マンションのリノベーション費用は?間取りは変えられる?

マンションのリノベーション費用は?間取りは変えられる?

きれいな新築マンションもいいけれど、価格が高かったり、間取りや内装が好みじゃなかったり…
そんな場合は、中古マンションを買って、自分好みにリノベーションをするという選択肢があります。
中古マンションを購入してリノベーションをする場合の費用やできることについて、物件探しから、リノベーション、アフターサービスまでフルサポートする “リノサポ”(株式会社リビタ)コンサルタントの飯田さんに教えてもらいました。

中古マンション×リノベーション、魅力は?

物件費用を抑えられる

新築マンションではなく、“中古マンション×リノベーション”を選ぶメリットとして、まず、物件価格が新築よりも安いという点があります。

中古マンションは築年数や立地にもよりますが、同じような条件であれば、一般的に新築よりも築年数を経た物件の方が価格は低くなり、築年数を経る程価格は下降していきます。

「築古物件の方が価格は手ごろになりますが、築20年を過ぎると価格の下落が緩やかになる傾向があります。リノベーションを考えて中古マンションを購入する人は、新築と価格がさほど変わらない築浅物件よりも、ある程度価格が落ち着いた築20年前後の物件を検討するケースが多いです」(飯田さん、以下同)

築年数帯別に見ると、築20年以上の平均m2単価は安定して推移
価格 面積 m2単価
築0~5年 5,411万円 66.83m2 80.96万円
築6~10年 4,602万円 67.62m2 68.06万円
築11~15年 4,242万円 70.04m2 60.56万円
築16~20年 3,716万円 70.42m2 52.77万円
築21~25年 2,528万円 65.32m2 38.70万円
築26~30年 1,697万円 57.19m2 29.68万円
築31年~ 1,815万円 57.25m2 31.70万円
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)中古マンション成約状況/ 東日本不動産流通機構

2017年大型リフォーム実施者調査(リクルート住まいカンパニー)によると、中古マンションを購入してリフォーム・リノベーションをした人のマンション購入価格は平均3015.1万円。やはり、新築マンションよりも、ある程度抑えた価格の物件を購入している人が多いようです。

もちろん、物件費用に加えてリノベーションの工事費もかかるため、総額で考えると、中古マンションを購入してリノベーションをする方が新築マンションよりも必ずしも費用を抑えられるとは言えません。ただし、“総額でいくらかかったか”ということではなく、“何にコストをかけるのか”という観点で、コストメリットを感じる人は少なくありません。

「築年数を経た中古マンションというのは、共用部も含めたマンションの価値が一旦落ち着いた状態と言えます。マンションを購入する際、専有部だけでなく共用部も含めた価値にお金を支払う訳ですが、中古マンションでリノベーションを行うのであれば、自分の居住空間である専有部にかける費用の割合が、新築マンションよりも高くなります。自分だけの空間に、より費用を投じることができるという観点で、新築マンションを購入するケースよりもおトクだと考えることもできます」(飯田さん、以下同)

自分好みの家が手に入る

価格以外にも、中古マンションを買ってリノベーションする醍醐味といえば、自分好みの家にできるという点です。

「新築マンションの場合は、セレクトプランとして用意されたものの中から床や建具の色を選んだり、オプションなどで必要な設備などを取り入れたりすることもできますが、リノベーションであれば、内装も設備も自由度が高く、大抵の希望をかなえることができるので、自分好みの住まいに仕立てることができます」

間取りや設備、どこまで変えられる?費用は?

