雨戸・シャッターはつける意味がある?基本の使い方と意外な効果とは

窓を雨や風から守る雨戸。でも、最近は雨戸のない家も多い。ということは、雨戸ってなければないで済むものなの? 雨戸の役割や、設置するメリットを探ってみよう。LIXILのサッシ・ドア事業部 窓まわり商品開発室の小林貴明さんに話を聞いた。

雨戸の役割は何?どんなメリットがあるの?

雨や風から建物を守る

雨や風から家を守る雨戸。ガラス窓のなかった時代は障子の外側に木製でできた引き戸を設け、雨や風が家の中に入るのを防いだ。窓にガラスがはめこまれるようになってからも、窓のすきまから雨が浸入したり、台風のときに飛んできたモノでガラスが割れたりするのを防ぐ雨戸は多くの家で使われていた。重たい板戸を毎日開け閉めするのは面倒で力もいる。しかし、建物を傷めないために必要なものだったのだ。

古い民家の雨戸
古い民家で見かける木製の引き戸タイプの雨戸

雨や風への対策以外にメリットはある?

新築の家は防犯対策としてのシャッターが主流

最近は、木製の雨戸ではなく、アルミや鋼板製のシャッター(雨戸シャッター)が主流だ。
「サッシの性能が上がったことで、雨戸で雨の浸入を防ぐ必要がなくなりました。そのため、今の新築の家は雨戸よりも、省スペースで設置でき、開け閉めがしやすいシャッターが主流。主な目的は防犯です」(小林さん、以下同)

2017年に東京都内で起きた空き巣の侵入手段は、一戸建ての場合ガラス破りが38.2%。一番多い鍵をかけていない開口部からの侵入に次いで2位で、ドア錠破りなどその他の手口に比べて圧倒的に多い。雨戸やシャッターがあれば侵入に手間がかかる分、空き巣の侵入抑止に効果がありそうだ。

2017年中の侵入窃盗の侵入手段

無締り 45.4%
ガラス破り 38.2%
ドア錠破り 2.6%
その他の施錠開け 1.7%
合かぎ 1.6%
戸外し 0.6%
その他 4.8%
不明 4.7%

鍵を閉めていない開口部からの侵入に次いで多いのがガラス破り(平成29年警察庁調べ)

最近主流の金属製シャッター
ガラスよりも破りにくく、破ろうとすれば音が出る。金属製シャッターがある開口部は空き巣も避けたいはず

防火や防音にも効果があるシャッター

雨戸に代わる金属製のシャッターの場合、防火対策としても有効。ご近所で火災が発生したときに、一般的な窓ガラスは熱で割れ、外の火が家の中に入ることで延焼につながる。防火性能のあるシャッターを下ろすことで延焼を食い止める効果が期待できる。
「窓やドアなどの開口部に防火戸を設置する必要のある防火地域では、窓ガラスは網入りガラス(ワイヤーガラス)を導入します。火災の熱で窓が割れても網がガラスを支えて崩れ落ちるのを防ぎ、室内から火が出ないようにするためです。しかし、網入りガラスは外の風景を眺めるときに邪魔と感じる人もいるでしょう。防火性能のあるシャッターを設置する場合、網の入っていない窓ガラスでもよいことがメリットです」

また、防音効果も期待できる。最近の窓ガラスは遮音性能の高いものが多いが、シャッターを設けることでさらに効果がアップする

おしゃれな雨戸や機能性の高いシャッターなど、最近の雨戸とは?

外観に合わせて色やデザインが選べる

昔に比べてバリエーションが増えた雨戸やシャッター。外壁の色や外観デザインに合わせて選ぶことができる。白やグレー、シルバー、ブラウン、黒などのカラーバリエーションから、外壁になじむ目立たないものを選んだり、壁や屋根との配色を考えて選んだり、色選びを楽しめる。また、リビングなどの床まで届く掃き出し窓や、寝室などに設ける腰高窓にも雨戸、シャッターを取り付けることが可能だ。

外観に合わせて選べる雨戸やシャッター
無機質なグレー系の外壁でデザインされた外観に、同系色のシャッターがなじむ
サッシの色に合わせて白いシャッターを設置

閉めたままでも光と風が入る? 最新の雨戸シャッター事情

最近のシャッターには便利な機能がいろいろ。
「リモコンで開閉する電動シャッターが便利。手動は開閉が大変ですし、開閉するときにガラガラという大きな音がします。また、ガラス窓を開けてから操作しなければならないので、暑さや寒さ、雨、虫が入ってきたりもします。電動シャッターは一定のゆっくりした速度で開閉するので音が静か。部屋の中で座ったまま操作できます。リフォームで後付けする場合、材料費と工事費の目安は、手動シャッターが約9万~14万円※なのに対して、電動シャッターは約18万~30万円※と高くなりますが、今は電動シャッターが増えてきています」
※価格は窓の大きさ等によって異なります

シャッターには安心・安全を得られるが、閉めてしまうと風や光を遮ってしまうデメリットがある。
「防犯しながらも採光を確保したい方、エアコンが苦手で風を入れたい方には、シャッターの羽状になったフラップが開閉し光や風を通す商品もあります」

閉めたまま光と風を通すシャッター
直射日光を遮り、プライバシーに配慮しながらほどよい光と風を入れることができる。住宅用シャッター「エアリス」(画像提供/LIXIL)
シャッター外側のフラップスラットが開閉することで、採光や通風を調整(画像提供/LIXIL)

そのほか、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)とリンクする便利な機能も登場している。
「スマホやタブレットのアプリ、スマートスピーカーで操作できる住宅設備はいろいろありますが、シャッターもそのひとつ。雨が降ってきたときや、日が暮れたころに遠隔操作でシャッターを閉める、長期出張や旅行で留守にするときに朝は開き、夜は閉まる操作を自動で行うように設定し防犯対策をすることもできます」

雨や風から家を守るほかにも、さまざまなメリットがある雨戸やシャッター。デザインや機能も進化しているので、一戸建てを建てるときやリフォームをするとき、雨戸が古くなって交換時期がきている場合、自分に必要な機能を考えて楽しく選ぼう。

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取材・文/田方みき
公開日 2018年07月23日
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