中古マンションの購入やリノベで失敗・後悔はしたくない!物件選び・内見・マネープランのポイントまとめ!

最終更新日 2026年05月12日
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中古マンションの購入やリノベで失敗・後悔はしたくない!物件選び・内見・マネープランのポイントまとめ!

新築マンションと比べ、お手ごろな価格で購入できる中古マンション。さらに、住みたいエリアに新築マンションが供給されていない場合は中古マンションを選び、自分好みの住まいにリノベーションする人が増えています。

しかし、中古マンションリノベーションを成功させるためには、新築マンションとは異なる確認ポイントがあります。失敗や後悔の正体を大きく分けると物件価格以外にかかる『目に見えない費用』と『建物の構造制限』の2つです。そこで、中古マンションの選び方やマネープランについて、SIREの木津雄二さんにこれらを回避する具体的な方法を教えてもらいました。

中古マンション購入のメリットは?

そもそも中古マンションの購入には、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。不動産会社SIREの木津雄二さんに聞いてみました。

物件価格が新築マンションよりも安い傾向がある

一番のメリットとしては、「物件価格が新築マンションよりも安い」という点が挙げられます。「稀に値上がるケースもありますが、多くは新築よりも築年数を経た物件価格は低くなる傾向です」(木津さん・以下同)。築20年ぐらいから価格の下落が緩やかになりますが、そうした物件を検討する人も多いと言います。

人気の立地ほど中古マンションに注目

次に立地です。「新築が建たない人気の立地に中古マンションが売り出される場合が多く、立地にこだわる人ほどメリットを享受できると思います。続いて実際に物件を見て選べる点や、自分好みのリノベーションが新築よりやりやすいのも中古の魅力でしょう」
最近は、人気の中古マンションほどすでにリノベーション済みが多く、ゼロからリノベーションを考える必要がないことや、希望の立地にお得に新築感覚で住めることも人気の理由だとか。

物件や管理状態を実際にチェックできる

意外なメリットとして挙げられるのが、物件を実際に見てから購入できるということ。新築マンションは建物が完成する前に契約することも多く、モデルルームにない間取りプランを選んだ場合、実際の広さやサイズ感は間取図からイメージするほかありません。また、自分の住む部屋の眺望や日当たりは入居直前の内覧まで体験できません。

一方、中古マンションは、購入前に実際の住戸を内見することができます。部屋の広さや天井の高さ、日当たり、眺望、騒音などを確認できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
また、共用部分をチェックできるのもメリットです。共用部分の状態を見ることで、マンションの管理状態や住み心地が予想しやすくなります。共用部分のチェックポイントについては後に解説します。

リノベーション済みマンション
(写真:PIXTA)

中古マンション購入のデメリットは?

中古マンションを買うときに気をつけたいのは、リノベーションや修繕積立金などの費用面です。ここでは、具体的なデメリットを詳しく見ていきましょう。

築年数が古いほどリノベーション費用が必要

一方、デメリットとして挙げられるのが、費用の面です。築40年以上のリノベーションされていない物件の場合、内装の張り替えや水まわりの設備の入れ替えなど大規模な工事になることがほとんどです。予想以上の費用がかかる可能性があることも念頭に置いておきましょう。

修繕積立金などの資金状況が見えにくい

さらに、「マンションの管理状態をきちんと把握するのが難しいこと」もデメリットの一つだと木津さんは言います。「失敗しがちな例として、築年数だけで判断して購入するケースです。築10年以内の築浅なら管理状況による支障はさほどないですが、同じ築20年の物件でも管理状態が悪ければ、後から『修繕積立金が足りず改修工事ができない』『修繕積立金が予想以上に値上がった』などと後悔する可能性も」。物件を見学しただけでは、そうした管理状態を把握することは難しいですが、それを回避する方法は後ほどご紹介します。

