どれくらいの期間がかかるの?どうやって情報収集するの?多くの人にとってはじめての家づくりは、わからないことだらけ。そこで、家づくりを思い立ってから工事までの流れを先輩たちのデータとクチコミを見てイメージしよう
多くの人が子育て中に家づくりを検討すること、退職までに住宅ローンを完済できる資金計画を立てることなどから、30代半ばで家づくりを始める人がボリュームゾーンとなるようだ。
もともと「いつかは一戸建てに」と考えて、長期的な計画を立てていた人が最も多いという結果に。実家が一戸建てだったから当たり前と思っていた人や、逆にマンションだったので一戸建てに憧れていたという人も。
「賃貸アパート」「賃貸マンション」の2つで5割以上を占める。結婚するとき、いずれはマイホームをと考えて、賃貸住宅で新婚生活を始めたというコメントも見られる。家賃を安く抑えて貯蓄に回していた人もいるようだ。
注文住宅で家を建てることを選んだ人は、家族構成による必要な部屋数の違いや、趣味やこだわり、好きなデザインなどの要望をかなえるために「間取りが好きに決められる」ことを最大の決め手とすることが多い。
情報収集をスタートしてから家ができるまでにかかった期間は平均15カ月。ただし実際は半年くらいの人や、2年以上かかる人もいるなど、人それぞれだ。情報収集、会社選び、プランニングなどにかける期間は個人差が大きい。
情報源は、段階や目的によって使い分けると効果的。まずは情報誌で幅広く情報を得て、詳しい情報はインターネットで、興味をもった会社はモデルハウスやイベントへ行ってみよう。
建築会社によっては、工事中の家を見る構造見学会、完成済みの家を見る完成見学会などのイベントや相談会を開催しているところも。先輩たちも平均3.2件のイベントに足を運んでいる。まずは気になるイベントを探そう。
情報誌などを見て興味をもった会社には、資料請求するのが一般的。資料(カタログ)を見ることで、その会社が得意としている家のデザイン、工法・構造における特徴、家づくりに対する企業姿勢などがわかる。
実際に一般の家族が建てた家を案内してもらう「完成見学会」と、建築会社のアイデアが詰まった「モデルハウス」の満足度が高い。完成後に壁に隠れてしまう構造部分を見る「構造見学会」は各社の技術の違いが見られる。
敷地面積の広さは、建てられる家の広さと必ずしも比例するわけではない。土地ごとに用途地域が決まっており、建ぺい率・容積率の上限が、敷地面積の何%までと制限されている。購入時はこれらの上限についても確認を。
形の整った整形地は人気だが、高額で手に入りにくいことも。変形地や傾斜地などは、間取りに制限が出やすいが、設計の工夫により土地形状を活かして快適に暮らすことができ、価格も手ごろなことが多い。
建築会社によっては土地探しから相談に応じてくれるところも。土地購入前にその土地を見てもらえば、どれくらいの規模の家が建てられるかも教えてくれる。また土地・建物を一本の住宅ローンにまとめる場合もスムーズ。
建築会社の担当者は、家づくりの成否のカギを握るといっていいほど重要な人。複数の会社の担当者に会ってみよう。建築会社は気に入っているけれど担当者が……という場合は、担当者の変更を依頼しても問題ない。
家づくりでは、見積もりは3社程度に依頼するのがベスト。これより多すぎると情報が混乱するし、1社だけでは金額が妥当なのかどうかわからない。見積もりを依頼するときは、候補会社すべてに同じ条件を伝えよう。
予算内に収まることもプランが要望に合うことも大事。どちらもかなえるには、見積もりを依頼する前にプランの優先順位を決めておくこと。後で迷ったとき、判断をスムーズにできる。また、会社や担当者の対応も確かめよう。
1. 本体工事費
仮設工事・基礎工事・木工事など、家本体をつくるための工事費。「一式」で表記され、詳細がわからない場合、何が含まれているのか確認しよう
2. 付帯工事費・諸費用
エアコンなど家本体以外の工事費や諸費用。外構工事など未確定な部分は「別途」と記載されることもあるので、概算で出せないか聞いてみよう
打ち合わせは「2週~3週間に1 回」、「週1回」がボリュームゾーン。スムーズに進めるには、次回までに決めるべきことを示してもらい、家族の意見をまとめておくのがコツ。また、メールでのやりとりは保存しておきたい。
地鎮祭とは、着工前に土地の神をまつり、工事の無事を祈る儀式。上棟式とは、棟が上がったことを祝い、工事の安全を祈る儀式。その後に宴席を設けることも。どちらも実施は任意なので建築会社に相談してみよう。
「間取り」「設計の自由度」など、注文住宅ならではのこだわりポイントが上位に。「耐震性」や「気密・断熱性」は、ここ数年、どの会社もさまざまな工法や素材の進化により、高性能になっているので各社の工夫を聞いてみよう。
工事中はときどき現場を見に行ってみよう。お茶出しは不要とする建築会社もあるが、持っていくと職人さんとのコミュニケーションのきっかけになる。念のため、行っても邪魔にならない時間帯を建築会社に確認しよう。
【調査概要】
リクルート住まいカンパニー注文住宅動向調査(有効回答数1641人、2015年9月実施)
1年以内に注文住宅を建築した人・2年以内に注文住宅建築を検討している人へのインターネット調査(有効回答数1010人、2015年9月実施。マクロミル調査)
3年以内に注文住宅を建築した人へのインターネット調査(有効回答数361人、2016年3月実施。マクロミル調査)
※調査データのパーセンテージは四捨五入により100%にならないことがあります。
2016年6月21日 SUUMO注文住宅 東京で建てるより転載