中古住宅の相場は何で決まる?価格の交渉はできる?

中古住宅の相場は何で決まる?価格の交渉はできる?

中古マンションや中古戸建の広告を見ていると、同じような物件でも価格に幅があることに気が付きます。そこでこの記事では、中古住宅の価格の決め方や価格が変動する要因、相場を知る方法などについて、カエルホームズの木津さんに教えていただきました。

中古住宅の価格はどのように決める?

価格を決める方法は大きく分けて3つ

駅からの距離も部屋の広さも似ている物件なのに、価格が百万円も違う……。このような不動産広告を見ると、価格が違う理由が気になるものです。

「中古住宅の価格を決める方法は、大きく分けると取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つがあります。一般的な中古物件の場合、ほとんどの不動産仲介会社では取引事例比較法を用いて価格を決めています。

取引事例比較法とは、販売物件と条件が似ている物件の成約事例を参考にして価格を決める方法です。例えば、同じ駅にある成約事例「マンションA」の価格を100ポイントとします。今回販売する「マンションB」は、駅からの距離が若干遠いのでマイナス5ポイント、方位は真南なのでプラス5ポイント、梁の多い間取りなのでマイナス5ポイントというように、比較しながらポイント計算をして価格を決めていきます」(カエルホームズ 木津雄二さん。以下同)

ちなみに、原価法とは、物件を取り壊して同じ建物をもう一度建てた場合の価格から、築年数に応じた減価修正をして価格を決める方法です。収益還元法とは、賃貸に出した場合の利回り等を考慮して価格を決める方法です。

不動産のイメージ
中古物件の価格は、周辺の成約事例と諸条件を比較する「取引事例比較法」で決めるケースが一般的です(図面提供/PIXTA)

価格はさまざまな条件と要因で変動する

取引事例比較法で価格を決める場合、さまざまな条件や要因があります。下記は、価格が左右される条件・要因の一例です。

【条件】
●駅からの距離
●建物や部屋の方位
●集合住宅の場合、部屋の階数 等

【価格がプラスになる要因】
●角部屋である
●眺望がよい
●リノベーション済である
●築年数が新しい 等

「条件と価格がプラスになる要因を勘案したうえで、不動産価格は景気や法律の改正などの影響を受けやすいため、過去の取引時からの時間経過による変動を考慮した“時点修正”を行い、決定しています」

価格をアップするために、売主ができることは?

リノベーションは築年数を目安に判断しても

価格はさまざまな要因で決まりますが、売主からすると、少しでも高い価格で売却したいと考えるでしょう。

「価格を高くしたいなら、物件を“空き家”にすることが大事です。居住中では室内の写真撮影がしづらく、不動産ポータルサイトに写真を満足に掲載できません。また、検討者が物件を見学するときに、遠慮をして室内をすみずみまで見られないこともあり、成約に結び付きにくいように感じます。まずは空き家にして室内をクリーニングしてもらい、適切な広告や内見ができるようにしましょう」

物件を空き家にしたうえで、高く売却するために出来ることの一つがリノベーションです。ただ、リノベーションは費用も手間もそれなりにかかるので、価格アップのために行うかは悩むところです。

「リノベーションする・しないの判断は、築年数を目安にするとよいでしょう。築15年程度で設備があまり古くない場合は、壁クロスの張り替えなど簡易的なリフォームを行うと高く売却できる可能性が高まります。一方、築40年程度で一度もリフォームしていない場合は、購入者にリノベーションをしてもらう前提で売却したほうがよいかもしれません」

ホームステージングで印象アップ

最近は、売却する住宅の室内を家具や小物などで飾り、見栄えを良くするホームステージングを行うケースが増えています。

「不動産ポータルで物件探しをする人が多いので、サイトに掲載されている室内写真の印象はとても重要です。大手不動産会社では、写真撮影時にホームステージングをオプションで提供していたり、売主が直接ホームステージング専門会社に依頼したりすることもあるようです」

ホームステージングをされた物件は写真の印象に残りやすくなるうえ、室内に家具や小物があると暮らしのイメージをもちやすくなるメリットもあるため、物件の価値を高めるのに効果的な手法といえるでしょう。

リノベーション ホームステージング 施工例のイメージ写真
ホームステージングで家具や小物が配されると、室内の広さのイメージも持ちやすくなります(画像提供/PIXTA)

中古住宅の相場を知る方法は?

