内装の無垢材、無垢フローリング10種類を徹底解剖!張り方や経年変化を知って空間をグレードアップ

内装の無垢材、無垢フローリング10種類を徹底解剖!張り方や経年変化を知って空間をグレードアップ

素材の質感がそのまま楽しめる無垢材(むく材)。自然素材は、見た目の満足度はもちろん、触り心地や調湿性など機能面でも優れています。
でも、いいものは特別な手入れなど、住んでからの手間が心配……という人もいるでしょう。まずは憶測で判断せず、無垢材とはどういうものかを知って選ぶことが大切です。無垢材メーカー、マルホンの酒井さんにお話を伺いました。

無垢材ってどういうもの?使うのは無垢フローリングだけ?

無垢という言葉自体には、純粋なとか混じり気のないという意味があります。無垢材と無垢材ではないフローリング材はなにが違うのでしょうか。

無垢材

原木から使う形に切り出した木材です。例えば、無垢フローリングは、切り出した木だけを組み合わせた床材で、厚み方向に張り合わせがなく、木本来の特性を持ちます

無垢材ではないフローリング材

複合(複層)フローリングといわれ、基材の表面に薄く削った木や木目がプリントされたシートを張ってつくる工業製品になります。

「無垢材の内装材で一番多いのは床だと思いますが、壁、天井、階段の踏み板、カウンターの天板など、目に見えるところには大体使われます。家具に使われることもありますよ。ただし、扉などの建具にはあまり使いません。重量が出てしまいますし、無垢材は湿度や温度などで元の寸法から狂いが発生することがあり、将来スムーズに開閉できなくなる可能性があるためです」(酒井さん、以下同)

木材
(画像/PIXTA)

無垢材を使うメリットを知りたい

メリットは、なんといってもバリエーションが豊富なところ。色、木目、堅さ、香りなど、好みと用途に合わせて適材適所で選べるのが魅力です。樹種も多いですが、同じ樹種であっても、木目のパターンや節の位置など、同じ木目は2つとありません。無垢材は木そのものなので、木本来の特性が活かせるのが良さになります。使い込むうちに色つやが変わり、家族と家に流れる時間を感じられる経年変化が魅力です。一般的に無垢材に興味を持つ方は、見た感じの木本来の質感の良さとサラリとした肌触りの良さ、木目や香りが発する癒やしとなる木の温かみのようなものをイメージされていると思いますが、そういった空間づくりがかないます。

建材としての優れた機能では、調湿性があります。木は環境の湿度変化に応じて水分を吸ったり、吐いたりします。夏は湿気を吸い込み、冬は湿気を放出するので、室内環境が快適になります。また、無垢材は木の間にたくさんの空気を含むので、触ったときのひんやりとした冷たさを伝えにくいという性質もあります。

「特にスギなど柔らかい樹種は空気を多く含み、衝撃も吸収してくれるので、小さな子どもが遊ぶ環境では安心して使えると思います」

無垢材のメリット

・バリエーションの豊富さ
・木本来の質感
・肌触りの良さ、踏み心地の良さ
・木の香り
・経年による変化の楽しみ
・調湿性
・冷気を伝えにくい

無垢材を使うデメリットについても知っておきたい

デメリットというわけではありませんが、用途に向き不向きはあります。木なので、水に多く触れるところでは傷みやすくなります。リビングでたまに水をこぼしてしまうという程度なら、すぐに拭けば問題ないので、さほど神経質になる必要はありません。以前は無垢フローリングでは反りや割れといったリスクもありましたが、今は乾燥や加工技術が向上しているため心配する必要はないでしょう。

また、かつて「無垢フローリングでは床暖房は難しい」という話を聞いたことがある人がいるかもしれませんが、今は床暖房対応の製品もたくさん出ているので、選ぶ楽しみも広がっています。
また、素材としてのデメリットとは違うかもしれませんが、複合フローリングよりも無垢フローリングを選んだ方が建材費も工事費もやや割高になる点は留意しておいてください。

