家を建てるなら、気軽に非日常感を楽しめる開放的なアウトドア空間がほしい。そんな方にオススメなのが、屋上だ。屋上のある家のメリット・デメリット、バルコニーや屋上テラスなど屋上で快適に過ごすためのプランニングアイデア、後悔しないために注意するポイントについて、屋上のある家を多数手掛けている近藤建設に伺った。快適に過ごせる屋上のある家を手に入れよう。
アウトドア空間を身近にするためのアイデアは屋上だけでなく、庭やテラス、インナーバルコニーなどさまざま。その中でも屋上のある家は、プライバシーが守られた空間でアウトドアの開放感を楽しめるのがメリット。庭やインナーバルコニーの場合、隣家や通行人の視線が気になってしまうこともあるが、高さのある屋上であれば、周囲を気にせず過ごすことができる。屋上は遮るものがなく日当たりが良いため、空とのつながりを感じられて開放的な気分が味わえる。リビングと屋外空間をつなげたアウトドアリビングのように、アウトドア空間を生活の一部に取り入れるというよりは、生活空間から切り離して気軽に非日常を味わいたいという人にオススメだ。
また、住居周辺が山や海などの自然環境に恵まれていたり、夜景がきれいなロケーションであれば、屋上からの眺望を楽しめるのも魅力。花火大会などのイベントなど、リビングやベランダから見えない場合でも、自宅の屋上を特等席にできることも。
一方、屋上をつくるにあたり、屋上空間の費用だけでなく、階段など屋上まで行き来するためのスペースの費用など、建築コストがかかるのがデメリットとして挙げられる。費用は屋上の広さやプランによって大きく変わるが、例えば、屋上へのアプローチが1坪半で、坪50万円であれば75万円、屋上空間は最低でも50万円~100万円程度はかかるので、約200万円ほどの+αの建築費用が必要になる。
また、屋上にすることで、屋根に比べると雨漏りのリスクも高くなる。それによるメンテナンス費用がかかることも。屋根がないため、豪雨など激しい雨が降った際に雨音が気になる場合もあるので注意が必要だ。
屋上テラスで気軽にバーベキューやキャンプを楽しむことができる。人工芝やウッドデッキなどアウトドア感のある素材を使い、非日常感たっぷりの空間にしつらえれば、より雰囲気を楽しめる。水栓を設置したり火を使う場所はタイルやコンクリートを使ったりするなど、使い勝手にも配慮すると◎!
屋上はプライバシーが守られているので、隣家や通行人からの視線を気にせず、子どもを遊ばせることができる。屋上は日当たりが良く、暑い時期は床面が熱くなり火傷をする危険があるので、人工芝やウッドデッキなどの床材を選ぶと良い。熱中症にならないようターブやシェードなど日除けを設けるようにしよう。
開放感たっぷりの屋上スペースはドッグランにもぴったり。ドッグランのある公園などに行かなくても、思う存分走り回れる。近隣住民や通行人に吠えたりすることもないので、気兼ねなく遊ばせることができるのも安心だ。
屋上は生活空間から切り離した非日常を楽しむ+αの空間として、さまざまな用途で利用することができる。そのため、空間の過ごしやすさはもちろん、アクセスのしやすさ、準備や後片付けのしやすさなどの使い勝手を考慮してプランニングすることで利用頻度が上がり、快適に過ごすことができる。非日常を楽しむための贅沢な空間だからこそ、「屋上でバーベキューをして家族時間を楽しみたい」、「屋上で一人時間を満喫したい」など、屋上でどのように過ごしたいか、どのような使い方をしたいかを明確にした上でプランニングすることが、後悔しないための重要なポイントだ。
具体的なプランニングにおいては、スクエアの外観など屋上スペースが広く取れることもあるが、用途に合わせた適切な広さを確保しよう。屋上で飲食をしたり子どもをビニールプールで遊ばせたいという場合は水栓を、ホットプレートなどを使用う場合はコンセントも設置しよう。水栓を付ける場合は、お湯を使うかどうかも検討を。
また、その都度屋上にテーブルや椅子などを持って行くのは労力がかかるため、アウトドア用のテーブルやソファを置くと快適な空間をしつらえることができる。
屋上は日当たりが非常に良いため、日除けのタープやシェードなどを利用できるよう、建築時にタープを掛ける金具を付けておくと便利だ。夜間に利用する場合は、照明計画も併せて検討を。
屋上へのアプローチ次第では、行き来のしづらさから屋上に行くのが億劫になってしまうことも。そのくらい屋上へのアプローチは重要な役割を担っている。屋上への階段は、荷物を持っていても昇降しやすい幅を確保し、室内から屋上にアクセスしやすいアプローチにしよう。
屋上は開放感のある空間だが、高所であるため安全面への配慮は必須。建築基準法上フェンスの高さは110cm以上と定められているが、安心できる高さを確保しよう。また、エアコンの室外機のような足掛けになるようなものはフェンス付近に設置しないように注意を。
ドッグランなどペットを屋上で遊ばせたいという場合は、防水性が高い素材は滑りやすく股関節を痛めやすいので、床面はウッドデッキや人工芝などを敷くようにしよう。
屋上はメンテナンスがしづらい場所であることや、屋根に比べて雨漏りのリスクが高くなるため、メンテナンス面を考慮した素材選びをしよう。屋上の塗装は耐久性の高い素材を使い、外壁などと耐久年数を合わせておくと、同時期にまとめて修繕ができる。雨音が気になる場合は、ウッドデッキ・人工芝を敷くと雨音が伝わるのを抑えられる。
また、落ち葉などが排水溝に詰まってしまうことがあるので、こまめに掃除することを忘れずに。
用途に合わせた空間のプランニングや、安全面やメンテナンス面への配慮などに加えて、屋上をつくる場合、階段の位置がある適度限定されるなど間取りプランに制約が生じることも。全体のバランスを考慮した家づくりをするためには、屋上のある家を多数手掛けている建築会社に依頼すると安心だ。
屋上は、日当たりが良く、空とのつながりを感じられ、プライバシーが守られた空間でアウトドアの開放感も楽しめる
屋上空間の費用だけでなく、階段など屋上空間を行き来するためのスペースの費用がかかるのがデメリット
屋上は屋根に比べると雨漏りのリスクが高く、屋根がないため雨音が気になる場合も
屋上はアクセスのしやすさや準備や後片付けのしやすさなどを考慮してプランニングすることが快適に過ごすためのポイント。安全面やメンテナンス面を考慮してプランニングを