別荘の買い方完全ガイド。別荘の選び方から、管理維持費、税金まで解説!

別荘の買い方完全ガイド。別荘の選び方から、管理維持費、税金まで解説!

かつては非日常を楽しむために求められた別荘ですが、最近は二拠点生活の拠点の1つに、あるいは将来の移住先として注目を集めています。では別荘はどうやって選べばよいのでしょうか。別荘地の選び方から管理維持費、メリット・デメリットなど、別荘購入の基礎知識を東急リゾートの保國(もりくに)さんに伺いました。

別荘地の選び方

二拠点生活や将来の移住目的で選ぶ人が増えている

従来は一部の人々が非日常を楽しむためにリゾート地に建てていた別荘。しかしコロナ禍によるテレワークの普及など、新しい生活様式が広がり、必ずしも会社に通勤する必要のない人が求めるケースが増えています。「実際、コロナ禍前と比べて、問い合わせは約1.5倍になっています」と東急リゾートの保國登(もりくにのぼる)さん。二拠点生活の拠点の1つとして、さらには将来の移住先として、別荘を求める人はやはり多いようです。

別荘の種類

では二拠点目や移住先として、どんな別荘を選べばよいのでしょうか。別荘とひと言で言っても、一戸建てからリゾートマンションまで種類はさまざまあります。それらの特徴や違いを知って、各人に合った別荘を選ぶ必要があります。

別荘は主に以下の3つに分けることができます。
(1)新築・中古一戸建て
(2)新築・中古マンション
(3)土地購入+注文住宅

リフォーム済みの中古一戸建ての例
リフォーム済みの中古一戸建て
リフォームされた中古一戸建ての例。中古物件でもこのようにキレイにリフォームされているものであればすぐ利用できる(写真提供/東急リゾート)

さらに、最近ではこんな別荘も人気があります。
(4)会員制リゾートホテル
(5)ホテルコンドミニアム

(1)~(3)は、一般的な住宅を購入する場合と、多少の違いはあるものの、ほぼ同じと考えてよいでしょう。(4)会員制リゾートホテルとは会員権を所有する人と、そのゲストのみが宿泊できるホテルです。また(5)ホテルコンドミニアムとは、ホテルの一室のオーナーとなり、自身で利用していない期間を客室として運用できるホテルのことです。

別荘で過ごす頻度がそう高くない場合は、(4)(5)も選択肢の一つになるのではないでしょうか。

使わない時はホテルとして貸し出せるホテルコンドミニアム
ホテルコンドミニアム
ホテルコンドミニアムの一つ、沖縄県恩納村にある「HIYORIオーシャンリゾート沖縄」。部屋の清掃やセット等はホテル側でやってもらえるので滞在時も気軽に過ごせるというメリットも。沖縄県や北海道など、観光需要の高いエリアであればホテルコンドミニアムを別荘にするという方法も選択肢に加えてみては(写真提供/東急リゾート)

別荘地の選び方

次に、どこの別荘を購入するのか、別荘地の決め方を考えてみましょう。

移住ではなく二拠点目として利用する場合、別荘地選びで重要になるのが自宅からの所要時間です。テレワークが普及したといっても週1~2回、あるいは月に数回出社する必要がある場合が多いでしょうから、やはり自宅から2時間以内など、移動時間の上限を決めて探すようにしたほうがよいでしょう。特に車で移動を考えている人は、単純に自宅から円を描いた範囲で探すのではなく、途中の渋滞も考慮しましょう。

それもあってか「傾向として、例えば東京都の城西・城南方面にお住まいの方は西にある神奈川県の箱根を選んでも、北にある栃木県の那須はあまり選ばれません。同じ東京都でも城東や城北地域の方は、那須を選んでも箱根は選ばないことが多いようです」。やはり首都高速の渋滞を知っているからでしょうか、首都高速の中心部を通らずに済むエリアを求めがちのようです。

一方で、将来的な移住地として選ぶのであれば、自宅からの所要時間はあまり重要ではないでしょう。例えば農業をやりたいとか、海辺で暮らしたいなど、自宅からの距離に関係なく、移住する目的を明確にして、それに合う別荘地を選ぶとよいでしょう。

距離の上限が決まったところで、次は別荘地をどう絞るかです。熱海や軽井沢、蓼科と有名な別荘地はたくさんありますが、「例えば家族で旅行に行った際に気に入ったとか、趣味のサーフィンやスキーなどで良く出掛けていたなど、何かしらの思い出のあるエリアを選ばれる方が多いようです」。確かに、一般的な住宅選び同様、何も知らないエリアで住宅を買うというのは、住んでから「こんなハズでは……」といったリスクを伴います。

