家庭用蓄電池ってどんな設備?価格はどれぐらい?必要な容量の目安は?

家庭用蓄電池ってどんな設備?価格はどれぐらい?必要な容量の目安は?

太陽光発電システムで創った電気をためたり、停電時の備えのために家庭用蓄電池への関心が高まっています。そこでパナソニック 広報の奥瀬史郎さんに、主なタイプや取り入れるメリット・デメリット、蓄電容量の決め方について教えていただきました。

家庭用蓄電池ってどんな設備?

ためた電気で、家電製品や照明を一定時間使用できる

蓄電池とは、充電により繰り返し使うことができる電池のことで、「バッテリー」と呼ぶことも多い機器です。

「蓄電池は、持ち運びができる小さなサイズの物から、電気工事で設置する大きなサイズの物まであり、サイズは蓄電容量にほぼ比例していています。当社で扱う機器は、家庭で使う冷蔵庫やテレビなどを一定時間使用できる蓄電容量が大きいもので、『住宅用リチウムイオン蓄電システム』としてラインナップしています」(パナソニック ライフソリューションズ社 コミュニケーション部 広報課 汐留分室 室長 奥瀬史郎さん。以下同)

電力会社からの電気で充電させて使う「系統非連系タイプ」

家庭用蓄電池は、主に2つのタイプに分かれます。

1つは「系統非連系タイプ」で、電力会社から購入した電気を蓄電するタイプになります。充電はコンセントを用いて行い、使いたい電気機器を家庭用蓄電池に直接つないで利用します。つまり、住宅分電盤を経由しないので、住宅の電気系統に “非”連系しているためこのように呼びます。

機種によっては電気工事で家電製品を配線接続しておくことも可能です。配線接続しておけば、停電時には自動で切り替わるため非常時に安心です」

家庭用蓄電池
居室にも設置しやすいスリムな小型デザインの「系統非連系タイプ」家庭用蓄電池。リチウムイオン蓄電システム(蓄電容量:5kWh)希望小売価格128万円※税抜(画像提供/パナソニック)

太陽光発電と連携させて使う「系統連系タイプ」

もう1つのタイプは「系統連系タイプ」です。住宅分電盤を経由することで、家庭内の電気系統に連系して家電や照明に電気を供給し、太陽光発電システムでつくった電気を蓄電します。もちろん、太陽光発電の電気を使いながら、同時にためた電気を使う ことが可能です。

「系統連系タイプは、太陽光発電でつくった電気をためておけるように、蓄電容量が大きいタイプが中心です。
2019年11月から、太陽光発電でつくった電気を高値で買い取るFIT(固定価格買取制度)期間が終了するご家庭が出てきます。電気が高く売れなくなるなら、家庭用電池を導入し、つくった電気は自分たちで使い、月々の電気代を抑えようと考えているご家庭が増えています」

気になるのが、電力会社から電気を買わず、太陽光発電でつくった電気だけで生活できるのかという点です。

「日本エネルギー経済研究所の2018年度の試算によると、一般的な家庭の1年間の消費電力は4825kWhなので、年間約4800kWh発電できるシステムを導入できると可能といえます。ただ、電力消費量は家庭によって大きく違いますし、太陽光発電システムの発電量も毎年一定量とは限らないので、あくまで目安として考えてください」

系統連系タイプ
「系統連系タイプ」は、電気をためる蓄電地ユニットとパワーステーションで構成される。パワーステーションは、太陽光発電システムと蓄電地ユニットを利用するために必要な機器、屋外へ設置するケースが多い。創蓄連携システムS+(蓄電容量7.0kWh)希望小売価格272万円※税抜(画像提供/パナソニック)

製品寿命は使用頻度により異なる

機器の保証期間は、メーカーにより異なります。

「当社の場合、蓄電池ユニットは無償10年保証、有償15年保証となっています。ただ、注意していただきたいのが保証と製品寿命は異なるという点です。一般的なバッテリーと同様に、家庭用蓄電池も充電・放電(使用)を繰り返すごとに製品寿命は短くなりますし、設置環境や使用条件により劣化のスピードも変わります。思わぬ事故を防ぐためにも、メーカーの指定する使用年数を目安に点検を受けてください」

家庭用蓄電池を取り入れるメリット・デメリットは?補助金も使える?

メリット1:電気代を抑えられる

家庭用蓄電池は、電気をためておき、必要なときに使うことができます。太陽光発電システムを連携させれば、昼間につくった電気の使わなかった分をためておき、夜間に使うことで電気代を削減できます。

「太陽光 発電システムと連携していなくても、安価な深夜電力で充電し昼間にその電気を使えば電気代を削減できます。充電時間や給電時間をタイマー設定できるタイプであれば 、いちいちコンセントをつないだり外したりする手間をかけずに利用できます」

充電1回・給電2回のタイマー設置が可能
安価な深夜電力をコンセント経由で充電し、昼間にためた電気を家電製品などで使えば、電気代を抑えることができます(画像提供/パナソニック)

