5人家族が快適に暮らせる一戸建ての間取りや広さの目安は?間取りを決める際に注意すべきポイントについても解説

公開日 2025年05月30日

5人家族が快適に暮らせる一戸建ての間取りや広さの目安は?間取りを決める際に注意すべきポイントについても解説

家族5人で暮らすには現在の住まいが手狭になってきて引っ越しを検討しているものの、どんな間取りが自分たちに合っているのかわからない…という人も多いはず。そこで、5人家族の目安となる広さや間取りの特徴、間取りを決める際に気をつけるポイント、子ども部屋の活用方法、3世代同居の場合の注意点について、一級建築士の中川由紀子さんに教えてもらいました。

5人家族に必要な間取りや広さの目安は?

5人家族によく選ばれている間取りは4LDK~5LDK

まず、5人家族で暮らす場合、夫婦の主寝室を1部屋、その他の家族3人分の個室が必要になるため、4LDKの間取りが一般的です。フレキシブルな使い方ができる部屋を1室設ける場合は5LDKも。面積としては35~40坪程度が目安になります。

「最近は土地価格や建築価格の高騰を受け、住まいはコンパクトになってきています。家族構成やライフスタイルにもよりますが、土地の広さや予算の条件からコンパクトな間取りや狭小住宅にしなければならない場合は、子ども部屋を共同で使う3LDKにするケースもあります」(中川さん、以下同)

家族構成にもよりますが、5人家族以上になると一般的なマンションでは手狭に感じることが多くなってきます。

注文住宅を建築したり、間取りの変更が可能な新築一戸建てを購入する場合には、将来を見据えてフレキシブルな使い方ができるような間取りにすることが大切です。

「必要な個室数に加えて、LDKに隣接して和室などの+αの居室を設けると、ゲスト用のスペース、親世代と同居することになった場合の居室、将来寝室に変えて1フロアで生活を完結させることも可能です。リビングと一体に使えるように引き戸などで間仕切りできるようにしておけば、家族がLDKに集まる時は広々としたリビングの一部として使えて、5人家族それぞれの居場所を確保しやすくなります」

いろいろな5人家族
同じ5人家族でも、家族構成や年齢によってニーズはさまざま(イラスト/杉崎アチャ)

【間取り別】5人家族に適した部屋数は?

5人家族に適しているのは4LDK~5LDK

一部屋あたりの広さや家族構成、使い方によってさまざまではありますが、5人家族には先述のように4LDK~5LDKの間取りが目安になります。

「土地や予算に余裕があれば家族全員に個室を設けられる5LDKや、さらに趣味部屋を設けて6LDKにするなど、ゆとりある間取りプランにすることもできます。ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、家族それぞれにどのように個室を割り振るかを検討し、部屋数を決めるとよいでしょう」

5人家族の4LDKの間取り例

4LDKは、LDKと4つの居室で構成された間取りのこと。一戸建てでは35坪程度(約115~120平米)が一般的です。5人家族の場合は40坪以上確保できるとゆとりのある空間になります。

夫婦+子ども3人の場合

間取りの使い方としては、夫婦+子ども3人という構成の場合、夫婦の寝室+子ども部屋×3というように、子ども全員に個室を与えることができます。

それに加えて、主寝室+子ども部屋×2+リビング横に和室または洋室という方法も。
子ども全員に個室が必要になった場合に、2階の3つの個室を全て子ども部屋にして、リビング横の部屋を夫婦の寝室にするなどフレキシブルな使い方ができます。

【夫婦+子ども3人の場合】
主寝室+子ども部屋×3の35坪・4LDK
子ども部屋の1室は将来2室にセパレートできる。居室同士のつながりや生活動線も意識したプランニングを(間取図提供/みゆう設計室)

夫婦+子ども2人+親1人の場合

夫婦+子ども2人+親1人の場合は、主寝室+子ども部屋×2+親の居室、主寝室+子ども部屋+親の居室+αの部屋というような使い方もあるでしょう。

「親世帯との同居の場合は、1階に親世帯の居室、2階に子世帯の居室を設けて、上下階で分けるなどの方法で世帯ごとのプライベートスペースを確保することも大切になります」

【夫婦+子ども2人+親1人の場合】
1階に親世帯、2階に子世帯の居室を分けた40坪・4LDK
1階の親世帯の居室の上階にはトイレなど水まわりを配置せず、お互いストレスを感じずに暮らせるようにすると◎(間取図提供/みゆう設計室)

5人家族の5LDKの間取り例

5LDKは、LDKと5つの居室で構成された間取りのこと。一戸建てでは40~45坪(約132~148平米)が一般的です。5人家族の場合は50坪ほどあるとゆとりのある空間になります。