その上で「海か山か」「趣味を楽しめるか」「温泉の有無」など、個人的な嗜好で絞り込むとよいでしょう。「最近の方々は事前に希望の別荘地をある程度リサーチされてから、希望エリアで物件を探す人が多いようです」。インターネットでそのエリアの気候や買い物の利便性、先住者の口コミとなどを調べるのはもちろんですが、さらに自ら足を運んでみることも大切です。「例えば『夏は良かったけれど冬はどうだろう?』とわざわざその時期に改めて訪れる方もいらっしゃいます」

また人気の高い別荘地は物件の価格も高くなります。同じ広さや間取りでも別荘地によって大きく金額が異なります。そのため予算に見合う別荘地はどこか、あらかじめ調べて比較検討したほうが良いでしょう。

また避暑で訪れるだけなら夏の気候を重視すればよいのかもしれませんが、一戸建てを構えるなら1年間を通しての気候も必ず調べましょう。意外と積雪が多いのか、水道管が凍るほど冷え込みがあるのか。雨や雪が多ければそれに対応する家づくりや備えが必要になり、その分の工事費用がかかります。

決して安くはない買い物だけに、事前のリサーチは納得がいくまで行うようにしましょう。

別荘購入のメリット・デメリット

別荘購入のメリット

別荘を持つメリットとしてはまず、望んでいた環境に身を置くことで心と体をリフレッシュできることが挙げられます。自然環境や趣味を満喫することで、自宅へ戻った時も仕事等へのやる気も高まりやすくなります。もちろん子どもたちにも良い影響を与えることでしょう。

「最近特に多いのが、自然の中で『自分らしい生き方』を実感されている方々です。今までやりたかったことや、もともとやっていた趣味をさらに満喫することで、そのように感じられるようです」

また新しい土地で、新たな交友関係を築くこともできます。例えば地域の行事などへの参加や、農業体験、趣味等を通じて、これまでの自宅と会社との往復だけでは得がたい新しい交流が生まれることも。こうした新しい人脈から、新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。

そのほかには地震をはじめとした自然災害で避難する際の、緊急避難場所として利用できます。

別荘購入のデメリット

デメリットとしては、やはり二拠点分の費用が必要になるということが大きいでしょう。物件の購入費や管理維持費はもちろんですが、自宅との交通費も新たに必要になります。

また都市部と比べて、交通や買い物の利便性は落ちます。駅に向かうにせよ、買い物へ出掛けるにせよ、たいていの別荘地では車などの移動手段が必須となります。

別荘の購入方法と手続きの流れ

別荘を扱っている不動産会社の種類

別荘を扱う不動産会社は、主に下記の2つに分けられます。
(1)複数のエリアで、マンションや分譲地を開発して販売する不動産会社
(2)地元を中心に一戸建てや土地を扱う不動産会社や建築会社

いずれも新築だけでなく、中古物件も取り扱っている会社がたくさんあります。かつては希望エリアや別荘地にある店舗へ出掛けたり、雑誌や広告を頼りに電話を入れて確認するのが一般的でしたが「最近は圧倒的に、インターネットで物件を検索されてからご来店される方々がほとんどです。別荘の専用検索サイトを利用される方もいらっしゃいますが、『箱根』『別荘』とか『軽井沢』『マンション』などワード検索をするだけでも簡単に探すことができます」

インターネットで気になる物件が見つかったら、後はその物件を扱う不動産会社に問い合わせをして来店する、という流れが主流になっているようです。

別荘購入の手続きの流れ

一戸建てもマンションも、購入の手続き自体は通常の住宅購入と同じです。

【一戸建て・マンションの場合】
インターネットなどで物件情報を探す
→不動産会社にコンタクト
→現地確認
→購入申し込み
→売買契約
→引き渡し・登録

【土地+注文住宅の場合】
インターネットなどで物件情報を探す
→不動産会社にコンタクト
→土地探し・建築会社探し
→現地確認
→土地の売買契約、土地の登記
→建築プランの打ち合わせ
→ラフプランと見積もり検討
→建築請負契約
→着工
→竣工・引き渡し・登記

ローンを組む場合は、それぞれ「売買契約」や「建築請負契約」時にローン契約を行う必要があります。ローン審査に通らないと購入することができなくなりますから、あらかじめ借り先の金融機関に相談しておいたほうがよいでしょう。

別荘購入の費用と資金計画

ローンの選び方

かつては、住宅ローンは契約者本人や家族が居住するための住宅にのみ利用できるとされ、別荘や二拠点目として建てるならセカンドハウスローンを利用する、というのが一般的でした。また別荘が贅沢品と考えられ、セカンドハウスローンは一般的に住宅ローンより若干金利が高めに設定されていましたが、低金利時代の現在では、だいぶ様子が変わってきました。

例えば大手銀行の金利を見ると、住宅ローンとセカンドハウスローンの違いはわずか1%未満です。また最近はセカンドハウスローンを扱うインターネットバンクや、【フラット35】を利用できるセカンドハウスローンもあり、金利はそれぞれでかなり違います。

利用するローンの種類も、金融機関が物件条件や契約者の状況から総合的に判断して決める場合があります。一方で、かつては不動産会社の提携ローンが利用できましたが、最近はかなり減っています。

このように、別荘を建てる際のローンの金利は以前と比べて随分と低くなっています。また選択肢も増えています。別荘をローンで購入したいと思ったら、まずはどんなローンがあるのか、どれくらいの金利で利用できるかなどを調べたほうがよいでしょう。

別荘の管理維持費は? 管理会社はどう探す?

