階段下をどう使う?収納、トイレ、書斎、テレビスペースに使う場合のポイントを解説!

階段下をどう使う?収納、トイレ、書斎、テレビスペースに使う場合のポイントを解説!

デッドスペースになりがちな階段下のスペースを、収納やトイレ、書斎などに活用したいと考える人は多いでしょう。しかし、上手につくらないと使い勝手や居心地が悪くなることも……。そこで、一級建築士の越野かおるさんに、4つのプラン別に設計のポイントや注意点を伺いました。

【プラン1】階段下を収納にする

階段が家のどこにあるのかでしまう物を決める

建売住宅の場合、階段下が収納スペースになっている間取りを多く見ます。また、注文住宅を建てる場合には、階段下を収納スペースにしたいと考える人もいるでしょう。

「階段下に収納スペースがあっても、何をしまおうか悩む人は多いようです、しまう物は、階段が家のどこにあるかで決めるとよいでしょう。例えば、洗面室に近いなら洗濯や掃除に使うグッズや買い置き品、トイレに近いならトイレットペーパー、キッチンに近いなら食品や飲料の買い置き品をしまう場所にすると便利に使えます。

ある程度広いスペースなら、ドラム式洗濯機や冷蔵庫を置く方法もあります。電気や給排水の工事が必要になりますが、前面から物の出し入れができる家電類なら、使い勝手の面では問題ありません。

ただし、コンセントを設ける位置は、出し入れ口に近い手前側にしましょう。奥の方に設けると、家電や収納した物が邪魔になって目が届かず、溜まったホコリでショートして火災の原因になる可能性があります」(越野かおるさん kao一級建築士事務所。以下同)

階段下を収納にした場合のイメージ
階段が洗面室に近いなら、ドラム式洗濯機を置き、洗濯グッズなどを収納するスペースにしても(イラスト/長岡伸行)

奥行きを考慮したしまい方で使いやすい収納に

木造住宅の場合、階段の幅は75cm程度です。したがって、階段下収納の奥行きも75cm程度となります。

「奥行き75cm程度は押入れと同じぐらい深いので、使い勝手に苦戦する方は多いようです。物の出し入れや管理をしやすくするなら、奥の方に棚を設け、手前はキャスター付きの収納家具など置くとよいでしょう。棚板は固定ではなく、可動できるタイプにすると使いやすくなりますよ。

また、階段下のどの部分に収納を設けるかにより、内部の高さが変わります。高さが確保できるなら、アウトドアグッズや季節家電など大きな物をしまう場所にするとよいでしょう。奥行きもあるので、細々とした物よりも、大きな物をしまう場所として活用したいですね」

階段下収納に扉をつける/つけないは、どのように考えるとよいのでしょうか。

「扉をつけない方が物を出し入れしやすいのですが、季節家電や買い置き品など見せたくない物をしまうなら、扉を設けた方がよいでしょう。ただ、開き扉にすると、扉の開閉スペースを確保する必要があります。狭い空間なら、ヒダの少ないフラットなカーテンやロールスクリーンにすることをオススメします。

【プラン2】階段下をトイレにする

男性家族の意見を聞いてから決めたい

延床面積を有効に使いたい場合、階段下をトイレにする方法があります。ただ、階段下特有の“天井が斜めになる空間”は、ともすれば圧迫感を感じるかもしれません。

「斜め天井は空間に動きが出て、遊び心も感じられるので、私は好きです。ただ、トイレにする場合、座って用を足す方は気にならないと思いますが、立って用を足す方は斜め天井に圧迫感を感じたり、身体が大きいと使いにくく感じる可能性があります。

男性家族が立って用を足しているなら、空間内の幅や天井高の寸法を事前に伝えて狭く感じないかや、使いにくそうではないかなどを確認しておきましょう。少しでも狭そう・使いにくそうと思うなら、トイレにするのは避けた方が無難です。

もし、延床面積の都合でどうしてもトイレにしたいなら、『座って用を足す』という家族ルールを設けるか、ドアの位置を便座の横側にできないか検討してください。そうすればスペースを若干広くできますし、子どもが小さいときは手伝いやすいメリットもあります」

階段下をトイレにした場合のイメージ
天井が斜めになる階段下のトイレは、圧迫感を感じる可能性も。ドアを横側に設けて、スペースを少しでも広くとるのがオススメ(イラスト/長岡伸行)

換気扇を付けるなら位置に注意を

トイレは臭いや湿気が溜まりやすい空間なので、窓か換気扇を設けましょう。

「24時間換気の排気口として、トイレに換気扇を設置するケースは多いです。階段下に換気扇を設ける場合、天井への設置は難しいので壁に設置することになるでしょう。

その際に注意したいのが、設置する位置です。換気扇はフィルター交換が定期的に必要なので、便座の奥の壁や手が届きにくい高い位置に設けると、フィルター交換がとても大変になります。見落としがちなポイントなので、設計士には便座の位置との兼ね合いを考慮して設置場所を決めてもらいましょう」

【プラン3】階段下を書斎にする

オープンな書斎コーナーにするのがベター

そもそも階段は、下階と上階をつなぐ吹抜けのスペースです。また、下階と上階をつなぐ動線でもあり、人が昇降するときには音や振動が生じます。この階段ならではの特性を踏まえたうえで、どのような書斎空間にするかイメージすることが重要です。

