一戸建ての階段の選び方、種類・素材・安全性、おしゃれにするコツや収納・窓の取り入れ方まで紹介

一戸建ての階段の選び方、種類・素材・安全性、おしゃれにするコツや収納・窓の取り入れ方まで紹介

住まいづくりにおいて、階段をどうするかは重要です。形、構造、どこに配置するか、手すりや柵のデザイン、おしゃれな階段にするポイントまで、階段の選び方を一級建築士のナイトウタカシさんのお話とともに紹介します。

住宅の階段とは?

2階建て以上の住宅には必ず設置されている階段ですが、階段には上下階の行き来を可能にすること以外にも役割があります。

階段の役割

「階段には上下の空間をつなぐ役割がありますが、つながった空間は、人が上り下りできるだけではなく、光や風の通り道にもなります。つまり、採光や通風も階段の重要な役割です。
また、階段は空間を演出するひとつの要素になります。階段をインテリアとして捉えることもできるのです」

階段の構造や決まりごと

次に、階段の構造や各部位の名前、法律での決まりごとについて紹介します。

・階段の構造

階段について知るためにまずは構造をおさえておきましょう。

階段の構造
階段を知るために階段の構造をおさえておきたい(イラスト/あべさん)
  • 踏み面(ふみづら):足を乗せる段板の上面、あるいは有効な奥行のこと
  • 段板(だんいた):踏み面の部材。踏み板ともいう
  • 蹴上げ(けあげ):階段の一段の高さのこと
  • 蹴込み板(けこみいた):段板と段板の間を垂直につなぐ部材のこと
  • 段鼻(だんばな):踏み面の先端部分
  • 蹴込み(けこみ):段鼻から下の蹴込み板までの寸法のこと
  • 手すり笠木(てすりかさぎ):手すりの上端の部材のこと
  • 手すり柱:手すりを支える柱
  • 横桟(よこざん):手すりの横方向に渡した骨組み

・階段の決まりごと

住宅の階段には建築基準法で定められたいくつかの決まりごとがあります。
特に気を付けておきたいのは以下の点です。

  • 幅75cm以上
  • 踏み面15cm以上
  • 蹴上げ23cm以下

ただしこの寸法通りでつくった階段は、急な階段になってしまいます。実際にはより傾斜を緩く設計することが多いでしょう。

階段の種類・形状は?

次に、階段にはどのような種類があるのか、形状による階段の種類を紹介します。

直階段(直線階段、I字階段)

直階段は上階と下階を直線でつなぐ階段です。直線階段、またはI字階段とも呼びます。

直階段のイラスト
直階段は上下階を直線でつなぐ(イラスト/あべさん)

かね折れ階段

かね折れ階段は、途中で直角に折れて踊り場があるL字型の階段です。

かね折れ階段のイラスト
かね折れ階段はL字型の階段(イラスト/あべさん)

折り返し階段

途中で180度方向転換する階段で、踊り場があるのが折り返し階段です。

折り返し階段のイラスト
折り返し階段は踊り場のある180度方向転換する階段。(イラスト/あべさん)

回り階段

途中で180度方向転換するのは折り返し階段と同じですが、回り階段には踊り場がありません。

回り階段のイラスト
回り階段は踊り場のない180度方向転換する階段(イラスト/あべさん)

らせん階段

らせん階段は、らせん状に回りながら上り下りする階段です。

らせん階段のイラスト
らせん階段は回転しながら上り下りする階段(イラスト/あべさん)

踊り場のある階段とない階段

折り返し階段と回り階段のように、踊り場のある階段とない階段があります。直階段にも踊り場のあるものがありますし、踊り場のないかね折れ階段もあります。
踊り場には、上から下へ人や物が転げ落ちる勢いを弱める役割や、階段を上るときに小休止する場所を提供するという役割があります。
このようなメリットがある一方、住宅内の限られたスペースを節約するために、踊り場のない階段が選ばれることもあります。

踊り場のある階段のイラスト
踊り場があると転げ落ちたときに勢いを弱めてくれる(イラスト/あべさん)

階段の種類を選ぶときのポイント

「階段選びにはさまざまなポイントがあります。例えば、回り階段より折り返し階段のほうが、踊り場がある分、安全性は高いといえます。また、階段をインテリアとして捉えた場合、らせん階段や直階段などはデザイン性の高い階段が豊富です。
最低限の安全性は当然確保した上で、デザイン性を重視するのか、機能性を重視するのか、優先順位を決めて選ぶといいでしょう」(ナイトウさん、以下同)

階段の間取り・配置場所は?

