床下収納(床下収納庫)には何入れる?上手に使って収納力アップ

最終更新日 2023年06月12日
床下収納(床下収納庫)には何入れる?上手に使って収納力アップ

キッチンでよく見る床下収納。何をどう入れたらよいのか、使い方に困っている方も多いのでは?そこで今回は、床下収納の設置場所別に収納に向いているものを紹介。さらに、新築時に選ぶ際のポイントや、リフォームでの設置について解説しよう。

床下収納とは?

床下収納とは、建物の床の下に設けた、収納のためのスペースのこと。
建築基準法では、一般的な木造建築物の場合、地面から床の上面までを45cm以上確保することが定められているため、床下にはスペースが生じる。このスペースには給排水管や電気線などが配されているが、ほとんどがデッドスペースになっているため、ここを活用して床下収納を設けるケースが多い。

床下収納を設ける場所

キッチンや洗面室のほか、和室やウオークインクローゼットなどが一般的。注文住宅やリフォームで新たに床下収納を設けるなら、造作でつくるのもよいが、使いやすさが考慮されている設備メーカーの床下収納ユニットを採用するのもよいだろう。賃貸住宅で既に設けられているなら、市販品のカゴやファイルボックスを活用して、どこに何をしまったのか分かりやすくするとより便利に使える。

床下収納
一般的な床下収納のイメージ(画像提供/PIXTA)

小上がり収納や置き型タイプも

ちなみに、床下収納は戸建住宅の1階で多く見られるが、リフォームなどで床を一部分だけ高くする小上がりを造作し、その下を収納にすれば、戸建住宅の2階やマンションでも取り入れられる。ただ、小上がりの造作には工事費や工事日数がかかるので、より手軽に取り入れたいなら、設備メーカーや家具メーカーが販売している、床に据え置いて使う『置き型タイプ』を活用する方法もある。

小上がりの床下収納
小上がりの床下収納のイメージ(画像提供/PIXTA)

床下収納にはどんな種類がある?

床下点検口を活用してつくられる

戸建て住宅の場合、床下や天井裏の状態の点検や、不具合があった際に修理をするために、人が出入りできる大きさの点検口を設けることが一般的。点検口は家の状態を管理するために非常に重要な部分で、長期にわたって住み続けるための措置を講じた『長期優良住宅』を建てる場合、認定を受けるには「点検口の設置」が義務付けられている。

床下収納は、通常、点検口を利用して設けられていることが多い。「戸建住宅の場合、床下の点検口は給排水管が多く集まる水まわり空間に設けられます。当社では、点検口の開口サイズ、床下空間の深さ、フタの種類などのバリエーションを豊富にそろえているので、設置場所や使い勝手に応じて選んでいただけます」(パナソニック広報担当者、以下同)

床下収納
床下収納は、床下の状態を確認する点検口を活用してつくられるケースが多い(画像/PIXTA)

キッチンに設置するタイプは選択肢が豊富

キッチンの床下収納には、お酒や瓶ビール、油や缶詰などのストック品を収納するのがオススメ。「網カゴやつるカゴが付いたタイプなら、ビン類のような重いモノも出し入れしやすいです。フタは、バネの働きにより軽い力で開閉できる自立式と、取り外しができる置きフタ式があります。どちらが使い勝手がよいと感じるかと、フタを置く場所の有無で選択するとよいでしょう」

キッチン用の床下収納ユニット
キッチン用の床下収納ユニット
フタの面材は、フローリングなど床と同じ素材をはめ込む。写真左:軽い力でラクに開閉できる自立式。希望小売価格3万6850円(税抜3万3500円)。写真右:フタを取り外せる置きフタ式。希望小売価格2万9700円(税抜2万7000円)(画像提供/パナソニック)

洗面室には浅いタイプが使いやすい

洗面室の床下収納には、洗剤や入浴剤、シャンプー、掃除用具などのストック品を入れるとよいだろう。これらのアイテムには高さがない上、小さくてこまごまとしているため、収納ボックスが浅いタイプのほうが使い勝手がよいといえる。

洗面室用の床下収納ユニット
洗面室用の床下収納ユニット
開口608×608mm、深さ371mmの浅いタイプの床下収納でも、細かなモノならたっぷり収納できる。希望小売価格3万7070円(税抜3万3700円)(画像提供/パナソニック)

和室に設置できるタイプもある

住宅の基礎構造との兼ね合い、点検口は目立たない場所に設けたい、などの理由により、床下点検口を和室の畳の下に設けるケースもある。「和室用として、畳1枚分を床下収納に使えるタイプがあります。普段あまり使わない大皿や花器、座布団や衣類など大きなモノを入れるスペースとして重宝すると思います」

