シンボルツリーのおすすめは? 常緑樹と落葉樹のどちらがいい? シンボルツリーの基礎知識

シンボルツリーのおすすめは? 常緑樹と落葉樹のどちらがいい? シンボルツリーの基礎知識

建物とともに家の印象を左右する庭。特に初めて訪れるゲストにとって、家の正面に構えるシンボルツリー次第で家の印象は随分と変わります。そんな大切なシンボルツリーはどのように選べばいいのでしょう。シンボルツリーに詳しい住友林業緑化の小川洋生さんにお話を聞きました。

シンボルツリーとは?

シンボルツリーとは家の顔になる樹木

シンボルツリーは、文字どおり住まいの象徴になる樹木を指します。特にこの樹木を植えなければならない、といった決まりはなく、基本的に樹形や葉の色の好みで選んでよいのですが、玄関まわりに植えるため、選び方や植え方次第で家の印象を左右します。樹木の選び方や注意点について、下記で見ていきましょう。

家や他の樹木とのバランスが大切

まずは「全体のバランスに注意しましょう。そのためには家より高くなりすぎず、低くなりすぎない程良い高さのバランスになる樹木を選ぶと良いでしょう」と小川さん。さらに「シンボルツリーを補って調和をとるサブツリーや低木などをバランスよく組み合わせることで、家の印象をより引き立てることができます」。

特に重要になるのは正面の植栽です。家の印象を際立たせるためには、全体のバランスを見て、シンボルツリーやサブツリーなどの樹木を配置することが重要になります。

建物の正面の植栽が自宅の印象を高める
シンボルツリーとは?
シンボルツリーとサブツリーなどのバランスが取れると、家の印象もグッとアップします。【画像】立川第二展示場(画像提供/住友林業)

ライトアップすると、夜景も美しくなる

シンボルツリーを含む植栽は、ライトアップすることで夜も楽しむことができます。LEDの普及によって、寿命が長くて電気代を抑えつつ、ライトアップを楽しむことができるようになりました。ライトアップされた庭は昼間とは違う一面を見せ、住む人を楽しませてくれます。

シンボルツリーの選び方

玄関の方位によって選び方を変える

樹木には日当たりを好むものもあれば、苦手なものもあります。西日が苦手だったり、朝日を好む樹木もあります。そのため「シンボルツリーを植える場所、つまり玄関の方位に合わせて樹木を選ぶようにしましょう」。わからない場合は植栽の施工会社や樹木の販売会社等に相談しながら決めるとよいでしょう。

玄関の東西南北別の主な注意点は下記の通りです。

北玄関:北側でも植栽する部分の奥行きを取るようにして、なるべく日が当たり、風通しをよくするようにすると良いでしょう。またソヨゴなど比較的寒さに強く、日陰を好む種類の樹木が適しています。

南玄関:夏の日差しを優しくさえぎってくれ、冬は暖かい日差しを届けてくれる落葉樹が適しています。その中でもヤマボウシなど日当たりを好む樹木がおすすめです。

西玄関:夕方に強い日差しが当たる西玄関の場合、日差しに弱い樹木だと葉焼けを起こしてしまいます。サルスベリのような西日に強い樹木を選ぶと良いでしょう。

東玄関:朝日の当たる東側玄関の場合、日中は木漏れ日程度の半木陰になります。ハナミズキのように、それほど日光が当たらなくても育つ樹木を選ぶと良いでしょう。

常緑樹、落葉樹 どっちがシンボルツリー向き?