専有部分でもリノベーション内容に制限がある場合も

マンションの場合、リノベーションできるのは専有部のみなので、一戸建てのように、共用部にあたる外壁などを変えることはできません。また、専有部についてもリノベーションに制約がかかるケースなどもあります。

窓・玄関扉・バルコニー

マンションの場合、窓や玄関扉、バルコニーなどは共用部にあたります。サッシの交換などはできないため、古いマンションで窓の断熱改修をしたい場合は、内窓を取り付けるなどして対応することになります。

「バルコニーにウッドデッキを敷くなど、取り外しのできるものであれば問題ありません。また、玄関扉の共用廊下から見えない内側を塗装したり、シートを貼ったりということはできることもあります」

見えない部分や、一般的に可能とされている工事内容でも、窓や玄関、バルコニーについては事前に管理会社に確認をしておきましょう。

バルコニー
(画像/PIXTA)

水まわり

配管の関係で、間取りが制約されることがあります。

「マンションの場合、1階から最上階まで給排水管などが通っているパイプスペース(パイプシャフト)があり、間取図にはPSと表記されます。このPSの周りに、水まわりを配置するのが一般的ですが、PSから水まわりの位置を離すと水が流れるように勾配を確保する必要があるため、床に段差ができることがあります」

排水の場合、必要な勾配は通常1/100。1m離れるごとに10mm下がるというイメージです。離れれば離れるほど、必要な段差は大きくなります。

「また、キッチンに関しては、PSとの接続以外にも、排気口の位置の確認も必要です。排気口から離れた場所にレンジフードを設置すると、ダクトの配置に配慮が必要になることもあります。

浴室やトイレ、キッチンなどは大きく位置を変えることが可能であっても、コストアップにつながるので、水まわりなどにこだわりがある場合は、物件選びの段階から注意が必要です」

配管
(画像/PIXTA)

壁・天井

間仕切り壁を取り払って、居室を広くすることがありますが、構造によっては、このような間取変更ができないこともあります。

「マンションの場合、柱と梁で建物を支える構造のことが多いのですが、壁で建物を支える壁式構造の場合、室内の構造壁は取り払うことができないので、希望通りの間取りを実現できないこともあります」

また、天井の張替えなどは通常可能ですが、コンクリートがむき出しの“躯体現し”にすることができない住戸もあります。

「最上階住戸の場合、天井裏には断熱材が施工されていることが多く、躯体現しができないこともあります。そのようなこだわりがある場合は、最上階ではない住戸を選びましょう」

天井
(画像/PIXTA)

また、マンション内でほかの住戸がリノベーションしたことがないケースなどでは、管理組合からリノベーションすることに難色を示されることもあるそうです。リノベーションができる場合でも、フローリングが禁止などのルールがあることも少なくありません。購入してから、リノベーションができない、もしくは、できても希望がかなわないということに気付いて後悔することがないように、物件の売買契約前に、リノベーションをする前提で重要事項説明書や管理規約をしっかり確認し、不明点は管理組合に問い合わせるなどしておくと安心です。

リノベーションの内容によって、費用に大きく差がでる

前述した大型リフォーム実施者調査結果によると、中古マンションを購入してリノベーションした人が
リノベーションにかけた費用の平均は516.9万円ですが、リノベーションにかかる費用は、その内容によって大きく変わります。内装の変更や部分的な改修などを数百万円程度の予算で行う人もいれば、1000万円以上の大規模な改修をする人も少なくないそうです。

「リノベーション費用を最も左右するのは改修する範囲です。また、間仕切り壁を取り、配管配線なども動かすような大規模な間取り変更をする場合もコストがかかります。さらに、設備や仕上げのグレードも費用を大きく左右するポイントです。

こだわる人の多いキッチンを例に挙げると、既製品にするのか、造作するのか、また、既製品にするのであれば、どの価格帯のものを選ぶのか、食洗器などの設備はどのようなものを選ぶのかなど、何を選んでどのようなものをつくるのかで、かかる費用は変わります」

つまり、予算内で希望をかなえるためには、優先順位をつけてプランニングすることが重要になります。

「予算をオーバーした場合、洗面や寝室などの人目に触れにくいプライベートな空間で費用を調整する人が多いかもしれません。収納の扉や引き出しなど、動かす建具は意外と費用がかかるので、数を減らしたり、ロールカーテンなどに変更したりするだけでも、大きなコスト削減につながります」

リノベーション費用の平均はあくまでも目安です。仕上げのグレードを見直したり、施工箇所を絞ったりすることで費用を調整することもできます。また、リノベーションにとことんこだわりたいという人は、リノベーションに費用をかけるために、購入する物件の費用を抑えるという方法もあります。

中古マンション×リノベーション実例を紹介!

