玄関土間の魅力とは?土間収納とは? 遊び場・作業スペースにもなる、万能空間のつくり方

最終更新日 2024年02月14日
玄関土間の魅力とは?土間収納とは? 遊び場・作業スペースにもなる、万能空間のつくり方

最近の建築事例を見て、素敵な「玄関土間」に目を留めることも多いのではないでしょうか。土間は、収納、趣味の空間、安全な子どもの遊び場など、内と外をつなぎ、フレキシブルに使える万能空間なのです。一口に土間といっても、プランは千差万別。自分たちらしい玄関土間のつくり方について、NLデザイン一級建築士事務所の丹羽修さんに伺いました。

土間とはどういうもの?

土間とは、屋内にありながら土足で過ごす場所を指します。基本的には外と同じか近い高さで、昔は玄関や勝手口から台所とつながり、外で使う道具や収穫した野菜を置いたり、汚れても大丈夫な作業場としての使い方が一般的でした。外と内をつなぐ緩衝地帯といった場所につくることが多く、玄関に限らず開口部付近につくられるものもあります。現在見直されている玄関土間は、アウトドア用品の収納や作業場、ペットの遊び場など、暮らし方に合わせて付加価値を付けた、少し広めの土足スペースといったタイプが多いです。

暮らしにフィットする玄関土間のつくり方とは

「玄関土間を広くつくれば、当然その他の居室の広さを譲ることになります。家の間取りで広さを上手に配分するには、玄関土間で「何をしたい」「何を置きたい」など使用目的を考えてプランナーにしっかりと伝え、優先順位をつけることが肝心です」(NLデザイン一級建築士事務所の丹羽修さん。以下同)

本来、玄関土間はフレキシブルに使える多目的空間なのですが、あらかじめ目的をしっかり考えておけば、壁掛けのために必要な壁の下地を整えたり、寒さ対策のために床暖房を設置したりと使い勝手の良い空間が誕生します。リビングを少し譲ってでもかなえたい使用目的や付ける機能を考えおくことで、住んでからの納得感も高まるでしょう。

「玄関土間をつくる場合、1つ注意があります。リフォームや中古を買ってリノベーションをする場合、もともとの基礎のレイアウトにより、広い土間がつくれないケースがあります。特に中古リノベーションの場合は、家を買う前に土間がかなうのか確認するのがよいと思います」

玄関土間
今も昔も、玄関土間は屋外のような使い勝手でありながら、天候に影響されにくいスペースとして重宝されてきた(画像提供/ハコリノベ)

玄関土間とは外と内をつなぐ家族の収納

土間の用途のひとつに、玄関の収納を充実させた「土間収納」があります。一般的な玄関のスペースが1畳~2畳なので、収納分としてのスペースがさほどプラスで取れないのであれば、玄関と一体化したオープンタイプにすると空間にゆとりを感じられます。4畳~6畳程度と広さにゆとりが取れる場合や、荷物の種類が多くて雑然としてしまうようなら、パーテーションなどを取り入れて少し目隠しをすると良いでしょう。既製品ではない収納の自由度を活かしてブーツや長靴を入れやすい棚のピッチにしたり、アウトドア用品をしまう棚やフックをつくったり、使い勝手は工夫次第です。壁に有孔ボードをはって好きなところにフックが掛けられるようにしておくのもオススメです。また、コート掛けのポールや姿見を付けておくと、外出時や帰宅時の身支度の場として重宝します。

土間のメリットを整理しよう

汚れを気にせずモノが置ける

アウトドア用品やスポーツ用具、園芸用品、土がついた野菜等を気兼ねなく置いたり、手入れなどの作業ができる。自転車やベビーカーやスーツケースなど、外で使うものもサッと屋内に入れられる
→収納、土がついたものなどの一時置き場、薪ストーブ設置場所、燃料や防災用品のストック置き場など

安全な遊び場になる

季節や天候、防犯面を心配することなく、屋外のように使える場所として重宝する
→子どもの安全な遊び場、ペットの遊び場など

居住空間と分かれた作業場になる

サーフボードのお手入れや観葉植物の世話など、汚れを気にせず趣味を楽しむ場として。また、普段家族が過ごす場と少し離れた集中できる空間として使える
→趣味の空間、書斎コーナーなど

そのほか、簡易なテーブルセットやベンチを置き、町内会など近所の人やセールス関係の訪問者との軽いコミュニケーションの場としても使えます。また、玄関から各部屋をつなぐフレキシブルな通路など、使い勝手のよい空間として重宝します。

