第二種低層住居専用地域の総知識  高さの制限は?店舗は建てられる?

第二種低層住居専用地域の総知識  高さの制限は?店舗は建てられる?

「第二種低層住居専用地域」は都市計画によって街づくりのために分けられた「用途地域」の一種で、住まいや土地購入に際して、内容を理解しておきたい用語のひとつです。

では、第二種低層住居専用地域に建築できる建物や建築制限、同じ低層住居専用地域の「第一種低層住居専用地域」とはどう違うのか、などについて建築家の柏崎文昭さん(甚五郎設計企画)に教えてもらいました。

第二種低層住居専用地域の特徴とは?

「用途地域」とは、都市計画法に基づいて、建築できる建物の種類や規模、用途などを定めた都市づくりのルールによって分けられた13の地域のことです。
第二種低層住居専用地域はその中のひとつ。

「低層住居専用地域には、住みやすさを優先するために第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域があります。住みやすさを優先するために、他の用途地域よりも建築制限が厳しいのが特徴です。

なお、建築制限には、「建物を建てるときの規模や高さの制限」、「建てられる建物の用途の制限」の2つがあります」(柏崎さん。以下同)

「規模や高さの制限については、第一種低層住居専用地域が最も厳しく、第二種低層住居専用地域は、それに次ぐ厳しい地域です。
ただ、徹底してゆとりある敷地の使い方が求められる第一種低層が郊外中心なのに比べ、狭小敷地でも建築可能な第二種低層は都心部にも見られます。

建てられる建物の用途についても第一種低層では住居兼用店舗くらいしか認められていないのに比べると、第二種低層では床面積が150m2以内の小型店舗や飲食店も可能です。つまり第二種低層は住環境が厳しく守られているとともに、ある程度の利便性も確保された地域といえるでしょう」

第二種低層住居専用地域のイメージ、書斎として活用できる
(写真/PIXTA)

第二種低層住居専用地域のメリット・デメリット

第二種低層住居専用地域のメリット

「第二種低層住居専用地域のいいところは、住環境が守られながら、買い物や通勤の便利さが確保されているところ。住環境のよさを確保しながら、通勤時間を短くしたいという人に向いているといえるでしょう」

「また、狭小敷地でも3階建てなどで広い延床面積を確保できるのもメリットです」

第一種低層住居専用地域ほどのゆとりある住環境を求めず、利便性をより重視する人にとって、十分な家の広さを確保できるバランスのとれた住宅地である、というのが第二種低層住居専用地域のよさといえそうです。

狭小地に建つ戸建て住宅
3階建ても建てられるので、狭小地でも広い延べ床面積を確保できる(写真/PIXTA)

第二種低層住居専用地域のデメリット

一方で第二種低層住居専用地域ならではのデメリットもあります。

「第二種低層住居専用地域は、土地の小規模開発が行われることなどから、第一種に見られるような広い庭は望めません。せいぜい駐車場が確保できる程度の広さが多いですね」

ゆったりした広い庭で子どもを遊ばせたい、という希望をかなえるのは難しそうです。

第二種低層住居専用地域にはどんな建物が建てられる?

それぞれの用途地域では、建てられる建物の規模や用途が制限されています。
それによって周辺環境の違いが明瞭になっています。

第二種低層住居専用地域で建てられる建物

住居、共同住宅、寄宿舎、図書館、幼稚園、小学校、中学校、高校、公衆浴場、老人ホーム、診療所、神社、寺院、教会、老人福祉センター、児童厚生施設、150m2以下で2階以下の店舗(日用品販売店舗、喫茶店、理髪店等)、飲食店、2階建て以下で作業場の面積が50m2以下の米穀店やパン工場など

第二種低層住居専用地域で建築NGの建物

大学、専修学校、病院、3階以上または150m2超の店舗等、住宅兼用以外の事務所、50m2を超える作業場・工場、ホテル旅館、遊戯施設、風俗施設、自動車教習所、倉庫業の倉庫、危険物を扱う施設など

第二種低層住居専用地域ではどのような建築制限がある?

第一種低層住居専用地域に次いで厳しい第二種低層住居専用地域の建築制限について具体的に見ていきましょう。

建蔽率(建ぺい率)、容積率

その敷地に建てられる建物の規模の限度は、建蔽率(建ぺい率)と容積率によって決まります。

建蔽率(建ぺい率)は敷地に建てられる建築面積の割合(=どれだけ敷地にゆとりを持たせなければいけないかということ)、容積率は敷地に建てられる延床面積の割合(=どれだけ居住面積を確保できるかということ)を示します。

建蔽率(建ぺい率)・容積率は用途地域ごとに定められた限度(%)の中から、自治体が定めますが、基本的な、第一種と第二種の違いは次のとおり。

「建蔽率(建ぺい率)は第一種では30%、40%、50%が多いのですが、第二種では50%、60%が多く敷地を有効に使えます。
容積率は第一種では60%、80%が多く、第二種は100%、150%、200%など建物の面積を確保しやすい割合が多くなります。容積率が増えることによって3階建ても可能になるわけです」

