戸袋とは?戸袋のある引き込み戸でスッキリした空間をつくろう! 

戸袋とは?戸袋のある引き込み戸でスッキリした空間をつくろう!

和風住宅によく見られる引き込み式の雨戸と戸袋。最近では雨戸シャッターが主流になってきているが、室内扉などインテリア空間にも戸袋のある引き込み戸を用いるケースは多い。そこで、戸袋のメリット・デメリット、メンテナンスや修繕方法について、さまざまな住宅建材を取り扱うLIXILに伺った。スッキリと開放的な空間づくりの参考にしよう。

戸袋とは?

戸袋は引き込み戸の収納部分

戸袋は、引き戸の扉が収納されるように箱状につくられている部分のこと。また、そのような引き戸を引き込み戸と呼ぶ。引き戸を用いる日本特有のものであり、海外ではあまり見られない。

主に日本の和風住宅で取り入れられ、雨戸を収納する場所として縁側や窓の敷居の端に設けられていたが、近年はライフスタイルも多様化して洋風の住宅が主流となり、それに伴いシャッター雨戸が普及し、戸袋のない住宅も増えている。また、戸袋は住まいの外側の雨戸だけでなく、掃き出し窓や室内間仕切り、室内扉など、住まいの内側のさまざまな場所に利用されている。

戸袋を使用する扉や窓の種類

住宅において、戸袋をつくって引き込みタイプの戸や窓にするものには、下記が挙げられる。

<雨戸>

戸袋と聞いて一番にイメージする雨戸。防風や防雨・防犯・遮光・プライバシーの確保のために建物の開口部に設置する建具で、雨戸の設置は大工が躯体工事以外に行う造作工事であった。窓の横に設置した戸袋には、雨戸を開けた時に扉を収納しておくことができる。材質には、木製、鉄製、ステンレス製、アルミ製などがあり、以前は木製の雨戸が多かったが、今は錆に強いステンレスやアルミなどの金属製が主流だ。また、現在は雨戸シャッターが主流になっているため、既存住宅の取り替え需要に合わせた建材が多い。

採風・採光ができるタイプの雨戸
採風・採光ができる採風タイプ、断熱性を備えた防護断熱タイプなどもある(画像提供/LIXIL)
木製の戸袋
玄関ドアやフェンスなどと合わせて木製の戸袋をアクセントにし、外観をコーディネート(画像/PIXTA)

<掃き出し窓>

掃き出し窓とは、窓の下部分が床まである引き違い窓のこと。リビングや居室など住宅のさまざまな場所に使われる窓だが、壁面の戸袋に扉を収納できる引き込みタイプの掃き出し窓にすることで、開口部が広がって室内外の空間の繋がりが増し、すっきりと開放的な空間を演出することができる。

木製サッシの引き込み窓
高い気密性・断熱性の木製サッシの引き込み窓。節のない木目の窓は美しく、耐久性にも優れている(画像提供/シー・ティ・エス)

<室内扉>

室内扉を引き戸にする場合、引き込み戸にすると壁面にある戸袋に扉が収まるため、扉を開ければ壁に隠れて圧迫感がなくすっきりとした空間に。両側の壁面に沿って物を置くことも可能になる。

扉は下にレールを敷いて扉下部のタイヤで開閉するタイプと、扉を上に吊って開閉する上吊式がある。また、上吊式には、アウトセット引き戸と上吊引き戸の2つのタイプがあり、どちらの引き戸も本体を吊車で吊っている点は同じだが、引戸の収まり方が異なる。上吊引き戸は、壁内面の上枠に取付ける仕様であるのに対し、アウトセット引き戸は壁外面に上レールを取付ける仕様になる。アウトセット引き戸には戸袋を設けることができないため、引き込み戸にする場合は上吊引き戸を採用する。

上吊引戸の説明図
アウトセット引戸の説明図
アウトセット引き戸は引き込み戸として使用することはできないが、既に開口が出来上がっている箇所にも取り付けられるため、ドアの開口を引戸に変更するなどのリフォームでも対応しやすい(イラスト/SUUMO編集部)
上吊引戸の事例
上吊引き戸は壁内にドアが収まりデッドスペースがなくなるため、洗面所や個室などコンパクトな空間もすっきり(画像提供/LIXIL)
リビングに隣接している和室の引戸
リビングに隣接させた和室に間仕切りを設けて、空間をつなげたいときは扉を壁内に収納(画像/PIXTA)