「リビングイン階段の場合、オープンスペースという特性を活かし、家族みんなで使う書斎コーナーにするとよいと思います。家族共有のパソコンを置いたり、親に見守られながら宿題をしたい子どもの学習スペースなどに適していると思います。

階段が廊下に隣接している場合、壁やドアを設けたクローズスタイルの書斎を希望する方が多いのですが、階段下にいると、昇降時の音や振動は結構気になるものです。特に、人数が多いご家庭の場合、昇降回数が多いので、集中して仕事や作業をするのは難しいかもしれません。さらに、クローズスタイルは夏に暑く冬は寒いスペースになりがちです。その点も考慮しておきたいですね」

階段下を書斎コーナーにした場合のイメージ
間仕切りがないオープンな書斎コーナーにすれば、家族の気配を感じつつ、自由に使いやすいでしょう(イラスト/長岡伸行)

階段のつくりに注意したい

最近、蹴込み板(けこみいた)や手すりに壁のない「スケルトン階段」の人気が高まっています。スケルトン階段は、デザイン性が高く、光や風を通しやすいというメリットがありますが、階段下からは昇降する人を見上げることになるため、視線への配慮が必要になります。

「階段下をオープンな書斎コーナーにするなら、スケルトン階段は避けた方が無難です。どうしてもスケルトン階段にしたい場合、階段は蹴込みがあるタイプにして、手すり壁には光を通す曇りガラスのようなパネルをはめるなど、視線を遮るための対処をしてください」

階段の名称解説イメージ
階段の部位・部材を表す名称。蹴込み板がないのが「スケルトン階段」です(イラスト/長岡伸行)

【プラン4】階段下をテレビスペースにする

テレビのサイズに合わせたスペース決めを

リビングイン階段の場合、階段下をテレビスペースに活用するのもよいアイデアです。

「以前は家族そろってテレビを観る機会が多かったので、リビングはテレビ中心のレイアウトが一般的でした。しかし最近は、『テレビは各人がタブレットで見るので、リビングの中心に置かなくてもよい』というお客様が増えています。

とはいえ、リビングにテレビが無いと困ることもあるので、デットスペースになりがちな階段下を、上手く活用できるとよいですよね」

リビングにテレビを置くとき、配線が気にならないように壁掛けタイプを選ぶケースが多いものです。しかし、階段下をテレビスペースにするなら、左右からテレビの裏側が見えないので、置き型にしても配線は気になりにくいと言えます。

「階段下の奥行きは75cm程度と結構深いので、壁際にテレビを掛けたり置いたりすると思ったより遠く感じるかもしれません。テレビボードの奥行きは45cm程度なので、これを目安にして、奥の壁の位置を調整してください。また、天井が斜めになるので、低い部分を考慮してテレビやテレビボードのサイズを選びましょう」

階段下をテレビスペースにした場合のイメージ
置く予定のテレビのサイズを確認しておくことを忘れずに!(イラスト/長岡伸行)

視線が集まりやすいことを意識したプランを

階段下をテレビスペースにすると、テレビを観ているときに階段も視界に入ります。

「視線が集まりやすいという点を活かして、階段とテレビスペースの色やデザインを美しくコーディネートして“リビングの見せ場”とするのも良いかもしれません。

ただ、そうすると視線が集まりやすくなります。リビングは、家族だけでなく来客も過ごすことを考えて、2階に女のお子さんの子ども部屋がある場合には、スカートでも昇降時に視線が気にならないように、設計面で配慮したいですね。

また、昇降時には音や振動のほか、ホコリも立つものです。それらが気になる人は、階段下にテレビを置くプランや“見せ場”とするコーディネートは避けた方がよいかもしれません」

ライフスタイルに合うプランを選択しよう

用途に合わせて設計すれば、デッドスペースにはならない!

ここまで、階段下を収納、トイレ、書斎、テレビスペースに使う場合のコツを紹介しましたが、越野さんは、これら以外にもさまざまな活用法があるとお話されます。

「私が設計する場合、居室間をつなぐ廊下のような動線スペースや、クリスマスツリーや雛飾りなど季節のアイテムを飾るスペース、ペットのトイレスペースにすることが多いですね。

今はコロナ禍で家に居る時間が長くなっているので、ヌック(小ぢんまりとした居心地のいいスペース)にして大人が一人になれるような空間にしたり、子どもの遊び場にして秘密基地のような空間にするのも楽しいでしょう。

いずれにしても、ライフスタイルを考慮したうえで用途を決め、それに応じた設計をすれば、階段下は“デッドスペース”ではなくなります。奥行きがあり天井が斜めという空間の特徴を踏まえたうえで、無駄がなく、かつ快適に使えるスペースをつくってください」

まとめ

階段下を収納にする場合、しまう物は、階段が家のどこにあるかによって決めると良い。奥行きがあるので、棚+ワゴン収納で無駄なく活用したい

階段下をトイレにする場合、立って用を足す男性は圧迫感を感じることもあるので注意が必要

階段下を書斎コーナーやテレビスペースにする場合、階段を昇降する人が視線を気にせずに済むような対処が必要。特にスケルトン階段は注意

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取材・文/山南アオ イラスト/長岡伸行
公開日 2021年09月22日
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