■低層住宅専用地域の建蔽率(建ぺい率)と容積率
第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域
建蔽率(建ぺい率) 30%、40%、50%が多い 50%、60%が多い
容積率 60%、80%が多い 100%、150%、200%など建物の面積を確保しやすい割合が多くなる

下記の制限で建てられる例を見てみましょう。

・敷地面積:100m2
・建蔽率(建ぺい率):50%限度
・容積率:150%限度

敷地面積が100m2で、建蔽率(建ぺい率)が50%の場合、
100m2×50%=50m2となり、
建築面積(真上から見て建物の外周で囲まれた面積)は50m2が限度になります。

敷地面積が100m2で、容積率が150%の場合、
100m2×150%=150m2で、
延床面積は150m2が限度になります。

建蔽率(建ぺい率)
容積率の図
建蔽率(建ぺい率)と容積率の計算方法(イラスト/長岡伸行)

高さ制限

家を建てるときの高さ制限は、第二種低層住居専用地域も第一種低層住居専用地域と同様に10mまたは12mまでと決められていています。

容積率に余裕があっても、この高さ制限によって、実質的には3階建てが限度となるでしょう。

高さ制限の図
第二種低層住居専用地域の高さ制限は、10mまたは12mまでと決められている(イラスト/長岡伸行)

道路斜線制限

高さ制限のほかにも実質的に建物の高さを制限する規定がいくつかあります。
その一つが「道路斜線制限」です。

この制限は下図のように、敷地が面した道路の反対側の境界線(道路中心線の高さ)から一定の勾配で敷地に向かって一定の勾配で引いた斜線内に建物を収めなければならないというものです。
それによって道路への採光や通風を確保するものです。

この斜線制限が適用されるのは、道路の反対側の境界線から敷地に向かって20m~25mです。
この範囲を超えた部分は、斜線制限を受けなくてよいのですが、一戸建ての場合は、それほど広い道路に接していませんから、建物が適用距離外になることは少ないでしょう。

道路斜線制限の図
建物の高さを制限する規定には、道路斜線制限もある(イラスト/長岡伸行)

北側斜線制限

「北側斜線制限」は敷地の北側にある隣地に日差しを確保するための規定です。
第二種低層住居専用地域は、第一種低層住居専用地域と同様の基準で、北側隣地境界線から5m立ち上げたところから一定の角度で引いた斜線内に建物を収めなければなりません。

建物の形が、斜めに削られたり、後退しているケースは北側斜線制限によることが多いです。
とくに3階建てでは、3階部分が斜めに削られる下図のようなケースがよく見られます。

北側斜線制限の図
北側にある隣地に日差しを確保するための規定が北側斜線制限(イラスト/長岡伸行)

日影規制

日影規制は、軒高※が7mを超える建物または3階建てに適用されます。

※軒高=地盤面から柱の上部を結ぶ横架材(梁)までの高さ

この規制は、冬至の日を基準に建物からできる影が周辺の土地に一定時間かからないようにすることで、日照環境をよくするためのものです。

やや複雑な規制ですが、設計の際に建築士が計算を行い、それによって屋根勾配など建物形状が影響を受けることがあります。

第一種低層住居専用地域ではほぼ関係がありませんが、第二種低層住居専用地域では規制がかかることがあります。

日影規制の説明イラスト
日影規制は、日照環境をよくするためのもの(イラスト/長岡伸行)

外壁の後退

第二種低層住居専用地域にも第一種低層住居専用地域と同様、建物の外壁や柱面を敷地境界線から1mまたは1.5m後退させなければならないという規定があります。

この規制は、敷地ギリギリまで建てることによる圧迫感やゆとりのなさを生じさせず、良好な住宅地を形成するためです。
ただ必ず設けられる規定ではなく、地域によるので、新たに購入した土地に建築する場合は、建築会社に役所で確認してもらいましょう。

外壁の後退についての説明イラスト
敷地境界線からの距離にも規定がある(イラスト/長岡伸行)

第二種低層住居専用地域に3階建てを建てる際の注意点

家を建てる際には、上に挙げたようなさまざまな規制をクリアしなければなりません。
3階建ては特に規制にふれる部分が多くなります。

まず建築面積と延床面積が、それぞれ建蔽率(建ぺい率)と容積率の範囲に収まるように設計しなければなりません。
とくに延床面積を規制する容積率が重要で、3階建てで十分な延床面積を確保するなら、容積率は150%や200%など大きい土地のほうが有利となります。

加えて、斜線制限や日影規制などもクリアしなければなりません。
そのため3階部分をセットバックしたり、屋根に傾斜をつけるなどの工夫も必要に。

注文住宅の建築のために土地を購入する場合は、事前に建築会社や建築家に土地を見てもらって、イメージの家が建てられるかを確認してもらうのがよいでしょう。

注文住宅の設計イメージ
(写真/PIXTA)
まとめ

第二種低層住居専用地域は第一種低層住居専用地域に次いで建築制限が厳しいが、小規模な店舗なども建築可能な地域で、良好な住環境と利便性のバランスが取れている

3階建ても可能だが、厳しい建築制限があるので、土地選びやプラニングは慎重に

小規模宅地もあり、価格的にも土地購入の選択肢が多い

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取材・文/林直樹 イラスト/長岡伸行
公開日 2022年05月09日
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