■中古マンション購入のメリットとデメリット
メリット デメリット
・新築マンションより価格が低め
・希望の立地で見つかる可能性がある
・新築より、リノベーションして自分好みの家にしやすい
・物件を見学して選べる
・管理状況などの現状把握が難しい
・イチからのリノベーションは手間がかかる
・価格が適正かの判断が難しく、リノベーション費用を用意する必要もある
・築古ほどリノベーションできない共用部がバリアフリーでなかったり、窓が小さくハイサッシではなかったり、梁が出ていたりすることも

失敗・後悔しない中古マンションの物件選びのポイント1:耐震性をチェック

中古マンションならではのチェックポイントとして、耐震性について気になる人が多いと思います。日本では1981年6月以降に手続きされた建物は新しい基準でつくられており、大きな地震でも倒れにくいよう設計されています。物件選びのポイントを見ていきましょう。

新耐震は築何年から?旧耐震との違いは?

さていよいよ、物件選びの基本ポイントから学んでいきましょう。立地条件や間取り、防災などに関しては、新築マンションと同じ視点で選べばいいですが、中古マンションならではのチェックポイントとして、耐震性について気になる人が多いと思います。

旧耐震基準と新耐震基準のマンションの分かれ目は、いつでしょうか?新耐震基準が義務付けられたのは1981年6月の建築基準法改正ですので、築30年以上のマンションでも新耐震の物件はたくさんあると言えます。

ただし、ここで注意したいのは新耐震どうかの判断は建物が完成した「竣工年」ではなく「建築確認の申請日」だということ。マンションは建設に時間がかかるため、1982年の完成でも旧耐震基準の場合があります。1981年~1983年竣工のマンションは、不動産販売会社に確認するとよいでしょう。

●旧耐震基準…震度5強程度の揺れでも倒壊せず、破損しても補修すれば生活可能な構造基準
●新耐震基準…震度6強~7に達する揺れでも倒壊せず、破損しても補修すれば生活可能な構造基準

「旧耐震も新耐震も大きな地震があれば建物に歪みが生じてヒビが入り、両方とも被害はあると思います。ただ、新耐震の方が旧耐震より被害が小さく、その分、物件価格も高めです。

また、より安心感を求める人は、品確法が施行された2000年以降の建物を選ぶ人もいます。品確法とは新築住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、引渡しから 10 年間の瑕疵(かし)担保責任を義務づけたり、住宅性能表示制度によりその住宅の持つ性能を第三者の評価を経て表示する制度です。そのため耐震や遮音性、断熱性などの質が上がっていることがあります」

ただし、新耐震だから安全とは言い切れず、管理がずさんだと耐久性が保たれないこともあります。旧耐震でも耐震補強がなされて管理状況が良ければ、新耐震基準と変わらない耐震診断ができることもありますので、管理状況もあわせてチェックしましょう。

参照:国土交通省『住まいの耐震化 家族を思う、強い家~大地震に備える耐震改修~』

マンションを選ぶときは耐震基準の確認も忘れずに
(写真:PIXTA)

新築マンションの物件選びについて詳しく読む
失敗・後悔はしたくない!マンション購入前にチェックしたいポイントまとめ!

失敗・後悔しない中古マンションの物件選びのポイント2: 新築マンションよりも内見は念入りにチェック

部屋を見に行くときは、新築の物件以上にすみずみまで確認しておきましょう。ここでは、内見時にチェックしたい点をご紹介します。

共用部のチェックで管理状況が分かる!

気に入った中古マンションを見つけたとき、何をポイントに内見し、不動産仲介会社にどんな質問をすれば失敗を防げるでしょうか。実際に木津さん自身が意識している内見チェックポイントを教えてもらいました。

リノベーション済み物件は新築同様の内装なので、チェックが甘くなりがちです。しかし管理体制がずさんなら入居後の劣化スピードが速かったり、修繕積立金の不足で修繕できないという可能性も…。そこで必ず共用部の確認をしましょう。
「まず、外観をぐるっと回り、タイルが落ちていないか、塗装が落ちたり錆びたりしているところはないか、落ち葉が落ちていないか清掃はきちんとされているか、植栽が手入れされているかなどを確認します。駐輪場やゴミ置場なども見れば、日々の管理状態が一目瞭然です。それ以外にも、ファミリーや一人暮らしが多いのかといった住民の層やマナーなども見える場合もあります」

