地鎮祭とは? マナー・服装・流れ・費用など、知っておくべきポイント

最終更新日 2025年03月27日

地鎮祭とは? マナー・服装・流れ・費用など、知っておくべきポイント

家を建てる前に行う「地鎮祭」。多くの人にとっては、人生で一度経験するか・しないかの式典です。地鎮祭とは何のためにするものなのか?そもそもする必要があるものなのか?のし袋の表書きは玉串料、初穂料、お布施のどれ?地鎮祭の目的や、行う場合のマナーなどについて、一級建築士のYuuさんにお話を伺いました。

地鎮祭をしないのはNG?実施する目的は?

家を建て始める前に神主などが工事の安全を願う儀式

地鎮祭は家の建築工事が着工する前に行う儀式で、土地を守る神様にその土地を使用する許しを請い、工事の安全を祈願する儀式として昔から行われてきました。

「家を建てる土地の四隅に青竹を立て、しめ縄で囲んで祭場を作り、施主や工事関係者が参列して行います。地鎮祭の主催は建築会社ですが、地鎮祭を行わない選択をする施主もいます。神主を招いて行うのが一般的ですが、施主が塩をまくだけで済ませるといったように、簡易なスタイルで行うケースもあります」(Yuuさん、以下同)

地鎮祭の日取りはいつが良い?

地鎮祭は、建築における縁起のいい日に執り行うのが一般的です。

「冠婚葬祭などの場合は『六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)』を参考に日取りを決めることが多いですが、建築の場合は『十二直』という暦注を元に選定した建築吉日(建、満、平、定、成、開)から日取りを決めます。大安であっても、十二直の三隣亡(凶日)に当たる日は避けたほうがいいなど独特の慣例がありますので、希望の日程がある人などは、早めに神主や建築会社の担当者(以下、担当者)と打ち合わせをしておきましょう」

地鎮祭の流れ

地鎮祭は神式で行うことが多いですが、仏教式、キリスト教式などで行う場合もあるようです。神式以外で行いたい場合は担当者に相談してみるといいでしょう。段取りや進行は業者側が行うものなので、詳しく把握しておく必要はありませんが、一般的な神式の地鎮祭の流れは以下の通りです。

  • 開会の儀
  • お祓(はら)い
  • 祭壇に神饌(しんせん)を供える
  • 祝詞(のりと)をあげる
  • 現場を祓い清める
  • 地鎮の儀
  • 玉串を祭壇にささげる
  • 神饌を下げ、神様にお帰りいただく
  • 閉式の辞
  • 直会(なおらい)の儀
  • 神饌品のおさがりをいただく
式典の山場「地鎮の儀」
地鎮の儀において、夫婦が盛砂に向かって鍬を振り下ろしているイラスト
地鎮の儀は、施主、施工者、設計者などが神前に作った盛砂に向かって、鎌(かま)や鍬(くわ)、鋤(すき)を使って行う儀式。施主はかけ声とともに、鍬で砂山を掘る

地縄立会いとは?地鎮祭で行うもの?

地鎮祭に加え、工事着手前には「地縄張り」という工程があります。地縄張りは施工業者が地面に杭(くい)を打ち、ロープなどを張ることで、建物の位置を確認します。地鎮祭をする場合、地鎮祭の前に地縄張りが行われるのが一般的です。

また、地縄張りを行い、施主が建物の位置を確認することを「地縄立会い」といいます。多くの場合、この地縄立会いは地鎮祭と一緒に行いますが、地鎮祭と地縄立会いは同じタイミングで行わなければならないものでもありません。

地縄立会いは、建物の配置などを確認するためとても重要な工程です。そのため、地鎮祭を行わない場合でも地縄立会いは必要になります。

地鎮祭にかかる費用は?

神主への謝礼金は2万~3万円

気になる地鎮祭にかかる費用ですが、必ず支払うことになるのは神主への謝礼。相場は2万~3万円程度です。その他には儀式で使用するお供え物や、あいさつ回りに持参するお菓子、日用品などの粗品、また儀式の後に宴会をする場合は飲食費などが必要になります。

のし袋の書き方に注意!表書きは神式は玉串料か初穂料

「神式の場合の謝礼ののし袋の表書きは『玉串料』もしくは『初穂料』で、仏式の場合は『お布施』です。金額は地域によってさまざまなので、神主や担当者などとよく相談してください。

のし袋などの封筒は、100円ショップなどで購入したものでも問題ありません。ただし、汚れや傷がないきれいなものを選ぶことが大切です。金額に見合った品質のものを使用するのが最適ですが、必ずしも高価なものでなくても構いません。