床下収納には何を入れるのがオススメ?床下収納に具体的に入れるべきもの、使い方のコツ

床下収納は、設置する場所によって入れるべきものが大きく変わる。そこで、設置場所別に、どのようなものを入れるとよいか具体的に紹介しよう。

キッチンの床下収納

長期保存できる食品や飲料

缶詰やレトルト食品、しょうゆやマヨネーズなどの調味料、ペットボトルや瓶入りのお酒など、長期保存できる食品・飲料。手づくりの梅酒やみそなどを入れるのもよいが、床下の温度や湿度は一定に保たれているわけではないので、定期的にチェックした方がよいだろう。

床下収納庫にあるワインのイメージ
ワインやビールなどの飲料を入れる人は多い(画像提供/PIXTA)

使用頻度が低い調理器具や食器

床下収納はしゃがんで使うので、一般的な収納よりも出し入れを面倒に感じやすい。そのため、毎日使うものの収納は避け、卓上コンロやホットプレート、正月用の重箱、来客用の食器など、使用頻度が低い調理器具や食器などを入れるのがおすすめ。

洗面室の床下収納

日用品のストック品

洗剤や柔軟剤、シャンプーや入浴剤などの日用品を、特売日にまとめ買いしてストックしている家庭は多いはず。未開封なら湿気の影響を受けないので、日用品のストック場所として活用を。洗面室や浴室で使うものをしまえば、無くなったときにいちいち取りに行かなくて済むので便利。

和室など居室にある床下収納

使用頻度が低いアイテム

クリスマスの飾りやこいのぼりなど年1回のイベントにしか使わないもの、花器やパーティーグッズなど、かさばるけれど使用頻度が低いものの収納場所に。

日用品のストック品

ティッシュペーパーや除菌グッズ、掃除用シートなど、主に居室で利用する日用品を収納したい。

防災グッズ

水や非常食、簡易トイレ、衛生用品や医薬品、懐中電灯やヘルメットなど、必要なものが多い防災グッズ。防災グッズをまとめた「防災セット」はサッと取り出せる場所に置くのが望ましいが、置き場所に困ったときは床下収納にしまう方法もある。そして、可能なら持ち出し用と自宅避難用に分けて収納するのがおすすめ。自宅避難用の方には、家族全員が数日間は生活できるくらいの点数をしまっておくとさらに安心。

防災グッズ
かさばりがちな防災グッズは床下収納へしまおう(画像提供/PIXTA)

床下収納の使い方のコツは?

床下収納をより便利に使うには、いくつかのコツがある。
最も大事なのが、上から見たときにどこに何があるのか把握しやすいように、並べて収納すること。カゴや仕切りを利用して並べると収納しやすい。取っ手の付いたカゴなら取り出しやすくなり、さらに便利に使えるだろう。

取り出しやすくするためには、しまうものを可能な限り小さくしたり、軽くしておくことも大切。キッチンの床下収納に手づくりの梅酒や漬物をしまうケースは多いが、意外と重たいので、長期保存するなら小さめの保存瓶に移し替えておくとよいだろう。

床下収納のメリットは?

【メリット1】床面積をとらずに収納を確保できる

クローゼットやパントリーとは違い、床下の未利用空間を使う床下収納は、住空間を狭めることなく収納スペースを確保することができる。特に狭小住宅の場合、空間を有効利用できる収納として、点検口がある部分だけでなく、複数箇所に取り入れるという選択もある。

床下空間をより活用できるスライドタイプ
床下空間をより活用できるスライドタイプ
連結した3つのボックスが前後にスライド。開口は小さくても、大量のモノを収納できる。組み合わせ希望小売価格9万7900円(税抜8万9000円)(画像提供/パナソニック)

【メリット2】動線や視線を邪魔しないので空間がすっきり

収納を増やすために収納家具を置いたり、造作収納を設けたりすると、視線や動線の邪魔になることがある。その点、床下に設ける床下収納なら、ある程度の収納スペースを設けても邪魔にはならない。

オープンプランのキッチン
最近人気のオープンプランのキッチン。吊り戸棚がない分、床下収納を設けて収納スペースを確保したい(画像/PIXTA)

床下収納のデメリットは?

【デメリット1】湿気が溜まりやすい

床下収納は湿気の溜まりやすい床下に設けるため、どうしても湿気によるカビやニオイが気になりやすい。「当社の収納ユニットは、収納ボックスに防カビ剤を塗布することで、湿気によるカビの発生や繁殖を抑制できます。また、気になる方は収納ボックスを取り外し、定期的にお掃除されるとよいでしょう」

床下収納の清潔を保つ工夫も
床下収納の清潔を保つ工夫も
写真左:深型の収納ユニットには2カ所の通気口を設けることで、湿気やニオイをこもりにくく。写真右:1階設置タイプなら、収納ボックスを取り外してお掃除することができる(画像提供/パナソニック)