セキュリティーの良し悪しを見分けるポイント

続いて、エントランスやポストの改修状況、廊下の床材が剥がれていないか、壁のヒビ割れなどの確認も。セキュリティ面は管理員が有人か無人か、常駐時間やセキュリティーシステムの導入状況などをチェックしましょう。「築15年以上のマンションならエレベーターの改修状況も見てほしいですね。そして、共用部となる居室の玄関ドアや窓のサッシが新しいものに変更されていれば、計画的に修繕されている可能性が高いです」

可能ならリフォーム会社の担当者も一緒に見学を

共用部のチェックが一通り終われば、居室の内見です。「中古マンション+リノベーション」を希望してありがちな失敗例が、購入はしたものの壁や梁、水まわりが動かせなかったり、エアコンの室外機が廊下に設置できなかったりして、思い通りのリフォームが実現できなかったこと。「床材や遮音等級が決まっている物件もあるので、リフォーム会社が決まっていれば、担当者を一緒に連れて行き、希望のリノベができるのか不動産仲介会社に質問してもらうのがベストです」。
さらにチェックしておきたいのは、部屋の広さやサイズ。特に、古い物件の場合は洗濯機や冷蔵庫を置くスペースが狭く手持ちの製品とは合わないこともあります。大規模なリフォームを考えていない場合は、手持ちの家具や電化製品がおけるかどうか確認しておくとよいでしょう。
また、日当たりや眺望、上下の騒音など、現地でしか確認できないポイントもあります。入居後に後悔しないようにしっかりとチェックしておきたいです。

品質がわかる「管理に係る重要事項調査報告書」

さらに大事なポイントは、不動産仲介会社に依頼して物件の管理会社などから「管理に係る重要事項調査報告書」を取り寄せてもらうことだと木津さんは話します。「長期の大規模修繕計画、それが計画通りに実行されているか、修繕積立金などが記録されています。それをみながら今後の見通しや、費用補填のために値上げする可能性があるのかなど、不明な点を不動産仲介会社に質問しましょう。目視だけではわからない品質管理状況を把握でき、購入を決めるポイントになります」

【内見用】中古マンション購入のチェックリスト

部屋を見に行く際の確認事項をまとめました。まずは外壁の塗装が剥がれていないか、入口の掃除が行き届いているかを見てみましょう。少しでも不安に感じる点は、不動産会社に遠慮なく質問してみてください。

共用部

共用部チェックリスト

□外壁やタイル、廊下の内装などがひび割れていないか
□外観の塗装が剥げていたり、錆びはないか
□床が傾いたり、軋んだりしていないか
□エントランスやポスト周り、ゴミ捨て場の清掃は行き届いているか
□掲示物は新しい日付のものも掲示されているか
□管理員が有人か無人か。有人の場合、勤務時間は?
□セキュリティシステムの導入はされているか
□駐車場、駐輪場、バイク置き場は整理されているか
□壊れた施設や不要な施設などないか
□玄関や窓のサッシなどは改修されているか
□植栽が手入れされているか

(以下は、要望する条件によりチェック)
□オートロックが完備されているか
□防犯カメラはあるか
□宅配ボックスはあるか
□(大型物件の場合)エレベーターの台数は

居室

居室チェックリスト

□リフォームは必要か
□壊れた設備などはないか
□理想のリフォームができる構造か
□玄関ドアは耐震用のドアか
□ドアや窓、扉、引き戸の開閉はスムーズか
□アンペア数の確認(電気の容量は十分か)
□インターネット回線工事(外側)は完了しているか
□浴室乾燥機能があるか
□洗濯機を置くスペースが使用中の洗濯機のサイズと合うか
□テレビの配線位置に問題はないか
□冷蔵庫置場のスペースに問題はないか
□上下階の騒音
□周囲環境の騒音
□日当たり
□通風
□眺望

不動産仲介会社に質問したい内容

不動産仲介会社に質問したい内容チェックリスト

□リフォームする際の手続きやルールとは?
□管理状況や修繕計画などは?(「管理に係る重要事項調査報告書」を確認)
□自分の予算でローンが組めて返済できるのか?
□賃貸住戸はどのくらいあるのか?
□民泊や事務所として借りている部屋はあるか?