階段はどこに配置するかも重要です。主な配置場所としては、玄関ホールに配置するケースと、リビングに配置するケースが考えられます。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

ホール階段の特徴、メリット・デメリット

「ホール階段のほうが、リビング階段よりも家族ひとり一人のプライバシーを確保しやすいという特徴があります。半面、家族間のコミュニケーションが取りづらい配置ということもできます。
また、エアコンで温めたり冷やしたりした居室内の空気が階段から逃げてしまう心配がなく、空調が効きやすい点はホール階段のメリットです」

ホール階段の事例写真
ホール階段は家族同士のプライバシーを確保しやすい(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

リビング階段の特徴、メリット・デメリット

「リビングに配置するリビング階段は、家族同士が顔を合わせる機会が増え、家族間のコミュニケーションを促すという特徴があります。
一方で、2階の個室へ移動する際に、1階リビングを通らなければならないため、来客が多い家庭だと家族が常に気を遣わなければなりません。子どもが友達を大勢連れて来たときなど、うるさい、ホコリが舞うという意見もあります。
ホール階段に比べて冷暖房効率が悪いというデメリットもありますが、家全体の断熱性を高めたり、リビング階段に扉を付けたりするなど、対策できます」

リビング階段の事例写真
リビング階段は家族間のコミュニケーションを促す(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

階段の配置を決めるときのポイント

「家族とのコミュニケーションを優先したいならリビング階段、ひとり一人のプライバシーを確保したいならホール階段にするのが選び方のひとつです。
また、家全体の断熱性との兼ね合いで、階段による冷暖房効率をどれだけ気にするかという視点もあるでしょう。
なお、階段のデザインにこだわるなら、常に目に入るリビング階段にしないと、あまり意味はないかもしれません」

階段をおしゃれにするには?

階段をインテリアとして楽しみたい場合、どのような点に気を付ければ、おしゃれな階段になるのでしょうか。

構造でおしゃれにする

「木構造の階段は、強度の関係でどうしても部材が厚く太くなってしまいますが、スチール製など鉄構造の階段は部材自体の強度が高いため、薄くて細いシャープなシルエットにできます。シャープなシルエットの階段は、おしゃれでスタイリッシュに見えます」

シャープなスチール製階段のイメージ
段板以外の部分がスチール製の階段。シャープでスタイリッシュな印象(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

ガラスなどの素材でおしゃれにする

「素材自体の持つ『おしゃれ感』を利用しておしゃれな階段にすることもできます。例えば、おしゃれなインテリアでよく使われるガラスを階段に使うケースです。
なお、階段に使われるのは強化ガラスなので、上からの荷重には強いのですが、小口(ガラスの側面)は衝撃に弱く、使用には注意が必要です」

ガラスの階段のイメージ
ガラスの階段はおしゃれだが使用には注意が必要(画像/PIXTA)

デザインでおしゃれにする

「デザインでおしゃれな階段にすることもできます。例えば、らせん階段は形状自体のデザイン性が高く、直線の多い室内に配置すると、曲線が空間のアクセントになり、おしゃれな印象になります」

らせん階段のイメージ
らせん階段はデザイン性が高くおしゃれ(画像/PIXTA)

設置場所との関係でおしゃれにする

「設置場所との関係で、階段を含む空間自体をおしゃれにするという方法もあります。
例えば、玄関ホールに設置する階段は、階段自体のデザイン性でおしゃれに見せるというよりは、玄関に広がりや開放感を与えて、おしゃれな空間にすることができます」

玄関ホールの白い階段
玄関正面に設置した白い階段が広がりを感じさせ、おしゃれな空間になっている(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

照明でおしゃれにする

「照明を使って階段をおしゃれに演出することもできます。
階段は足元が見えることが重要なので、蹴込みの下にLEDのライトを仕込んで間接照明にすると、雰囲気もよくなりますし、実用的です」

間接照明を仕込んだ階段
蹴込みの下にLEDを仕込み間接照明にすると雰囲気がよくなる(イラスト/あべさん)

階段照明について、詳しくはこちら
おしゃれな階段照明 選び方のポイントは?

階段の側面、手すりや柵、ステップの選び方は?

