何かと多くなりがちな衣類もまとめて収納できて便利なウォークインクローゼット。「ウォークインクローゼットに必要な広さは2畳?3畳?」と、悩む人も多いはず。そこで、ウォークインクローゼットの適切な広さやレイアウトの種類、プランニングする上でのポイントについて、一戸建てからマンションまでさまざまなタイプの住まいの収納づくりを手がけるひかリノベに伺った。
ウォークインクローゼットとは、人が中に入ることができる(=Walk In)広さがあるクローゼットのこと。収納のためのスペースとして、棚やハンガーパイプなど、収納効率を上げるために必要なものが備え付けられていることが多い。ハンガーに衣類をかけて収納することで衣類にシワが付きにくいだけでなく、服を選びやすくなる。クローゼット内で着替えることもできるので、身支度もスムーズにできる。
ウォークインクローゼットは、洋服以外の収納にも活用でき、布団やキャンプ用品といった季節ものや趣味のアイテムといった大きめのものも収納できるなど、いろいろな用途に使えるのもメリットだ。
一方で、ウォークインクローゼットは人が出入りするスペースを取られてしまうため、全てのスペースに収納ができるわけではない。通路として使う部分も考慮して収納スペースを確保する必要がある。
ウォークインクローゼットは、寝室や子供部屋などの居室に設けることが多く、最近では、家族の衣類を一カ所にまとめて収納するファミリークローゼットや、居室をつなぐ場所に配置するウォークスルータイプのクローゼットなどもある。
では、ウォークインクローゼットの広さの目安はどのくらいあると良いのだろうか?
一般的に、1人あたり1畳分の広さが衣類の収納スペースの目安といわれており、2人暮らしなら2畳、4人家族なら4畳分のスペースが必要になる。子どもの分も一緒に収納する場合は、子ども1人あたり大人の半分くらいの収納量を目安に考えよう。
また、衣類の収納方法によっても、必要となるスペースは変わる。4人家族の場合、ハンガーのみで衣類を収納するとなると約10mのパイプが必要になるため、家族の衣類の量や収納方法を考慮してプランニングを。
ウォークインクローゼットのレイアウトは、I型、II型、L型、U型の4タイプ、どのタイプも壁面が多いためレイアウトしやすい。姿見を置いたり、布団やチェストなど大きな物を収納する場合や掃除機の充電スペースを確保したい場合は壁面のスペースがあるI型、II型、L型に。窓を設ける場合はI型やII型がオススメだ。収納量や収納する物に合わせてどのレイアウトにするのか検討を。
スペースが広いので、棚の向かい側にタンスやゴルフバッグなど大きいものを置くなど、フレキシブルな使い方ができる。窓の設置も可能。
両側に収納ができるのでゾーニングがしやすい。こちらも窓の設置ができる。
たっぷり収納したい場合にオススメ。クローゼット全体が見渡せるため、服を探しやすい。
こちらもたっぷり収納に向いている。収納家具などを使わず収納スペースを確保することができる。
ウォークインクローゼットは寝室や子供部屋に設けることが多いが、洗濯動線や身支度をする際の生活動線も考慮して洗面室を隣接させるという方法も。
そうすることで、「洗う→干す→しまう→着る」の動線がコンパクトになる。
お気に入りの服をアパレルショップのように見せる収納にすることで、ウォークインクローゼットがファッションを楽しむ空間に。整理整頓がしやすいだけでなく、毎朝の身支度が楽しくなる。
毎朝の身支度の時間が楽しくなるような仕掛けとして、壁紙や照明などウォークインクローゼット内のインテリアにこだわってみるのもオススメ。ただの収納スペースではなく、お気に入りの空間にしつらえることで、気持ち良くお出かけができる。
ウォークインクローゼットに扉を設けず、居室とのつながりをもたせることで、空間が広々とした印象に。扉がないことで湿気がこもりにくくなるので、窓を設けられない場合などにも有効。
まずは、手持ちの衣類や季節ものなど、ウォークインクローゼットに収納したいアイテムをリストアップして、収納量を把握しておこう。その際に、ハンガーにつるして収納するのか、畳んで重ねて収納するのかなど、収納方法も検討を。衣装ケースやタンスなどの収納アイテムを使う場合は、あらかじめサイズを測り、スペースの確保を忘れずに。
小さい子どもとクローゼットを共有する場合、子どもが大きくなって収納の出し入れをする高さが変わったり、別々のクローゼットを使用するようになったりと、子どもの成長によって収納方法の見直しが必要になることが多い。可動棚を活用するなど、ライフスタイルの変化にもフレキシブルに対応できるようにしておこう。
洗濯から収納までの家事動線をコンパクトにしたいなら洗面室の近くに、家を出入りする際に服を着替えたいなら玄関の近くに、というように、毎日の家事動線や生活動線をイメージしてどこにウォークインクローゼットを設けるか検討しよう。ウォークインクローゼット内で着替えを済ませるかどうかによって、確保するスペースやクローゼット内のレイアウトも変わるので、使い方についても併せて検討を。
ウォークインクローゼットに扉を設ける場合は、湿気がこもらないように窓を設けるなど通気面への配慮が必要だ。窓を設ける場合は、太陽光で服が日焼けするのを防ぐため、遮光カーテンを付けたり、窓自体を壁の下部に設けるなど配慮を。窓が設けられない場合は、「エコカラット」などの調湿効果のある素材を内装に使ったり、除湿機を置くスペースを確保するなど工夫しよう。
また、照明はダウンライトなどシンプルなものでOKだが、洋服の色味がわかるように温白色を採用するのがベター。
1人あたり1畳分の広さが目安となるウォークインクローゼット。収納量や収納方法によって使いやすいレイアウトも変わる。家事&生活動線をイメージしながら、ライフスタイルの変化にもフレキシブルに対応できるようにプランを検討しよう。
ウォークインクローゼットとは、人が中に入ることができる広さがあるクローゼットのこと。洋服や布団、キャンプ用品といった季節ものや趣味のアイテムも収納できる
一般的に、ウォークインクローゼットは1人あたり1畳分の広さが目安で、2人暮らしなら2畳、4人家族なら4畳分のスペースが必要になる
ウォークインクローゼットのレイアウトは、I型、II型、L型、U型の4タイプ。壁面が多いためどのタイプでもレイアウトしやすく、収納量や収納する物に合わせて検討すると◎