不動産ポータルサイトや市況データを参考にする

中古住宅を探すときに、自分たちが住みたいエリアや欲しい物件タイプの“相場”を知ることは大切です。相場を知る方法としては、不動産ポータルサイトで条件を入力して検索したり、市況データをチェックしたりする方法があります。

主要都市圏別中古一戸建て平均価格 半年ごとの推移
東京カンテイのプレスリリース「主要都市圏・主要都市別/中古木造一戸建て住宅平均価格 月別推移」。一戸建住宅の平均価格推移から“相場”が分かります(データ提供/東京カンテイ)

相場よりも安い物件は理由を説明してもらおう

相場を把握した後に不動産ポータルサイトで物件を探していると、あきらかに相場よりも安い物件を見つけることがあります。

「相場よりも安い物件には必ず理由があります。最も多いのは、購入時に諸事情により住宅ローンが使えないケースです。例えば、再建築不可である、接道条件が建築基準法に適合していない、築年数が古すぎて担保評価が出ない、借地権付きで権利関係が複雑、などでしょうか。ローンの利用が難しい場合もありますが、キャッシュで購入することはもちろん可能です。

また、部屋や敷地の中で自殺や他殺、事故死などが発生した心理的瑕疵がある物件も、相場より安く販売されているケースがあります。気にされない方は購入を検討するのもよいかもしれません」

価格の交渉はタイミング次第

この中古住宅を購入したいけど、予算オーバーしているからもう少しだけ価格を下げてもらいたい……。このような理由で価格交渉はできるのでしょうか。

「価格は、取引事例法で算出し、売主の希望を聞いたうえで決めています。基本的には、その価格で購入するかどうか検討してください。

ただ、売主の状況によって交渉は可能です。売却を急いでいる場合や、引き渡し時期を売主の希望に合わせられる場合など、タイミングが合えば交渉は成立するかもしれません。とはいえ、春先など人の移動が多い時期や、人気エリアにある物件は購入検討者が多いため、価格交渉する人は優先度が下がることもあります」

若い夫婦と不動産会社の営業担当者のイメージ写真
価格の交渉は、不動産会社の営業担当者とよく相談してからお願いしましょう(画像提供/PIXTA)

中古住宅の購入時に確認しておくべきことは?

物件の管理情報をチェックする

気に入った中古住宅を見つけたとき、購入前に確認すべきポイントはどのようなことでしょうか。

「物件がマンションの場合、まずは不動産仲介会社に依頼して、物件の管理会社(または管理組合)から『管理に関わる重要事項調査報告書』を取り寄せましょう。この報告書には、これまでの大規模修繕の履歴や今後の修繕計画、修繕積立金などの情報がまとめられています。

マンションは築年数が進むにつれて外壁や共用部分の修繕工事が必要になりますが、積立金が足りないと工事ができなかったり、費用補填のために修繕積立金を大幅に値上げしたりするケースがあります。特に、修繕積立金は今の金額の把握も大事ですが、築年数とともに値上げすることが多いので、今後の見通しについてもチェックしておきたいですね。

この報告書の内容は一見しただけではかなり分かりにくいのですが、とても大事なことなので、不明点は遠慮なく不動産仲介会社に質問するとよいでしょう」

周辺環境は昼夜とも足を運んで確認したい

日々の暮らしやすさや安全面は、物件の周辺環境によって大きく変わります。最寄駅から物件までの間に、どのような商業施設や病院があるのか必ず確認しておきましょう。自動車ではなく歩いてまわるほうが、街の雰囲気も感じられてオススメです。

「物件を見学するのは昼間が多いのですが、安全面を確認するためには、夕方から夜の時間帯も現地に足を運びたいですね。駅前や通勤・通学路の雰囲気はどんな感じか、人通りは多いか、街灯はあるかなどをチェックしましょう」

物件状況報告書と付帯設備表の作成を頼もう

中古住宅の購入時には「売買契約書」と「重要事項説明書」が必須で、任意で「物件状況報告書」と「付帯設備表」が用意されます。

「物件状況報告書とは、シロアリ、雨漏り、給排水管の不具合など、表面上は分かりにくい瑕疵について、売主が知っている状況が記載された書類です。付帯設備表とは、物件に備えられている設備の有無や故障などの情報が記載された書類になります。

この2つの書類は、物件購入時に、売主と買主が双方で情報を共有するために作成されます。購入後に瑕疵や不具合が見つかった場合、事前に共有していた箇所なら売主に責任はありませんが、共有されていない箇所なら、一定の期間内は売主に補修してもらえるなどのルールも記載されています。

作成は任意なのですが、売買後のトラブルを避けるために出来るだけ用意してもらい、契約時に入手しておきましょう」

住宅トラブルのイメージ写真
売買でのトラブルを防ぐためにも、売主は物件の状況を把握し、買主と共有することが大切です(画像提供/PIXTA)

基本的な知識や情報を持ち納得できる売買を

中古住宅を納得して売却・購入するためには、価格の決まり方や相場情報を知ることがとても大切です。また、購入・売却トラブルを防ぐために、売買時に物件の現状を共有することも重要になります。これから中古物件の売却・購入を検討している方は、不動産仲介会社の担当者の知識を借りながら、後悔の無いように進めましょう。

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取材・文/山南アオ
公開日 2020年05月07日
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