次に、階段を構成するパーツごとに種類や選び方のポイントを紹介します。

階段側面の種類

「階段の側面は、柱と桟で構成されたものをよく見かけますが、中にはガラスやアクリルなどのパネル状になっている側面もあります。透ける素材のパネルの場合、開放感を保ちながら安全性を高めることができます」

側面がパネル状の階段のイメージ
側面がパネル状になった階段もある(画像/PIXTA)

おしゃれな手すりや柵

「手すりや柵も、おしゃれなものがあります。階段をリビングに置くのであれば、細くてシンプルなものにすると視線が抜けて、空間の広がりを感じることができますし、スタイリッシュに見えます」

シンプルな手すりと柵のイメージ
シンプルな手すりや柵は視線が抜けて空間の広がりが感じられる(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

安全性を重視した手すりや柵

「手すりや柵は、階段の安全性を確保する上で欠かせません。床から高さ1mを超えた場所には、手すりを付けることが義務づけられています。ただし、手すりや柵の高さに決まりはありません。
最近は開放感を得るために、手すりの柱と柱の間隔が広い階段が人気ですが、その場合、子どもがすき間から落ちてしまう危険があります。子どもが小さいうちは、ネットを張って安全性を確保し、子どもが大きくなったらネットをはずすなどの対策を取るといいでしょう」

安全性を重視した階段のイメージ
安全性を重視して柱と柱の間隔を狭くした階段。傾斜も緩やかになっている(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

階段の手すりについて、詳しくはこちら
階段の手すりの高さ 取り付けるのは何cmが正解?

ステップの種類

階段のパーツでステップといえば、一般的に段板(踏み板)のことを指します。
ステップの種類で多いのは、木製のものです。ほかには、スチールやタイル、コンクリート、ガラスのものもあります。

「上から下へ光を通すようにすき間の空いた『エキスパンドメタル』や『パンチングメタル』などの金属製ステップを使うこともあります」

パンチングメタルのステップのイメージ
穴の開いたパンチングメタルなどをステップに使うこともある(画像/PIXTA)

箱型階段の特徴

「箱型階段というのは、蹴込み板があって、側面も覆ってあるタイプの階段です。階段下は仕切られた空間になるので、扉を付けて収納として使ったり、トイレを配置したりすることが多いですね」

箱型階段のイメージ
箱型階段は蹴込み板と側面で覆われている(画像/PIXTA)

スケルトン階段(オープン階段)の特徴

「スケルトン階段は、蹴込み板のない階段です。階段のすき間から視線が抜けるので、開放感を得ることができます。また、デザイン性も高くインテリアとして採用する人も多いですね」

スケルトン階段のイメージ
蹴込み板のないスケルトン階段は開放感が得られる(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

階段と窓や収納のレイアウトは?

階段と窓や収納は、どのようなレイアウトにすればいいのでしょうか。ポイントを紹介します。

階段と窓のレイアウトのポイント

「階段をつくると吹き抜けができるので、階段のある壁面に大きめの窓を設ければ、上から下へ光を取り込むことができます」

階段壁面の窓から光を取り込むイメージ
階段のある壁面に窓を配置すれば光を取り込める(写真/上條泰山)

階段と収納のレイアウトのポイント

「階段は、その側面や階段下を収納として活用することができます。
階段の側面を棚のようにした『箱型階段』や、階段の踊り場を広く取り、その下の空間を広めの収納として有効活用する方法もあります」

踊り場下に収納を設けた階段のイメージ
階段の踊り場の下に広めの収納を設けることもできる(写真/河原大輔)

階段に扉を付ける場合のポイント

「リビング階段を採用する場合、扉を付けて冷暖房効率を高めるという方法がありますが、扉にはできるだけ圧迫感が出ないように、ガラスやアクリルなどの透ける素材を使うのがおすすめです。
また、階段と扉の間には一定の広さのスペースを設けたほうが、扉にぶつかりづらく、使いやすい階段になります」

ガラスの扉を付けたリビング階段のイメージ
圧迫感が出ないようにリビング階段にガラスの扉を設けた(写真提供/ナイトウタカシ建築設計事務所)

「階段を検討する際は、家族間のライフスタイルの違いにも配慮するといいでしょう。例えば、ひとり一人のライフスタイルが違う家庭でリビング階段を採用すると、ストレスを感じることもあります。
最近はSNSなどを見本に、おしゃれな階段にしたいと希望する人も多いのですが、まずは自身のライフスタイルに合った階段にすることが大事です」

まとめ

家族とのコミュニケーションか、プライバシーか、どちらを重視するかで配置を検討する

階段をインテリアとして楽しみたいなら、リビングに置くほうがおすすめ

構造や素材、照明の付け方などによっても、おしゃれな階段にすることができる

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取材・文/福富大介(りんかく) イラスト/あべさん
公開日 2022年09月22日
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