土間のある家を建てたい! 使い方は? メリット・デメリットは?

いまどきの土間ってとってもオシャレな空間になっていることをご存じですか。せっかく自分たちオリジナルの家を建てるなら、そんな土間空間をつくってみたい。漠然とそう考える人は意外と多いかも。そこで土間のメリットやデメリット、その役割やつくり方のポイントについて、建築家の三澤文子さんに聞いてみました。

そもそも土間とはどんな空間?

「土間とは、土足の空間をとらえています。ただし、標準的な広さの玄関であれば、土間とは呼びません。靴を履いたり脱いだりする以外に、さまざまな活用方法がある。ある程度広い空間に、改めて『土間』という名称をつけるのが一般的です」(三澤さん、以下同)

土間は昔の日本の家、特に農家では当たり前についている空間でした。三和土(たたき)と呼ばれ、タイルやコンクリート、漆喰(しっくい)を固めた床材でできていましたが、野菜など農作物の下準備や保存をしたり、かまどがあって炊事をしたり、多彩な使われ方をしていました。家の中なのに土足OKですから、汚れたものや水を使う作業でもメンテナンスがとても簡単というわけです。

「日本の家づくりの特徴のひとつに、建物の外と内の中間領域のような、曖昧な空間が用いられる点があります。土間をはじめ、縁側などもそうした空間といえるでしょう。日常生活の中で機能性を発揮しながらも、ゆとりを感じさせてくれる、そんな貴重な空間ですね」

玄関から庭をつなぐクランクした「通り土間」。ご近所に開放したサロン空間も備える(撮影/浅田美浩 ヴィブラフォト)

土間の活用法にはどんなものがある?

便利でゆとりを感じさせる空間として、静かな人気となっている土間。現代の土間はどのように活用されているのでしょうか。分かりやすいのは、玄関から続くウォークインの収納スペースですね。季節ものなど大きなものまで収納できるスペースは、家族みんなに重宝されるはず。それ以外にも、いろいろ楽しい活用法があるといいます。

ひとつめは、ちょっとしたコミュニケーションの空間です。
「土間を広くとることで、さまざまな可能性が生まれます。応接用のテーブルと椅子を置くことで、気兼ねのない接客スペースになります。まるでカフェのような気持ちのよさで、接客のためだけでなく、家族のためのくつろぎの空間にもなります。土間があることで、部屋に上げるハードルが低くなるからか、友人が集まりやすくなりますので、どの世代にとっても生活が楽しくなるはずです」

高齢のご夫妻のための住まいだが、土間空間ができたことで、「近所のお友達が、以前よりもよく遊びに来てくれるようになりました」と、とてもうれしそう

ふたつめは、趣味のための空間としても大活躍します。
「大好きな道具を保管したり、つくったものを展示したり。またお気に入りの自転車やキャンプ道具などを見せながら保管できます。大切で愛着のあるものを眺めながら暮らす。きっと楽しいでしょう」

手づくり仕事が好きなお父さんの、いわば工房のある土間。家族用勝手口でもあり、子どもたちの靴がたくさんあっても、気にならない

さらに今では、マンションに土間もトレンドになっています。限られた空間に土間をつくることで、風通しが良くなったり、開放感が得られたりします。
「例えば下の写真では、マンションの玄関を間口いっぱいに広げています。これにより、玄関と両サイドの窓から、反対方向のリビングのテラス窓まで、3本の風の道ができました」

雪見障子風の通風建具を取り付けることで、プライバシーを守りつつ窓を開けることができる。「マンションでは諦めていた、風通しの良さが実感でき、とても気持ち良く暮らせています」とは施主の感想(「中京・風の舎」、撮影/畑拓)

土間をつくるときの注意ポイントは?

では、実際の土間のある家を考えるとき、注意しなければいけないポイントはどんな点でしょうか。

「一番のポイントは床材を上手に選ぶことです。家の内部と外部につながっているので、できれば同じ素材で統一したいもの。一般的には滑りにくい外部用の石やタイルなどを選びます。またインテリアの重要な要素になるので、色やテクスチャーなど、全体的に調和して落ち着いたものにしたほうがよいでしょう。

ただし、土間をつくる費用は、使う素材によってかなりの差が出ます。値の張る石やタイルから、比較的安価なコンクリートまで、予算に合わせて考えてみてください。しかし、どの素材を採用しても、土間の特徴でもある水に強くてメンテナンスが楽というメリットは享受できます」

夢が広がる土間づくりですが、デメリットがあることも頭に入れておきたいものです。それは土間にスペースをとられることで居住スペースが多少なりとも圧迫されたり、冬には家の中が冷えたりしやすいという点です。さらにマンションの場合は、階下への音の配慮から、浮き床にして下地をつくりタイルを貼るとベターです。

これらのことに配慮した上で、オシャレで暮らしやすい、オリジナルの土間を考えてみてください。家づくりの楽しみがきっと広がります。

建物の外部と見事に調和した広々とした土間。ゆとりあるユーティリティーな空間として、活用法も多彩だ
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取材・文/ブリーズ斉木一夫 写真提供/Ms建築設計事務所(掲載写真すべて)
公開日 2018年09月06日
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