樹木には大きく分けて「常緑樹」と「落葉樹」があります。常緑樹とはその名の通り1年中緑の葉をつけている樹木を指します。対して落葉樹は秋になると葉を落とし、春に新しい葉をつける樹木のことです。1年中葉の落ちない常緑樹は外からの視界を遮りたい場合に適しています。一方落葉樹は、夏は葉が生い茂ってリビングに日陰をつくってくれますし、冬は葉が落ちるので暖かい日差しがリビングに差し込みます。このようにそれぞれの特性や植える位置を踏まえて樹木を選定するのがおすすめです。

「誕生日の樹」や、地域に根付いた自生植物という選択肢も

シンボルツリーに記念樹を選ぶ、という方法も。「誕生日の樹、というのも人気です」と小川さん。「”誕生日の樹“は365+1日の樹木(※)があり、子どもの誕生日の樹木などを記念に植える方もいます。いずれにせよ記念樹は育てる楽しみもあると思います」

※日本植木協会が選定

そのほか、地域にもともと自生していた植物からシンボルツリーを選ぶというのもおすすめです。自生していたということは、その地域の気候や土壌といった自然条件等に適しているということでもあるからです。「一方で、植物の中には地域の自然環境に悪い影響を与えるような植物(移入植物)もあります。そこで私たちは生態系を考慮した上で、植物を選んでいます。こうした生物多様性に配慮した植栽計画を、私たちは『ハーモニックプランツ』と呼んでいます」

まずは地域に自生していた植物にどんなものがあるのか、調べてみると良いでしょう。

サブツリーの選び方

サブツリーとは、シンボルツリーを引き立てる役の樹木のことです。サブツリー選びは、シンボルツリーとの樹高のバランスがポイントになります。またシンボルツリーが常緑樹ならサブツリーは落葉樹にするなど、2種類を1セットで、検討すると良いでしょう。サイドツリーには、建物の左右や裏側にある室外機や給湯機などの設備や物置などを隠す効果も。また、サブツリーのほかにもブラインドツリーや低木、灌木(かんぼく)、下草類など、さまざまな役割のある樹木があり、これらを上手に配置することで家全体をより美しく見せることができます。
家の正面がシンボルツリー。サブツリーは、外観や外構の調和をとり、サイドツリーは建物側面に配置。ブラインドツリーは窓の近くなどに植え、視線・目線をさえぎります。

人気のシンボルツリー 9種

先述の通り、建物とのバランスや植える場所の方向に注意して樹木を選ぶようにすることがおすすめですが、それでも樹木はたくさん種類があり、絞りきれないという人もいるのではないでしょうか。ここでは人気のシンボルツリーを数例紹介しますので、参考にしてみてください。

■オリーブ~洋風ガーデンを代表する地中海生まれの木
常緑高中木
地中海沿岸地方でよく栽培されている樹木で、葉の裏が白いという特徴があります。花は黄白色で5月から6月にかけて、かすかに甘い香りを伴いながら咲きます。10月~11月につける果実は収穫して食材にすることできます。暖かくて雨の少ない環境を好み、丈夫で耐寒性も強く、やせ地や荒地でも丈夫に育ちます。

シンボルツリー オリーブ
(画像提供/PIXTA)

■ソヨゴ~風にそよぐ葉音や冬の赤い実を楽しめる
常緑高中木
葉が風に吹かれて擦れると、独特の音がすることから「ソヨゴ」と名付けられたと言われています。小さくて白い花が6月ごろに咲き、秋になると赤い実をつけます。生長が遅く、自然に樹形が整うため、お手入れがラクなことが人気の一因。夏の熱い日差しが苦手なので、直射日光があまり当たらない場所がおすすめです。

シンボルツリー ソヨゴ
(画像提供/PIXTA)

■イロハモミジ~日本で最もポピュラーな紅葉樹
落葉高中木
日本の秋を彩る紅葉樹の中で、最もよく見られる樹木です。紅葉の見ごろは11月~12月。手のひら状の葉が黄褐色から赤く染まり、散っていきます。寒暖差の大きい環境ほど、より深い紅葉を楽しめるはずです。植栽するタイミングは落葉後、水はけが良く肥沃な土壌に行いましょう。

シンボルツリー イロハモミジ
(画像提供/PIXTA)

■アオダモ~最近人気が出てきた、自然林を感じさせる樹木
落葉高中木
春になると小さな白い花が寄り添うように咲きます。その姿に趣があり、最近庭木として人気です。幹は野球のバットにも用いられているほど、硬く粘りがあります。乾燥に比較的強いので育てやすい樹木です。植え付けする場合は3月~7月、または9月下旬から11月が適しています。