無垢材のお手入れの仕方を知りたい

オイルや蜜蝋塗装の無垢材は水に弱いので、日々のお手入れ方法は掃除機をかけて乾拭きが基本です。もし汚れやキズが目立つようなら、紙やすりで軽くこすって簡単に補修することができます。ウレタン塗装の場合は、堅く絞った雑巾で拭けばきれいになります。
「オイルや蜜蝋塗装の場合、できれば年に1回くらい、最初に選んだ塗料を再塗装するとよいですね。これはプロにお願いするようなものではなく、自分で簡単にできます。皮製のソファを手入れするのと同じように、大掃除のタイミングなどで保湿するようなイメージです。ちなみに、3年くらい続けると木とオイルがなじんでくるので、もう少し塗装する間隔を延ばしても大丈夫です」

無垢材の床を掃除するする様子
難しいお手入れは不要。無垢材の床は乾拭きで磨くのが基本(画像/PIXTA)

無垢フローリングのキズつきやすさについては、樹種により堅さはかなり違うのですが、柔らかい樹種はキズやへこみが付きやすくなります。ですが、複合フローリングに比べて扱いにくいかというと、そうとも言えません。

「複合フローリングは基材の色が見えたり、表面のウレタン塗装のキズが白っぽく目立ったりすることがありますが、無垢材はキズの下も同じ素材なので目立ちにくく、味わいの一つとしてなじみやすいと思います。ちょっとしたキズなら紙やすりで軽く削るだけでOKです。木の繊維を分断するような、刃物で切ったようなへこみを自分で直すのは難しいですが、家具の跡など圧力で生じたへこみは、濡れたタオルをあててスチームアイロンを10秒程度当てると木がふくらみ、復活します」

無垢材にはどのようなものがある?樹種や特長を知りたい

「無垢材の樹種の選び方ですが、実際にショールームで色や木目、堅さや触り心地などを確認するのがよいと思います。同じ樹種名の製品であっても、産地や切り出した部位などで表情が異なります。好みの内装イメージや使う場所(用途)、使用する広さなどを伝えられると相談しやすいと思います。樹種により、だんだん色が濃くなるもの、逆に明るくなるもの、色みがなじんでくるもの、木目がはっきりしてくるものなど、経年変化に違いがありますので、将来の姿も確認しておくとよいでしょう」

シルバ―パイン
シルバ―パインの経年劣化
シルバーパインは年月が経つと淡く明るい色からあめ色に変化し、落ち着いた印象に(画像提供/マルホン)
ウォールナット
ウォールナットの経年劣化
ウォールナットは強い黒みが抜けていき、明るく変化。赤茶色っぽくなっていく(画像提供/マルホン)

人気の樹種と特長

シルバーパイン

シルバーパイン
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★☆☆☆
価格帯:★☆☆☆☆

日本語では赤松。明るい色みとやわらかな木目、材質が魅力。節が多めで空間のアクセントにも。年月を経るとあめ色に変わる。

メープル

メープル
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★★☆
価格帯:★★★☆☆

明るい色みで木目はなめらかでやさしい印象に。樹によって現われる鳥の目のような杢(バーズアイ)や波状模様など不規則な模様があるものも。

ヒノキ

ヒノキ
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★☆☆☆
価格帯:★★★★☆

古くから日本では最高級の建築用材として幅広く使用されてきた樹種。材面は柔らかくやさしい足触り。使い込むうちに、ほどよい光沢感が生まれ、磨くと美しい艶が出る。香りも魅力。

カバザクラ(バーチ)

カバザクラ(バーチ)
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★★☆
価格帯:★★☆☆☆

英名の「バーチ」または材としては、サクラに似たおとなしい木目と滑らかな木肌「桜材」で呼ばれることも。ばらつきの少ない色合いの材面に、縮れ杢模様の輝きが散在するのが特徴。心材と辺材のコントラストを効かせたグレードもあります。

タモ

タモ
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★★☆
価格帯:★★☆☆☆

野球のバットにも使われる樹種で、製品により英名で「アッシュ」と呼ばれることも。淡い黄白色は、使ううちに黄褐色に変化する。年輪が明瞭で、美しい杢があるものも。

スギ

スギ
(画像提供/マルホン)

