旗竿地にはどんな家が建てられる?メリット・デメリットや注意点を知って住みやすい間取りをつくる

旗竿地にはどんな家が建てられる?メリット・デメリットや注意点を知って住みやすい間取りをつくる

旗のような形をしている「旗竿地」は、特に都市部で売り出しが多く見られる土地です。今回は旭化成ホームズの担当者に、旗竿地のメリット・デメリットと、購入時や建築時に気をつけるべき点について教えていただきました。

旗竿地ってどんな形の土地?

道路に接する部分が細長い、旗のような形の土地

家を建てるために土地探しを始めると、四角くて平らな土地(整形地)以外にも、三角形や五角形だったり、敷地内に高低差がある土地(不整形地)が販売されていることが分かります。

「不整形地の一つである旗竿地とは、道路に接する路地部分が細長く、奥にまとまった敷地がある形状の土地と一般的に言われています。旗竿地は敷地の利用価値が高い都市部で多く見られますが、その理由は、相続などの諸事情により持ち主が手放した土地を、売れやすい大きさ(価格)に分割して販売しているケースが比較的多いようです」(旭化成ホームズ 広報室 上代武人さん)

旗竿地
旗竿地は、広い敷地を分割して販売するときにつくられるケースが多いです(イラスト作成/SUUMO編集部)

旗竿地のメリットは?

土地価格が相場より安いのが大きなメリット

旗竿地の代表的なメリットを3つご紹介しましょう。

【メリット1】価格が近隣相場より安い

不動産業界では、土地を取引する際、整形地か不整形地かによって査定額を補正する慣習があります。補正の結果、同じ広さでも不整形地の方が土地の坪単価が割安になるケースが一般的です。

「旗竿地は不整形地のため、近隣の整形地の相場より割安で購入できることが多いです。
あるケースですが、同じエリアに、四角形の角地と旗竿地が販売されていました。土地の広さは、角地の土地全体との広さと、旗竿地の路地部分を除いた広さが同じでしたが、売り出し価格は同額でした。土地の坪単価を考えると、旗竿地は路地部分を含めた面積で割り返すため、安くなります」

四角形の土地と、旗竿地の坪単価のイメージ
四角形の土地と、旗竿地の坪単価のイメージ(イラスト作成/SUUMO編集部)

【メリット2】道路から離れているので静かな暮らしを送りやすい

旗竿地の場合、家が建っている部分は道路から奥まっているため、静かな環境を得やすいのもメリットと言えます。道路を通る自動車の音や、通行人からの視線が家の中には届かないため、平穏な暮らしが楽しめるでしょう。

【メリット3】路地部分を活かしたプランニングができる

注文住宅を建てる場合、敷地内に駐車スペースを設けることが多いです。
一般的な土地形状の場合、まずは駐車スペースを必要台数分だけ確保し、残った部分に家を建てることになります。一方、旗竿地の場合、路地部分を駐車スペースとして使えるため、奥の敷地部分をフルに活用したプランニングかできます。

また、路地部分の面積を活かすことで、3階建てを建てられる可能性もあります。
「家の大きさは、建ぺい率や容積率で上限が定められています。旗竿地の場合、路地部分の面積を算入すれば、奥の部分の敷地が多少狭くても大きめの家を建てられます。高さや方位による制限が緩やかな地域なら、3階建てを建築することも可能です」

※消防上の理由などで3階建ての建築が出来ないケースもありますので、購入前に確認が必要です

一般的な土地と、旗竿地の駐車スペースの取り方
一般的な土地と、旗竿地の駐車スペースの取り方(イラスト作成/SUUMO編集部)

旗竿地のデメリットは?

路地部分を上手く活用できないとデメリットに

次に、旗竿地のデメリットとその対処法について考えてみましょう。

【デメリット1】土地に無駄なスペースが生じることも

路地部分を駐車スペースとして活用する場合は良いのですが、そうでない場合、活用法に悩み、無駄なスペ―スになってしまうことがあります。

「駐車スペースにはしない場合、自転車置き場にしたり、遊歩道のようなアプローチをつくったりするプランが考えられます。または、子どもが小さいときは安全な遊び場として活用するのも良いと思います」

【デメリット2】外構工事費が高くなることがある

旗竿地は、同じ広さの四角形の土地と比べると、外構(塀など)が長くなります。

「塀や境界が既にある場合は問題ないのですが、新たに造作する場合、外構工事費が高くなりがちです。また、竿部分は案外広いので、駐車スペースにするためにコンクリートを敷くだけでも結構な金額がかかるでしょう」

【デメリット3】通風・採光が得られにくい

広い敷地を分割してつくられることが多い旗竿地は、周囲を建物で囲まれているケースが多く見られるため、方位によっては日当たりや風通しが得られにくいかもしれません。

日当たりを確保するために、家族が集まり長い時間を過ごすリビング・ダイニングを2階につくるのはよい方法です。また、吹抜けや高窓・地窓を効果的に取り入れると、家の中に風が通りやすくなるでしょう。

【間取り紹介】旗竿地に建てた実例2選

建物に囲まれた旗竿地でも、吹抜けで光と風を取り込む

旗竿地のメリット・デメリットを理解したうえでプランニングをすれば、快適で住みやすい家を建てることは可能です。ここからは、旗竿地に建てた2つの実例をご紹介しましょう。