夫婦+子ども3人の場合

間取りの使い方としては、夫婦+子ども3人という構成の5人家族の場合、家族一人ずつに個室を設けることができます。
また、夫婦の寝室+子ども部屋×3+リビング横に和室または洋室を設けるという方法も。

【夫婦+子ども3人の場合】
主寝室+子ども部屋×3+リビング横に趣味部屋を設けた45坪・5LDK
5LDKなら子ども全員に個室を与えても+αの部屋を設けられる(間取図提供/みゆう設計室)

夫婦+子ども2人+親1人の場合

夫婦+子ども2人+親1人の場合は、寝室(夫婦別)×2+子ども部屋×2+親の居室、主寝室+子ども部屋+親の居室+αの部屋×2というような使い方も。
親夫婦と同居する場合は、親夫婦には寝室+居室を確保するほうがよいことも。

【夫婦+子ども2人+親1人の場合】
親世代の寝室+親世代の居間+主寝室+子ども部屋2つ設けた45坪・5LDK
面積に余裕があれば、子世帯用のサブリビングや親世帯用の客間や居間としても使える和室を設けると、よりゆとりのある暮らしに(間取図提供/みゆう設計室)

コンパクトな家にしたい場合は3LDKの間取りに

コンパクトな家になる場合や、一部屋あたりを広めに確保したい場合などには3LDKの間取りも。

3LDKは、LDKと3つの居室で構成された間取りのこと。一戸建てでは25~35坪(約80~120平米)が一般的です。

5人家族で3LDKの家にする場合、夫婦+子ども3人という家族構成で夫婦の寝室+子ども部屋×2を設けることになります。
子ども部屋2部屋のうちの1部屋を広めにして同性のきょうだいが一緒の部屋を使用したり、1部屋を寝室、もう1部屋をプレイルームやスタディルームというような役割で分けるのもよいでしょう。

【夫婦+子ども3人の場合】
主寝室+子ども部屋×2の35坪・3LDK
子どもの成長に合わせて子ども部屋の使い方を変えるのもおすすめ(間取図提供/みゆう設計室)
同性のきょうだいで一つの部屋を使うパターン
同性のきょうだいで一つの部屋を使うパターン(イラスト/杉崎アチャ)

5人家族の間取り選びで気をつける4つのポイント

ライフステージごとの暮らし方をイメージする

間取りを検討する際、ついつい部屋数や広さに目が行きがちですが、まずは自分たちのライフスタイルをしっかりイメージすることが大切です。その際、現在だけでなく将来のライフスタイルの変化も見据えて考えるとよいでしょう。

「5年後、10年後、15年後、20年後というように5年単位で区切って考えると、子どもの進学や受験、個室が必要な時期、子どもの独立、老後や介護、リフォームのタイミングなど、ライフスタイルの変化と家の変化を具体的にイメージしやすくなります。親との同居で6人に家族が増えた、子ども の独立で2人家族になった、将来子どもが家族を連れて泊まりにくるなど、家族構成の変化についても考えておくといいですね」

5年ごとに家族像やライフステージを考えてみよう
5年ごとに家族像やライフステージを考えてみよう(イラスト/杉崎アチャ)

フレキシブルな使い方ができる+αの部屋を設ける

子どもの成長・独立や親世帯との同居などライフステージの変化に備えてフレキシブルに対応できる間取りにしておくことも重要なポイントです。リビング横に+αの部屋を設けると、こうした変化にも対応しやすく、使い勝手のよい間取りになります。

「リビングに隣接した場所に居室を設けておくと、子どもが小さい時にはプレイスペース、親と同居する場合は親世帯の居室、老後には将来の夫婦の寝室というように、ライフステージに合わせた使い方ができます。子どもが遊ぶ場所や来客が宿泊する部屋にする場合は畳敷きの和室、ワークスペースや趣味部屋にする場合は洋室にするケースが多いです」

リビングに隣接した部屋があるとライフステージに合わせて柔軟に使える
リビングに隣接した部屋があるとライフステージに合わせて柔軟に使える(イラスト/杉崎アチャ)

家事&生活動線を意識したプランにする

5人家族の場合、衣類やストック品、家族の持ち物も多くなるため、家事動線や収納のしやすさを意識しましょう。
例えば、個室が多くなると各部屋に衣類を運ぶのが負担になるため、ランドリースペース付近にファミリークロゼットを設けて日常着はまとめて収納し、個人の服は自分で個室に運んで収納して、家族で家事をシェアすると効率的です。

「料理と洗濯を同時進行できるように水まわりを集約したり、なるべく家事動線をコンパクトにすると、家事の負担が減って暮らしやすくなります。お風呂に入っている時や洗濯をしている時も洗面所が使えるように、洗面所と脱衣所を分けるケースも増えています」