土間のデメリットを確認しよう

ほかの部屋が狭くなる

限られたスペースをどうレイアウトすれば自分たちの暮らしによりフィットするのか、しっかり検討して納得できる広さを見つけましょう。なお、これから家づくりをするにあたって土間のスペースを優先してよいのか迷う場合、まずは土間を広めにつくっておくのも一つの手です。理由は、後から土間の上に床を張るのは簡単ですが、後から土間をつくるのは難しいからです。

寒さや湿気が気になることがある

地面からの寒さが伝わったり、狭く閉じたつくりでは湿気やにおいがこもることもあります。玄関土間をつくる際は、しっかりした断熱対策や換気など湿気対策をしておくと過ごしやすい空間になります。夏はひんやりと涼しい空間として使えますが、冬場は断熱材だけでは冷気が伝わったり、温まりにくいことも。長時間使う場合は床暖房を入れたり、薪ストーブを置く空間を兼ねると快適に使えます。

土間とリビングなどを広くつなげる間取りの場合は、どうしても暖房効率が落ちがちです。引き戸などを設けて仕切れるようにしておくと、エネルギー効率がよく、プライバシー性も保ちやすくなります。

なお、汚れたものを置いたり、汚れる作業をする場として土間を使う場合は、掃除がしやすい床材や水栓の設置なども合わせて検討しておくのがオススメです。

玄関土間を上手に活かした暮らしのヒント

収納、遊び場、インテリアのハイライト……。玄関土間をすてきにかなえた実例を見て、自分たちの玄関土間づくりに活かしましょう。

趣味の収納・作業場としての玄関土間

アウトドア用品や外で使うものをまとめる場合は、棚やフックなど収めるものに合わせて計画を。自分で棚などをつける場合も、壁の下地は不可欠なので、思惑は事前に伝えてく必要がある。テーブルセットが置けると作業がしやすく重宝します。

趣味の収納・作業場としての玄関土間
(写真協力、設計・施工/スクールバス空間設計)

リッチな収納と空間をつなぐ通路を兼ねる玄関土間

趣味の自転車など外で使うものを収めつつ、ウォークスルーになっているキッチンへの通路としての役割もある玄関土間。買い物してきた荷物は靴を履いたままキッチンまで運べる、使い勝手のよいスムーズな動線。

ウォークスルーになっているキッチンへの通路としての役割もある玄関土間
(写真協力、設計・施工/インテリックス空間設計)

ペットの足洗い場がある玄関土間

玄関土間に水栓があると、帰宅後すぐの手洗いや散歩帰りのペットの足を洗えるので、汚れを家の中に持ち込まずに済みます。また、外遊びの道具を洗ったり、玄関土間で植物の世話などの作業がしやすく便利。玄関土間自体の掃除にも重宝します。

ペットの足洗い場がある玄関土間
(写真協力、設計・施工/未来工房)

坪庭風の遊びがある玄関土間

玄関土間に飛び石を設けて坪庭風の趣がある玄関土間。靴を履いたまま使う土間の中に、裸足で歩ける通路として飛び石が機能し、空間を上手につなぎます。訪問者が100%目にするスペースゆえに、こだわりのインテリア空間として思う存分楽しむのも◎

坪庭風の遊びがある玄関土間
(写真協力、設計・施工/てまひま不動産)

居室のプライバシーと採光を実現する玄関土間

マンションの共用廊下側の部屋はプライバシー面を不安に思う人も、リフォームで玄関から廊下に沿って土間を設けるとワンクッションおけて安心。事例のように内窓を設けると、プライバシーを守りつつ、換気や採光がしっかりできようになります。

居室のプライバシーと採光を実現する玄関土間
(写真協力、設計・施工/ハコリノベ)

最近、自由な使い勝手が見直されて人気の玄関土間ですが、使用目的により選ぶプランは異なるもの。どんなふうに使いたいのかをしっかり掘り下げ、自分の暮らしにフィットする玄関土間づくりを楽しみましょう。

まとめ

玄関土間は土足で過ごす、屋外と屋内をつなぐ場所

アウトドア用品の収納、趣味の作業スペースなど、汚れを気にせず使える

居室部分を減らしてつくる意味をしっかり考えて、暮らしにフィットした玄関土間をつくろう

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取材・文/竹入はるな 
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