新築マンション検討の方はこちらをチェック!
新築マンションのモデルルーム見学

マンションの中を案内する不動産会社の男性
(画像/PIXTA)

中古マンションのリノベーションでよくある後悔は?

中古マンションの購入では、すでに内装がきれいな「リノベーション済み物件」を買う方法と、「自分好みにリノベする」方法があります。リノベーション済み物件は、購入後すぐに住み始めやすく、工事の手間を減らせる点がメリットです。一方で、内装が新しいぶん、配管や下地など見えない部分の確認が甘くなりやすい点には注意が必要です。

ここでは、それぞれのケースでよくある後悔を紹介します。

リノベーション済み物件で多い後悔

リノベーション済み物件では、内装のきれいさに安心してしまい、見えない部分の状態まで十分に確認しないまま購入して後悔するケースがあります。例えば、壁や床下にある古い給排水管が交換されておらず、入居後に漏水トラブルが起きることも。

また、表面はきれいに仕上がっていても断熱材が十分に入っておらず、冬場の結露やカビに悩まされることもあるでしょう。さらに、売主のアフターサービスや既存住宅売買瑕疵保険の有無を確認していないと、不具合が見つかったときに十分な保証を受けられないケースもあります。

見た目だけで判断せず、工事の範囲や保証内容まで確認しておくことが大切です。

自分好みにリノベする(未改装物件)で多い後悔

未改装物件を購入して自分好みにリノベーションする場合は、理想と現実のギャップに悩むことがあります。例えば、壊せると思っていた壁が建物を支える構造壁で、希望していた間取り変更ができないケースです。

また、解体して初めて下地の傷みや配管の老朽化が見つかり、想定以上の補修費用がかかって予算をオーバーしてしまうこともあります。さらに、物件購入後にリノベーション費用を住宅ローンに組み込めないと分かり、金利の高いリフォームローンを別に組むことになって、返済負担が重くなるケースも。

購入前の段階で、構造面の制約と資金計画の両方を確認しておくことが大切です。

共通して注意したい修繕積立金・管理費の負担

リノベーション済み物件を選ぶ場合も、未改装物件を購入して自分でリノベーションする場合も、見落としてしまいがちなものが、修繕積立金や管理費の負担です。

物件価格や工事費に意識が向きやすい一方で、マンションでは入居後も毎月一定の維持費がかかります。特に築年数の古いマンションでは、将来的に修繕積立金が値上げされることもあり、想定より家計の負担が大きくなることもあるでしょう。

購入前には現在の金額だけでなく、長期修繕計画や値上げ予定の有無まで確認し、住宅ローン返済額と合わせて無理のない範囲かを見極めることが大切です。

耐震性をチェックしなかった

部屋の内装ばかりを気にして、地震に対する強さの確認を忘れてしまう方が少なくありません。見た目がどれほどきれいに仕上がっていても、建物そのものの骨組みが弱いと、大きな地震が起きたときに不安を抱えながら生活することになります。

また、地震への強さが基準を満たしていないと、住宅ローンを組むのが難しくなったり、税金が安くなる制度を使えなかったりと、費用の面でも損をしてしまうかもしれません。

こうした事態を防ぐため、購入を決める前に、マンションの管理組合で耐震診断が行われているか確かめておくことが大切です。過去に耐震補強工事が行われているかどうかも、不動産会社の担当者に質問してみると安心です。長く安心して暮らすためにも、目に見えない建物の丈夫さにはしっかりと目を向けてください。