メリット2:非常時に電気が使える

地震や台風などの自然災害が多い日本では、いつ、どこで停電が起きるか分かりません。家庭用蓄電池があれば、非常時にはためた電気を使うことができます。

「停電時に 自動で切り替わるように設定しておけば 、夜に停電が発生しても、一定時間は照明を使い続けられるので心強いと思います。太陽光発電システムと連携していれば、夜にためた電気を使い切っても、翌日の昼間に太陽光発電から再び充電できるため、停電が長引いても最低限の電気を使い続けることができます」

メリット3:地球環境にやさしい暮らしができる

地球温暖化の原因といわれるCO2は、化石燃料を燃やす際に大量に発生します。家庭での電気使用量を抑えれば、化石燃料の使用が減りCO2を削減できるため、温暖化の抑制へとつながります。

「太陽光発電システムはクリーンエネルギーとも呼ばれ、CO2を排出せずに電気をつくります。家庭用蓄電池にためるほかに、電気系統システムを経由してエコキュート(電気給湯器)を沸かしたり、電気自動車へ充電するなど、太陽光でつくった電気を上手に使うことで、エコにも貢献したいですね」

デメリット1:置き場所の確保が必要

家庭用蓄電池は、設置場所の確保が難しいとの声があります。
「最新機器は小型化が進んでいますが、狭小住宅やマンションなどスペースの確保が難しいお客様のために、『壁掛けタイプ』もあります。当社では蓄電容量は1kWhと小さめのものですが、停電時に必要最低限となる電力をためることができます」

住宅分電盤のような壁掛けタイプ
住宅分電盤のような壁掛けタイプは、スペースを取らずインテリアの邪魔をしません。リチウムイオン蓄電盤(蓄電容量:1kWh)希望小売価格39万8000円※税抜(画像提供/パナソニック)

デメリット2:機器の価格が高い

以前よりは求めやすい価格になっているものの、家庭用蓄電池は比較的高価で、導入には工事費用が必要になります。

「家庭用蓄電池の普及を国が促進していることから、国や多くの自治体では補助金制度を用意しています。一般社団法人・環境共創イニシアチブの『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化 による住宅における低炭素化促進事業』や『災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金』などがその一例となります。

補助金制度を使う場合には、その制度に指定された商品やシステムを導入する必要がありますし、申請や導入期間は限定されています。検討される方はできるだけ早いタイミングで建築会社や電気工事店に相談しましょう」

必要な蓄電容量はどれくらい?選ぶポイントは?

停電時に使いたい機器と使用時間で選びたい

家庭用蓄電池の蓄電容量とは、電気をためておける容量のことです。容量により使用できる電力量や、使用可能な時間が異なりますが、何を基準に選べばよいのでしょうか。

「家庭用蓄電池を太陽光発電システムと連携するのか、ためた電気をどのように使いたいか、非常時に使いたい電気機器と使いたい時間はどの程度かなどを考慮して決めるとよいでしょう。

当社の商品は1kWhから11.2 kWh までありますが、中心商品は5kWh台です。停電時で太陽光発電がない状態での5 kWhの使用機器と時間の目安は、450Lの冷蔵庫が3日間、テレビ6時間、スマートフォン充電9時間が目安となっています」

使用したい機器により「出力」も確認しておこう

家電製品の電圧は、冷蔵庫やテレビ、電子レンジなどの多くは100Vですが、大型のエアコンやIHクッキングヒーターは200V の電圧が必要になります。

「最近の住宅は耐震性や耐風性に優れているため、自然災害発生時に住宅に被害が生じるケースは少ないようです。避難所に行かずに自宅で過ごす場合、真冬や真夏にエアコンを少しでも使えれば身体への負担は軽くなるでしょう。

万一に備えて家庭用蓄電池を取り入れたいと考えているなら、200Vの機器類も使用できるか確認してください。そのうえで、100Vと200Vの機器類が同時に使用できるように、最大出力数と蓄電容量が大きい製品を選ぶことをオススメします」

200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)
パワーステーションS+(本体)1台に蓄電池ユニットを2台接続したシステムに、200Vトランスユニット(パワーステーションS+用)を追加したシステムなら、停電時でも大型エアコンなど200V機器に電気を供給できます(画像提供/パナソニック)

取り入れる際は、建築会社や販売店と相談して進めよう

家庭用蓄電池は、新築時、リフォームどちらでも取り入れることができます。
新築時に取り入れるなら、太陽光発電システムやHEMS※の導入などをトータルに検討したうえで、建築会社や販売店と相談しながら進めるとよいでしょう。

リフォームの場合、家庭用蓄電池を単体で取り入れるケースもありますが、多いのは太陽光発電システムに追加接続するケースです。現状の太陽光での発電量や家庭での電力消費量を把握し、販売店と相談して最適な機器を選択しましょう。

※HEMS:家庭で使うエネルギーの管理システム。 太陽光発電や蓄電池、家電製品などをつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」や、家電機器の「自動制御」を行う。

注文住宅の会社を探す
土地を探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
賃貸物件を探す
リフォーム会社を探す
中古マンションを探す
新築マンションを探す
売却査定する
取材・文/山南アオ
公開日 2020年01月16日
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション・建築会社選びをサポートするプロ。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る