【デメリット2】フタ部分や隙間から、空気や熱が逃げやすい

新築住宅を建てるとき、気密性や断熱性の高い構造を選択しても、床下収納部分から空気や熱が逃げると期待する性能が得られないことがある。「高気密・高断熱住宅を建てるなら、専用の商品をオススメします。フタ裏に断熱材が取り付けられており、床下の冷気や隙間風が侵入しにくい構造なので、足元への冷え込みも軽減できます」

高気密・高断熱住宅用もラインナップ
高気密・高断熱住宅用もラインナップ
キッチン用の断熱材付きタイプ。省エネルギー基準地域区分(※)に応じて選択しよう。希望小売価格5万3460円(税抜4万8600円)(画像提供/パナソニック)

※「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準」及び「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針」によって定められている性能基準。1地域から8地域までの8つに区分されていて、地域によって要求基準が異なる

床下収納に入れてはいけないもの

ここまで紹介したメリット・デメリットを踏まえると、どの場所に設けたとしても、床下収納に入れてはいけないものや避けた方がよいものは以下になる。

腐りやすいもの

床下は室内と比較すると湿度が高くなるので、ものが腐りやすくなる。特に気密性の高い住宅は、腐ったりカビたりしやすいので注意したい。

重いもの

地面よりも低い場所からものを取り出すため、ものの出し入れには一定の力が必要。腰や膝への負担も大きいので避けた方が無難。

使用頻度が高いもの

一般的な収納と比べると、ものの出し入れが面倒で身体に負担がかかるので、使用頻度が高いものを収納すると煩わしく感じやすい。

賞味期限が短いもの

ものの出し入れが面倒だと感じると、開閉するタイミングが少なくなりがち。賞味期限が短い食品は避けた方が無難だろう。

選び方のポイントは?リフォームで後付けはできる?

新築時は、収納したいモノの種類と量に合わせて選ぶ

床下収納をつくりたい場合、戸建住宅の新築時なら依頼先に伝えればOK。床下の構造との兼ね合いや点検口の位置決めにもかかわるので、できるだけ早めに伝えよう。

「床下収納は1階にしかつくれないというイメージがありますが、収納ボックスが浅いタイプなら、専用金具を用いれば2階に設置することも可能です。2階にLDKやサニタリールームがある間取りの場合、まずは依頼先に相談するとよいでしょう」

床下収納の大きさ(容量)は、しまいたいモノの種類と量に合わせて選ぼう。ただ、壁面造作収納や収納家具と比べると出し入れが若干不便なので、ストック品や季節アイテムなど使用頻度の低いモノをしまうスペースとしてイメージしておくとよいだろう。

浅いタイプなら2階への設置も可能
浅いタイプなら2階への設置も可能
収納ボックスが浅くても、開口幅が大きいタイプなら収納量が確保できるうえ、出し入れもしやすく。希望小売価格5万7530円(税抜5万2300円)(画像提供/パナソニック)

リフォームで後付けできる?

床下収納を戸建住宅に後付けする場合、点検口があれば、そこに床下収納ユニットを取り付けられるが、点検口がない場合は床に穴をあけて設置することになる。いずれにせよ、床と、根太や大引などの床組の状態によるので、まずはリフォーム会社に相談しよう。

マンションの場合、床下がすぐにコンクリ―トになっている構造では設置が難しい。床とコンクリートの間に空間がある二重床の構造なら、空間の深さによっては設置が可能だが、床下に配管が通っている場合もあるので、リフォーム会社に現状を慎重に確認してもらおう。

床下収納は、リフォームで後付けが可能であっても、工事費用も日数もかかるケースがほとんど。手軽に設けたい方には、床の上に収納ユニットを置く『置き型タイプ』を選択するという方法もある。『置き型タイプ』は、住宅設備メーカーや家具インテリアショップ、通販会社などで購入できる。

「弊社で扱っている『置き型タイプ』は、基本的に居室への設置となります。たっぷりと収納スペースを確保できますし、開口もフタ式や引き出し式が選択できるので、使い勝手のよい床下収納がつくれるでしょう。工事会社に搬入や組み立てをしてもらう必要はありますが、半日~1日あれば終了します」

置き型タイプなら、収納とくつろぎ空間の両方を実現
置き型タイプなら、収納とくつろぎ空間の両方を実現
収納ユニットを組み合わせれば、造り付けの畳コーナーのようにピッタリと収めることも可能。希望小売価格53万6690円(税抜48万7900円)(画像提供/パナソニック)

狭小住宅こそ積極的に検討したい

パントリーやクローゼットなどと異なり、床面積をとらずに収納スペースを確保できる床下収納。床面積が限られている狭小住宅こそ積極的に検討したい収納といえるだろう。キッチンだけでなく、洗面室や和室で使えるタイプもあるので、しまいたい物の量や種類を考慮したうえで、わが家に最適なタイプを選択しよう。

注文住宅の会社を探す
土地を探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
リフォーム会社を探す
中古マンションを探す
新築マンションを探す
売却査定する
取材・文/山南アオ
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る