて新築同様だったとしても、廊下、ゴミ置き場、駐車場、エントランスなどの共用部分は手を加えることはできません。仮に、清掃が行き届いていない、住民のマナー、モラルに問題がありそう、などと感じた場合は注意が必要でしょう。

同様に共用部分については、大規模修繕計画の予定も要確認。築年数の経過に伴って外壁塗装・修理や防水加工の工事費はかさむケースもあり、程度によっては修繕積立金以外に臨時の工事費用を徴収される場合もあります。これも売主、仲介会社に確認しておきましょう。

さらに、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準に設定されている「新耐震基準」に相当しない、1981年以前に竣工した築年数の古いマンションも注意が必要とのこと。独自の耐震診断を受けているか、2011年の東日本大震災など、直近の大きな地震が発生した際にどのような被害が生じたかなどを売主、仲介会社に確認しておきたいものです。

リノベ済み・未リノベ・新築の3つを比較

最後はリノベ済みマンションに加えて、ほかのマンション選びの主な選択肢である「未リノベ」(=リノベーションをしていない一般的な中古マンション)、「新築」も加えて3者を比較してみます。

下見の方法

リノベ済み 完成済みのマンション。ほとんどが空室の状態で内見できる
共用部、周辺環境の確認も可能
未リノベ 完成済みのマンション。内見時は、所有者が居住中の場合も
共用部、周辺環境の確認も可能
新築 モデルルーム。欲しい部屋タイプが用意されていない場合がある。なかには完成済みで直接確認できるものも
周辺環境はできるが、共用部は確認不可

スペック

リノベ済み 住宅設備の交換で、新築同様にきれいになる物件もある
未リノベ 築数年程度なら新築とほぼ同等
新築 グレードによる差はあるが、最新機能が備えられている

※中古物件は、築年数が古くなると設備に経年劣化や不具合が出てくるので交換する人が多い。ただし、玄関ドア・窓サッシなどの共用部は自由にリノベできないので注意

価格

リノベ済み リノベーション費用が乗っている分、未リノベの中古と比較すると高め
未リノベ 低め
新築 リノベ済み、未リノベよりは高め

※エリアや駅からの距離、広さ、間取り、築年数、リノベの程度などの要素で、価格設定はさまざま

ローン

リノベ済み 住宅ローンのみ
未リノベ 住宅ローン、リフォームローンの2つを借りる必要がある
※なかには、住宅ローンにまとめて借りられるケースも
新築 住宅ローンのみ

※諸費用ローンは除く

上の図にあるようにマンションが立つエリアや駅からの距離、広さ、間取り、築年数、リノベの程度など、さまざまな要素によって条件や価格は変わってきます。リノベ済みも含めたマンション購入検討の参考にしてください。

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取材・文/保倉勝巳
公開日 2018年10月01日
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