劣化部分をよく確認しなかった

表面的なきれいさに気を取られ、壁の裏側や床下の傷みに気付かずに購入し後悔される人もいます。特に築年数の古いマンションでは、普段は見えない水道の管が古くなって錆びていたり、断熱材が足りずにカビが生えやすくなっていることも。

表面だけを新しくしても、住み始めてから水漏れが起きるなど修理費用がかかってしまうでしょう。部屋を見に行くときは、水回りから嫌な臭いがしないか、窓の回りに湿気がたまって黒ずんでいないかをよく観察するようにしてください。

できれば、工事を依頼する企業の専門家と一緒に見に行き、床下や天井裏のような見えにくい部分がどうなっているか、プロの目でしっかりと確かめてもらうとよいでしょう。

リノベーション費用が予算オーバーした

理想の住まいを追い求めるあまり、工事にかかるお金が予定を大きく超えてしまったという声も少なくありません。キッチンや浴室などの設備を選ぶ際、つい最新の便利な機能がついたものや、見栄えのよい高級な素材を選びたくなってしまうものです。

しかし、あれもこれもと希望を詰め込んでいくと、気付いたときには手持ちの資金では足りなくなってしまうでしょう。どうしても譲れない希望と、我慢できる部分に優先順位をつけ、予算の中で納得できるやり方を提案してもらうように工夫してみてください。

こうした予算の膨らみを防ぐためには、最初にお金の上限をしっかりと決め、工事を依頼する企業に伝えておく必要があります。一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のデータによると、築30年~40年の住戸のリフォーム金額の平均は、300.5万円です。ただ、築年数や建物の構造などによって必要な工事内容が異なります。予測していなかった追加費用が発生する可能性があるため、10~20%程度は多めに見ておくと安心です。

出典:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会『2024年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査報告書 2025年2月』

構造上の制約にあとから気づいた

部屋を買った後になって、建物の造りが原因で希望どおりの間取りに変更できないと分かり、がっかりしてしまう方もいるでしょう。マンションの構造によっては、部屋の中にある柱や壁が建物を支える重要な役割を果たしているために、取り壊せない場合も珍しくありません。

そのため、2つの部屋をつなげて広いリビングにしたいと思っても、壁が邪魔をしてかなわないケースがあります。また、キッチンや風呂の位置を大きく移動させたくても、水を流すための管を通す床下の隙間が足りず、水回りの場所を動かせない可能性も考えられます。

こうした失敗を避けるためには、部屋を買う前にマンションの図面を専門家に見てもらうと安心です。どこまで自由に形を変えられるのか事前に知っておけば、後悔せずに工事の計画を進められるでしょう。

思った以上に修繕積立金や管理費がかかる

部屋の価格や工事の費用ばかりに気を取られ、毎月支払うマンションの維持費を計算に入れていなかったため、家計が苦しくなってしまったと後悔する方もいるでしょう。

マンションでは、みんなで使う場所をきれいな状態に保つための「管理費」と、将来の建物の大きな修理に備えるための「修繕積立金」を毎月支払わなければなりません。特に年数が経っている古い物件では、建物を直すためのお金が計画よりも足りなくなり、途中で支払う金額が急に高くなるケースも少なくないでしょう。

購入前には今の金額がいくらかを聞くだけではなく、将来的に値上げされる予定がないかを不動産会社の担当者にしっかりと確かめてもらう必要があります。毎月の負担が全部でいくらになるのかを計算し、生活に無理なく支払い続けられるかを冷静に判断してから購入を決めましょう。

リノベーション済み物件は、手間を抑えて住み始めたい方にとっては有力な選択肢です。一方で、間取りや設備、素材までこだわって住まいをつくりたい場合は、未改装物件を購入して自分好みにリノベーションする方法も検討してみてください。

ベランダから外を眺める家族
(画像/PIXTA)

住宅ローン、税金・諸費用、リノベ費用など、失敗・後悔しないマネープランのポイントとは?

