ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットやツーバイフォー材(2×4)のサイズはどのくらい?

ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットやツーバイフォー材(2×4)のサイズはどのくらい?

ハウスメーカーのカタログや戸建住宅のチラシなどで「ツーバイフォー」という建築用語を目にしたことはありませんか?そこで今回は、ツーバイフォー工法の仕組みやメリット・デメリットなどについて、日本ツーバイフォー建築協会に伺いました。

ツーバイフォー工法(2×4工法)ってどんな構造?

床や壁などの「面」で支える「面構造」

ツーバイフォー工法の大きな特徴は、床や壁などの「面」で建物を支える「面構造」であることです。

「ツーバイフォー工法の建築基準法上の名称は『枠組壁工法』といいます。名前のとおり、サイズが約2インチ×約4インチなどの木材を組んで『枠組』をつくり、この枠組に『構造用面材』を接合して剛性の高い版(ダイアフラム)を構成し、それらを専用の金具・金物などで一体化して、頑強な六面体構造を形成する工法です。

ツーバイフォー工法の「面」となる、壁版と床版
ツーバイフォー工法の壁版と床版イメージ
壁版と床版は、ツーバイフォー材などの構造用製材(木材)を組んで枠組みをつくり、そこに構造用面材(合板など)を接合してつくります(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

六面体構造のツーバイフォー工法は、地震や台風などの外力を1点に集中させず、バランスよく分散させて建物の変形や崩壊を防ぎます。さらに気密性も高く、優れた耐火性、省エネルギー性、遮音性などを備えています」(日本ツーバイフォー建築協会。以下同)

ツーバイフォー工法の構造
ツーバイフォー工法の構造イメージ
床、壁、天井による六面体構造(箱構造)は、地震や台風などの外力をバランスよく分散させます(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

構造用製材には、2×4材~2×12材などの規格材を用いる

ツーバイフォー工法の壁版と床版をつくる構造用製材には、2×4材や2×6材、2×10材などの規格材を用います(下表参照)

よく使われる資材の名称 サイズ
2×4材 38mm×89mm
2×6材 38mm×140mm
2×8材 38mm×184mm
2×10材 38mm×235mm
2×12材 38mm×286mm
4×4材 89mm×89mm

「ツーバイフォー工法という名称は、構造材として2×4材を多く用いることからきていますが、使用する部位によって2×6材、2×8材、2×10材、2×12材などの規格材を用います。例えば、強度を持たせたい2階以上の床には2×10材などを、断熱性を持たせたい外壁には2×6材などを用います。

これらの構造用製材は、日本農林規格(JAS)やJAS同等の海外規格によって厳しく品質がチェックされ、使用する箇所ごとに製材品の種別なども定められています」

ツーバイフォー工法の中心となる、6種類の構造用製材
ツーバイフォー工法の中心となる6種類の構造用製材イメージ
(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

(1)2×4材(厚さ2×幅4インチの角材)
(2)2×6材(厚さ2×幅6インチの角材)
(3)2×8材(厚さ2×幅8インチの角材)
(4)2×10材(厚さ2×幅10インチの角材)
(5)2×12材(厚さ2×幅12インチの角材)
(6)4×4材(厚さ4×幅4インチの角材)

「構造用製材は、いずれのサイズも木が用いられています。木は、水や空気などの自然資源と太陽エネルギーを元に育まれた、再生可能な循環資材です。一度利用した木材のリサイクルや、廃材をエネルギーとして活用することで化石燃料の消費の抑制にもつながります。

さらに、木はCO2を吸収して樹体内に炭素として貯蔵し、製材後もストックし続けます。つまり、木を使ったツーバイフォー住宅を建てることは、CO2削減に寄与することにもつながります」

ツーバイシックスや在来工法との違いは何?

ツーバイシックスは枠組壁工法で、使用する構造用製材のサイズが異なる

ハウスメーカーのカタログで「ツーバイシックス工法」という名称を目にしたことはありませんか?