シンボルツリー アオダモ
(画像提供/PIXTA)

■ヤマボウシ~初夏の白い花と秋の赤い実が季節を彩る
落葉高中木
白い花が6月ごろに咲き、赤い実を9月~10月につけます。白ではなく赤い花の品種や、枝が垂れ下がる(枝垂れ)品種などさまざまな種類があります。病害虫には比較的強いのですが、たまにカミキリムシの幼虫が発生することがあります。また、すす病を抑えるために風通しの良い場所に植えると良いでしょう。

シンボルツリー ヤマボウシ
(画像提供/PIXTA)

■ヒメシャラ~滑らかで美しい幹の肌と、白い小花が魅力
落葉高中木
樹高の高い樹木です。幹は生長すると赤褐色になり、表皮がサルスベリの木のように滑らかになります。夏になると白い花を咲かせます。その葉や枝ぶりなど、樹の姿に和の趣が感じられるとあって人気の樹木です。水はけの良い土壌に3月~4月、または10月中旬~11月に植え付けると良いでしょう。

シンボルツリー ヒメシャラ
(画像提供/PIXTA)

■エゴノキ~かわいい小花をつり下げる里山の樹
落葉高中木
日本全国の雑木林に見られる樹木です。5月~6月に白い、星の形をした可憐な花を枝からつり下げるように咲かせることで人気があります。日当たりが良くて、水はけの良い肥沃な土壌に植えると良いでしょう。植え付ける時期は11月~12月、または2月~3月がおすすめです。

シンボルツリー エゴノキ
(画像提供/PIXTA)

■ハナミズキ~J-POPの歌でも有名な、アメリカを代表する樹種
落葉高中木
明治時代に東京市がアメリカに桜を贈った際、その返礼として贈られたのがハナミズキです。J-POPの歌でもその名が広まりました。4月~5月に花を咲かせますが、花の色は白や赤などたくさんの品種があります。水はけが良く肥沃な土壌を好みます。病害虫の発生に注意しましょう。

シンボルツリー ハナミズキ
(画像提供/PIXTA)

■アオハダ~のびやかな樹形と明るい葉色が人気
落葉高中木
美しい樹形が人気の樹木です。小ぶりの葉が、秋になると黄色に色づきます。葉がまだ緑のころに、小さな赤い実をつけますが、実を楽しむには雌雄株を植え分ける必要があります。有機質を含む肥沃な土壌が適しています。また保湿性を持たせるために、土の表面に木片などで工夫すると良いでしょう。

シンボルツリー アオハダ
(画像提供/PIXTA)

シンボルツリーを植える際の注意点

生長した姿を想定しておく

当然ながら樹木は生長します。樹種によっては想像していたより枝が張りだしたり、落葉樹の場合は落ち葉のシーズンには自宅の敷地外に落ち葉が舞うと、ご近所とのもめ事が起こりかねません。どこにどんな樹木を植えるのか慎重に検討し、植えた後の剪定のタイミングなども植える際に確認しておくようにしましょう。

また樹木の種類によってカイガラムシをはじめさまざまな害虫がつくことがありますので、手入れは必要です。例えば「生長のスピード」、「虫のつきやすさ」など、樹木によって特徴が違います。手入れが面倒であれば、植栽を依頼する会社にその旨を伝えて、手間のかからない樹木をプランニングしてもらったり、手入れの仕方を聞いておくようにしましょう。

これらを踏まえた上で、どんな樹木がシンボルツリーとして「わが家のシンボルツリー」はどんな樹木がいいのか、家族と一度話し合ってみましょう。

まとめ

住まいの顔となるシンボルツリーは、建物や他の樹木とのバランスがポイント

地域や植える場所の方位によって、適している樹木がありますから、事前に確認しましょう。

剪定や害虫対策といったメンテナンスのアドバイスを聞いてから選ぶようにしましょう。

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取材・文/籠島康弘 
公開日 2019年12月27日
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