二世帯住宅の基本 気になる建築費、みんなの平均は?

二世帯住宅の基本 分離・一部共有・同居、あなたはどのプランにする?

子世帯と親世帯が同じ建物で暮らす「二世帯住宅」。ひとつの家族だけで暮らすための家よりも床面積が大きかったり、キッチンなどの設備が複数あったりで、建てるための費用の目安がつかみにくい。今回は、二世帯住宅の規模や建築費用の相場と、コストを左右するポイントや税制面でのメリットについて紹介する。

二世帯住宅の基本 気になる建築費、みんなの平均は?

二世帯住宅の大きさや建築費はどれくらい?

「二世帯住宅」は大きく分けて3タイプ。設備も空間もみんなでいっしょに使う「完全同居」、世帯ごとのプライベートな空間を確保しつつ玄関など一部を共用する「一部共用」、玄関も空間もすべて分ける「完全分離」だ。
二世帯住宅の建築費は、どれくらいの大きさの家にするか、3タイプのどれにするかによっても違ってくる。

ここではまず、「2014年 注文住宅動向・トレンド調査」(リクルート住まいカンパニー調べ)から、平均の床面積と建築費用を見てみよう。

延床面積と建築費の平均

親や子との同居ではなく、単世帯で建てた家の平均延床面積は43坪(141.9m2)、親世帯と子世帯が同居する二世帯住宅の場合は57坪(188.1m2)で、二世帯住宅のほうが約1.3倍の広さだ。坪数で見ると平均で14坪(46.2m2)、二世帯住宅のほうが広くなっている。

平均建築費を比べてみると、単世帯は2625万円が平均。二世帯住宅は約1.4倍の3566万円だ。二世帯住宅のほうが床面積が大きく、それに伴って建築費も高くなっていることが数字にもあらわれている。

二世帯住宅3タイプで建築費が高くなるのはどのタイプ?

では、「完全同居」「一部共用」「完全分離」のタイプ別の平均建築費を見てみよう。

二世帯住宅のタイプ別 平均建築費

タイプ別の平均建築費は「完全分離」「一部共用」「完全同居」の順に高く、住空間の独立性が高くなるほどコストがかかる傾向が見える。

完全同居タイプの平均建築費は3200万円。完全同居タイプの場合、個室や収納スペースは多くなるが、キッチンや浴室などの設備も、玄関やLDKなどの空間もすべて共用だ。基本的には単世帯の住宅と仕様は大きく変わらない。それでも建築費用の平均が単世帯よりも575万円上回っているのは、床面積が大きいこと、部屋数が多い分、ドアや窓の数が多いこと、ケースによってはミニキッチンや洗面室、シャワーブース、トイレなど、専用に使えるサブ的な設備を付けることでコストが増えていることが考えられる。

平均建築費が3タイプのなかで最も高いのは完全分離タイプで4009万円。完全同居タイプと比較すると1.25倍、金額では約800万円と大きな差だ。2軒の住宅を一体にしたプランになるため、玄関も水まわり設備もそれぞれの世帯に設置され、コストが高くなるのだ。

一部共用タイプは、玄関が1つだったり、水まわり設備を共用したりしている分、すべてが2軒分の完全分離タイプに比べれば、3695万円と平均建築費は低くなっている。

一部共用タイプでは、どこを共用している?

一部共用タイプの二世帯住宅で、どのスペースや設備を共用するかはさまざま。実際に建てた人たちは、どこを共用しているケースが多いのだろう。

同居世帯と共用している部分

最も多いのは玄関、次に浴室。どちらも一部共用タイプの二世帯住宅の3軒に2軒は、親世帯と子世帯が共用しているという結果が出ている。玄関は、1カ所にすることで内部での行き来がしやすくなるほか、居住スペースも広くできる。お風呂はシステムバスの場合、数十万円から数百万円と価格の幅が広く、2つ設置すると設備費用が2倍になる。2カ所にあると、水道代やお湯を沸かす電気代やガス代などランニングコストも多くかかる。コストの面から共用を選ぶ人が多いと考えられる。

3割以上の二世帯住宅で共用しているのは、キッチン、ダイニング、リビング、階段。共用しているのは4~5軒に1軒程度なのが洗面所やトイレ。ほかに納戸やベランダは共用率は低い。お風呂を共用していても、自分たちの住空間にトイレと洗面所だけ設けている二世帯住宅も多そうだ。

玄関やお風呂に比べて、LDKの共用が少ないという結果からは、玄関を入って、内部で親世帯、子世帯の居住スペースに分かれて独立性を確保しているが、日々のコストを考えてお風呂は共用する、という一部共用タイプの二世帯住宅のライフスタイルが見えてくる。

コストを下げて、完全分離や一部共用にするには?

完全同居タイプに比べて、建築費がかかる一部共用や完全分離タイプ。「ほんとうは一部共用や完全分離にしたいけれど、予算を考えて完全同居」という場合、コストを下げる工夫で、一部共用や完全分離を実現することができるかもしれない。

例えば、価格が高い浴室やキッチンは共用にするなど設備のコストを下げたり、全体的に床面積を小さくしたり、各世帯のスペース内の間仕切りを少なくして材料費を抑えたり。また、外観や屋根の形をできるだけシンプルにすることでも建築コストは抑えられる。予算内で、希望のタイプが実現できる工夫はないか、建築会社に相談して理想の二世帯住宅を形にしよう。

二世帯住宅のメリット! 相続税対策としても有効?

2015年1月1日から、相続税の基礎控除額が縮小する。そのため、これまでは相続税の課税対象にならなかった人にも、課税される可能性が出てくる。

相続税の課税対象として多いのは「土地」。土地にかかる相続税を抑えることができれば、相続税の節税につながる。実は、二世帯住宅はこの土地の相続税の節税に有効。

親といっしょに住んでいる二世帯住宅の場合、土地の評価額が80%減額される「小規模宅地等の特例」が適用されるが、2015年1月1日以降は、対象になる土地の面積がこれまでの240m2から330m2に緩和される。つまり、二世帯住宅の土地は100坪までは相続税が大きく節税になるのだ。

実家を建て替えるための「土地」と「二世帯住宅」の基礎知識を紹介してきたが、自分たちの場合は、どんな家が実現可能か、詳しくは住宅メーカーや工務店に相談してみよう。

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文/田方みき イラスト/いぢちひろゆき
公開日 2015年05月13日
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