「ツーバイシックス材を構造用製材に用いた壁版を、建物の外壁に使った場合に『ツーバイシックス工法』と表記するハウスメーカーがありますが、構造自体はツーバイフォー工法と同じ面構造で、建築基準法の分類もツーバイフォー工法と同じ『枠組壁工法』になります。

ツーバイシックス材を用いた壁版は、ツーバイフォー材を用いた壁版よりも厚くなります。この厚みにより、上からの荷重に耐える強度がアップしますし、壁内に断熱材を多く入れられるため断熱性や省エネ性もアップします。この特徴を活かし、ハウスメーカーのZEH(※)は外壁にツーバイシックス材の壁版を使用しているケースが主流となっています。

ツーバイシックス材を用いると、木材の費用が高くなったり、断熱材の使用量が増えたりする分、構造体にかかる建築コストは若干高くなります。しかし、高い断熱性や省エネ性を求めるなら、ツーバイシックス材を選択するのもよいと思います」

※ZEH=断熱性の大幅な向上、高効率な設備システムの導入、空気環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギーを導入することにより、年間のエネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅のこと

在来工法(木造軸組工法)とは、構造体のつくり方が異なる

日本の木造住宅は、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)と木造軸組工法の主に2つに分類されます。

枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は、コンクリートの土台の上に、前述のとおり、ツーバイフォー材などの木材を組んだ枠組に構造用面材を接合してつくられた剛性の高い版で、壁や床などの六面で構造体をつくる工法です。

ツーバイフォー工法のイメージ
ツーバイフォー工法のイメージ
(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)
ツーバイフォー工法の建て方のイメージ
ツーバイフォー工法の建て方のイメージ
ツーバイフォー工法の建て方のイメージ
ツーバイフォー工法の建て方のイメージ
1:基礎工事、2:1階床工事、3:1階壁工事、4:2階床工事、5:2階壁工事、6:小屋組み工事(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

一方、在来工法とも呼ばれる木造軸組工法は、コンクリートの土台に柱を立て、柱を立て、梁を水平に渡し、筋交いという斜めの材を入れながら構造体をつくる工法です。

つまり、両方とも構造体に“木”を使いますが、つくり方は全く異なる工法といえます。

木造軸組工法のイメージ
木造軸組工法のイメージ
(画像提供/PIXTA)

ツーバイフォー工法の住宅を建てるメリットは?

メリット1:耐震性

ツーバイフォー工法は、剛性の高い床版や壁版などを組んでできる強固な六面体構造の住宅をつくります。この六面体構造は、地震で発生する縦揺れ・横揺れなどの外力を建物全体で受け止め、荷重を全体に分散させることでねじれや変形を抑え、建物の全半壊を防ぎます。

六面体構造のイメージ
六面体構造のイメージ
(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

「地震大国である日本では、耐震性の高い家を建てることは、大切な家族を災害から守るうえでも最も重要なことのひとつです。ツーバイフォー工法は、1974年に建築基準法に基づく技術基準が告示され、約45年間で300万戸を超える住宅が建てられていますが、この間に起きた阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震など、震度6、7の大震災において、ツーバイフォー住宅の被害は少なく軽微なものでした。

例えば、2011年に起きた東日本大震災では以下の調査結果のとおり、ツーバイフォー住宅の被害は全壊・半壊の要因は地盤によるものが多く、地震による建物の変形が要因での全壊はゼロ、半壊は2件で、全体としては98%以上が「被害なし及び多少の被害」という結果で、ツーバイフォー住宅はここでも優れた耐震性を示しました」

■津波を除く被害
被害程度 合計 強震変形 地盤崩壊 液状化 類焼他
全壊 7 0 6 0 1
半壊 69 2 33 34 0
一部損壊 413 319 61 16 17
小計 489 321 100 50 18
多少の被害有及び被害無 19,633
合計 20,122

メリット2:耐火性

ツーバイフォー工法は、通常、各部屋の壁や天井の内側全面に厚さ12.5mm以上の石膏ボードを貼ります。石膏ボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こし、約20分間水蒸気を発散し続けます。これにより、火災が発生しても天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が着火点(約260℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。

さらに、ツーバイフォー工法は、火の通り道となる壁や床において枠組材などがファイヤーストップ材となり、空気の流れを遮断することで火の燃え広がりを防止します。

ファイヤーストップ構造
ファイヤーストップ構造のイメージ
ツーバイフォー工法は、枠組材などの構造材が火の通り道を塞ぐ、独特のファイヤーストップ構造です(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

メリット3:省エネルギー性

ツーバイフォー工法の六面体構造は気密性が高く、優れた断熱性を発揮します。

また、建物の外壁は外気温の影響を受けにくい木材でつくられた枠組みに、屋外側は構造用面材、室内側は石膏ボードが張られて、その内部には断熱材が施されます。さらに、最上層の天井と1階の床内部にも断熱材を施して建物全体を断熱材ですっぽりと覆うことにより、断熱効果を一層高めています。

ツーバイフォー住宅の断熱構造図
ツーバイフォー住宅の断熱構造図のイメージ
外壁、最上層の天井、1階床を断熱構造とすることで断熱効果を高め、省エネルギー性をアップ(画像提供/日本ツーバイフォー建築協会)