中古マンションを購入してリノベーションした人は、どの程度の予算で、どんな理想の住まいを手に入れたのか、実例を見てみましょう。

Case1 家族がメインで過ごすLDKにコストを集中
(東京都 物件価格:約5000万円 リノベーション費用:約600万円)

マンションをリノベーションした実例(リビングダイニング)
(画像提供/リビタ)

築16年のマンションを購入し、限られたリノベーション予算の中で、活かせる部分は活かしながらリノベーションを行ったそうです。LDK以外の居室は壁や床の仕上げを新しくした程度で、間取りはほぼ元のまま。キッチンは子どもと一緒に料理ができるよう、開放的なカウンターキッチンにし、海外のキッチンなどを参考に設計士と一緒にイメージを固め、モルタルの天板、大判の磁器質タイル、グレーの塗装などを採用したそうです。

マンションをリノベーションした実例(キッチン)
見せる収納は苦手ということで、キッチンには必要なものをしっかりしまえるパントリー設置(画像提供/リビタ)
マンションをリノベーションした実例(リビング)
リノベーションならではの工夫を盛り込みたかったということでリビングに設けた、収納を兼ねた小上がりのベンチ。家族が“こもりベンチ”と呼ぶ多目的空間は、ベンチのように寛いだり、子どもがステージのようにして遊んだりするスペースとして使用。扉の奥と小上がりの下は収納で、子どものおもちゃや予備の布団などをしまう場所としても活用しているそうです(画像提供/リビタ)

<事例プロフィール>
間取り 2LDK
専有面積 78.94m2
物件価格 約5000万円
リノベーション費用 約600万円
家族構成 夫妻+子ども2人

<間取り>

間取り

Case2 DIYを取り入れ、こだわりの空間を実現
(神奈川県 物件価格:約3500万円 リノベーション費用:約1200万円)

マンションをリノベーションした実例(ダイニング)
(画像提供/リビタ)

間取りにも素材にもこだわり、築40年以上の物件をフルリノベーション。夫はDIYが得意ということで、自身で仕上げる余白も残して予算とのバランスをとったそうです。リビングは間仕切り壁を撤去して、広々とした空間に。また、夫妻共に料理が趣味ということで、キッチンはコンロとシンクを分け、二人で作業をしてもぶつからないような動線を確保。こだわりの海外製の大型のオーブンや食洗機などを取り入れ、天板や家具部分は造作。引き出しなどはIKEAの既成品を利用しているそうです。

DIY前・後
リノベーション工事完了後に、自分自身で壁を塗装し棚を設置するなど、DIYで仕上げ(画像提供/リビタ)
マンションをリノベーションした実例(リビング)
窓下の梁を活かし、ベンチのように腰かけられる場所に(画像提供/リビタ)

<事例プロフィール>
間取り 3LDK
専有面積 86.38m2
物件価格 約3500万円
リノベーション費用 約1200万円
家族構成 夫妻+子ども1人

<間取り>

間取り

限られた予算でも、多様な希望に柔軟に対応できる“中古マンション×リノベーション”。マイホームの選択肢の一つとして、検討してみるのはいかがでしょうか。

まとめ

中古マンション×リノベーションなら、予算に合わせて自分好みの住まいを手に入れることができる

管理規約や構造などによって、リノベーションできない部分などもあるので、購入前に要確認

リノベーション費用は、リノベーションの規模や内容によって大きく異なる

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取材・文/島田美那子 
公開日 2020年02月03日
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