戸袋のメリット・デメリット

戸袋のメリット

戸袋に引き込み戸や引き込み窓を収めるタイプの開閉方式にすると、開けたときに壁面にすっぽりと収まるため、スッキリとした見た目になる。

開けっ放しにすれば隣接する空間にゆるやかな繋がりが生まれる。雨戸や掃き出し窓を開ければ屋内外が繋がり庭の自然などを身近に感じることができる。室内に用いる場合は、LDKなどの間仕切り戸を引き込みタイプにすれば、開放感たっぷりの大空間に。

また、洗面所や個室などコンパクトな空間の室内扉には引き戸を採用することが多いが、ドアがスライドするため片面の壁に家具などを置く際は、ドアのスライド分のスペースを確保しておかなくてはならず、壁面にディスプレーなどをすることもできない。戸袋を設けて引き込み戸にすることで、戸袋の両側の壁に家具を置いたりデコレーションをすることが可能になる。

<戸袋のメリット>

・引き込み戸がすっぽりと収まり、スッキリとした空間に
・隣接する空間との繋がり、開放感たっぷりの大空間にできる
・室内扉の場合は、戸袋の両側の壁に家具を置いたり、デコレーションをすることが可能

壁面に家具を配置し、アートを飾った室内戸袋
戸袋に扉が収まるため、壁面に家具を配置したり、アートを飾ってインテリアを楽しむことができる(画像提供/LIXIL)

戸袋のデメリット

戸袋部分には扉や窓が入っているため、内部が掃除しづらいのがデメリット。
室内扉の場合は、下にレールのない上吊式の室内扉などもあるので、取り入れられる場所であれば検討してみよう。また、戸袋の両側に壁が必要なため、その分の厚みが増して部屋のスペースが狭くなる。コンパクトな空間に採用を検討する場合は、スペースに余裕がないのであれば、引き戸にするかどうかも併せて検討を。

<戸袋のデメリット>

・戸袋の内部のレールに溜まったゴミを掃除しづらい
・戸袋の両側に壁が必要なため、その分部屋のスペースが狭くなる

戸袋のメンテナンス・修繕について

戸袋は雨戸と室内窓ではメンテナンス・修繕方法が異なるため、それぞれについて押さえておこう。

雨戸のメンテナンス・修繕について

雨戸の場合、常に雨や風、日差しに晒されていることから、経年劣化によって老朽化してくる。また、台風などの強風による飛来物の衝突などによって破損することも。塗膜の剥がれやサビ、劣化が現れてきた場合や開閉がスムーズにできなくなった場合には、早めに業者にメンテナンスを依頼しよう。戸袋自体に目立った破損がない場合は、塗装のみ施して雨戸のみ交換するなど、状態に合わせた修繕を。

取り換え専用の雨戸パネルの説明
リフォームに適した取り替え専用の雨戸パネルなら、雨戸パネルの厚みやレール溝が異なる他社製品の雨戸でも取替え可能に(画像提供/LIXIL)

掃き出し窓や室内扉のメンテナンス・修繕について

掃き出し窓や室内扉などは、戸袋のレール部分に埃やゴミが溜まって、引き込み戸のタイヤの回転が鈍くなり開閉しづらくなることも。戸袋の奥までレールを綺麗に掃除することは難しいが、手前のタイヤ部分は取り外すことが可能なので、しっかりと汚れを拭き取ろう。

このように、室内外のさまざまな場所に戸袋を取り入れることで、扉を開けたときに扉の圧迫感をなくし、空間の開放感を生み出すことができる。すっきりとした空間にしつらえたいという方は、ぜひプランニングに取り入れてみよう。

まとめ

戸袋は、引き戸の扉が収納されるように箱状につくられている部分のこと。引き込み戸がすっぽりと収まり、スッキリとした空間を実現できる

主に雨戸を収納する場所として縁側や窓の敷居の端に設けられていることが多いが、近年はシャッター雨戸の普及により戸袋のない住宅も増えている

戸袋は、掃き出し窓や室内間仕切り、室内扉など、住まいの内側のさまざまな場所にも利用されている

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取材・文/金井さとこ
公開日 2021年05月19日
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