中古マンションを買って自分好みにリノベーションする際は、全体の資金計画を立てることも大切です。物件の価格とは別に、税金や手数料などの「諸費用」が購入価格の1割程度最初にかかります。ここでは、住宅ローンや税金、諸費用などマネープランのポイントを詳しく見ていきましょう。

築古の中古マンション物件はローンが組めない!? 住宅ローン控除が受けられないことも

気になる物件が見つかったら、次に気になるのがマネー面です。そこで、ファイナンシャルプランナーでなごみFP事務所の竹下さくらさんに、中古マンション購入でありがちな「知らないと損する例」について聞いてみました。

一番に多いのが、購入を決めてローンを組めると思っていたら組めなかった例です。「ローンや控除によって利用条件がありますが、ご存じない方が結構います。例えば、【フラット35】は1981年6月1日以降のものに限られ、それ以前の物件は所定の耐震基準を満たしていなければ利用できません。多くの住宅ローンでは、物件が古すぎるとローンを組めたとしても、3000万円のローンを組もうと思ったら、2000万円しか組めないということもありえるため、頭金を多めに準備しておくことも大切です」(竹下さん・以下同)

税額控除を受けられる住宅ローン控除にも条件があります。マンションなどの耐火建築物は築25年以内の物件しか受けられず、それ以前の物件は、新耐震基準に適合していることを証明する所定の書類を提出できなければ、住宅ローン控除が受けられません。「新築と、省エネ基準に適合する既存住宅の控除期間は13年となります。13年間の最大控除額は省エネ基準適合住宅で182万円、ZEH水準や認定住宅の場合は控除額は136万5000円が上乗せされ、318万5000円になります(2030年12月31日の入居まで)」
なお、省エネ基準適合住宅の新築は2027年までは控除期間13年、2027年末までに建築確認を受けたものなどは、控除期間10年になります。

リノベーション費用や税金などの諸費用も忘れずに

本気でリノベーションしたい人は、タイミングも大事だと竹下さん。「リノベーション資金を借りる場合、マンション購入後になると無担保ローンになり、約3~14%もの高金利になります。また、リノベーション終了後に物件価格とリノベーション費用の合計を貸すというローンもあります。その場合、物件を先に買うための高金利の『つなぎ融資』を利用しなければならず、借入金額にもよりますが金利だけで数万~数十万円が飛ぶ可能性も。ポイントは、中古マンションの購入資金とリフォーム資金をまとめて借りられる住宅ローンを選ぶこと。ただし、リフォームの見積もりが必要になるので、物件を見学するときにリフォーム会社も来てもらい、見積もりを出してもらうのがベストです」

内見時にはリフォーム会社も同行を
(画像/PIXTA)

中古マンションの場合、物件価格は新築より安いものの、諸費用が高くつきます。新築マンションでは仲介手数料がかからないので、物件価格の3~5%程度を目安にすればいいですが、中古マンションは6~8%程度になります。引き渡し後に請求される不動産所得税や引越し代などを合わせると、物件価格の10%は用意したほうがいいと竹下さんは言います。「リノベーション費用はもちろん、頭金をゼロにしても最低6カ月程度の生活費を手元に残せるようなお金の段取りが必要でしょう」

また、入居後に請求が届いて、みなさん驚かれるのが不動産取得税です。築年数が古く、新耐震基準に適合していない物件だと軽減措置が受けられないので、税額が高くなります。ただし、2022年度税制改革で築年数の要件はなくなったため、耐震工事やリフォームで基準をクリアすれば税金を安くできます。

【マネープラン用】中古マンション購入のチェックリスト

お金に関する確認事項をまとめました。まずは、お金がいくら用意できるかを確認してみましょう。銀行からお金を借りる際は「いくら借りられるか」ではなく「今の家賃と比べて毎月無理なく返せる金額か」を考える視点が重要です。