別荘の種類別の管理維持費や管理体制

先述した別荘の種類のうち、(4)会員制リゾートホテル(5)ホテルコンドミニアムはホテルですから、ホテルの管理会社やホテル運営会社がそれぞれ管理維持費を設定しています。(2)新築・中古マンションは管理組合がありますから、管理費はマンションごとに決められています。

(1)新築・中古一戸建てと(3)土地購入+注文住宅という「土地+一戸建て」の場合は、まず分譲地とそうではない場合に分けられます。まず分譲地の場合、分譲した不動産会社が用意した管理会社に管理費を支払うケースと、管理会社が用意されていないケースがあります。管理会社が用意されていない分譲地や、自ら見つけた土地に建てた場合、管理会社を自分で見つけるか、自ら管理を行う必要があります。

管理会社が決まっていない場合、その土地を販売した不動産会社や住宅を建てた建築会社が管理会社を紹介してくれることもありますから購入時に確認してみるといいでしょう。

管理会社が決まっている分譲地やマンションの場合、月々の管理費用が明示されていますから、購入する際は必ず確認しましょう。

別荘ならではの管理費とは?

マンションでは共用施設の有無が管理費を左右します。例えばリゾート地のマンションで温泉の大浴場や、プールなどがある場合は、それに伴い管理費が高くなります。

分譲地の場合、道路の管理維持費や除雪費、街路灯整備費、ゴミ置き場管理費などがかかります。分譲地でない場合、こうした費用は自治会費として徴収されるのが一般的です。

また分譲地や探してきた土地に一戸建てを建てる場合、下水道が整備されていないケースも往々にしてあります。その際は個別または合同の浄化槽が設けられますが、その管理費も必要です。

そのほか管理会社によっては夏季の草刈や不在時の掃除、敷地内の除雪など、さまざまなオプションが用意されています。

別荘の維持にかかる税金は?

ここまで従来の意味での「別荘」や二拠点目、移住先の住宅をすべて「別荘」として説明してきましたが、税制上では「別荘」と「セカンドハウス」に違いがあります。この違いで、実は税金が変わるのです。

「別荘」と「セカンドハウス」とで税額が変わるのは下記の3つの税金です。
・固定資産税
・都市計画税
・不動産取得税

セカンドハウスと認められると、上記3つの税金は軽減措置の対象となります。別荘は対象にはなりません。では「別荘」と「セカンドハウス」とは何が違うのでしょうか。

まず別荘とは「日常の生活の用に供しないものとして家屋またはその部分のうち、専ら保養の用に供するもの」のことを言います。日常生活を送るための家ではなく、避暑や避寒など保養のために使っている住宅ということです。

一方でセカンドハウスの場合は明確な定義はありませんが、おおよそ「月1日以上の居住の用に供するもの」と言われています。ちなみに遠距離通勤者が自宅とは別に職場の近くに所有する住宅もこれに当てはまります。

つまり、保養のために使うのが「別荘」、毎月1日以上は日常生活のために使うのが「セカンドハウス」なのですが、それを認定するのは各自治体です。認定の基準は自治体によっても多少違います。

セカンドハウスであることを申請するためには交通費や滞在時のレシートなどや、水道光熱費などの居住状況がわかるものを提出しなければならないなど、各自治体によっても申請方法が異なります。詳細は各都道府県税事務所に確認するようにしましょう。

そのほか、別荘を所有することでかかる税金は、別荘のある場所の住民税があります。また熱海市では「別荘等所有税」がかかります。

別荘をホテルとして活用できる?

「民泊」という言葉が一般化している時代ですから、普段は自宅で過ごすことの多い人なら、別荘を使っていない時は他人に貸して収入を得ようと思う人もいるでしょう。そうしたことは可能なのでしょうか。

確かに別荘を使っていない時にホテルとして貸し出す民泊や、それを事業にしている業者もあります。ただしマンションでは管理組合規約でホテルや民泊行為を禁じている場合が多いです。また一戸建てでも自治体や分譲地の管理会社で禁止している場合もあります。購入時に確認するようにしましょう。

まとめ

二拠点目として活用したいなら、自宅からの移動時間の上限を決めてから探すようにしたほうがいい

インターネットで物件や、別荘地の環境などをあらかじめ調べ、自らも赴いて確かめることが大切

税制上は「別荘」と「セカンドハウス」とで違いがあり、軽減措置が変わる

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構成・取材・文/籠島康弘
公開日 2021年09月28日
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