1つめの実例は、周囲を隣家に囲まれた旗竿地に立つSさんのお住まいです。
建物は敷地の北側に寄せることで南側を空け、1階にウッドデッキ、2階にベランダを配しました。また、ウッドデッキと接する18畳のDKには吹抜けをつくり、高窓を配置。周辺の建物に左右されることなく、光と風が十分に感じられる住まいなりました。

間取図
(間取図提供/HOUSING)
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外壁目地、ベランダ手摺、庇が描く水平ラインが美しい外観(画像提供/旭化成ホームズ)
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1階のLDKは、ウッドデッキとつながる大きな窓、縦に広がる吹抜け、一段下がったリビングと変化に富んだ空間(画像提供/旭化成ホームズ)

コンパクトな旗竿地こそ、プランの工夫で開放感あふれる住まいに

2つめの実例はKさんのお住まいです。
Kさんが家づくりのために購入したのは、路地部分の長さが約13m、幅約3mの旗竿地です。路地部分がゆったりと広い分、旗部分の面積はコンパクトですが、3階建てにすることで延床面積を確保。1階にはテラス、2階と3階にはベランダを設け、大きな窓と繋げることで住まいに光と風を呼び込み、開放感があふれる住まいになりました。

間取図
(間取図提供/HOUSING)
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斜線制限をクリアしながら、2、3階にもベランダを設けた立体的なフォルムが印象的な外観(画像提供/旭化成ホームズ)
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LDKは隣接するテラスと大開口でつなぎ、室内に明るさをもたらしています(画像提供/旭化成ホームズ)

旗竿地を購入するときの注意点は?

路地部分の幅と長さは必ず確認しよう

注文住宅を建てるために旗竿地を購入するとき、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

「建築基準法では、路地幅が2m以上ないと家は建てられない決まりです。ただ、路地の奥行き(長さ)が一定以上の場合、幅は約3m必要になることもあるので、購入前に確認しましょう。
ときどき、旗竿地が激安で販売されているのを見ますが、これは路地幅が2m未満の場合が多いですね。古家付きで販売されていますが、購入して古家を解体しても建物の建築は不可となります」

また、路地部分を駐車スペースにする場合、路地幅により停められる車種が限られてしまいます。

「自動車の車幅は、軽自動車で約1.5m、一般的な乗用車で約1.7m程度です。路地幅が2mでは車のドアを開けられなかったり、駐車した車の横を人が通れない可能性があります。路地を駐車スペースにしようと考えているなら、最低でも幅2.5m以上あることが望ましでしょう。
さらに、車の出し入れを考えると前面道路の幅も重要です。路地幅が2.5mあっても、前面道路の幅が4mだと、何度もハンドルを切り返さないと車を入れられません。路地幅が2.5mなら、前面道路の幅は4.5m程度あるのがのぞましいです」

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路地部分の幅により駐車できる車種が限られたり、入庫が難しくなることも(画像/PIXTA)

クレーン車などの工事車両が入れるかもチェックしたい

工法によって異なりますが、家を建てるときにクレーン車などの重機を使うケースはかなり多いです。また、古家付きで販売されている場合、古家の解体時にも重機やトラックなどを使うことになります。

「旗竿地の場合、敷地の前面道路にクレーンやショベルカーやなどの重機を止めて作業がしづらいので、敷地内に止めるスペースを確保する必要があります。
重機を使わずに家を建てることは出来ますが、建築期間が長くなることで職人さんの人件費が高くなります。旗竿地に家を建てるときには、工事に重機を使うかどうか建築会社に確認しておいた方が安心でしょう」

ちなみに、古家の解体費は建築リサイクル法が施行されてから格段に高くなっています。現在の解体工事費の相場は坪単価5万~6万円で、30坪の家なら200万円程度は必要になります。

電気と水道の引き込み状況も確認しておきたい

周囲に建物が立て込んでいる旗竿地の場合、電気や水道の引き込み状況も確認しておきましょう。古家が建っている場合でも、電線や水道管が隣接地の上空や地中を通っている可能性があります。

「敷地内まで引き込まれていない場合や、経由している隣接地の所有者から申し出があった場合、建築時に新たに引き込み工事を行う必要があります。電柱や電線の位置によっては、私設電柱を建てたり地中を通すなどの方法をとるため、工事費が高くなることもあります。
引き込み状況は土地を見ても分かりにくく、土地広告にも書いていないケースが多いため、購入する前に不動産会社に確認しておくことをオススメします」

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住宅密集地の場合、電線や水道管が隣接地に入り組んでいることも。購入間に確認しておくと安心です(画像提供/PIXTA)

設計の工夫で快適な住まいを手に入れよう

旗竿地は、道路に接する細長い路地部分に建物を建てるのが難しいため、一見すると無駄が多くなると思いがちです。しかし、土地の持つメリット・デメリットを知り、設計時に工夫をすることで、快適で暮らしやすい家を建てることが可能です。

記事でご紹介した購入時の注意点を参考に、依頼先とよく相談しながらプランニングを進めて、満足できる住まいを手に入れてください。

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取材・文/山南アオ
公開日 2019年12月13日
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