メリット4:遮音性

ツーバイフォー住宅の六面体構造は気密性が高いことや、建物の外壁が構造用面材や断熱材、石膏ボード、外壁材などさまざまな素材によって形成される多重構造であることから、家の内外の音の出入りを抑える遮音性を高めています。

メリット5:耐久性

ツーバイフォー住宅では、構造用製材に含水率19%以下のJASに基づく乾燥材を使用しています。
また、床下の土壌にはあらかじめ防蟻剤を塗布したうえで、地盤面に防湿シートを敷き込み、地盤から発生する水蒸気を遮断。さらに1階の床組や床立ち上がり部分などの木材には防腐・防蟻剤を塗布する2重3重の対策により耐久性を確保しています。

メリット6:小屋裏空間の活用

ツーバイフォー住宅では、屋根裏の構造がシンプルになるため、小屋裏を活用することができます。例えば、屋根勾配を利用して天井の高い部屋にしたり、小屋裏空間を収納スペースなどに活用できます。小屋裏空間をつくる場合、ドーマー(小さな三角屋根などがついた窓)で採光を取り入れるとよいでしょう。

ツーバイフォー工法の住宅を建てるデメリットは?

デメリット:建築コストを構造体で削減できない

建物を予算内に収めるために、建築コストの削減を検討するケースは多いものです。

木造軸組工法の場合、柱や梁などに使う樹種やサイズを変えることで、構造体でコストを調整することが可能です。一方、ツーバイフォー工法の場合、構造体に使う部材はJASやJISの適合品を使用するように建築基準法で定められており、変更はできないため、構造体でコスト調整し、価格を下げることはできません。

「構造部材が規定で定められているため、構造体でコストを抑えたいという要望に応えるのは難しいといえます。つまり、ツーバイフォー工法で建てた家は、坪単価100万でも坪単価50万でも、構造体にかかるコストは同じです。

これは、裏を返せば、ツーバイフォー工法で建てた家は、建物の価格に関わらず、耐震性や耐火性、耐久性などの性能が確保されていて、安全・安心であると言えると思います」

住宅のコスト削減のイメージ
ツーバイフォー工法の場合、構造体でコストを削減することはできません(画像提供/PIXTA)

ツーバイフォー工法のメンテナンスで気をつけることは?

構造体のメンテナンスの注意点は在来工法と同じ

住宅のメンテナンスは、構造体と、住宅設備や内外装に分けて考える必要があります。

住宅設備や内外装のメンテナンスは、築15~20年を目安に、設備機器の交換や内外装の張り替え・塗り替えなどを必要に応じて行います。

構造体のメンテナンスは、木造住宅か、鉄骨住宅やコンクリート住宅かによって大きく異なります。木造住宅の場合、日本は湿気が多いため、腐食やシロアリ被害に注意が必要です。建築エリアによりますが、5~10年に1度は防蟻(ぼうぎ)処理を行うとよいでしょう。

「現在、大手ハウスメーカーの保証期間は最長60年です。つまり、適切にメンテナンスを行えば60年程度は快適かつ安全に住み続けることは可能です。そのためにも、構造体に腐食や傷みを生じさせないよう定期的に点検をし、必要なメンテナンスを継続的に行いましょう」

間取りの変更や増築などのリフォームも可能

ツーバイフォー工法の技術基準は、使用する構造部材だけでなく、建物を支える耐力壁や開口部などの寸法も定められています。寸法に基準はありますが、基準内なら、間取りの変更や増築などのリフォームは自由に行うことが可能です。

違いを知って工法を選び、建てたい家を実現しよう

ツーバイフォー工法は、床、壁、天井の六面体構造(箱構造)により、高い耐震性、耐火性、省エネルギー性、遮音性などを備えています。ツーバイシックスやツーバイテンなど構造用製材のサイズによる性能差や、在来工法との違いなども正しく理解したうえで、建てたい家を実現できる工法を選択しましょう。

工法の選択イメージ
どの工法を選ぶにより、建てられる家は異なります(画像提供/PIXTA)
まとめ

ツーバイフォー工法は、約2インチ×約4インチのツーバイフォー材で組んだ枠組に、構造用面材を接合した版を床や壁に使用し、六面体構造を形成する工法。建築基準法上の名称は「枠組壁工法」という

枠組みには、ツーバイフォー材の他にツーバイシックス材やツーバイテン材なども用いる

ツーバイフォー工法のメリットには、高い耐震性や耐火性、省エネルギー性、遮音性、耐久性などがある

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取材・文/山南アオ
公開日 2021年03月15日
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