また、不動産会社への手数料など現金で支払う費用や、住み始めた後にかかる毎月の維持費も忘れずに計算に入れておくべきです。これらを活用して、安心できる計画を立ててください。

1. 中古マンションの購入時に注意したいマネーチェックリスト

項目 ポイント
頭金 □物件価格の2割程度あれば望ましいが、厳しければゼロでもOK
□諸費用や購入後に備えるお金をキープする 
□親や祖父母から資金援助を受けられないか確認
住宅ローンの借入額 □「いくらか借りられるか」より「いくら返せるか」で考える 
□毎月返済額は今の住居費をベースに考える 
□年間返済額の目安は年収の25%以内
□リフォーム費用は住宅ローンに組み込めず、現金払いになる場合も。その場合は支払えるかを確認
□築年数など、ローンを組める条件の物件なのか確認
諸費用 □購入時に現金で払えるか (購入価格の6~8%が目安)
その他 □管理費・修繕積立金を払えるか(築年数が古いほど毎月の管理費・修繕積立金は高額に)

2. 中古マンションの購入に実際にかかる費用

時期 支出項目
契約時にかかる費用 □頭金 □手付金
□印紙税(売買契約書)
購入時・引き渡し時にかかる費用 □印紙税(住宅ローン/金銭消費貸借契約書) 
□仲介手数料(購入代金の3%+6万円(+消費税)を上限とする金額)
□ローン事務手数料
□ローン保証料
□火災保険料・地震保険料
□登記費用
□固定資産税・都市計画税の精算金
□司法書士への報酬 
□リフォーム・リノベーションの費用
入居時にかかる費用 □引越し費用 
□家具等の購入費用
入居後にかかる費用 □住宅ローン 
□管理費・修繕積立金
□不動産取得税 
□専用庭やルーフバルコニーの使用料
□固定資産税・都市計画税
□駐車場・駐輪場料金 
□リフォーム・リノベーション、耐久消費財の購入費用
□最低6カ月程度の生活費を用意
中古マンション購入費用
物件価格だけではなく、リノベーション費用や諸費用も含めて考えよう

なお、中古マンションでは、売主が宅建業者か個人かによって、購入後の安心材料が異なります。売主が宅建業者の場合は、独自のアフターサービス保証がついている物件もあり、給排水管や設備、建具などについて一定期間の補修対応を受けられることがあります。ただし、保証の対象や期間は物件ごとに異なるため、契約前に内容を必ず確認しておきましょう。

あわせて確認したいのが、「既存住宅売買瑕疵保険(かし保険)」の有無です。これは中古住宅の検査を行い、一定の条件を満たした場合に加入できる保険で、売主が宅建業者の買取再販物件向けの商品も用意されています。保険に加入していると、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に加え、保険法人によっては給排水管路や電気設備なども補償対象になる場合があります。

そのため、物件価格や毎月の返済額だけでなく、「アフターサービス保証がついているか」「かし保険に加入しているか」まで含めて比較すると、購入後の想定外の出費に備えられます。特に、築年数が古い物件やリノベーション済み物件では、保証範囲と期間を細かく確認しておくと安心です。

本音で予算を伝え、不動産仲介会社を味方につけよう

中古マンションは、新築マンションよりも予想以上の費用がかかります。事前に住宅控除の条件などをチェックし、気になる物件の築年数などと照らし合わすことが大事です。しかし、わかりにくいのが難点。物件について一番知っているのは不動産会社です。本音ベースでの予算を伝え、物件価格の値切り交渉や、ローンが通りやすく融資を受ける方法がないかを相談することで予算内で理想の暮らしを目指しましょう。

まとめ

表面的なきれいさだけでなく、耐震性や共用部の管理状況など見えない部分を確認

構造上の制約や劣化部分の補修など自分好みの間取りを予算内で実現に変更できるかを確認

購入時の諸費用や入居後の修繕積立金までを含めた、無理のない資金計画が不可欠

SUUMOコンテンツスタッフ

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イラスト/峰村友美
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