硬さ:★☆☆☆☆
価格帯:★★☆☆☆

日本特産の代表的な樹種で、香りがある。やわらかな触り心地が人気。木の芯に近い方が赤みが増し、外側は節を模様として楽しめる。

ナラ

ナラ
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★★☆
価格帯:★★☆☆☆

英名で「オーク」とも呼ばれる。くっきりとした木目と淡い褐色の色合いで定番の人気樹種。経年変化により濃い褐色に変化。

ブラックチェリー

ブラックチェリー
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★☆☆
価格帯:★★★★☆

きめ細かくなめらかな手触り。古くから欧米で高級家具に使われてきた樹種。明るい琥珀色は、使ううちに早いスピードでツヤと色を深めていく。

チーク

チーク
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★☆☆
価格帯:★★★★☆

明るめの褐色から黒っぽい筋状またはシミのような表情がランダムに出るのが魅力。経年変化で色むらが穏やかになり、落ち着いた印象に。天然の油分を多く含むため、水に強くしっとりとした肌触り。

ブラックウォルナット

ブラックウォルナット
(画像提供/マルホン)

硬さ:★★★☆☆
価格帯:★★★★★

紫がかった暗褐色でモダンや重厚感のあるインテリアだけでなく、アジアンな印象にも合わせやすい。次第に黒みが抜けて明るくなり、赤茶色に変化する。

インテリアづくりのために樹種以外に注目したいことは、フローリング材の幅や塗装です。選ぶもので空間の印象がグッと変わります。オイルで仕上げれば自然な風合いはそのままに、少し乾いたようにも、濡れたような濃い色にも仕上げることができます。ウレタン塗装の場合は、樹脂でコーティングするのでツヤのある仕上がりになります。
また、張り方によっても空間の印象はグッと変わります。張り方により、職人の技術や手間が必要になるため、施工会社選びの際に希望がかなうか確認しておくと良いでしょう。

フローリングの張り方~寄木張りフローリング

寄木張りとは、小さな木材のピースを組み合わせてパターン模様をつくる張り方です。代表的なものは、ヘリンボーン張りと市松張りです。

ヘリンボーン張り

魚のニシン(herring)の骨(bone)のように見えるよう木材の小片を山型に張っていく「ヘリンボーン張り」。幾何学的な模様の繰り返しが上品な印象を与え、空間がグッとおしゃれな雰囲気になります。普通に張るよりもコストや手間が増えますが、リフォームを中心にインテリアに個性を出したい人に人気がある張り方です。なお、矢羽根状の端の処理を直線にした張り方は「フレンチヘリンボーン」と言い、よりすっきりとした印象になります。

ヘリンボーン張り
ベルサイユ宮殿にも使われていたヘリンボーン張り。クラシカルで上品な印象が魅力(写真提供/マルホン)
フレンチヘリンボーン
張り合わせた部分が直線になるフレンチヘリンボーン。すっきりとモダンな印象に仕上がる(写真提供/マルホン)

市松張り

市松張りは、木材を正方形に組み合わせ、90度ずつ方向を変えながら張り上る方法です。明治・大正時代の洋館に多いレトロで高級感のある仕上げ方の1つですが、かつて小学校などの床に用いられていたことが多く、ノスタルジックな印象を受ける方も多いかもしれません。少しほっとする空間づくりに人気があります。

市松張り
正方形の連なりが落ち着いた印象をつくる市松張り。どこかぬくもりを感じる空間に(写真提供/マルホン)

「こだわりの空間をつくりたいけど、あと少しコストを下げる工夫はないかな?という場合は、プロに相談してみてください。樹種にこだわるよりも、仕上がりにこだわる方のほうが多いと思いますので、予算と希望のイメージを伝えてもらえれば似たような印象のほかの樹種をオススメすることもできますよ。
価格は、同じ樹種でも表情により異なります。一般的に、節や辺材が多い部分のほうが安く、整った木目のほうがグレードは上がります。グレードは単に表情の違いで、質の良し悪しではありません。節や色のばらつきは、無垢材ならではの個性やデザインとして楽しむこともできますので、お好みに合わせて上手に取り入れるとお得です。
また、幅や長さも価格に影響します。幅が狭いものと広いものとでは、広い方が価格は高くなり、長さは1本の長さが長いものほど高くなります。無垢材選びの参考にしてみてください」

まとめ

無垢材は木本来の特長を楽しめる素材

お手入れは乾拭きを基本として、自分でメンテナンスする楽しみも

樹種により特長はさまざま。実物を確認しながらお気に入りを選ぼう

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取材・文/竹入はるな 
公開日 2020年06月29日
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