また、自分で表書きを書く場合、筆ペンで丁寧に書くのが理想的ですが、ボールペンでも大丈夫。大切なのは、心を込めて丁寧に書くことです。

地鎮祭で必要なものは?お供え物の準備方法や相場

地鎮祭で必要な資材などは基本的に建築会社側が用意してくれますが、酒、水、塩、米、野菜、魚などのお供え物に関しては施主が準備を任されるケースも多く、かかる費用は1万円ほどです。

準備の手間を減らしたい場合は、インターネットで「地鎮祭 お供え物 セット」と検索すれば、既製のセットが多く販売されています。これらのセットを利用すれば、適切な品目と量がそろっているため、初めての方でも安心して準備できるでしょう。

資材やお供え物の費用については、建築費用の経費に含まれていることもありますが、負担するのが施主か建築会社かはケースバイケースです。事前に担当者と話し合っておいてください。

その他にかかる費用は、近隣の方へのあいさつの際に持参する粗品や宴会の飲食費など。粗品は1つ2000円程度のものを用意される方が多いですが、地域によって差がありますので、こちらも事前に確認しておくと安心です。

儀式後の宴会については、省略し、代わりに1000~3000円程度の仕出し弁当を出席者に配ることも増えてきました」

地鎮祭の参加者は?誰を招待すべき?

地鎮祭後に宴会をする場合、費用は参加人数によって変わりますが、地鎮祭には施主の家族や神主の他に、担当者、現場監督、設計者、棟梁(大工を統率する責任者)など工事関係者が出席するのが一般的です。

なお地鎮祭では、工事関係者へのお礼などは特に用意する必要はありませんが、数千円程度のご祝儀を渡す人もいるようです。

主な支出はお供え物、ご祝儀、飲食費
神主への謝である玉串料は2~3万円程度が相場
お酒、野菜、果物といったお供えは1万円程度が相場
近隣の方への粗品は2000円程度が相場

地鎮祭の服装やマナーは?

服装はきちんとした格好がベター

地鎮祭では、施主の服装に特に決まりはありませんが、お祝いの儀式ということで、フォーマルな服装で臨む人が多いようです。

フォーマルといっても結婚式で着る礼服などではなく、男性の場合はスーツやジャケットを着て、ネクタイを締めた格好などが定番のようです。女性の場合はスーツやワンピースが適しています。あまり派手な色や柄は避け、シンプルで上品な装いを心がけましょう。スカートの場合は丈にも注意が必要です。また、当日は土や砂の上を歩くことになるため、動きやすい服装を選ぶことも大切です。

「地鎮祭の儀式は1時間程度で終了しますが、式が終わると、近隣の方へあいさつ回りをするのが定番です。建築工事を始めるに当たって非常に重要なイベントですので、身だしなみをきちんと整えておきましょう」

近隣の方々へのあいさつは担当者や現場監督と一緒に

工事が始まると、騒音や車の出入りなどで、近隣に迷惑をかけてしまうこともあります。何か問題があった場合の窓口は建築会社になり、工事のスケジュールについてなどを質問されることも多いので、あいさつは施主と担当者や現場監督などが一緒に行うのが定番です。

「『向こう三軒両隣』と呼ばれる、家の向かい側3軒と、両隣2軒はもちろんですが、その他にも工事車両や人の出入りなどで迷惑をかけることになるお宅にもあいさつが必要です。また、地域によっては自治会や町内会の会長にあいさつをするところなどもあります。あいさつ回りのマナーなどは地域差があるものなので、地域の慣例にならうと安心です」

地鎮祭後、ご近所へのあいさつ回りをしている夫婦のイラスト
今後長いお付き合いになるご近所と、新居の建築でトラブルになるのは避けたいもの。地鎮祭後にしっかり時間をとって、丁寧に回ろう

地鎮祭後のあいさつ回りは、その後のご近所付き合いを左右しうる大事な行事です。手土産やあいさつの範囲など、地域の慣例については担当者が把握しているものなので、確認しておくといいでしょう。

まとめ

地鎮祭は工事が始まる前のタイミングで行う儀式で、主催するのは建築会社

式の内容やかかる費用については地域や建築会社によって異なるが、玉串料の目安は2万~3万円程度

儀式後、近隣の方へのあいさつ回りは、担当者や現場監督と一緒に粗品を携えて行うのが一般的

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取材・文/島田美那子、SUUMO編集部 イラスト/ワタナベモトム
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