5人家族になるとモノが多くなるので、収納場所の確保はとても重要。パントリーや玄関の土間収納、納戸などの収納スペースを確保しましょう。
子どもの成長にしたがって、学用品などのモノが増えてきます。また、親と同居する場合は、若い世代に比べて荷物が多くなりがちなことにも注意が必要です。

回遊動線の間取りプラン例
回遊動線にすることで、洗濯や片付けなどの毎日の家事がスムーズになる(間取図提供/みゆう設計室)

キッチンや洗面スペースなど水まわりの広さを確保する

キッチンで一緒に料理を楽しみたいという場合に、同時に作業がしやすいレイアウトや通路幅にしたり、朝の身支度の際に順番待ちせずに洗面所を使えるよう広めのサイズにするなど、水まわりの広さを確保しましょう。

また、親世帯との同居の場合は、各世帯のライフスタイルについて把握した上で水まわりのプランニングを。料理や洗濯などそれぞれが家事をする時間帯や家事分担について話し合って作業がしやすいスペースを確保し、冷蔵庫や洗濯機を各世帯で所有するケースもあるので、水まわりの広さと収納スペースについてもよく検討しましょう。

「親世帯との完全同居型二世帯住宅にする場合、親世帯の部屋に近い1階に水まわりを集約するプランにすると、自分たちが年を取ってからも1階で暮らしが完結するので、将来への備えになります」

親世帯と子世帯でフロアを分けたパターン
親世帯と子世帯でフロアを分けたパターン(イラスト/杉崎アチャ)

子ども部屋の活用方法

子どもの性別や成長に合わせて部屋数を決める

部屋数を決める際に、子ども部屋をいくつ設けるかも重要なポイントになります。個室としての子ども部屋を使うようになる時期は、早くても小学校入学時。家づくりの段階で子どもが生まれたばかりであれば、しばらく個室が必要になることはありません。

「将来間仕切りをして2部屋に分けられるようにしておき、子どもが小さいうちは家族みんなの寝室として使う、個室をおもちゃで遊ぶ部屋や読書部屋にするなど、子どもの成長に合わせた使い方を考えておくと、空間を有効に使うことができます」

将来子ども部屋を間仕切りして使う間取りプラン例
子どもの成長に合わせて間仕切りをして個室にすることでフレキシブルな使い方が可能に(間取図提供/みゆう設計室)

将来子ども部屋をどのように使うかについても検討しておく

子ども部屋を設ける場合は、将来子どもが独立してからどのような用途で使うかについても検討しておきましょう。夫婦それぞれの趣味部屋にしたり、使わなくなった2室の子ども部屋をつなげて広い1室にして主寝室に変えたりするのもよいでしょう。将来的に壁を撤去するリフォームができるように子ども部屋の間の壁を設けておけば、ライフスタイルの変化に対応しやすくなります。

3世代同居の場合の注意点

生活音やプライバシーへの配慮をする

5人家族で親世帯との3世代同居をする場合、親世帯1人+子世帯夫婦+子ども2人のケースが多いです。その場合、1階に親世帯と2階に子世帯というようにプライベート空間を分ける完全同居型の二世帯住宅を選ぶことが多くなっています。世帯ごとにライフスタイルが異なり、生活時間帯も異なるようであれば、親世帯の居室の上にはトイレなどの流水音や足音などの生活音が響かないよう配慮してプランニングしましょう。

「家族それぞれのプライバシーに配慮した間取りを心がけることで、お互い安心して気持ちよく生活することができます」

水まわりをどこまで共用にするか検討する

親世帯との同居にあたり、洗濯物を洗う時間や干す場所、入浴時間などお互いのライフスタイルついてよく確認をして、どこまで共用にするかきちんと話し合いましょう。

水まわりを別々にする場合はその分のスペースと設備分のコストが必要になるため、広さや予算とのバランスを見ることも重要なポイントです。

バリアフリー仕様にするか検討する

今はまだ健康でも、将来的に親の介護が必要になる場合も。本格的な介護には至らなくても、年齢とともに足腰が弱くなる可能性は大いにあります。玄関アプローチや廊下の幅、トイレなどバリアフリーにするかどうかも視野に入れて間取りを検討しましょう。

将来的な介護に備えて、建築段階から廊下の幅などを検討しておくとよい
将来的な介護に備えて、建築段階から廊下の幅などを検討しておくとよい(イラスト/杉崎アチャ)
まとめ

5人家族の間取りは4LDK~5LDK、面積としては35~40坪程度が目安。一戸建ての場合、4LDKは30~35坪、5LDKは40~45坪が一般的

将来を見据えてフレキシブルな使い方ができるような間取りにすることが大切。将来的な親との同居の可能性や子どもの独立のタイミングなど、ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、家族それぞれにどのように個室を割り振るか検討を

SUUMOコンテンツスタッフ
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